05/07/17 03:27:57 TSzKw0V9
違っていたら訂正よろです。
千一夜スレは収集スレですね。
基本的に各スレに散らばる文章を保管するのが目的です。
しかし文章の投稿は昔から受け付けていたはずです。
文章の保管は時間が掛かる上に、処理はサイトの方でやって居るので保守になりがちです。
ですから文章の投稿はスレの糧になるので大歓迎となります。ただ、その性質から短編・中編は別として長編はスレの性質に合わないかもしれません。
また千一夜スレの保管の基準はそれなりに厳格なのでここに投稿しても保管されない可能性があります。それを頭に入れて投稿した方が良いと思います。
逆にいえば保管対象になるような文ならば必ず保管人の目に止まるのであえて投稿するのもありです。
人の目には止まり辛いので批評やアドバイスを事前に求めて投下した方が使いやすいかもしれません。
小説スレはドラクエの小説ならば特に制限はないはずです(パクリや18禁などの当然のことは別として)。
固定の住人や長編の固定読み手もいるはずなので千一夜に投稿するよりも人目につくと思います。
ただ、基本的に内容に合う各スレに投下するスタイルが確立されているので(まあ当たり前)、住民の目を引けなければ反応が薄いかもしれません。
千一夜スレはスレタイで分からないFFDQSS総合スレといった面もあると思います。
使い分けは出来ると思いますが、無理に制限をつけて使い分ける必要もないと思います。
79:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 03:29:09 TSzKw0V9
なお、千一夜の保管をラトームさんがいない間代わる案ですが、やられる方がいるならば案自体には賛成です。
別サイトを作るのも既存のサイトでやるのもよいと思います。
しかし千一夜は保管基準が厳しかったりするので、正式に引き継がないのであれば保管(仮)で留めて置いた方がいいかもしれません。
なんでも保管対象にすると色々と問題が出てくると思います。多分。
保管基準は正式な管理人+保管人の感性にも左右されますからね。
(仮)にすれば、ラトームさん復帰後、あるいは正式に引継ぎが決まったあとに改めて本保管にするか決めれるからです。
ただ、その場合、苦労の多い保管準備をしたのに保管されない作品が出てくる可能性もあります。
これは保管人としてはやってられない話だと思います。もちろんそれこそ別サイトに仮保管のまま残しておくのも手なのですが。
で、保管基準の内容的質は別として、保管準備が大変でもっと負担を軽くすべきだという話は何度か出ていました。
特にスレを一つ読み上げるのが大変だと聞きます。
今の機会に保管準備の方法を変えるのもこれまた一つの手です。負担が軽くなれば保管人も増えるかもしれません。
この話はあまり重心には残さない程度に耳に入れてくださると助かります。では。
80:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 03:51:53 TSzKw0V9
あああ。すみません。小説スレッドですが普段使ってなかったので間違っていました。
過去ログの1によると
これは連作短編ゲームブック方式の小説です。書き手は固定されていませんので
いつもはROMの方も書き手になってみてください。
だそうです。
私の書いてるとあるスレが落ちたときに「ここは他のSSも歓迎だから使っていいよ」という旨の好意を受けたことがあったので
結果として使ってませんでしたが、そのイメージで勘違いしてました。
基本的にリレー形式のスレのようです。
ドラクエの小説スレッドパート2.5
URLリンク(makimo.to)スレリンク(ff板)
そういえばお題スレの方も落ちていて残念でしたが、こちらの方はしばらく眠らせておいた方が良いかもしれませんね。
81:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 04:04:23 Vt072XPk
>>80
別に小説スレに、リレーとは関係ない小説を貼っても問題はないと思うよ
実際、そういうのもいくつかあったし。
82:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 04:10:29 TSzKw0V9
ういうい。それはわかってます。
向こうのテンプレにもありましたし、自分も言われたことが有りましたから。
>>79で誤解を生みそうだったので訂正したかったのです。
それではまた。
83:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 04:11:15 TSzKw0V9
うへ>>79じゃなくて>>78だ。
駄目駄目だなあ。お休みなさい。
84:ギの人
05/07/17 12:37:07 dizhRd+P
保管作業を平行して進めちゃうと問題ありそうなら、とりあえず
関連のログだけでも収集しておくとかなり助かるのではないかなぁ。
保管しないSSや、作者から保管を拒否された分については
ログを保管する形でフォローしてきたですよ、昔は。
ある意味、ログさえあれば小説は無事なわけで、保管作業は
読みやすくしてるだけって感じ。
85:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/18 09:46:31 LzL/FKGW
>ギの人
ご助言ありがとうございます。
これは個人的な案ですが、仮まとめサイトを作るとして、
・SS投下数の多いスレ→ログ保存。できれば続き物にはレスアンカー付けて読みやすくしておく
・SS投下数の少ないスレ→見つけた人がここに貼って保存
・独自のまとめサイトを持つSSスレ→そちらのまとめサイトとリンク
というのはいかがでしょうか。
86:ギの人
05/07/18 10:16:37 42E++BmC
>85
ログ収集については、スレに張り付いている人、または●持ちの人に
協力してもらうしかないだろうなぁ。
集めたSSをどう保管するかだろうけど、したらばでも借りて、いったんは
そこに貼り付けておけば、レスアンカーで読みやすく出来るし、あまり
DAT落ちの心配もしなくて良いのでは?
レスアンカーのリンクさえあれば、1本のSSがちゃんと纏めて読める
わけだしね~。
87:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/19 15:54:17 +15XEnK5
とりあえず仮保管するにしても
期限定めて(今年中…とか)、ラトームさんが帰ってこなかったら、新しく保管庫作ったほうが良いのでは?
帰ってこないことも考えられるんだよね?
88:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/19 17:58:06 GDUAre6Z
うーん、どうしよう。
常駐しているスレでのSSにようやくケリを付けることができたので、
前にちらっと書き込んだ話をこちらに投下したいんだがどうしよう。
結論が出てからの方がいいよね。
89:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/19 19:50:39 W19xNAGi
ほ
90:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/20 01:01:19 CrHFY3xH
ヴォ
91:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:43:05 AhAm2oz/
いつもはとあるカプスレで書いている者です。
どのスレにも属さない話を思い付きましたので、こちらに投下させていただきたいと思います。
DQ8のネタばれを含みます。裏ダン未クリアの方、ご注意下さい。
保守代わりになれば幸いです。
92:黄昏のテラス
05/07/21 19:44:56 AhAm2oz/
ベルガラックの黄昏時、一人の男がレストランのテラス席に座っていた。がっちりとした体格
のいかにも格闘家といった風情の大男だったが意外に優しい目をしていて、暗くなってしまっ
たことに慌てて家路を急ぐ子供たちに
「気を付けて帰れよ」
と声をかけてやっている。すると子供たちは、暗がりに不安げな表情を見せていても
「はーい、ありがとうございます、ギャリングさん」
と安堵の表情を覗かせまた走りだす。
「待たせたな、ギャリング」
ふと、背後から声が掛かった。
「よう、王子様」
振り返りもせず男─ギャリングは答える。この男こそこの街のカジノとそれに付帯する諸々の
施設のオーナー、ギャリング氏であった。
「その呼び方は止せ。ここではただのエルトリオだ」
にやりと笑ってそう返す男は二十代前半といったところだろうか。涼やかな目許に黒に近い茶
色の髪、黒っぽい眼には悪戯な光を宿しつつもどこか高貴な雰囲気が滲み出る。すらりとした
身体は飾り気のない服で包まれていたが、黄昏の光の中でも分かる絹地の光沢が身分の高さを
物語っていた。
「王子様」と呼ばれたことも故なきことではない。この青年はベルガラック南東の大国サザン
ビークの第一王子、エルトリオであった。
「それにしてもいいのか?お前、サザンビークのお世継ぎなんだろ。よく親父殿が城から出し
てくれるもんだ」
色々と因縁めいたものがあって二人は身分を越えて友人、と言うよりは悪友のような仲であっ
た。
「構うものか。私の父も若い時に身分を隠して諸国漫遊の旅をしたらしいからな。それにカジ
ノにのめり込んで国庫に穴を空けている訳でもなし」
エルトリオはギャリングの向かいに座り、こともなげにそう言いながらワインを注文する。
93:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:45:59 AhAm2oz/
「お前みたいに節度ある楽しみ方をしてくれる客ばかりなら俺も気が楽なんだが…」
ギャリングはふと少し離れたところにあるテーブルに目を遣り顔を曇らせた。そこにはかつて
は美青年と呼ばれていただろうが、今となっては弛んだ印象の方が強い男が酒場の女を何人も
従えて座っている。男が何か言う度に嬌声が上がり、静かに飲みたい客からは眉を顰められて
いた。
「あの男…見たことあるな。どこだかの領主じゃなかったか?」
「ドニだったかな。うちのお得意さんだ」
その言い方はおや、と思う程苦々し気だった。
「…なんだ、何かあったのか」
普段は屈託のない陽気な人柄なのだが、今宵の彼は様子がおかしい。
「嫌な話を聞いちまったぜ」
吐き捨てるように言うと男から目を逸らす。
「話してみろよ、楽になるかもしれんぞ?」
「お前も嫌な気持ちになるかもしれんがな」
だがその言葉に少し調子を取り戻したのか、いつもの口調に戻ってギャリングは話し始めた。
「あの男、よくここにきてカジノで豪遊していくんだが、その金はどうやら自分の領地を担保
にして借りているらしい。負けが込むというよりはああやって女引き連れて金を使っていると
いうのが実情のようだがな。
今日もああやって遊んでいるようだが、国元で跡取りの息子が生まれたばかりなんだとよ」
「ほう。でもまあよくある話なんじゃないのか。誉められた話ではないが」
「話はここからだ。その跡取り息子の上にはさらにメイドに産ませた男の子がいて、最初はそっ
ちを跡取りにしようとしていたらしいんだが、正妻に子供ができてお払い箱さ。メイドはクビ、
子供はどこだかの修道院に放り込まれてあの男の中では一件落着なんだとよ」
「…嫌な話だな、確かに」
「それもまた嫌なクビの仕方だったらしいぜ。髪の色がどう見ても違う、金髪の自分の子がな
ぜ黒髪なんだ、本当は俺の子じゃないだろうとか今更何をと言いたくなるような言い掛かりを
つけたらしい」
「…」
ギャリングの言葉にエルトリオの顔も渋くなる。
94:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:49:07 AhAm2oz/
「何が他人の子だ。一度見たことがあるが他人の俺からみてもそっくりだったぜ。嫌味ったら
しい目許なんて特にな」
ようやくギャリングはにやりとした。
「おいおい、それは子供に可哀想だろう」
エルトリオは呆れたような声を出す。それでも内心はいつもの調子を取り戻したギャリングに
安堵していた。
「まあ、それもそうだな。
…おっ、酒が来たようだ。嫌な話は流しちまおうぜ」
「そうだな」
ちょうど運ばれてきたワインを注ぎ合い、
「勝負の女神に乾杯」
「子供たちの未来に乾杯」
とグラスを掲げ合う。
「まあなんだ、お前もいい歳の王族なんだし、結婚相手は慎重に選べってこった。色々縁談が
来ているんだろ?」
最初の盃を干し、二杯目を注ぎながらギャリングは言った。
「おいおい、止めてくれよ。それが嫌でここに逃げて来ているというのに」
エルトリオは大袈裟に身を竦めてみせる。
「下手に城にいるとすぐ見合いを兼ねた舞踏会だからな。勘弁して欲しいものだ」
「何だ、俺に会いに来てくれているんじゃないのか。お世辞でもそう言っておけよ」
わざとらしくギャリングが溜息をつく。
「ああ、悪い悪い。そんなことは言わないでも分かっていると思っていたもので。ここに来る
と城の窮屈な作法を気にせず話せるし、手加減なしで武術の手合わせができるので嬉しいよ」
「まったく王族っていうのも窮屈な生き物だなあ。どうだ、王子辞めてうちのボディーガード
になってみないか。気に入らない結婚なんてせずにすむぞ」
にやにやとしながら言うギャリングに一つ肩を竦めてエルトリオは答えた。
「…ま、結婚が嫌なんじゃないんだけどね。子供の時から『王族の義務』を叩き込まれて育っ
た訳だし。いつかは結婚しなければ、とは思っているさ」
「ほう」
「でも城に来る自称お姫様とやらは化粧は濃いは、やたらにやにや笑いしているわでどうも気
に食わない」
95:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:50:53 AhAm2oz/
「まあ、一国の王妃の座が懸かっているんだ、当人たちも必死だろうよ。愛想笑いぐらい許し
てやれ」
ギャリングに諭されながらエルトリオは形の良い唇を歪めてグラスを傾けた。
「聞いてくれよ。この前来たお姫様、心優しく全ての生き物にも愛を注ぐとかいう触れ込みだっ
たのに部屋に出た蝿を乗馬用の鞭で打ち落としていたぞ。それも私も及ばない程の腕前で」
「ぷぷっ」
「あんな細いものでよく蝿のような小さい虫を叩けるものだ。思わず尊敬しかけたけれど私の
顔を見てすぐ『嫌ですわ、蝿が怖くって』としなを作ったのには呆れたよ」
呆れたように言うエルトリオの向かいでギャリングが腹を抱えて大爆笑している。その様子が
可笑しくてエルトリオも一緒になって笑った。
漸く笑いが収まった後、ギャリングがしみじみと言った。
「…ま、そのうちちゃんとした人と知り合えるさ。俺は駄目だったがな」
「諦めることはないだろう」
「当主の証を得る時に言われていたんだが、どうも女の前に出るとびくついてしまってな。そ
ら、お前の言っていた化粧の匂いがし始めるともう駄目だ。軽々口説き文句の出るお前が羨ま
しいよ」
「あんなのは社交辞令さ。あっちも分かっているんだ。何ならちょっと練習してみるか?あそ
このお姉さん方で」
今度はエルトリオがにやにやとする番だった。視線を投げ掛けられた女たちがこちらに微笑を
返してくる。
「…止めておく。
ところで今夜は酒だけ飲んで過ごすつもりか?この前いい戦斧を手に入れたんで手合わせ願い
たいんだが」
あっさりとエルトリオの提案を断り、実に嬉しそうに手合わせを言い出すギャリングに、
「やれやれ、斧を振り上げた途端に蹌踉けても手加減しないからな!」
と言いつつも本当はいつもの様子に戻って嬉しいエルトリオであった。
※ ※ ※
96:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:51:57 AhAm2oz/
(懐かしいものだ、あれからもう二十年、いや、それ以上経つのか)
ベルガラックの黄昏時、あの時と同じレストランの同じテラス席に腰掛けてギャリングは思う。
思えば長いようであっという間の二十年であった。友人─悪友ともいう─であったエルトリオ
はあの後すぐ結婚した。ベルガラックの有力者としての立場もあって式にはもちろん参列した
が、エルトリオが一目で惚れ込んだという娘は美しく飾り気のないおおらかな性格で、「この
人ならば」とギャリングも納得したものだった。
だがしかし、それは長くは続かなかった。結婚して数ヶ月も経たないうちにサザンビーク城に
竜が現れその娘が攫われたという噂が流れた。さらにその後すぐに「エルトリオ失踪」の報が
届いたのである。ギャリングは仰天してすぐに人を使って探索させたものの、それ以来友人の
姿を見た者は誰もいない。
(なあエルトリオ、知っているか?あれからお前の親父さん、亡くなったんだぞ。それで弟さ
んが後を継いだそうだ。最後までお前の行方を気にしていたって聞いたぞ)
あの時と同じ産地のワイン。けれどもあの時の友はいない。
(結局俺は結婚はしなかったけどな、子供ができたよ。それも二人。気の毒にも教会の前に捨
てられていた子供たちなんだ。可愛いものだな、子供というものは。
お前はウィニアさんを取り戻してどこかで幸せに暮らしているのかな。子供もいるんだろうか)
ギャリングの頭には白い物が混じり始めている。けれども思い出の中のエルトリオは若いまま
だった。
(最近魔物が暴れるようになって街の警備も大変だよ。お前程の使い手がおればいいのになあ)
記憶の中でエルトリオが屈託のない笑顔を見せる。
(何を言う、お前が一番強いだろ。警備する奴よりされる奴の方が強いなんて笑い話にしかな
らんだろうが)
「どこでどうしているんだかな」
つい、口から言葉として洩れてしまったようだった。
ギャリングは一つ、溜息を吐いてウェイターにチップを弾むと、屋敷へと帰って行った。
ベルガラックの黄昏時、ひっそりと闇に紛れるようにギャリングを見つめる道化師がいたこと
に気付いた者はまだ誰もいない。
(終)
97:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:54:41 AhAm2oz/
長々とお邪魔しました。
主要な二人の関係が捏造なのをお許しください(数字要素は全くありません)。
98:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 20:48:36 SFFyoCbr
>91
乙彼です!久しぶりにええSS読ませていただきました。
若い頃のパパン二人のやりとり(さりげなくククールパパンw)、
昔を懐かしむ年老いたギャリングの独白がGJです。
>あの時と同じ産地のワイン。けれどもあの時の友はいない。
この下りがグッときました。
この二人、本当にこういう関係でも違和感ないですね。
でもこの後ギャリングは…うう。
99:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 22:04:12 AhAm2oz/
>98
感想どうもありがとうございました。
プレイしていないと分からない話ですみません。ククパパ(とマルチェロ)も敢えて説明なしだし。
おまけに主人公が彼らの消息を聞く時にはもう…
ベルガラックは色々な街の有力者が娯楽しに集っているようなのでこんな話を思い付きますた。
100:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 22:30:46 v0zH1yet
>>99
乙です。
ウルっと来ました。こんなドラマがあったかもしれんと本気で思ったよ。
ギャリングはゲームの中では名前しか出てこないに等しかったけど、
ちゃんと登場していたらいい味のキャラだったろうなぁ。
101:99
05/07/22 21:09:20 tEjkjls2
>100
カジノ兄妹イベントのラストでギャリング氏の肖像画がにっこりするシーンが好きなんですよね。
街の人たちからも気さくな人柄を窺わせる話が多く聞けるし。
喜んでいただけたのならこちらとしてもうれしいです。
102:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/24 01:57:05 a0Qc/Suv
ドラクエの小説スレ、あれだけほしいとほざきながら
立ったら立ったで閑散としているとはアフォらしいな。
もしスレが落ちたらもう二度とスレを立てる必要はないんじゃない?
103:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/24 22:13:17 0qVtg6Ej
そこまで言う必要はないけど、立てて欲しかった人は頑張った方がいいかもね。
頑張る人がいなければスレは機能しなくなっちゃう。
一度くらい書いてみたいけど、過去スレを読む時間、書く時間がない。
お題スレも同上。
正確には時間がないというよりも、他のことに時間使いたい状況です。
立てた方々は頑張れ~。案外書き込みはなくとも人は観てるものだから。
104:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 02:19:35 idECcBgM
FFをDQを会わせたパロディでも投下Okでしょうか?
しかもちょっと長くなりそうなのですが・・・
一気には無理なので、ちょこちょこ投下する形になると思います
105:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 06:35:23 5RzcKfCA
全然OK
間が空く時は
1:名前欄にタイトル及びトリップをつける
2:前回のレス番にアンカーをつける
3:エロやその他18禁はやめてね
106:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 18:33:18 RzseVJtK
ぬるほ
107:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 22:19:23 5r2u54UT
千一夜は3:については口を出さないべきかと
108:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 22:25:09 murbRTO/
千一夜サイトそのものはOKだが
千一夜スレのある板では問題がある
ってことだろ
109:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 22:52:06 5r2u54UT
それは分かるんだけどスレとしては明確にせず黙(ry
110:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 23:31:48 4loWlwYx
一応夏だからってことじゃないのか?
111:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 23:44:00 5r2u54UT
なるほど。つか姿勢としては一応禁止くらいにした方がいいのかもしれんね。
削除以来出されたら洒落にならないっすわ。
112:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/26 02:01:24 Zov0AlYn
霧の大陸の南東に位置する、巨大機械都市リンドブルム王国。
その内の劇場街と呼ばれる一角に、盗賊団タンタラスのアジトはある。
「…… ダガーじゃないよな?」
そろそろ昼にさしかかろうかという頃、ジタン・トライバルは部屋の中央にある
テーブルに足を投げ出し、自慢の尻尾で遊びながら一枚の紙を睨んでいた。
「フライヤでもない、クイナでもない、ましてやスタイナーのおっさんでもない」
どうやら手紙のようであった。
内容は短いもので、自分を何か催しに招待するといった内容である。これといって
彼に思い当たる節はなく、タンタラスのメンバーに当てた物とも思えない。
そもそもレースって何なんだ? リンドブルムらしく飛空挺でやろうってんじゃ……
色々と思い巡らせてはみるが、何のことやらさっぱりといった状況である。
「狩猟祭でもないし……なんなんだ?」
「失礼します」
「!」
と、勢いよくドアが開いたかと思うと、見知らぬ男が姿を現した。
格好からしてリンドブルム兵士である。
「ジタン・トライバル殿ですね」
「ああ、そうだ」
「突然のことで恐縮ですが、我々と共に来て下さい」
「……なんだって?」
いよいよ状況が掴めなくなってきた。
よくわからない手紙が届いたかと思うと、今度はリンドブルム兵士に一緒に来いと
言われている。一体自分が何をしたというのか? ジタンは拒否もしないまま、腕組みを
して考え込んでしまった。
「ジタン殿」
「ちょっと待ってくれ、俺が一体何をしたんだ? この手紙もあんた達が」
「……スリプル!」
「っ! い、いきなりかよ……!!」
ジタンを耐え難い睡魔が襲い、瞼がゆっくりと閉じられていく。
虚を突いたスリプルの魔法に、ジタンはその場に倒れ込んでしまった。
113:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/26 02:14:15 Zov0AlYn
>>112
「……ジタン、ジタン」
「む……」
「ジタンってば!」
「う……ううん…… んっ?」
「! 良かった、目が覚めたのね!」
聞き覚えのある声で、ジタンは眠りから目覚めた。
徐々に開かれる視界に、さらに見覚えのある顔が飛び込んできた。
「! お前、エーコじゃないか!」
「ひっさしぶりねジタン! 元気してた? ダガーとは上手くやってる? スタイナーの
おじさんは…」
かつて冒険を共にした仲間、召還師の少女エーコであった。
「あー待った待った! まず俺に聞かせてくれ、ここはどこなんだ?」
「見たまんまよ。どこかのお城」
周囲を見回して、ジタンは唖然としてしまった。
高い天井、大理石の床、美しい調度品がさりげなく置かれた室内。ジタンがいるベッドは
天井付きである。
「エーコも別のお部屋で目が覚めてね、でね、色々探検してたらこの子に出会ったの。ほら!」
「ガウー!」
「うわっ!」
エーコが呼びかけると、エーコの後ろから少年が飛び出してきた。
人間業は思えない程高く飛び上がると、そのままジタンの上へ着地、鼻と鼻が付く程の
距離まで顔を近づけた。
緑の髪にぼろぼろの短いズボン、裸の上半身に布一枚をひっかけ、足は案の定裸足である。
「紹介するわ! ガウよ!」
「が……お前、ガウっていうのか?」
「ガウ! ガウ! お前だれだ!? だれだ!?」
「俺か? 俺はジタン、見てのとおりの色男さ」
「ジタンか! お前しっぽある! ガウと似てる!」
「は、はぁ?」
「さっ、自己紹介はそれくらいにして、さっそく探検よ! ここが一体どこなのか探らなくっちゃ!」
ガウに負けじと元気な声で、エーコは2人の手を取った。
114:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/26 14:31:01 xnRMwr0y
そうか
115:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/28 02:18:27 pQYIVzed
>>113
広々とした廊下の赤絨毯の上を、あれこれ見回しながら3人が歩いていく。
人の気配はない。聞こえるのは自分達の足音、エーコとガウの話し声、先程から
窓に吹き付けている風の音だけである。
(……風?)
ふと気になったジタンは、外の様子を見ようと窓の側まで近づいてみた。
とそこには、驚くべき光景が広がっていたのである。
「っ! おいおい、なんなんだここは!?」
「どうしたのジタン、何か見えた?」
「見えたなんてもんじゃないぜ、ここは空の……空の上だ!」
窓の外にあったのは、ただひたすら広がる青空のみであった。
陸地らしきものは全く見えず、外壁も黒々とした断崖である。建物としての面影すらない。
誰もが城だと思っていたこの空間は、どうやらとてつもなく巨大な岩山のようであった。
「なんだか、リンドブルム城みたいなところね……」
「あぁ。どうやら、俺達はとんでもないことに巻き込まれちまったらしいぜ」
そう呟いて、ジタンはふっと笑った。
116:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/28 02:23:24 pQYIVzed
>>115
とにかく前に進むしかない3人は、長い廊下を再び歩き出した。
奇妙なことに通路が分かれる場所には道標が示してあり、明らかに特定の場所へと誘っている。
罠と考えられないこともないが、ひとまずそれに従うことにした。
しばらく進んでいくと、やがて大きな扉の前に出た。
「明らかに、ここが怪しいな」
「……中から人の声も聞こえるわ! もう入るっきゃないわね!」
「おう! 入る! 入る!」
意を決し、ジタンは扉に手をかけた。
エーコとガウは後ろに下がらせ、自らは突然の襲撃に備え短剣を口に咥える。体勢を整えた
所で、一気に力を込めた。
「ふっ!」
「……!」
ギギッと重い音を響かせ、徐々に扉が開放されていく。
「ぐっ、ぐぅぅぅ……!」
「がんばってジタン! もう少し! もうすこ……」
「? どうした!? 何があっ……」
やがて完全に開かれると、中の喧噪がどっと流れ出してきた。
「……!」
大広間のような空間に、多種多様な人間と生物がひしめいている。
金髪、銀髪、黒髪、白と緑の変わった帽子をかぶった青年、赤毛ツインテールの少女、チョコボにモーグリに
ぷるぷるとした何か、けむくじゃらの怪物等々……
これにはさすがのエーコやガウも、唖然としてしまう。
117:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/30 21:45:14 /fy3/Iae
ほ
118:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/31 20:01:20 a9/bxK2e
しゅ?
119:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/31 20:57:20 vDktJuhW
即死防止保守゚+.(っ´∀`)っ゚+.゚
120:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/01 01:44:03 sxWvb4lY
>>116
と、
「おぉ~~い! ジタン! ジタンではないか~!?」
「!? この声は……スタイナーのおっさんか!」
ジタンを呼ぶ声が聞こえたと思うと、鎧をガシャガシャ鳴らしながら男が走り寄ってきた。
エーコと同じかつての仲間、騎士アデルバート・スタイナーである。
「お主、ここで一体何を…」
「お久しぶりね! スタイナーのおじさま!」
「がうー!」
「おおっ、これはエーコ殿……こちらの少年は?」
「っておっさん、感動の再会はあとあと! こりゃ一体なんなんだ!? ここにいる人達は……」
ひとまず再会を果たすと、ジタン達は互いに今までの経緯を説明した。
誘拐や突然の襲撃など様々な手段でここに連れてこられたこと、危害は一つも加えられていない
こと、ここにいる人々も同じ境遇であろうということ……
「自分も何がなにやらさっぱりである! ガーネット様もご無事であればよいが」
「もしかしたら、この中にいるかもしれないな。探して……」
『え~~~皆さん! ちょっと静かに! 今から大事な話をするんで、静かに願います!』
「? 声が……」
突然、奇妙な声が聞こえてきた。
どこからということもなく、四方八方から雑音混じりに聞こえてくる。
「姿は見えぬが声のみ聞こえる……何とも奇妙である!」
「しっ、なんか話すぜ」
『え~、この度はお忙しい所をお集まり頂きまして、ありがとうございます。なぜこのような場所に
来て頂いたかといいますと、皆さんにレースをね、やってもらいたいんですよ』
レースという言葉を聞いて、周囲がにわかに騒ぎ出した。
手紙に書かれていた言葉である。差し出し人の名前もなく、目的もわからず、ただレースに招待
するというだけの内容。
反応からして、ジタン以外の者達も同じものを受け取っているらしい。
121:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/01 01:47:02 sxWvb4lY
『無理矢理連れて来といて何言ってんだってお思いでしょうが、まあ、その通りですわ。単刀直入に
言います。……元いた所に帰りたかったら、レースに参加して下さい』
さらに、ざわつきが大きくなる。
『もう薄々気づいてると思いますけど、ここ、皆さんがいた世界とは別次元の世界ですから。どこに逃げたって
無駄です。魔法や呪文の類は一切消去させてもらってますし、脅迫しても無理です』
「……エーコ、ちょっと試してみてくれ」
「うん。ケアル!」
エーコが魔法を唱えてみるが、何も起こらない。
思わず、ジタン達は顔を見合わせてしまう。
「こっ、これは一体どうしたことなのだ!?」
「なのだ!? なのだ!? なのだ!?」
「そんなの知るかよ……ただ、この声の言うとおり物事が進んでることだけは確かだぜ」
と、再び声が話し出した。
『と、いきなり最後になりましたが、ここでレース開催を宣言して終わりたいと思います。詳しい話はまた
後で』
「ふが~~! 人をバカにしおって~~!!」
「なんなのよ! エーコ達をどうするつもり?」
周囲からも避難の声が上がるが、声の主から反応はない。
そして、
『ゴホン…… 第1回チキチキ! S・E杯飛空挺レースーーー!!』
「飛空挺ですって!?」
「ひくう……? ファルコン! ひさしぶりー!」
「まぁ、途中からそんな気はしてたけど」
そう言って、ジタンはため息をついた。
122:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/03 19:46:01 D28Oe1Gz
104◆V0Z9gQxKXc氏の登場を待つ間、今現在この板にあるSSが投下されているスレを挙げていくのはどうだろう?
少し前にも「DQ8のSSは?」という質問もあったし。
まとめてあると楽なんじゃないかな。保守代わりにもなるし。
123:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/04 01:16:51 gZ4GC283
>>121
『え~~~それではいよいよ冒険のはじまりです! 使用する挺、チーム分けとかは勝手に決めさせて
もらってますから。じゃさっそく、飛空挺ポートまで送らせてもらいますんで』
「送る…… !? うわっ!」
「きゃっ!」
話が忙しなくなってきたかと思うと、突然、ジタン達を緑色の淡い光が包み込んだ。
他の参加者達も同様に、そのままゆっくりと浮かび上がっていく。
「こ、これは一体どうした…」
「なのだ! しっかりしろ!」
「う、うるさいのである!」
「問答無用ってことね…… ダガー……」
そして……
『それじゃ皆さん、またいつか~~~』
そう言った次の瞬間、その場にいた全員の姿が消え去ってしまった。
124:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/04 02:05:47 gZ4GC283
>>123
最初に気がついたのはジタンであった。
けたたましい機械音を気にしつつ、目をこすりながらゆっくり、体を起こす。
「……飛空、挺?」
段々と視界がはっきりしてきた彼の目に飛び込んできたのは、広大な機械空間に幾つも浮かんでいる、
飛空挺の群れであった。
中央に底知れない深さの溝を挟み、両側の至る所に停泊スペースが設けられている。その光景に、
ジタンは見入ってしまった。
「すげえな、こりゃ」
「うっ…」
と、手元で何やら声が聞こえる。
ふと見ると、傍らに見知らぬ青年が倒れている。
「おい、大丈夫か!? しっかり!」
「こ、ここは?」
ジタンに抱えられ、青年はゆっくりと起きあがった。
青いターバンに同じ色のマント、白い服。後ろでに縛っている髪から見ると、どうやら旅人である。
「俺の名はジタン、あんたは?」
「僕はトンヌラ、グラン……いや、ただの旅人さ」
「ふむ。俺達がここにいるってことは、どうやら同じチームになったみたいだぜ」
「ああ。彼らも、そうみたいだね」
言われて、ジタンは周囲に目をやった。
巨大な雪男、モーグリ、四つ足の機械、反液体状のスライム、赤い頭巾の少女に緑の髪の少女……
皆目が覚めたらしく、むくりと体を起こし始めた。
と、
「気づいたみたいだなァ」
「!」
甲高い声と共に、黒い肌の「何か」が空中に出現した。
125:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/06 19:30:09 5NPNkEPI
(・∀・)
126:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/07 00:45:07 kX7/n7Dv
ニヤニヤスンナ(・∀・)
127:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/07 02:53:52 8nNINULb
子供ほどの大きさのそれは、肌と同じ黒い布きれを身にまとい、赤く灯った瞳でこちらを見つめている。
その表情はうかがい知ることはできない。
「僕は、君らの案内役をつとめるクムクムさ。よろし…」
「うがー!!」
「ピキィッ!?」
「ぶっ!」
言い終わらないうちに、後ろから凄まじいスピードでスライムが飛んできたかと思うと、鈍い音を立てて
クムクムの顔面に命中した。
ジタンが振り向くと、腕を振り切った姿勢で雪男が立っている。クムクムはその場に落ち、スライムは
上手くトンヌラの懐に収まった。
「な、なかなかの歓迎じゃないか……ぐふっ」
「だ、大丈夫かい?」
「なんとかね……まずは点呼を行う。その前に」
「ウ? ウゥ……」
赤い瞳が怪しく光ったと思うと、雪男はその場に倒れ込んでしまった。
やがて聞こえてきた大きなイビキも気にせず、クムクムは懐から紙切れを取り出した。
「えーと、ジタン、トンヌラ、ウーマロ、モグ、ロビン、はぐりん、ルナ、リディア……こりゃまた、
動物園って感じだねぇ」
「大きなお世話だよ」
「嫌なら他のチームに寝返るんだね。次に、ルールその他諸々を説明する。ちゃんと聞くんだよ」
やれやれ、といったジタンを尻目に、さらに続ける。
128:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/07 02:57:45 8nNINULb
>>127
「ルールは簡単さ。各チームに用意された飛空挺で、ゴールゲートをくぐればいい。1位とか2位とか
順位付けも無いし、完走さえすれば元いた世界に帰れる。簡単だろ?」
「本当かい? 本当に、元の世界に……」
「なら信じなければ?……完走するためにはこいつを5枚、集めてもらう」
口を挟むトンヌラに言い返しながら、黒いその手の平が光った。
見れば、小さな金貨のようなものが輝いている。
「君はご存じだよね? そう、小さなメダルさ。こいつを5枚集めることで、ゴールがどこにあるか
わかるって仕組み。……地面に埋まってるなんてことはないから、安心していいよ」
「宝探しね……なら、オレの出番かな?」
「ただし! 残念なことに、ゲートをくぐれる飛空挺の数は決まっていてね? おそらく、下位の
チームはゴールすることができないはずさ」
「……!」
「次に禁止事項だが……飛空挺を破棄もしくは廃棄すること、レースを棄権すること。これだけ
守ってくれれば、あとは他を潰そうが味方を裏切ろうが好きにして構わない……って」
zzz…… zzz……
思わず、クムクムの話が止まった。
ふと見てみると、ジタンとトンヌラ以外のメンバーが皆、寝息を立てて眠っている。
「……飽きちまったみたいだな」
「……」
「所でさ、その大事な飛空挺ってのは、どうやって操縦すりゃいいんだ? それだけ……」
「……」
「!? おい!? ちょっ、おーーーい!」
しばらく黙った後、クムクムはそっと消え去ってしまった。
129:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/08 01:40:45 IJmsQOdh
>>128
案内役がいなくなってから、10分後。
ようやく全員が目覚めた所で、ジタン達はひとまず自己紹介を始めていた。そこに浮かんで?いる
飛空艇も気になるが、まずは仲間である。
「さて、と。じゃあ次、こっちから順番に頼むぜ!」
発案したのはジタンらしい。得意気に名乗った後、隣のトンヌラの肩を叩いた。
「僕の名前はトンヌラ、旅の魔物使いをしています」
「ロビンと申しまス。トンヌラ様の仲間をさせて頂いておりまス」
「ボッ、ボクもそうで……はぐりんです……悪いはぐれメタルじゃないです」
「リディアよ。みんなよろしくね!」
「モグだクポ!」
「ウ、ウーマロ……モグ親分の子分、してる」
「故国ムーンブルグの王女、ルナと申します。……えっと……よ、よろしくお願い致します」
ルナの自己紹介が終わると、再びジタンが立ち上がった。
「よっしゃ! これからこのメンバーで冒険の旅に出るわけだが、みんな仲良く……」
「こりゃー!」
「いっ!?」
ジタンが場を締めようとしたところで、飛空艇の方から大声が響いた。
歳のいった声である。やがてドタドタと足音がしたかと思うと、入り口から油まみれの男が飛び出してきた。
「なっ、なんだぁ!? 変なじいさんが!」
「仲間を差し置いて自己紹介とは何事じゃ! まったく!」
胸まで届くひげ面に派手な青の飛行帽をかぶり、ゴーグルの中の目が鋭く光っている。
130:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/08 01:43:23 IJmsQOdh
……なんだか自分しか書き込んでないのですが……
このまま続けてもいいんでしょうか?
131:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/08 02:08:55 SpcNoTsd
小説スレでレスがないからといって不安になってはいけない。
132:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/08 20:50:40 b10bHGrp
>>129
「! シドのおじいちゃん!? おじいちゃんなのね!」
「む? わしをおじいちゃんなどと呼ぶその声は……リディア! お前さんもこのレースに!?」
シドと呼んだその初老の男を見るやいなや、リディアが声を上げ、そのまま勢いよく抱きついていった。
「みんな紹介するわ、シドのおじちゃんよ! 前に一緒に戦った仲間で、飛空艇を扱わせたら一番なんだから」
どうやら、リディアの知り合いらしい。
先程の点呼では呼ばれていないが、ジタン達と同じ艇に乗る気のようである。
「まあ、そういうことじゃ! よろしくな!」
「本当かどうかあやしいクポ~」
「ぬぬっ、疑うのか!? この……この……白いもこもこが!」
「! もっ、もこもこって何クポ!! ボクにはモグっていう名前があるクポ!」
「お、親分いじめる、許さない!」
「……な、なんともにぎやかになってきたね」
手元のはぐりんを撫でながら、トンヌラは苦笑いを浮かべた。
133:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/08 22:01:28 BeF34AtG
便り(レス)が無いのは無事(このまま続けていいよ)の知らせ
134:辻裏のおとめ
05/08/09 16:08:55 BFRnF6JD
「そこな少年よ、そなたの歩みに迷いが見える。占いは迷いの闇を照らす光…」
完全無視して少年は歩いていった。だめか。
今日び占い稼業も楽じゃない。見台に肘ついてため息ひとつ。
夜風がさむざむと吹き抜けて、辻占の乙女を振り返る者もない。
ああ、神秘の美貌と不可思議の深い声音。なのにエンドール銀座のカリスマは遠い。
さっきの少年がもどってきた。
「なんか言いましたか」
「う、占いよ。占い。ひとつどう」
水晶玉とわたしの顔を見比べて、瞳が揺れる。いい引きだ。
この子にはどんな悩みがあるのだろう。少年は各種コースの値段表をじっと見つめた。
「じゃあ、下から二番目のコースで」
どれも内容は同じだ。オッケー釣れたぜ。
クリスタルの向こうの椅子に、すとんと少年が腰掛ける。
緑に透ける髪はさらさらで、可愛い感じの男の子だった。
「さて、お名前は」
「名前なんかどうでもいいでしょ。どうしても呼びたければ、勇者と呼んでください」
すこしカチンときた。
「では勇者くん、きみの悩みを話してください」
くん付けで呼ばれてむっとした顔。でも、ぼつぼつと話し始めた。
過酷な環境だったらしい。ある日、両親に自分は実の子でないと知らされた。
村のごたごたに巻き込まれて、両親は彼を置いて蒸発した。
幼馴染の女の子は変わり身してしまうし、家は焼かれて居場所もなくなってしまった。
ひとり村を逃げ出したものの、行き先に迷ってるわけか。これだけ材料があれば楽勝だ。
覗き込んだ水晶玉が光っていた。
「七つの光が見えます…。まさか、あなたは勇者さま!」
「さっきからそう言ってますが」
135:ブルジョワジーの密かな愉しみ
05/08/09 16:10:23 BFRnF6JD
きらきらと縦横にめぐる水路に、ゆったりと小舟が行き交うさまをみる。
水の都はスタンシアラ。ある日、国王は憂鬱になった。
「私はなぜ生きているのか」
「私はなぜ私なのか」
こうして一日中玉座に座っていると、根拠のない想念が次々と湧き起こってくる。
奇怪であり、やがて狂おしくなってきた。
そう、今となっては、何もかも色あせて見える。
王は政務を放り出し、遊興に耽るようになった。それが楽しいからではない。
都に放火して酒の肴にしたという、古代の皇帝にも習うところがある。
王は城の水路を酒で満たし、黄金のゴンドラの上で退廃した宴を開いた。
莫大な財貨を投じ、王は笑いと快楽を求めた。そして、なお憂鬱であった。
当代随一というお笑い芸人が、王の前で大仰に見得を切って見せる。
「ここにおられる御方こそは、誰あろう、予言の勇者に違いありませぬ。
すべての王より尊い天空の血を引き、竜神の祝福を受けた御方。
地上にはびこる妖怪悪魔を駆逐すべく、御光臨あそばされたのでございます」
そのとき、王はにっこり微笑んだ。
ジョークが面白かったからではない。芸人の後ろにいた、緑の髪の少女が可愛かったからだ。
王家重代の秘宝『天空の兜』を少女に贈って、王は満悦した。
その夜、少女のことを思い出すと、またにんまりと笑えてきた。
136:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/11 01:42:44 M+Kbcwuz
>>132
発進準備を迎えた中型艇グレイハウンド号では、各作業が着々と行われていた。
全長約40メートル、3基の上昇用と2基の推進用大型プロペラを備えた、機動力に優れた
機体である。ただ、動力に未知のエネルギーを使用しているため、出力や安定性など不明な点は多い……
『ミド、どうだ?』
「むー……」
というのは、この艇の機関士長の言葉である。中でも中枢部に何かのエネルギーを秘めた「宝石みたいな
もの」が組み込まれているエンジンに関しては、特に不明な点が多いらしい。
『おい、聞こえてんのか??』
「むむむ~」
『あんだってぇ?』
「わかんない!」
そう言うと、機関士ミド・プレビアは両手を上げ、その場に寝ころんでしまった。
通信管からしつこく流れ落ちてくる声を聞いてか知らずか、すっかり不機嫌な顔である。
『てめぇ、わかんないって言いぐさはなんだ!? 仮にもこの船の機関士長だろうがよ!』
「機関士長って、そんなの主催者側に勝手に決められただけだもん! ……同じ名前のクセに、
おじいちゃんとは大違いなんだから……」
「まぁまぁ…… ハイウィンドさん、ひとまずコレのことは忘れましょう」
「チャモロの言うとおり! 悩むな、悩むな。心配するのは年取った証拠って言うよ?」
「~~~!」
137:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/11 01:44:55 M+Kbcwuz
>>136
エンジン室から聞こえる少年達の声を聞きながら、艇長シド・ハイウィンドはため息を吐いた。
機関士長であるミドとアーヴァイン・キニアス、そしてチャモロという3人の少年には、
それぞれの性格は違いこそすれどうも調子を外される気がする。
「でも、退屈はしなくて済みそうじゃない?」
と、そのやりとりを笑いながら聞いていたアリーナが、微笑みながら言った。
「そうだろうな、退屈なんざするヒマもねぇだろうさ」
「ええ……孤独よりマシよ」
赤い巻き毛を手でさぐりながら、ふと呟く。
そんな時であった。
『艇長! 今すぐ上に来てみな!』
「おぅ! どした?」
『隣の飛空艇がさ、なんだか動くみたいなんだ! なんてゆーか、ヘンテコな形の飛空艇……』
2人の男女の声が、少し興奮した様子で甲板の様子を伝えた。
138:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/12 17:36:18 2jB7rS0Z
過疎あげ
139:書き手 ◆F/WveZadCU
05/08/14 02:12:52 Hn9yes6F
お久しぶりです。
めぐれメタルスレ落ちちゃいましたorz
470KBまで行っていたのに無念。
合宿帰宅報告でもしておけばよかった・・・。
書き込もうとしたら過去ログ行き。二時間前はなんともなかったのに。・゚・(ノД`)・゚・。
復活させるにしても2.0になるのか2.5になるのか、それすらも微妙です。
場の悪いことに明日から帰省・・・。
一週間ほど帰ります。どうするかはそれから考えます。
ごめなさい。
とりあえずここに非難させてください。
140: ◆QWzUF/wj3.
05/08/15 22:30:18 1bFZ5PEn
すごい久しぶりの書き込みで最初躊躇った・・・
ま、短く。
>>52
A・Iさん、すみません。お題スレでは感想くれたのに返事できなかった。
もう何ヶ月前のことになるやら・・・
このスレでも自分のあとに間髪入れず投下してるのに今になってレスをするような
体たらくぶりですよ、はい。
なんだかもう暑くて忙しくて・・・どうでもいいか。
とにかくその軽め(?)なストーリーと文体は健在なのでよかったです。でも時々重厚な話も
書いてますよね。
>>54
実際だれかが測ってみて一分半くらいだったらしいです。
クラウドのつっこみもやっぱり欲しかったか。
やったことないけどインター版のスーパーノヴァは凄いとか
141:あやかし
05/08/16 16:14:31 aZ+k81J5
深い森の緑に包まれて、人の目に隠れた隠れ里。
夜の丘にたつ不思議の塔は、あたかも月光にゆらめく幻のようである。
ここに妖魔の王子デスピサロ様は、黒い鳥の姿を借りて飛来された。
ぼんやりと白んだ春の月に、王子は心に染み渡るばかりに笛を遊ばし、
魔法の入り口の封印をお解きになった。
階上の部屋にひとり住まう妖精の姫は、王子の姿をご覧になり、
「まあ、デス様」
とお迎えなさった。
「今日は魔界王子ではなく、ひとりの男として参りました。
ただピサロ、とお呼びください」
ところが姫は、花のかんばせをにわかに曇らせ、困惑したご様子になられた。
「いつもお着けになっている、あの仮面はどうされたのですか。
黒羽をあしらった黒金の細工、泣きぬれたような宝石の仮面は」
王子は言葉を尽してお慰めなさったが、姫はただ首を振り、むやみに怯えたご様子なので、
なすすべもなく手をつかねて、ただ呆然となさる。
妖精の姫の目にあふれ、こぼれた涙は、落ちてきらめく宝石になった。
そうこうするうちに、緑の甲冑の宿直騎士が戸の前に参り来て、
「もう夜も更けました。姫様にはご就寝の時間でございます」
と告げたので、王子は、
「これはもう、なんともはや」
とその夜はお帰りになられたのも、あわれに優雅なことであった。
142:伝統
05/08/16 16:15:15 aZ+k81J5
新しい太陽がアリアハン国を照らす。少女の十六歳の誕生日の朝であった。
「わたしの可愛い勇者さん、起きなさい」
ベッドを覗き込んだ母親は、娘の頬を指でつついた。柔らかくくぼんだ。
「んー」
「今日はお城に行く日でしょ」
少女は飛び起きた。「いけない、遅刻しちゃう!」
とんとんと階段を降りてきた少女は、真新しい制服を母に披露した。
「どう? どこか変じゃない?」
今日の日のためにあつらえた、伝統の勇者の衣装はミニスカ。
半袖の肩から胸にベルトを渡し、これにかばんと剣を提げる。
くるりと回るとふわり広がる、薄手のマントはブルー、好きな色。
すこし癖っけな黒髪を、額で留める冠は勇者のあかし。
「似合ってる。似合ってる」
おかしそうな母の笑顔に不安になる。棚の上の写真をちらりと見上げた。
どう、パパ?
写真の隣に置いた時計は八時二十分だった。少女はぎょっとした。
テーブルをかっさらって玄関に飛び出した。母の声が後を追う。
「ごはんはー?」
「時間ないから!」
行ってきますの声も慌しく、少女は城への坂道を、食パンをくわえて駆けていった。
143:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/18 07:40:24 vKAkPFyl
何この萌え小説w
144:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/18 23:21:24 hhZIsuWH
ところでラトーム氏は本当にどこへ行ってしまったんだろう。
今年の3月末のよろず相談所への書き込みが最後のような気がする。
誰か消息を聞いていませんか?特に保管人の方々。
145:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/20 08:24:10 mLTlTYzm
軍人というものは、多かれ少なかれ何を着ていても軍人然とした雰囲気を隠せないもの
だ。以前、近衛隊の上官の私服姿を見かけたことがあるが、あれは何とも言えないものだ
った。サー、制服をどこにお忘れになったのですか?…今はまだ笑っていられるが、ぼく
だってあと十年もすればあの上官とおなじ、軍服しかしっくりこないタイプの人間になる
のかもしれない。ぞっとしない話だ。
ところがその酒場にいた彼にはそういった様子が微塵も感じられなかった。なるほど騎
士団の洒落た赤の制服を粋に着こなしてはいるのだが、彼の気配はあまりにも貴族的だっ
た。要するに軍服を着ていてさえも軍人に見えないのだ。古風な仕立ての錦の三揃えを着
て、詩篇を引用した訳のわからないジョークで上品に笑う、彼にはそういった世界の方が
よほど似合っているように見えた(だから後になって、彼が没落貴族の出身だと聞いても
ぼくはあまり驚かなかった)。
彼に会った時、彼の部隊の連中はさぞかし手を焼いていることだろうとぼくは内心苦笑
した。綺麗すぎる男というのは当人の意思に関わらず問題を起こしやすいものだし、何よ
り彼の空気は根本的なところで軍人連中とは馴染まない。例えば上官をネタにしたお決ま
りの下品な小話で仲間と一斉に馬鹿笑いをする、そんな彼を誰が想像できるだろう。言っ
ておくが、軍事組織においてもっとも重要なのは協調性なんだ。
実際付き合いが長くなってみると、彼は見かけほどなよやかな男ではなかったにせよ、
幼稚なまでの無邪気さと、目に見えないもの手に入らないものを恋慕う屈折したナイーブ
さ、彼のそういった多面性はまさしくある種の貴族性の本質を体現していた。華やかさの
裏の暗い影、情熱と諦念、相反するそれらを共存させて感じやすい心を絶えず揺らす。そ
ういう生き方はぼくのような単純、よく言えば現実的な庶民精神の埒外のものだ。
しかもこの美人の騎士殿ときたらカードの仕込みまでやらかすらしい。当時、彼のあか
らさまなチーティングのせいで起きた乱闘を眺めながら、ぼくは彼の同僚にますます同情
していた。こんな問題児と上手くやっていくのはさぞかし大変だろう。ぼくなら三日で胃
に穴が開くに違いないと思ったからだ。
146:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/21 01:45:40 Fracpwxs
>>141
おー、平安物語調ですね。ロマンチックだー!
文体を自在に変えられるって憧れます。
147:僕らの勇気
05/08/22 15:15:53 37/iqvHU
むかしローレシアのモョモト王子は、魔法で織られた絹のつばさ、
『風のマント』を身にまとい、塔の頂から飛び立った。
眼下に荒れ狂う海峡は、竜のあぎとの名のごとく、
すべてを飲み込む貪欲な渦、行き交う船も絶えてない。
ドラゴンの角の一方から他へ、モョモト王子は空を飛ぶ、
不撓不屈の勇気を胸に。
モョモト王子は空を飛ぶ。
愛と勇気は友だちさ、でも一人じゃない。
右手にサマルトリアのトンヌラ王子、
左手にムーンブルクの犬姫をつなぎ、
海上を三人でグライディン。
「すばらしく気持ちがいい」
とトンヌラ王子。
「勇者がトべるって本当だな」
「やみつきになりそう」
と犬姫。
「船なんかいらないわ。もっともっと」
あまり二人がはしゃぐので、モョモト王子も男気を出した。
海峡を越えてさらに飛ぶ、目指すルプガナがみるみる近づく。
ところが不思議な魔法のつばさ、『風のマント』も限界だった。
あまり長時間展開していると、太陽熱で溶けてしまう。
「なんかやばいぞ。失速してないか」
「きゃー! きゃー!」
最後の力で二人を森に放り出し、モョモトの翼は空中分解した。
つばさ奪われモョモトは、
落ちて命を失った。いや、危うく死ぬところだった。
148:野生児
05/08/22 15:16:37 37/iqvHU
がうがう、おれガウ。獣ヶ原のいっぴき野生児。
今日も野生してるよ。
おいしい匂いや、すてきな香りを追いかけて、まいにち夏の獣ヶ原を走る。
今日は、特別ふしぎな匂いを探してた。すごいお昼にありつけるかもしれない。
もうずっと近いんだ。期待して藪をくぐったとき、すぐそばで声がした。
「なに?」
「なにかいるみたい」
女の人の声。
がさがさ、わざと藪を揺らして、顔を出してみた。きゃーっと歓声。
「かわいーい!」
浅い芝の上にマットを敷いて、ランチとお姉さんたちが載っていた。
緑の髪のお姉さんがおれを指差す。
「あれ、野生児っていうんでしょう」
金髪のお姉さんが、ランチボックス持って、おれの方に来た。
「野生児って何を食べるのかしら」
おれに手を伸ばす。おれは待ってた。
「おいよせよ。噛みつかれるぜ」
お姉さんはびくっと手を引っ込めた。バンダナのおじさんが口を出した。
「そういう野生児にはな、エサとか、やらないほうがいいんだ」
「どうして?」
二人のお姉さんが見つめる。おじさんは言った。
「そりゃあ…野生児なのに、野性を失っちまうだろ」
お姉さんたちは未練っぽくおれを見たけど、納得して、さわるのはやめたよ。
そう言われたら仕方ない。おれも、退散するしかないけどさ。
おれだって時々は、お姉さんたちに甘えてみたかったんだ。
藪を抜けて無茶苦茶に走りながら、おじさんの言葉、忘れたかった。
ちぇっちぇっ。おしっこ、ひっかけてやればよかった。
149:書き手 ◆F/WveZadCU
05/08/22 23:14:59 GoxX3t4t
あやうく挨拶を忘れるところでした。
復帰しました。有志の方が立ててくれたみたいです。
お邪魔しました。また遊びに来ます。
ラトームさんも戻ってこないかな・・・。
めぐれメタルの冒険 2.5 deep strangeness
スレリンク(ff板)
150:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/22 23:58:17 r2A4yw87
>>147
「むーかーしギリシャーのーイカロスはー」
ですな。なんか嵌っててワロタ
151:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/24 09:21:17 5GN7VB3i
下がりすぎてギリギリの位置だったんで一旦ageますね
152:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/24 10:21:38 G9jLrIgd
?
何がギリギリなの?
まさか最下層=dat落ちって思ってる?