FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2at FF
FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜の2 - 暇つぶし2ch15:5 ジンの呪い
05/09/01 16:08:31 6Z6Tkiuu
むかしの王スレイマーンの時代、ジンは名高い悪魔の首領サフルとつるんで、
国中で悪事をはたらいた。
捕えられ王の前に引き据えられたとき、あの忌々しい指輪を突きつけて、王は言った。
「お前は洞窟に封じられ、眠らされろ。百年、千年、未来永劫に!」
王の死後も、命令は撤回されなかった。ジンは眠りながら待った。

百年の時をジンは待った。
眠りながら思う。おれをここから出してくれる者がいたら、そいつを大金持ちにしてやろう。
黄金と宝石、一生なんでも買える財産だ。
しかし百年が過ぎても、誰も現れなかった。

百年の時をジンは待った。
眠りながら思う。おれをここから出してくれる者がいたら、三つの願いを叶えてやろう。
永遠の命でも宇宙の知識でも、なんでもだ。
しかし百年が過ぎても、誰も現れなかった。

百年の時をジンは待った。
眠りながら思う。おれをここから出してくれる者がいたら、そいつを殺してやろう。
ただし、死に方だけは選ばせてやる。
しかし百年が過ぎても、誰も現れなかった。

さらに百年をジンは待った。ジンは思う。
おれをここから出してくれる者がいたら、死ぬより辛い目を見せてやる。
生きながら死ぬ、亡霊の思いを教えてやる。
そのとき大地が揺れ、封印は解かれた。湧き上がる闇のエナジー。
ジンは初めて溌剌と、高らかに呪いの声を上げた。



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