05/12/13 15:17:44 U5Xtuv1M0
ガードを退け倒れている少女の元に戻ったモーグリ達は、役目を終えた事を知ると
自分たちの暮らす洞穴へと帰って行った。相変わらずクポクポと賑やかな一行が
去った後の洞窟内は、驚くほど静かだった。
「モーグリ達、恩に着るぜ!」
モーグリ達が去っていった方向に叫んではみたものの、自分の声が反響するだけで
返事はなかった。
心からの礼と感謝を口にした彼の手に、ミスリルシールドや複数のポーションが握られて
いるのは、職業柄か身に付いたアビリティのお陰だと言うことにして。もっとも、この場で
それをとがめる者もなかった。
膝をついてかがみ込み、少女の様子をうかがう。まだ目覚める気配が無いことを知ると、
ロックは少女を抱え上げ、炭坑の出口へと向かった。
ロック=コール。
胸にはロマンを、両手に戦利品を持った彼は自らを「トレジャーハンター」と呼び、人は彼を
「どろぼう」と呼ぶ。
-ナルシェ援軍<終>(ff6 - 08 narcheに続く)-
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・ティナが意識を失っている間に起きるナルシェ炭坑のシミュレーションバトル。
時期的にはナルシェ編7と8の間。
・シミュレーションバトルというよりも崩壊後に取得できるアイテムの伏線(の、つもり)。
実はこの場面、後で振り返ると切ないと思うので書きたかった。
…全力は尽くしたので反省はしていない。お読み下さった方、ありがとうございました。