FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜at FF
FF・DQ千一夜物語 第五百五十二夜 - 暇つぶし2ch2: ◆2CDckY/JG6
05/06/17 09:17:11 93bfuBVJ
【過去スレ】保管サイトの過去ログ集に格納されています。

 FF&DQ官能小説スレッド
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FF官能小説スレッド PART2
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 FF・DQ千一夜物語
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 FF・DQ千一夜物語 題185夜
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前スレ
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3:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/17 09:17:41 rP6MFxhn
             うんこ同盟
         n  人       人     n
       (ヨ (_ )    (_ )   ( E)
       / | (__)   (__)   | ヽ
       \人/( ・∀・ )/(・∀・ )ヽ/ 人
   _n   (_ )u     /     uu) (_ )
  ( l  (__)     ∧     /  (__)
   \ \ (・∀・ )            ( ・∀・)      n
    ヽ___ ̄ ̄  ).  うんこ信者     ̄     \    ( E)
      /    /      募集!!     フ     /ヽ ヽ_//


4:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/17 12:14:57 2TF7Fw38
4村けん

5:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/17 15:13:26 fL0OZGRc
いいことを教えてやろう。
こんなスレを立ててくれたんだからな。
スペイン語で数字の「5」のことを「Cinco」って言うんだ。
OK、あぁ、わかってる。
お前のことだからとりあえずチンコを連想しただろ?
読み方をカタカナで表すとシンコって感じなんだが、
まぁ、今はそんなことどうだっていいんだ。
いいか、よく聞け。
これからは2ゲットの時代じゃなく、5に Cinco って書くことが流行る。
そう、5に合わせてただ Cinco とだけ書くんだ。
読み方のわからない厨房はチンコを連想するだろ?
まさにそれが狙いなんだ。
頭のいいお前には「5」ってことがわかるが、厨房には「チンコ」だ。
わかるか?それがお前と厨房の差なんだ

6:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/17 15:51:32 GyEp7/VT
Cinco

7:アルミラージ斉藤 ◆nVUuKCCk76
05/06/17 15:55:24 RUyrtA81
お疲れです

8:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/17 16:14:18 b0hRPULq
乙でございます!


9:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/17 23:30:46 VLVj+aEB
即死回避お手伝い

10:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/18 23:28:54 ZTAtfpC6
いい作品が読めますように。保守

11:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/19 23:11:23 nJsOXgOj
1乙
何かまた落ちそうだな

12:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/21 00:46:28 NYfdteZ2
即死防止保守゚+.(っ´∀`)っ゚+.゚

13:FFV~喧嘩するほど仲が良い?~
05/06/21 10:01:10 sOvrf32t
「んだと・・・オヒメサマぶりやがって!」
「海賊に何がわかるって言うのよ!」

あ、始まった。
あの二人、仲はいいんだけどたまにああして喧嘩するんだよな・・・

きっかけはいつも食べ物や服装とか、他愛も無い事。
ひとしきり口論して、にらみ合って、そして・・・

ぱちーん!

・・・今回はファリスの平手打ちからのようだ。
「やったわねっ、このっ!」
そして取っ組み合いの大喧嘩になる。

「あら、またはじまったのね」
クルルも落ち着いたもんだ。最初の頃はおろおろしてたけど
こうなったら放っておくのが一番、ということに気付いたようだ。

「ああ・・・とりあえず、どうする?町は遠そうだし、日も落ちそうだな」
空を見上げながらクルルに問う。クルルも察したようだ。
「そうね、コテージと食事の準備、はじめよっか」
「おし」

おれとクルルで野営の準備を始める。
レナとファリスの喧嘩はまだ続いている・・・

14:FFV~喧嘩するほど仲が良い?~
05/06/21 10:40:38 sOvrf32t
空が紅みを増してきた頃に、野営の準備は整った。
食事の準備をしているクルルに振り向く。
「そっちはどうだ?」
「ん、おっけー」
完了したらしい。さて、あの二人は・・・

「はぁっ、はぁ・・・はやく、くたばっ、ちまえ・・・」
「はっ、そっち、はっ、こそっ、はっ、はっ・・・」
・・・だいぶ動きが鈍ってきたようだ・・・

「よし、んじゃ先に食べようか」
クルルも二人を見て
「んー・・・そうだね、先に食べよう」

そして本格的に空が暗くなり始めて、くつろいでいるおれとクルルの元に
レナがよろよろと近づいてきた。

『あ、レナお疲れー』
俺とクルルの声がハモる。
「はぁっ、はっ、姉さん、を、ボロ雑巾に、して、やったわ・・・」
そう言うレナの服もぼろぼろだ。
「食事、できてるよ・・・食べる元気、ある?」

まるで緊張感の無いおれとクルルに、レナの体から力が抜けているようだ。
「全く、もう、おちつて、るわね・・・」
「だって・・・ねえ?」
おれとクルルが向き合ってにが笑う。

15:FFV~喧嘩するほど仲が良い?~
05/06/21 11:35:59 sOvrf32t
なんとか食事を続けているレナを尻目に立ち上がって歩き出す。
「んじゃ、おれはファリスを運んでくるよ」
「ああ・・・うん、お願いね・・・」
後ろからレナの歯切れの悪い声がした。

見つけたファリスはまさにボロ雑巾になっていた。
背中に背負い込みながら声をかけてみる。
「よっと!おーいファリス、大丈夫か?」
「はっ・・・くっ・・・」
しかし虫の息しか返ってこない。

なんとかベッドに担ぎ込んで二人の元に戻ると、レナも食事を終えたようだ。
力なく立ち上がると「じゃあ、私先に」と、コテージの方へふらふら歩き出した。
「あ、うんおやすみ~・・・今日は私が当直の日だったよね?バッツも先に休みなよ」
後片付けをしながらクルルが言う。そうだったっけ?まあいいや。
「ああ・・・じゃ、おやすみ」

そしてベッドに潜り込む。

こういう日はたまにレナかファリスの部屋から変な声が聞こえてくる。
その翌朝はいつも以上に仲の良さそうな二人がいる。
何をしているのか、調査をしたこともあった。
その内容はとてもここに書けない事で、いつか、どこかに書き記すかもしれない。


“実はプレリュード編?”おわり

16:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/22 03:29:02 3ziSbHLA
即死回避?

17:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/22 11:09:00 rIwbcnSq
ゲームブックスレ落ちたけどどうしよう?

18:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/22 18:07:09 9JHZdMIB
DQ8はSSスレないの?

19:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/22 18:46:13 cwJbxtl3
>18
ss投下されているスレはこの辺。

ノーマルカプ
【ハニー】ククール×ゼシカ 3【……バカ!】
スレリンク(ff板)

主人公×ミーティアを応援してみるスレ part3
スレリンク(ff板)

最近は投下されてないけど前はあったスレ
【DQ8】主人公×ゼシカ萌えスレ3
スレリンク(ff板)

主人公が♀だったら、の仮定でのss
【女の子でも】ヤンガス×♀主人公【いいじゃない】
スレリンク(ff板)

完全に女体化
ククールのエッチな下着姿が見たい(*´Д`*)
スレリンク(ff板)

こんな感じかな?
他にもあったらプリーズ。

20:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/23 08:10:54 HnVKUcRc
>>19
ありがとう!DQ8はSSが保管庫に入ってないからないのかと思った
入ってないのは何か理由があるのかな

21:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/23 13:59:58 7UI8Hmzw
>20
詳しい事情はよく分からんのだが…ラトーム氏のPCが調子悪くなったのがDQ8発売前後だったような。
そして前々スレ辺りでDQ8ssスレが紹介されていたんだが特に保管するしないの議論もないままだった。
ちなみに上に揚げたスレは自前のまとめサイトあり。以前のssも読むことができる。

個人的にとっとけばよかったと思っているのが8主人公萌え燃えの前々スレ辺りに投下された話。
結構いい話だなーと思っていたのにヤオーイ者がいちゃもんつけて暴れ狂い、どこかにいってしまった。
誰か持っていたら貼ってもらえないかね。

22:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/25 04:35:46 CLCPfGB/
ほしゅ

23:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/27 01:22:17 hQ/pZVhs
ゲームブックスレが落ちてた…(´・ω・`)

24:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/28 00:51:18 cbCntLHJ



25:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/28 11:02:40 Qzaqta7/
DQ8主のカプ絡みで無いものを読みたい漏れにとって、>>21の話は凄く気になる
訳ですが…('A`)ノシ
DQ8SS統合スレとかあると嬉しいなあ…立てては駄目かな?

26:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/28 12:47:12 U9P9O5Zx
ダメじゃないけど、人が集まるかどうかは話が別。
荒らされる可能性もあるし、だったら総合でってのが結局は一番かと

27:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/28 21:19:17 b4i2acg0
そうなんだよね。
主ゼシなんて初期はものすごく繁盛していたのに今は全然SS投下されてないし。
ちなみに8主人公単品のSSはたまに主人公スレに投下されていたんだけど、いろいろいちゃもん付ける人がいて
(カプ要素ないのに主姫ハンターイとか)今は投下されてない。
まとめサイトにもあるかどうか分からん。
おまけにスレも過疎ってるw

自分もカプじゃない話はここで書こうと思っている。まだ先の話になりそうだけど。

28:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/29 00:14:41 JMjkSuHh
DQ8を最近になってようやくクリアした自分にとっては悲しい事実だな…。

29:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/29 06:11:29 WUW9s5wc
まあ・・・ここでは気軽にやってほしい。
どのようなSSも否定しないし(エロはちょっと勘弁してね)
批評する奴はともかく消えろとか攻撃してくる奴からは
住人が守って見せるから。

30:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/29 16:23:17 ru97DJjp
おー頼もしい!
んじゃいっちょ書いてみようかな?

31:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/30 09:07:56 sUaK4qY5
まあ所詮2chだから限界はあるが。
排除厨の存在を許さないのは
こういう類のスレの基本だから。

32:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/06/30 20:55:38 so7LumE2
>>25
気になったので8主人公スレのまとめサイト覗いてみた。
…やっぱりなかったよorz
ログもなかったからもう二度と日の目を見ることはないのか…

長編になりそうですが週末には何とか投下できるよう頑張るっす。

33:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/03 03:16:08 WtnW1Lzm
保守らねば

34:らむあぐ?保守
05/07/04 02:08:08 rkuSC0bO
「僕に話があるって何ですか?アグリアスさん」
「ああ、じ、じ、じ、実は……」
「実は?」
「らららラムザ、私はその、お、お前のことが……」
「僕のことが?」
「すす、好きだったんだ!」

アグリアスはリンゴのように真っ赤な顔でそう言いました。
けれどラムザの反応は、アグリアスの期待していたものと遥かに違っていました。

「ごめんなさい、アグリアスさん……僕はあなたの気持ちを受け取れない」
「何故だ!」

くわっ!と今にも剣を抜いて斬りかかりそうな勢いで、アグリアスは叫びました。
ラムザは悲しそうな表情で、寂しそうに答えました。

「だって僕、血が繋がっていないと女の人を愛せないんです。ああ、アルマ……」

アグリアスははじめ絶句し、だんだん告白したことを後悔し始め、やがてふつふつと怒りが湧いてくるのを感じました。
その時です。アグリアスの頭にあるアイデアが浮かんだのです。

「その点なら問題ない。これは宮廷でもごくわずかな者しか知らない話なのだが、私の父親はサー・オークスではない。
 ……バルバネス卿、お前のお父上だったのだ」
「ああ、アグリアスさん!いや、お姉さま!僕も愛しています!!」

ラムザはがばりとアグリアスに抱きつきました。幸福の絶頂、とは今のラムザのためにある言葉でしょう。
一方念願叶ったアグリアスはというと、幸せそうにラムザを抱き返しながらも、
「本当にこいつで良かったのか?」
と頭のかたすみで考えているのでした。

何はともあれ、念願叶ってアグリアスはラムザの恋人になりましたとさ。

35:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/04 03:17:40 SKtdTcZW
しすこんの魂、百まで

36:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/04 17:32:07 KH9aEcEs
乙。
しかしラトームさんはどうしちゃったんだろうか。
更新ないのはともかく行方不明だとどうにもならんよな。

37:ギの人
05/07/04 21:55:14 k8hpRkwE
>ラの人

もう無理かな、と思ったときは誰か後継者を探すなり、更新凍結の
告知をするなりしないと、仮に他に保管サイトしてもいいと考えてる
人が居ても、動けないと思うよ。

38:ケ道(1/3)
05/07/05 06:02:18 YSqLISmg
「ブライ殿、このパーティには致命的な弱点がある。そうは思われぬか?」
 ライアンはカップに注がれた酒を軽くあおると、隣の席に座る老爺に話しか
けた。
 ここはエンドールの酒場である。ライアンとブライはカウンター席に陣取っ
て、二人ちびちびと酒を飲んでいた。もうすでに夜も更けて久しい。もちろん、
エンドールの酒場が活気を失う時間でもなかったが、旅の疲れもあってか彼ら
の他の仲間たちはすでに各自の部屋に引き上げていた。
「はて、弱点とな?」
 酒が入っていることもあるのか、ライアンの口調は少々愚痴めいた響きを伴
っているようだ。
 サントハイム王宮付きの魔法使いは、わずかに眉をひそめた。
 彼らのパーティはかなりの大所帯だ。寄せ集めとはいえ、直接攻撃要員、攻
撃支援要員、補助・回復要員、出納係と数はそろっており、それぞれ成長の余
地は多分にあるもののバランス自体、悪くはない。
 ブライがそう指摘すると、ライアンは軽く首を振った。
「そういう事ではないのです。なんというのかこう……」
 言い淀んで、ライアンは自らのピンと伸び上がったひげの先を指先でしごい
た。
「そう。言うなれば若い者たちに向上心が足りぬのではないかと思うのです。
まあ、市井の者であれば、そういう事に心行き届かぬのも仕方あるまいと納得
もできるのですが……」

39:ケ道(2/3)
05/07/05 06:03:44 YSqLISmg
 語尾を濁してライアンがちらりとブライの方を見る。その目が王宮出のブラ
イたちに対して含むところがあると語っていた。
「ふぅむ」
 ブライは目を閉じて腕を組んだ。しばしの思案の末に口をひらく。
「それはもしかして……ケの事ではありますまいか?」
「! なんと。お気づきであられたか。さすがはブライ殿。そうです、私が憂
慮しておったのはまさにケの事」
 我が意を得たりとばかりにライアンが振り向く。
「しかし、お気づきとあらば、なおさらお訊きしたい。名だたるサントハイム
のお目付役たるブライ殿が、何ゆえご自分の事だけで良しと満足なさっておる
のか、どうして後進たる若者たちの向上心のなさをお諫めにならないのか」
 怠慢を咎めるライアンの口調に、ブライはホッホッと含み笑いで応えた。
「ブライ殿!」
「いや、失敬。あまり、ライアン殿が生真面目であるから、ついの。……やれ
やれ少々酔いがまわって箍が弛んだようじゃ」
 ブライは片手を挙げると、カウンター内の娘に水を頼んだ。
 差し出された水を含んで喉を潤すと、ブライはおもむろに口をひらいた。
「ライアン殿は剣の道に生きる戦士としては一級であるが、ケの道にかけては
まだまだお若いとしか申し上げられませぬな。……そう。言うなれば、まだま
だ黒い」

40:ケ道(3/3)
05/07/05 06:05:14 YSqLISmg
「むぅ……確かに私には、未だブライ殿のような優雅な白さはありませぬ」
「いやいや、ご自分を卑下なさる事はないじゃろう。ライアン殿の芯の通った
力強いケは、ここエンドールの大会においても上位入賞は確実。儂のように年
をとると小手先の技に頼らざるを得ないが、貴君がそんなものに頼るのはもっ
と年を重ねてからでもよかろうよ。じゃが……」
 言葉を切って向き直ったブライの瞳の底に湛えられた光の思わぬ強さに、ラ
イアンは気圧されそうになった。
「よいですかな、ライアン殿。儂とてケを立てる事にかけては一家言持ってお
る。しかし、ただ見せる事だけが道ではないのだ。秘すれば花。隠したる事に
も毛立ての良さがあると心得られよ」
 ライアンが戸惑いの表情を浮かべる。しかし、ブライと同じサントハイムの
者であるアリーナやクリフトの頭部の様子に思い至り、理解がそれを驚きへと
変じさせた。
「! では、あのお二人の帽子の中は……」
「ホホッ、お分かりになられましたかな? それではライアン殿、私はそろそ
ろ失礼いたしますぞ。明日もありますゆえな」
 言ってブライは軽くウィンクをすると、呆然とするライアンを置いて二階へ
と消えた。 取り残されたライアンは、やがて表情を取り戻すと低く笑う。
「小手先の技……か。ふむ。サントハイムの古老、やはり侮り難い」
 呟いて、ライアンはカップに残った酒を一気に飲み干した。
(了)

41:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/05 07:45:46 YSqLISmg
★ケ道
>38-40

故あって批評スレに投下した作品ですが、早々にスレが落ちてしまったのでコチラに貼らせていただきました。
保守の代わりにでもなれば幸いです。

ちなみに元ネタはDQ4。キャラの容姿を知らないと意味不明ですが、感想、批評、なんでも歓迎です。


42:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/05 19:46:25 apHlLPJO
萌えでもエロでもないSSは貴重だと思う。
この路線でまた書いてくれると嬉しいです。

43:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/07 12:49:54 A0nqgAEF
>>38-40
あちらでも読んでました。
何回も読み返してようやく分かった時はニヤニヤしちゃったよw

44:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/08 21:28:11 ZuWoZ+5u
保守

45:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/10 08:46:56 MrlsIv81
保全

46:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/10 14:54:11 NxxA8Xj6


47:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/10 22:16:43 EShj5Hpn


48: ◆QWzUF/wj3.
05/07/11 02:23:11 Qw9ei4eQ
何気なく保守ついでに



セフィロスはマテリアを拾った。
指に挟みじとりと眺め、ふいにその手と視戦を上にあげた。
マテリアとセフィロスの目が一直線に空を目指す。
曇り硝子の白濁色が寂しげな空に映りわたった。
「ナイツ……オブ、ラウンドか。円卓の騎士だな」
セフィロスは確信した。
これがあればどんな敵にも勝てる。
もはや地上にはないほどの力を得たクラウドであっても、この力を得た私を
脅かすことはできないだろう。
セフィロスはクラウドに斬りかかる十三人の騎士たちを思いうかべて
ほくそ笑んだ。
斬る斬る、次々登場する騎士たちは斬りつけ魔法を使い天地をひっくり返して
回転しながら最後に大きく振りかぶり、召喚の劇場をガラスがひび割れるような
音とともに叩き割った。
その間、およそ一分三十秒。
セフィロスはしぶい顔をした。
「強力なのはいいが、演出が長すぎる」
気の短いセフィロスはナイツオブラウンドのマテリアをほうり捨て、立ち去った。

49:25
05/07/11 16:38:39 N6ofIAtp
>>32
凄く亀レスになってしまったけど
サンクス!長編のDQ8主の話、楽しみにしてるよ!
自分も小説、書いてみたい…でも勇気がorz

50:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/11 17:19:03 UiN2/72s
勇気なんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのです。

というのは冗談で、やる気があるならやってみると(・∀・)イイヨ!
自分が書いたものって意識してるよりもずっと他人は気に留めなかったりするのです。
特に処女作なんてそんなものです。
よっぽど支離滅裂じゃなくて、投下の際に空気を読めば、無反応ということはあっても酷評ということはないですよ。

書いたあとに読み返して、推敲をして、また読み返して・・・
他人の作品に比べて酷すぎると自覚しなければ、そのままポチッとボタンを押すだけです。
勇気が要るのは投下後にスレを見るときでよね。
しかし怖くてもワクワクでも、投下さえしてしまえば気になって見に行っちゃいますよ。

凹む結果になっても気にしないことです。
凹むことなんてそこら中に落っこちているんですから、一つ増えようが二つ増えようが一緒と割り切っちゃうのがオススメです。
もしかしたら逆に小さな幸せをゲットできるかも?です。

51:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/11 20:37:18 IDpLhPvq
>>25
>>32
亀レスだけど、そのログ持ってるよ。
ここにコピペしても問題ないのかな?



52:AI ◆FURH7vTTi.
05/07/11 21:51:12 D91Jsdkm
某ゲームのようなシステムでDQをやったら……と書いてみました。

【ケルビム・プロファイル】

ついにこの時がやってきた。
聖霊ルビスが神界に復帰するのだという。
しかも、よりによって人事課とは頭の痛い。

緑光を放つ魔方陣が描かれた床。その周りを柱がまばらに囲み、
土もないのに木々が覆い茂っている。

不死鳥ラーミアは質素なドレスに身を包んだ人間の姿になると、
中心で腕組みをしている赤髪の女のもとへ参じた。

「何か御用ですか?」
とりあえず端的にいってみたが、ルビスは(・∀・)ニヤニヤと
指を上に向けるだけだった。

嫌な予感がして視界が枝をたどるように走る。すると飛び込んできたものは、
鳥かごの檻を掴んでいる少年の姿だった。

「(  Д ) ゚ ゚ レティ!」思わず叫んでしまう。なぜ、息子がここにいるのだろう。
「いや~、世界樹の花を探すのに苦労しちゃったよ。で、その分仕事してほしいんだけど」
「ど、どういうことですか?」

ルビスはその問いを空中に光の文字を描くことで返した。しかし、なんとも読みにくい字だ。

53:AI ◆FURH7vTTi.
05/07/11 21:52:38 D91Jsdkm
神族(1、2、3の世界を掌握)


対立 ・6では神族の支配が崩れ、竜族が取って代わるようになった
   ・7では邪悪な竜によって、神族が壊滅状態におかれる

竜族(4、5、8の世界を掌握)

「……というわけで天空城に攻撃を仕掛けて、マスタードラゴンを倒すことに決まったから」
「(;゚Д゚)ナ、ナンデスッテー!! 神様も了承されているのですか?」
「……も、もちろんよ。そこでね、ラーミアに地上人のスカウトをお願いしたいわけ」
「人間を戦いに巻き込むんですか?」
「そう、しかも死んだ人間の魂を使って」

ルビスの眼が真剣だったので、ラーミアは思わず後ずさりした。
聖霊にとって相手の感情を読み取ることはたやすい。
おそらく、恐怖を見透かされてしまったのだろう。
ゆっくりと近づいた彼女は、ラーミアの肩に手を乗せてきた。

「期待してる」
耳元でそう呟くとルビスは踵を返した―かと思うと首だけ振り返り、
「いい魂を送ってね。その間、レティはあたしが育てるから」と笑う。
「Σ(||゚Д゚)ヒィィィィ」冗談じゃない、とラーミアは別の恐怖を感じるのだった。

神界転送勇者候補生リスト
・2主(直接攻撃で破壊神さえ倒してしまう。しかし脳筋を制御できるかが課題)
・3主(神竜を超える竜を倒したことで神界にも名を轟かす。ただし現在行方不明)
・4主(マスタードラゴンを恨んでおり、最もくみしやすい。母親が天空城にいる点を考慮せよ)
・8主(ラーミアとは共に戦った仲。しかし竜の血が流れているので説得は困難か)

→GAME START?

54:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/11 22:48:19 R8nPU+g2
>>52-53
その分だとDQ8のマフラーつけたオッサンが、やってることオーディンの様な気がしなくもない。でもワロタ。
dat落ちしてしまったお題スレの話が面白かったです。まさか派遣ボスだったとは! 感想書く前に落ちて
しまったのでこちらに。

>>48
実際召喚すると7分ぐらい? いや取ってないから分からないんだけど。
短気なセフィロスが彼らしくて面白かったです。
(セフィロス最終形態のグランドクロス(?)、あれもナイツオブラウンド並にエフェクト長いのは文句ないのかとプレーヤー視点なクラウドのつっこみがあってもいいような)


DQ8裏ダンジョンプレイ中の身としては、激しく見てみたいです>>51

55:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/11 23:01:14 ude8QTZs
>>51
おお、ログ取ってた方いたんだ。
もう一度読みたいと思うけど、作者の人に対してどうすればいいのかな。
こういう場合いつもどうしてたの?元のスレに告知してた?

56:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 01:48:33 oyyi9LHz
ラトームさんがもう居ないなら、誰か仮まとめサイトでも作ってみんなで収集しませんか?
消えて行くのがいたたまれない。
自分も面白いなーと思ったもの、いくつかログとってあるので…HTMLの知識はないけど。

57:25
05/07/12 21:55:18 cOo2GiWG
>>50
ありが㌧!!。・゚・(ノД`)・゚・。
まさかこんなに温かいレスが貰えるとは…。本当、小説なんて本当書いた事なかったから
悩んでいたけど、でも支離滅裂じゃない話&空気を読んで投下なら、自分にも書けるかも…
やってみます!本当にありがとう。

>>51
わわわ、読んでみたい…
でも、作者の人にはどうすれば良いのだろう。元スレで告知する必要があるのかな?

仮まとめサイト作って皆で収集、という意見には私も同意です。
もう半年更新がなくて、その間書かれた話が無い、というのは勿体無いし。
DQ8とかは一番書かれたであろうに、それ自体無いのは寂しい。
ところで、「DQの周辺」
スレリンク(ff板)l50
このスレに連載されている小説も全て保管対象になるのかな?

58:51
05/07/12 22:48:44 lG9f8Ffh
うーん、投下してくれた人が元スレを見てるかは微妙。
著作権は作者さんにあるけど、2ch内のコピペだから許してくれないかな?
あの時自分はROMだったのでろくに感想も書けなかったけど、すごく好きでした。
2本あるので、続けてコピペしときます。


59:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 22:54:28 lG9f8Ffh
…DQ8の主人公に萌えて燃えまくるスレⅡ…
スレリンク(ff板)

794 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[sage] 投稿日:05/02/08 23:40:29 ID:CQFRvwrX
エイトは先輩兵士に訊ねた。
「トロデーン城に常駐する兵士は一体何名ほどいるんです」
先輩ピピンは兵士歴10年のベテラン
「お前は新米だから知らなくても仕方あるまい。城下も含めると約1500だ」
「そんなに多く…」
「国中に散らばっている者達を含めるとお前はさらに驚く」
トロデーンは国領に森や山、崖が多く存在するため歩兵を主戦力としており
騎馬隊も存在はするものの主力となるのはやはり剣での接近戦に強い歩兵であった。
元々戦争を目的とした兵士隊ではないという国の志向も影響してのことだろうか。
「いろいろな部隊がある中お前は何故歩兵部隊に入ったのだ」
「私は剣が上手くなりたいのです」
「王や姫君の側近になるのは容易い事ではない。ましてお前は出生不明の平民。並大抵の努力ではかなわんぞ」
先輩に心の内を読み当てられた気恥ずかしさから
エイトは腰の剣を皮手袋越しに撫でた。

60:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 22:55:41 lG9f8Ffh
813 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[sage] 投稿日:05/02/10 04:49:15 ID:G1/ZPtCj
煉獄島に入れられてからもう1ヶ月経ったでがす。
黒犬をやっとの思いで倒してから程なくしてマルチェロの野郎が現れたもんだから
さすがのアッシや兄貴も戦う余力が無かったんでがすよ。
エイトの兄貴はその事を、この1ヶ月ずぅっと気に病んでたようで。
強気でもか弱い娘っ子のゼシカをこんな目に合わせてしまった、と気にしてるんでがす。
時間を無駄にしてる場合じゃないって事も、兄貴を悩ませる要因の一つ。
それに置いてきたおっさんや馬姫さまの事まで心配して、更に他の囚人達の事も気にかけ
こんな不甲斐無いアッシにまで毎日〝べホイミ〟をかけてくだすった。
エイトの兄貴はいっつもそうなんでがす。
自分の事は二の次三の次。戦いも真っ先に斬り込み馬車を守りながら矢面に立つ。
そしてアッシは知ってるんでがす。
町の宿屋に泊まった日は、必ずアッシらが寝静まった後に町の外へ出て
おっさんや馬姫さまの様子を見に行ってることを。
アッシらが酒場で飲んだくれてる時も兄貴は一滴も口にせず
まるでご自分を戒めてるかのようで、正直気の毒にさえ思ってるんでがすよ。
絶対におっさんや馬姫さまより先には休まねえし良い思いもしないようにしてるのは
たぶん、城でおっさんと馬姫さまを守れなかったことが一番の理由だと思うんでがすが。
〝みんなは絶対に姫様やトロデ王に気を使わないでほしいんだ〟
兄貴にこう言われてしまうと、アッシらは遠慮できないんでげすよ。
何故ってアッシらが兄貴に気を使うと、さらに兄貴を疲れさせてしまうからでがす。


61:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 22:56:28 lG9f8Ffh
814 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[sage] 投稿日:05/02/10 04:50:30 ID:G1/ZPtCj
そうやって普段から疲れを溜めに溜めていたエイトの兄貴は、
煉獄島から脱出した直後ついに倒れてしまったんでがす。
船室でククールとゼシカが看病している時、何気に甲板に出たアッシは
もしかしたら聞いちゃいけねえ話かもしれないことを聞いてしまったんでげす。
〝エイトにはエイトの人生がある。いつまでもわしらに付き合わせられんのぉ…〟
おっさんが馬姫さまに向かって独り言のように言っていたんでがす。
3日後に目を覚ました兄貴は、すぐにでも法皇の館へ向かおうと仰ったんでがすが
おっさんが〝そう言わずに今日は泉へ行かんか〟と言い出したもんで
兄貴はそれに従って、アッシらはサザンビーク領にある不思議な泉へやってきたんでがす。
人間の姿に戻った馬姫さまは、エイトの兄貴に突然言い出しやした。
〝疲れ果ててはいるのではありませんか?もしそうなら、もうこの旅をやめても良いのよ〟
兄貴は突然の馬姫さまの発言に心底驚いている様子でがす。
そこへおっさんもやってきて、数日前アッシが聞いてしまったことを兄貴に言い始めたんでげす。
すると兄貴は急に膝をつき頭を下げて、叫ぶように言いやした。
〝私はトロデーンの兵士であり陛下の忠臣のつもりでございます。
幼い頃救っていただいた御恩は、お返ししてもしきれません。
私をお側に置いてくださいませ。どうか…〟
顔を上げよと言われて、おっさんを見据えた兄貴は泣いているような表情で
思わずアッシまでホロリときそうになったでげすよ。
恥ずかしい事にアッシは結局、兄貴のことを何も分かっていなかったんでがす。
兄貴は確かに疲れてはいやしたが決して、旅がつらいとは思っていなかったんでがす。
やっぱりアッシが見込んだお方。エイトの兄貴には到底アッシなど敵わないでがす。

62:3本ありました
05/07/12 22:59:11 lG9f8Ffh
830 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[sage] 投稿日:05/02/11 16:47:35 ID:Ih4xmLXr
この日のトロデーンは気持ちのいい風が吹いていた。

僕は城のテラスで見張りという大役を仰せ使いつつもあまりに変化のない景色にいささか飽きて、
遠くの山ではなくトロデーン城の中庭を忙しく行き交う人々を眺めていた。
「あれ?」
気がつくと、いつもポケットにいるはずのト-ポがいない。
振りかえれば、隅においてあった僕のカバンにもぐりこもうとしている
「こら!!ト―ポ!!ご飯の時間はまだだぞ!!」
朝、調理場のおばさんにチーズをもらったので早速かぎつけたらしい
「大人しくしてないと、籠に閉じ込めるからな!!」
僕がどんなに怒った顔でたしなめても、トーポは首をかしげ丸い目でこちらをじっと見ている。
自分が怒られてることさえもわかってないな?
ちょっと乱暴にト―ポをポケットに押し込むと、再びトロデーンの景色に見やった。

・・・・・・・思えば僕が幼いころ、記憶を無くしてこの城につれてこられたんだった。
はじめて見たトロデーン城は美しくて、おとぎの国に来たような気持ちだった。
もう亡くなられたけど、王妃様もとても綺麗で優しくて、みなしごの僕を何かと気遣ってくれたっけ。
・・・・僕に肉親はいないけれど、家族はいると思う。
ここ、トロデーンが僕の家であり、ここにすむ人々が全て僕の家族なんだ。

「おーいエイト!!」

向こうから同期の兵士であり親友のピピンが手を振っていた。
「もう交代の時間だろ?一緒に食堂へ行こうぜ」
「ああ、代わりの人が来たらすぐ行く。まっててくれ。」

僕がカバンを取りにあるきかけたそのとき、事件はおこったんだ。


63:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:00:07 lG9f8Ffh
831 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/11 16:49:23 ID:Ih4xmLXr
城が揺れた・・・・・

石作りのテラスが波を打ち、ガラスが割れる
立っていらいれないほどの激しい振動。
僕は転倒しながらも、這うように城の壁から離れた。
「何だ!?何がおこったんだ!?」
そのとき僕は信じられない光景を目にした。
突起物のついた巨大なうねりが、城の壁を破壊して出てきたのだ
その光景は悪夢そのものだった
トロデーン城が一瞬のうちにあちこち無残に食い破られ、おぞましいうねりに支配されていく。

「うわあああああああ!!!!!」

空から瓦礫が無数に降り注ぎ、僕を襲った。
その上空に何かが不気味な笑い声をあげて飛んでいくのが見えた。

・・・・・・その後のことは・・・・・・・・・記憶がない

64:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:01:08 lG9f8Ffh
832 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/11 16:52:00 ID:Ih4xmLXr
「・・・・・・・・・・・・・・・・?」

どれぐらいの時間がたっただろうか?
頬を伝う暖かな刺激で僕はようやく意識を取り戻した。
「・・・・・・・ト―ポ・・・・・・・。」
ト-ポが僕の目の前で首をかしげて瞬きしている。
僕が気付くまでどうやら頬を舐め続けていてくれたらしい
「お前無事だったんだな・・・・・・。」
トーポに触れようと手を伸ばすが、動かない。
降って来た瓦礫の下敷きになっていたようだが、幸い破片が小さくて大事には至らなかったようだ。
僕は一個一個自分にのしかかる瓦礫を取り除きながらようやく起き上がった。

「・・・・・・・・・!!」

僕はこの状況をなんと記せばいいのだろう?
さっきまで楽園のように美しかった国が、巨大なうねりに破壊され、魔物の住処のように不気味な廃墟と化していた
城は静まり返り、無音の耳鳴りがつんざく。
すがすがしい風が吹いていた空も、今では生ぬるい風と悪臭漂う黒い霧が支配している
うねりは、よく見ると植物のイバラのツルのようにも見えた
そうだ・・・・!人は・・・他の人はどうしたんだろうか!!



65:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:01:50 lG9f8Ffh
833 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/11 16:53:03 ID:Ih4xmLXr
慌ててあたりを見回すと、ついさっき、僕に一緒に食事をしようと誘ってくれたピピンが
城をみあげながら立っている。
そうか!!ピピンも無事だったんだな!!
僕は嬉しさのあまり駆け寄った
「ピピン!!これは一体どういうことなんだ!!説明して・・・・くれ・・・・。」
彼の肩に手を置いて、向かい合った時、僕は愕然とした。
纏っているものは彼の鎧に間違いない。しかし、そのそれからはえるものは

植物だ!!

人間ではなく、鎧をまとった植物が恐ろしい形相でそこに立っている

「う・・・・・・うわああああ!!」

僕は驚きのあまりひっくり返り、慌ててテラスの外階段を駆け下りた。
だれも、かれも。
トロデーンの中庭で笑顔を振り撒いていた人々が
僕の家族が・・・・・・

植物に変わっていた・・・・・。


66:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:04:07 lG9f8Ffh
834 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/11 16:55:35 ID:Ih4xmLXr
僕が途方に暮れてへたりこんだ時、忘れてはならない人たちが脳裏を掠めた
そうだ!!トロデ王とミーティア様はどうなっただろうか!?
まさかこの人たちと同じように・・・・・・・?
僕は急いで大広間に通じる扉へ向かった。だがイバラに阻まれて扉は開かない
「はあっはあっ・・クソッ!!」
ありったけの力で押しても引いてもびくともしない。
仕方ない。どこかで斧を手に入れて破壊しよう。
そう諦めた瞬間、この沈黙の空間からかすかに人の声が聞こえた。

「・・・・・・ト・・・・。・・・・・エイトーーーー。」

僕を呼んでる!?
慌ててあたりを見回すがだれもいない。
空耳かなあ?と立ち尽くしていると何かが僕の服を引っ張る感触がした。
「・・・・・・・・・?」
右斜め下方に視線をやると小さな緑色のモンスターが僕の服をつかんでいた。

67:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:05:02 lG9f8Ffh
835 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/11 16:56:38 ID:Ih4xmLXr
「エイト、わしじゃ、わし。無事じゃッたか」
「うわわわわわ!!モンスター―!!!。」

僕はマッハでモンスターからはなれ、背中の剣を引き抜こうとしたが・・・
ない!!
ドサクサでなくなったらしい
あたふたと武器を探す僕に、モンスターはどこかで聞き覚えのある口調で話し掛けてくる
「これ!!わしはモンスターではない!!人間じゃ!!」
ええ!?といぶかしげながらも、僕は恐る恐るモンスターに近づいてみた
見たところ弱そうだし、イキナリ襲われても大丈夫だろう。
何よりこの静寂の中で誰かと話ができるというのはなんだかほっとした。

「しかし、城のみんなは植物に変えられたと言うのに、何でお前だけ無事じゃったんじゃ?
 さてはお前、見張りをサボってどこか外へ遊びに行ってたんじゃろう。」

なんだか懐かしい口調で話すモンスターだ
僕の名前や仕事のことも知ってるし、ひょっとしてトロデーンの人間じゃ・・・・・
ええ!?ええーーーーー!?
この背丈、この風貌
もしかして!?

「も、もしかしてトロデ王ですか!?」
「なんじゃ。名のっとらんのによくわかったな。まあわしの美貌はモンスターになっても隠せんという事か・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」

モンスター・・・・もといトロデ王はどこからか手鏡を取り出してうっとりしている
このご冗談は間違いない。僕を引き立ててくださったトロデ王だ。

68:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:06:27 lG9f8Ffh
845 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/12 01:06:03 ID:SsXyVoLN
>>830-835 続き

「それにしても、良くぞご無事で。・・・・そ、それでミーティア様は!?」
「ミーティアか。ミーティアなら・・・・・・。」
王は少しバツの悪そうな困った顔をしながら、正門の方向に指をさした。
「ほれ、あそこに。」
「あそこにっていっても・・・・・・・白い馬が一頭いるだけでは・・・。」
「あれがミーティアじゃ。わしと同様呪いで馬の姿に変えられてしまったのじゃ。」
「ええ!?まさか!!」
僕は白馬ににじり寄り、しげしげと観察した。
みたこともないほど見事な白馬だが、これがミーティア様といわれてもニワカには信じがたかった。
ただ、恥ずかしそうに、悲しそうに伏せるその目はミーティア様と同じ緑の瞳だった。
「王、これまでのいきさつを話して頂けませんか。」

トロデ王の話は詳しく語り始めた。
呪われた杖とドルマゲスのこと
解放された力により、城がこんなありさまになってしまったこと
王をかばって馬にされたミーティア様のこと・・・・・・・。

なんということだろう。たとえ、熱を出した同僚の変わりに見張りを引き受けていたからといって
このような忌まわしいことがおこった時に、ミーティア様のそばを離れていたなんて。
僕はミーティア様である白馬の前に伏した。
「ミーティア様、申し訳ありません!!おそば付きでありながら、お守りすることができませんでした!!」
ガックリと肩を落す僕にトロデ王が声をかけた。
「よいよい、エイト。そばにいなかったからこそ、お前がこうしているのかもしれん。
 エイトが無事だったことは、わしやミーティアにとって不幸中の幸いじゃぞ。」
「王・・・・。」

69:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:07:49 lG9f8Ffh
846 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/12 01:07:06 ID:SsXyVoLN
ミーティア様がくわえていた何かを僕に手渡した。
この小袋には見覚えがある。いつもミーティア様の衣装に結わえられていたものだ。
何か大事なものが入ってるんだろうと思って特に詮索はしなかったのだが・・・。
「開けてよろしいのですか?」
ミーティア様はただ真剣にじっと僕を見ていた。
封を解くとなかから折りたたまれた紙が一枚出てきた。
茶色に変色してずいぶん古いものだ。
「これは・・・・。」
中にかかれたものを見て僕は絶句した。

つたない子供の絵で描かれた 男の子と女の子。
それは・・・・・ミーティア様と僕だ。
僕が強そうな兵士の鎧をまとって、ミーティア様と手を繋いで草原を走ってる。

「おお、懐かしいのう。」
トロデ王は感慨深げに絵に見入った。
「覚えておるか、エイト。昔、まだ姫が小さかったころ、一度城の外へ出たいと
 かんしゃくを起こしたことがあってのう。
 王妃が亡くなったばかりで、姫も寂しさからいろいろ神経質になっておってな。
 あまりに泣くので困っておったら、お前が姫にこの絵を渡してこういったんじゃ。
 『おおきくなったらりっぱなへいしになって、姫を外へつれていってあげる。』
 とな・・・・。
 ミーティアはそれがとても嬉しかったらしくてなあ。それ以来わがままを言わなくなったかわりに
 何度もその絵を見せられて話を聞かされたよ。
 じゃが・・・今もこうして持っているとはおもわなんだ。」

僕はミーティア様が今この絵を差し出した心中を察して、目頭が熱くなった。

70:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:08:55 lG9f8Ffh
847 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/12 01:08:16 ID:SsXyVoLN
「そうじゃ!エイト!!今こそこの約束を守るときが来たのじゃ!!
 トロデーン最後の生き残りの兵士として、わしとミーティアを連れてドルマゲスを追うのじゃ。」
「僕でよろしければ、どこまでもお供します。王とミーティア様と僕の故郷、トロデーンを救うために。」
「うむ、よく言った。」
僕と王の会話に、ミーティア様は力強くいななき、城の中庭を嬉しそうに駆け回った。
馬になってもその姿は、やんちゃだった子供の頃のミーティア様と激しくダブる。

「すれば、まずは旅の支度をせんとな。きっと長い旅になるじゃろう。」
「城はあちこちイバラがふさいで入れる状態ではありません。
 厩を見てきましょう。もしかすると馬は無事かもしれません。」
馬に荷を引かせれば、旅はずいぶんとラクになる。
トロデ王とミーティア様にも不自由をかける心配はない。
希望をもって厩に向かったが、中身は絶望的だった。
呪いは城の中余すところなくかかってるらしい。馬も全て不気味な植物に変わり果てていた。
「使えそうな馬車や荷物はあるのですが、馬は全滅です・・・・・。」
「むむ、困ったのう・・・・。」
僕とトロデ王が途方にくれていると、ミーティア様が静かに厩の中へ入ってこられた。
植物になった人や馬を悲しげにみつめたあと、厩の隅にあった小さな馬車の取っ手をくわえ
外へ出そうと引っ張り出した。
「まさか、ミーティア、お前が馬車を引こうというのか!?
 イカンイカン!!一国の姫にそんな奴隷みたいなことやらせられるか!!」
カンカンにおこった王の言葉も聞かず、ミーティア様は鞍を持ち出し、僕につけろといわんばかりに手渡す。
「エイト!!そんなことをしたらお前はクビじゃぞ!!」
僕もそんなことはしたくない。しかし・・・・・・・。

71:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/12 23:10:00 lG9f8Ffh
848 名前:名前が無い@ただの名無しのようだ[] 投稿日:05/02/12 01:09:37 ID:SsXyVoLN
毅然と馬車に繋がれるのを待つミーティア様を見て僕は覚悟を決めた。
「お・・・おいおい、エイト!!やめんか!!」
僕はトロデ王の制止を振り切って、ミーティア様に鞍を乗せハミをかませて馬車を整えた。

かわいそうなミーティア様。
人間でありながら、ハミをかまされ馬車を牽くなんてどんな気持ちだろうか?
だけど姫は、打倒ドルマゲスという目的のために、覚悟をされた。
僕とトロデ王の為に自ら馬車を牽くと・・・・・・・・・・。

僕の涙を見て、トロデ王はもう何もいわなかった。
王もミーティア様の覚悟を見て、この旅の本当の試練を悟られたのだろう。
ミーティア様が牽く馬車に家臣の僕が乗るわけには行かない。
お父上であるトロデ王がたずなをにぎり、僕は姫の傍らをあるいていくことにした。


さようならトロデーン。
いつ帰ってこられるか判らないけど、
きっと昔の姿を取り戻してみせます。

大丈夫、僕にはトロデ王とミーティア様がいます。
守るものがあるから僕は強くなれます。

だから、まっててください。

END

72:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/13 01:39:08 yix62Z0S
おー、GJ!じゃないか!
やっぱり作品が消えちゃうのはもったいないね。
仮まとめサイトつくるなら…
1:一応、SSが投下されるようなスレにサイト作った事を報告しておく。
2:作者からの削除申請も受け付けられるようにしておく。

とかは? すでにまとめサイトあるスレなんかは、各管理者さんと連絡とって、リンク貼らせて貰うとかしてさ。

73:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/13 13:19:47 qKCACyJS
DQの小説スレ立てておきました。あとよろ

74:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/13 21:51:29 8XDplXrz
貼ってくれた方、乙です!
仮まとめサイトは現状ではいい案かな。
よろず相談掲示板、だっけ?そこでラトームさん以外にもいる他の保管人にも告知した方いいかもよ。
あるいはここに見つけたssをとりあえず貼っていくとか。

75:25
05/07/13 22:00:55 vDHv7cPj
>>59-71
キタ━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━ !!!
ああありがとうございます!!うわあ素敵な話だ…。凄い旅立ちの雰囲気でてる。
何気にピピンがいるのが嬉しかったw作家さん乙!(と言いたい所だが、ここにはいないよね…)
51さん、本当にありがとう。

>>73さんのスレをハケンしますた。
ドラゴンクエストのSS・小説スレッド
スレリンク(ff板)l50
既に話が出ていますが、このスレは千一夜物語スレとはどう違うのでしょうか。
仮まとめサイトを作る専用のスレ(過去連載されていて、千一夜物語のまとめサイトには
載っていない小説を載せる)で良いのでしょうか。
とりあえず、今後の小説はどちらにも投稿可能という形で行きますか?

76:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/14 02:06:19 Boni48/u
だれかヤンゲルスレにあったSS持ってないかなぁ…

77:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/15 20:16:09 D9e8MW4/
ところで、DQのSSはどっちに置いて行けばいいのかな?

78:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 03:27:57 TSzKw0V9
違っていたら訂正よろです。

千一夜スレは収集スレですね。
基本的に各スレに散らばる文章を保管するのが目的です。
しかし文章の投稿は昔から受け付けていたはずです。
文章の保管は時間が掛かる上に、処理はサイトの方でやって居るので保守になりがちです。
ですから文章の投稿はスレの糧になるので大歓迎となります。ただ、その性質から短編・中編は別として長編はスレの性質に合わないかもしれません。
また千一夜スレの保管の基準はそれなりに厳格なのでここに投稿しても保管されない可能性があります。それを頭に入れて投稿した方が良いと思います。
逆にいえば保管対象になるような文ならば必ず保管人の目に止まるのであえて投稿するのもありです。
人の目には止まり辛いので批評やアドバイスを事前に求めて投下した方が使いやすいかもしれません。

小説スレはドラクエの小説ならば特に制限はないはずです(パクリや18禁などの当然のことは別として)。
固定の住人や長編の固定読み手もいるはずなので千一夜に投稿するよりも人目につくと思います。
ただ、基本的に内容に合う各スレに投下するスタイルが確立されているので(まあ当たり前)、住民の目を引けなければ反応が薄いかもしれません。

千一夜スレはスレタイで分からないFFDQSS総合スレといった面もあると思います。
使い分けは出来ると思いますが、無理に制限をつけて使い分ける必要もないと思います。

79:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 03:29:09 TSzKw0V9
なお、千一夜の保管をラトームさんがいない間代わる案ですが、やられる方がいるならば案自体には賛成です。
別サイトを作るのも既存のサイトでやるのもよいと思います。
しかし千一夜は保管基準が厳しかったりするので、正式に引き継がないのであれば保管(仮)で留めて置いた方がいいかもしれません。
なんでも保管対象にすると色々と問題が出てくると思います。多分。
保管基準は正式な管理人+保管人の感性にも左右されますからね。
(仮)にすれば、ラトームさん復帰後、あるいは正式に引継ぎが決まったあとに改めて本保管にするか決めれるからです。

ただ、その場合、苦労の多い保管準備をしたのに保管されない作品が出てくる可能性もあります。
これは保管人としてはやってられない話だと思います。もちろんそれこそ別サイトに仮保管のまま残しておくのも手なのですが。
で、保管基準の内容的質は別として、保管準備が大変でもっと負担を軽くすべきだという話は何度か出ていました。
特にスレを一つ読み上げるのが大変だと聞きます。
今の機会に保管準備の方法を変えるのもこれまた一つの手です。負担が軽くなれば保管人も増えるかもしれません。

この話はあまり重心には残さない程度に耳に入れてくださると助かります。では。

80:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 03:51:53 TSzKw0V9
あああ。すみません。小説スレッドですが普段使ってなかったので間違っていました。

過去ログの1によると

これは連作短編ゲームブック方式の小説です。書き手は固定されていませんので
いつもはROMの方も書き手になってみてください。

だそうです。
私の書いてるとあるスレが落ちたときに「ここは他のSSも歓迎だから使っていいよ」という旨の好意を受けたことがあったので
結果として使ってませんでしたが、そのイメージで勘違いしてました。
基本的にリレー形式のスレのようです。

ドラクエの小説スレッドパート2.5
URLリンク(makimo.to)スレリンク(ff板)

そういえばお題スレの方も落ちていて残念でしたが、こちらの方はしばらく眠らせておいた方が良いかもしれませんね。


81:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 04:04:23 Vt072XPk
>>80
別に小説スレに、リレーとは関係ない小説を貼っても問題はないと思うよ
実際、そういうのもいくつかあったし。

82:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 04:10:29 TSzKw0V9
ういうい。それはわかってます。
向こうのテンプレにもありましたし、自分も言われたことが有りましたから。
>>79で誤解を生みそうだったので訂正したかったのです。
それではまた。

83:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/17 04:11:15 TSzKw0V9
うへ>>79じゃなくて>>78だ。
駄目駄目だなあ。お休みなさい。

84:ギの人
05/07/17 12:37:07 dizhRd+P
保管作業を平行して進めちゃうと問題ありそうなら、とりあえず
関連のログだけでも収集しておくとかなり助かるのではないかなぁ。

保管しないSSや、作者から保管を拒否された分については
ログを保管する形でフォローしてきたですよ、昔は。
ある意味、ログさえあれば小説は無事なわけで、保管作業は
読みやすくしてるだけって感じ。

85:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/18 09:46:31 LzL/FKGW
>ギの人
ご助言ありがとうございます。
これは個人的な案ですが、仮まとめサイトを作るとして、
・SS投下数の多いスレ→ログ保存。できれば続き物にはレスアンカー付けて読みやすくしておく
・SS投下数の少ないスレ→見つけた人がここに貼って保存
・独自のまとめサイトを持つSSスレ→そちらのまとめサイトとリンク
というのはいかがでしょうか。


86:ギの人
05/07/18 10:16:37 42E++BmC
>85

ログ収集については、スレに張り付いている人、または●持ちの人に
協力してもらうしかないだろうなぁ。
集めたSSをどう保管するかだろうけど、したらばでも借りて、いったんは
そこに貼り付けておけば、レスアンカーで読みやすく出来るし、あまり
DAT落ちの心配もしなくて良いのでは?

レスアンカーのリンクさえあれば、1本のSSがちゃんと纏めて読める
わけだしね~。

87:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/19 15:54:17 +15XEnK5
とりあえず仮保管するにしても
期限定めて(今年中…とか)、ラトームさんが帰ってこなかったら、新しく保管庫作ったほうが良いのでは?
帰ってこないことも考えられるんだよね?

88:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/19 17:58:06 GDUAre6Z
うーん、どうしよう。
常駐しているスレでのSSにようやくケリを付けることができたので、
前にちらっと書き込んだ話をこちらに投下したいんだがどうしよう。
結論が出てからの方がいいよね。

89:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/19 19:50:39 W19xNAGi


90:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/20 01:01:19 CrHFY3xH
ヴォ

91:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:43:05 AhAm2oz/
いつもはとあるカプスレで書いている者です。
どのスレにも属さない話を思い付きましたので、こちらに投下させていただきたいと思います。

DQ8のネタばれを含みます。裏ダン未クリアの方、ご注意下さい。

保守代わりになれば幸いです。

92:黄昏のテラス
05/07/21 19:44:56 AhAm2oz/
ベルガラックの黄昏時、一人の男がレストランのテラス席に座っていた。がっちりとした体格
のいかにも格闘家といった風情の大男だったが意外に優しい目をしていて、暗くなってしまっ
たことに慌てて家路を急ぐ子供たちに
「気を付けて帰れよ」
と声をかけてやっている。すると子供たちは、暗がりに不安げな表情を見せていても
「はーい、ありがとうございます、ギャリングさん」
と安堵の表情を覗かせまた走りだす。
「待たせたな、ギャリング」
ふと、背後から声が掛かった。
「よう、王子様」
振り返りもせず男─ギャリングは答える。この男こそこの街のカジノとそれに付帯する諸々の
施設のオーナー、ギャリング氏であった。
「その呼び方は止せ。ここではただのエルトリオだ」
にやりと笑ってそう返す男は二十代前半といったところだろうか。涼やかな目許に黒に近い茶
色の髪、黒っぽい眼には悪戯な光を宿しつつもどこか高貴な雰囲気が滲み出る。すらりとした
身体は飾り気のない服で包まれていたが、黄昏の光の中でも分かる絹地の光沢が身分の高さを
物語っていた。
「王子様」と呼ばれたことも故なきことではない。この青年はベルガラック南東の大国サザン
ビークの第一王子、エルトリオであった。
「それにしてもいいのか?お前、サザンビークのお世継ぎなんだろ。よく親父殿が城から出し
てくれるもんだ」
色々と因縁めいたものがあって二人は身分を越えて友人、と言うよりは悪友のような仲であっ
た。
「構うものか。私の父も若い時に身分を隠して諸国漫遊の旅をしたらしいからな。それにカジ
ノにのめり込んで国庫に穴を空けている訳でもなし」
エルトリオはギャリングの向かいに座り、こともなげにそう言いながらワインを注文する。

93:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:45:59 AhAm2oz/
「お前みたいに節度ある楽しみ方をしてくれる客ばかりなら俺も気が楽なんだが…」
ギャリングはふと少し離れたところにあるテーブルに目を遣り顔を曇らせた。そこにはかつて
は美青年と呼ばれていただろうが、今となっては弛んだ印象の方が強い男が酒場の女を何人も
従えて座っている。男が何か言う度に嬌声が上がり、静かに飲みたい客からは眉を顰められて
いた。
「あの男…見たことあるな。どこだかの領主じゃなかったか?」
「ドニだったかな。うちのお得意さんだ」
その言い方はおや、と思う程苦々し気だった。
「…なんだ、何かあったのか」
普段は屈託のない陽気な人柄なのだが、今宵の彼は様子がおかしい。
「嫌な話を聞いちまったぜ」
吐き捨てるように言うと男から目を逸らす。
「話してみろよ、楽になるかもしれんぞ?」
「お前も嫌な気持ちになるかもしれんがな」
だがその言葉に少し調子を取り戻したのか、いつもの口調に戻ってギャリングは話し始めた。
「あの男、よくここにきてカジノで豪遊していくんだが、その金はどうやら自分の領地を担保
にして借りているらしい。負けが込むというよりはああやって女引き連れて金を使っていると
いうのが実情のようだがな。
今日もああやって遊んでいるようだが、国元で跡取りの息子が生まれたばかりなんだとよ」
「ほう。でもまあよくある話なんじゃないのか。誉められた話ではないが」
「話はここからだ。その跡取り息子の上にはさらにメイドに産ませた男の子がいて、最初はそっ
ちを跡取りにしようとしていたらしいんだが、正妻に子供ができてお払い箱さ。メイドはクビ、
子供はどこだかの修道院に放り込まれてあの男の中では一件落着なんだとよ」
「…嫌な話だな、確かに」
「それもまた嫌なクビの仕方だったらしいぜ。髪の色がどう見ても違う、金髪の自分の子がな
ぜ黒髪なんだ、本当は俺の子じゃないだろうとか今更何をと言いたくなるような言い掛かりを
つけたらしい」
「…」
ギャリングの言葉にエルトリオの顔も渋くなる。

94:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:49:07 AhAm2oz/
「何が他人の子だ。一度見たことがあるが他人の俺からみてもそっくりだったぜ。嫌味ったら
しい目許なんて特にな」
ようやくギャリングはにやりとした。
「おいおい、それは子供に可哀想だろう」
エルトリオは呆れたような声を出す。それでも内心はいつもの調子を取り戻したギャリングに
安堵していた。
「まあ、それもそうだな。
…おっ、酒が来たようだ。嫌な話は流しちまおうぜ」
「そうだな」
ちょうど運ばれてきたワインを注ぎ合い、
「勝負の女神に乾杯」
「子供たちの未来に乾杯」
とグラスを掲げ合う。
「まあなんだ、お前もいい歳の王族なんだし、結婚相手は慎重に選べってこった。色々縁談が
来ているんだろ?」
最初の盃を干し、二杯目を注ぎながらギャリングは言った。
「おいおい、止めてくれよ。それが嫌でここに逃げて来ているというのに」
エルトリオは大袈裟に身を竦めてみせる。
「下手に城にいるとすぐ見合いを兼ねた舞踏会だからな。勘弁して欲しいものだ」
「何だ、俺に会いに来てくれているんじゃないのか。お世辞でもそう言っておけよ」
わざとらしくギャリングが溜息をつく。
「ああ、悪い悪い。そんなことは言わないでも分かっていると思っていたもので。ここに来る
と城の窮屈な作法を気にせず話せるし、手加減なしで武術の手合わせができるので嬉しいよ」
「まったく王族っていうのも窮屈な生き物だなあ。どうだ、王子辞めてうちのボディーガード
になってみないか。気に入らない結婚なんてせずにすむぞ」
にやにやとしながら言うギャリングに一つ肩を竦めてエルトリオは答えた。
「…ま、結婚が嫌なんじゃないんだけどね。子供の時から『王族の義務』を叩き込まれて育っ
た訳だし。いつかは結婚しなければ、とは思っているさ」
「ほう」
「でも城に来る自称お姫様とやらは化粧は濃いは、やたらにやにや笑いしているわでどうも気
に食わない」

95:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:50:53 AhAm2oz/
「まあ、一国の王妃の座が懸かっているんだ、当人たちも必死だろうよ。愛想笑いぐらい許し
てやれ」
ギャリングに諭されながらエルトリオは形の良い唇を歪めてグラスを傾けた。
「聞いてくれよ。この前来たお姫様、心優しく全ての生き物にも愛を注ぐとかいう触れ込みだっ
たのに部屋に出た蝿を乗馬用の鞭で打ち落としていたぞ。それも私も及ばない程の腕前で」
「ぷぷっ」
「あんな細いものでよく蝿のような小さい虫を叩けるものだ。思わず尊敬しかけたけれど私の
顔を見てすぐ『嫌ですわ、蝿が怖くって』としなを作ったのには呆れたよ」
呆れたように言うエルトリオの向かいでギャリングが腹を抱えて大爆笑している。その様子が
可笑しくてエルトリオも一緒になって笑った。
漸く笑いが収まった後、ギャリングがしみじみと言った。
「…ま、そのうちちゃんとした人と知り合えるさ。俺は駄目だったがな」
「諦めることはないだろう」
「当主の証を得る時に言われていたんだが、どうも女の前に出るとびくついてしまってな。そ
ら、お前の言っていた化粧の匂いがし始めるともう駄目だ。軽々口説き文句の出るお前が羨ま
しいよ」
「あんなのは社交辞令さ。あっちも分かっているんだ。何ならちょっと練習してみるか?あそ
このお姉さん方で」
今度はエルトリオがにやにやとする番だった。視線を投げ掛けられた女たちがこちらに微笑を
返してくる。
「…止めておく。
ところで今夜は酒だけ飲んで過ごすつもりか?この前いい戦斧を手に入れたんで手合わせ願い
たいんだが」
あっさりとエルトリオの提案を断り、実に嬉しそうに手合わせを言い出すギャリングに、
「やれやれ、斧を振り上げた途端に蹌踉けても手加減しないからな!」
と言いつつも本当はいつもの様子に戻って嬉しいエルトリオであった。
         ※       ※       ※


96:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:51:57 AhAm2oz/
(懐かしいものだ、あれからもう二十年、いや、それ以上経つのか)
ベルガラックの黄昏時、あの時と同じレストランの同じテラス席に腰掛けてギャリングは思う。
思えば長いようであっという間の二十年であった。友人─悪友ともいう─であったエルトリオ
はあの後すぐ結婚した。ベルガラックの有力者としての立場もあって式にはもちろん参列した
が、エルトリオが一目で惚れ込んだという娘は美しく飾り気のないおおらかな性格で、「この
人ならば」とギャリングも納得したものだった。
だがしかし、それは長くは続かなかった。結婚して数ヶ月も経たないうちにサザンビーク城に
竜が現れその娘が攫われたという噂が流れた。さらにその後すぐに「エルトリオ失踪」の報が
届いたのである。ギャリングは仰天してすぐに人を使って探索させたものの、それ以来友人の
姿を見た者は誰もいない。
(なあエルトリオ、知っているか?あれからお前の親父さん、亡くなったんだぞ。それで弟さ
んが後を継いだそうだ。最後までお前の行方を気にしていたって聞いたぞ)
あの時と同じ産地のワイン。けれどもあの時の友はいない。
(結局俺は結婚はしなかったけどな、子供ができたよ。それも二人。気の毒にも教会の前に捨
てられていた子供たちなんだ。可愛いものだな、子供というものは。
お前はウィニアさんを取り戻してどこかで幸せに暮らしているのかな。子供もいるんだろうか)
ギャリングの頭には白い物が混じり始めている。けれども思い出の中のエルトリオは若いまま
だった。
(最近魔物が暴れるようになって街の警備も大変だよ。お前程の使い手がおればいいのになあ)
記憶の中でエルトリオが屈託のない笑顔を見せる。
(何を言う、お前が一番強いだろ。警備する奴よりされる奴の方が強いなんて笑い話にしかな
らんだろうが)
「どこでどうしているんだかな」
つい、口から言葉として洩れてしまったようだった。
ギャリングは一つ、溜息を吐いてウェイターにチップを弾むと、屋敷へと帰って行った。

ベルガラックの黄昏時、ひっそりと闇に紛れるようにギャリングを見つめる道化師がいたこと
に気付いた者はまだ誰もいない。
                    (終)

97:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 19:54:41 AhAm2oz/
長々とお邪魔しました。
主要な二人の関係が捏造なのをお許しください(数字要素は全くありません)。

98:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 20:48:36 SFFyoCbr
>91
乙彼です!久しぶりにええSS読ませていただきました。

若い頃のパパン二人のやりとり(さりげなくククールパパンw)、
昔を懐かしむ年老いたギャリングの独白がGJです。
>あの時と同じ産地のワイン。けれどもあの時の友はいない。
この下りがグッときました。
この二人、本当にこういう関係でも違和感ないですね。

でもこの後ギャリングは…うう。

99:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 22:04:12 AhAm2oz/
>98
感想どうもありがとうございました。
プレイしていないと分からない話ですみません。ククパパ(とマルチェロ)も敢えて説明なしだし。
おまけに主人公が彼らの消息を聞く時にはもう…

ベルガラックは色々な街の有力者が娯楽しに集っているようなのでこんな話を思い付きますた。

100:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/21 22:30:46 v0zH1yet
>>99
乙です。
ウルっと来ました。こんなドラマがあったかもしれんと本気で思ったよ。
ギャリングはゲームの中では名前しか出てこないに等しかったけど、
ちゃんと登場していたらいい味のキャラだったろうなぁ。

101:99
05/07/22 21:09:20 tEjkjls2
>100
カジノ兄妹イベントのラストでギャリング氏の肖像画がにっこりするシーンが好きなんですよね。
街の人たちからも気さくな人柄を窺わせる話が多く聞けるし。
喜んでいただけたのならこちらとしてもうれしいです。

102:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/24 01:57:05 a0Qc/Suv
ドラクエの小説スレ、あれだけほしいとほざきながら
立ったら立ったで閑散としているとはアフォらしいな。


もしスレが落ちたらもう二度とスレを立てる必要はないんじゃない?


103:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/24 22:13:17 0qVtg6Ej
そこまで言う必要はないけど、立てて欲しかった人は頑張った方がいいかもね。
頑張る人がいなければスレは機能しなくなっちゃう。

一度くらい書いてみたいけど、過去スレを読む時間、書く時間がない。
お題スレも同上。
正確には時間がないというよりも、他のことに時間使いたい状況です。

立てた方々は頑張れ~。案外書き込みはなくとも人は観てるものだから。

104:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 02:19:35 idECcBgM
FFをDQを会わせたパロディでも投下Okでしょうか?
しかもちょっと長くなりそうなのですが・・・
一気には無理なので、ちょこちょこ投下する形になると思います

105:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 06:35:23 5RzcKfCA
全然OK
間が空く時は
1:名前欄にタイトル及びトリップをつける
2:前回のレス番にアンカーをつける
3:エロやその他18禁はやめてね

106:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 18:33:18 RzseVJtK
ぬるほ

107:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 22:19:23 5r2u54UT
千一夜は3:については口を出さないべきかと

108:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 22:25:09 murbRTO/
千一夜サイトそのものはOKだが
千一夜スレのある板では問題がある
ってことだろ

109:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 22:52:06 5r2u54UT
それは分かるんだけどスレとしては明確にせず黙(ry

110:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 23:31:48 4loWlwYx
一応夏だからってことじゃないのか?

111:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/25 23:44:00 5r2u54UT
なるほど。つか姿勢としては一応禁止くらいにした方がいいのかもしれんね。
削除以来出されたら洒落にならないっすわ。

112:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/26 02:01:24 Zov0AlYn
 霧の大陸の南東に位置する、巨大機械都市リンドブルム王国。
 その内の劇場街と呼ばれる一角に、盗賊団タンタラスのアジトはある。
「…… ダガーじゃないよな?」
 そろそろ昼にさしかかろうかという頃、ジタン・トライバルは部屋の中央にある
テーブルに足を投げ出し、自慢の尻尾で遊びながら一枚の紙を睨んでいた。
「フライヤでもない、クイナでもない、ましてやスタイナーのおっさんでもない」
 どうやら手紙のようであった。
 内容は短いもので、自分を何か催しに招待するといった内容である。これといって
彼に思い当たる節はなく、タンタラスのメンバーに当てた物とも思えない。
 そもそもレースって何なんだ? リンドブルムらしく飛空挺でやろうってんじゃ……
色々と思い巡らせてはみるが、何のことやらさっぱりといった状況である。
「狩猟祭でもないし……なんなんだ?」
「失礼します」
「!」
 と、勢いよくドアが開いたかと思うと、見知らぬ男が姿を現した。
 格好からしてリンドブルム兵士である。
「ジタン・トライバル殿ですね」
「ああ、そうだ」
「突然のことで恐縮ですが、我々と共に来て下さい」
「……なんだって?」
 いよいよ状況が掴めなくなってきた。
 よくわからない手紙が届いたかと思うと、今度はリンドブルム兵士に一緒に来いと
言われている。一体自分が何をしたというのか? ジタンは拒否もしないまま、腕組みを
して考え込んでしまった。
「ジタン殿」
「ちょっと待ってくれ、俺が一体何をしたんだ? この手紙もあんた達が」
「……スリプル!」
「っ! い、いきなりかよ……!!」
 ジタンを耐え難い睡魔が襲い、瞼がゆっくりと閉じられていく。
 虚を突いたスリプルの魔法に、ジタンはその場に倒れ込んでしまった。

113:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/26 02:14:15 Zov0AlYn
>>112
「……ジタン、ジタン」
「む……」
「ジタンってば!」
「う……ううん…… んっ?」
「! 良かった、目が覚めたのね!」
 聞き覚えのある声で、ジタンは眠りから目覚めた。
 徐々に開かれる視界に、さらに見覚えのある顔が飛び込んできた。
「! お前、エーコじゃないか!」
「ひっさしぶりねジタン! 元気してた? ダガーとは上手くやってる? スタイナーの
 おじさんは…」
 かつて冒険を共にした仲間、召還師の少女エーコであった。
「あー待った待った! まず俺に聞かせてくれ、ここはどこなんだ?」
「見たまんまよ。どこかのお城」
 周囲を見回して、ジタンは唖然としてしまった。
 高い天井、大理石の床、美しい調度品がさりげなく置かれた室内。ジタンがいるベッドは
天井付きである。
「エーコも別のお部屋で目が覚めてね、でね、色々探検してたらこの子に出会ったの。ほら!」
「ガウー!」
「うわっ!」
 エーコが呼びかけると、エーコの後ろから少年が飛び出してきた。
 人間業は思えない程高く飛び上がると、そのままジタンの上へ着地、鼻と鼻が付く程の
距離まで顔を近づけた。
 緑の髪にぼろぼろの短いズボン、裸の上半身に布一枚をひっかけ、足は案の定裸足である。
「紹介するわ! ガウよ!」
「が……お前、ガウっていうのか?」
「ガウ! ガウ! お前だれだ!? だれだ!?」
「俺か? 俺はジタン、見てのとおりの色男さ」
「ジタンか! お前しっぽある! ガウと似てる!」
「は、はぁ?」
「さっ、自己紹介はそれくらいにして、さっそく探検よ! ここが一体どこなのか探らなくっちゃ!」
 ガウに負けじと元気な声で、エーコは2人の手を取った。

114:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/26 14:31:01 xnRMwr0y
そうか

115:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/28 02:18:27 pQYIVzed
>>113
 広々とした廊下の赤絨毯の上を、あれこれ見回しながら3人が歩いていく。
 人の気配はない。聞こえるのは自分達の足音、エーコとガウの話し声、先程から
窓に吹き付けている風の音だけである。
(……風?)
 ふと気になったジタンは、外の様子を見ようと窓の側まで近づいてみた。
 とそこには、驚くべき光景が広がっていたのである。
「っ! おいおい、なんなんだここは!?」
「どうしたのジタン、何か見えた?」
「見えたなんてもんじゃないぜ、ここは空の……空の上だ!」
 窓の外にあったのは、ただひたすら広がる青空のみであった。
 陸地らしきものは全く見えず、外壁も黒々とした断崖である。建物としての面影すらない。
誰もが城だと思っていたこの空間は、どうやらとてつもなく巨大な岩山のようであった。
「なんだか、リンドブルム城みたいなところね……」
「あぁ。どうやら、俺達はとんでもないことに巻き込まれちまったらしいぜ」
 そう呟いて、ジタンはふっと笑った。

116:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/07/28 02:23:24 pQYIVzed
>>115
 とにかく前に進むしかない3人は、長い廊下を再び歩き出した。
 奇妙なことに通路が分かれる場所には道標が示してあり、明らかに特定の場所へと誘っている。
罠と考えられないこともないが、ひとまずそれに従うことにした。
 しばらく進んでいくと、やがて大きな扉の前に出た。
「明らかに、ここが怪しいな」
「……中から人の声も聞こえるわ! もう入るっきゃないわね!」
「おう! 入る! 入る!」
 意を決し、ジタンは扉に手をかけた。
 エーコとガウは後ろに下がらせ、自らは突然の襲撃に備え短剣を口に咥える。体勢を整えた
所で、一気に力を込めた。
「ふっ!」
「……!」
 ギギッと重い音を響かせ、徐々に扉が開放されていく。
「ぐっ、ぐぅぅぅ……!」
「がんばってジタン! もう少し! もうすこ……」
「? どうした!? 何があっ……」
 やがて完全に開かれると、中の喧噪がどっと流れ出してきた。
「……!」
 大広間のような空間に、多種多様な人間と生物がひしめいている。
 金髪、銀髪、黒髪、白と緑の変わった帽子をかぶった青年、赤毛ツインテールの少女、チョコボにモーグリに
ぷるぷるとした何か、けむくじゃらの怪物等々……
 これにはさすがのエーコやガウも、唖然としてしまう。

117:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/30 21:45:14 /fy3/Iae


118:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/31 20:01:20 a9/bxK2e
しゅ?

119:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/07/31 20:57:20 vDktJuhW
即死防止保守゚+.(っ´∀`)っ゚+.゚

120:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/01 01:44:03 sxWvb4lY
>>116
 と、
「おぉ~~い! ジタン! ジタンではないか~!?」
「!? この声は……スタイナーのおっさんか!」 
 ジタンを呼ぶ声が聞こえたと思うと、鎧をガシャガシャ鳴らしながら男が走り寄ってきた。
 エーコと同じかつての仲間、騎士アデルバート・スタイナーである。
「お主、ここで一体何を…」
「お久しぶりね! スタイナーのおじさま!」
「がうー!」
「おおっ、これはエーコ殿……こちらの少年は?」
「っておっさん、感動の再会はあとあと! こりゃ一体なんなんだ!? ここにいる人達は……」
 ひとまず再会を果たすと、ジタン達は互いに今までの経緯を説明した。
 誘拐や突然の襲撃など様々な手段でここに連れてこられたこと、危害は一つも加えられていない
こと、ここにいる人々も同じ境遇であろうということ……
「自分も何がなにやらさっぱりである! ガーネット様もご無事であればよいが」
「もしかしたら、この中にいるかもしれないな。探して……」
 
『え~~~皆さん! ちょっと静かに! 今から大事な話をするんで、静かに願います!』

「? 声が……」
 突然、奇妙な声が聞こえてきた。
 どこからということもなく、四方八方から雑音混じりに聞こえてくる。
「姿は見えぬが声のみ聞こえる……何とも奇妙である!」
「しっ、なんか話すぜ」

『え~、この度はお忙しい所をお集まり頂きまして、ありがとうございます。なぜこのような場所に
来て頂いたかといいますと、皆さんにレースをね、やってもらいたいんですよ』

 レースという言葉を聞いて、周囲がにわかに騒ぎ出した。
 手紙に書かれていた言葉である。差し出し人の名前もなく、目的もわからず、ただレースに招待
するというだけの内容。
 反応からして、ジタン以外の者達も同じものを受け取っているらしい。

121:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/01 01:47:02 sxWvb4lY
『無理矢理連れて来といて何言ってんだってお思いでしょうが、まあ、その通りですわ。単刀直入に
言います。……元いた所に帰りたかったら、レースに参加して下さい』

 さらに、ざわつきが大きくなる。
 
『もう薄々気づいてると思いますけど、ここ、皆さんがいた世界とは別次元の世界ですから。どこに逃げたって
無駄です。魔法や呪文の類は一切消去させてもらってますし、脅迫しても無理です』

「……エーコ、ちょっと試してみてくれ」
「うん。ケアル!」
 エーコが魔法を唱えてみるが、何も起こらない。
 思わず、ジタン達は顔を見合わせてしまう。
「こっ、これは一体どうしたことなのだ!?」
「なのだ!? なのだ!? なのだ!?」
「そんなの知るかよ……ただ、この声の言うとおり物事が進んでることだけは確かだぜ」 
 と、再び声が話し出した。
 
『と、いきなり最後になりましたが、ここでレース開催を宣言して終わりたいと思います。詳しい話はまた
後で』
 
「ふが~~! 人をバカにしおって~~!!」
「なんなのよ! エーコ達をどうするつもり?」
 周囲からも避難の声が上がるが、声の主から反応はない。
 そして、

『ゴホン……  第1回チキチキ! S・E杯飛空挺レースーーー!!』

「飛空挺ですって!?」
「ひくう……? ファルコン! ひさしぶりー!」
「まぁ、途中からそんな気はしてたけど」
 そう言って、ジタンはため息をついた。

122:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/03 19:46:01 D28Oe1Gz
104◆V0Z9gQxKXc氏の登場を待つ間、今現在この板にあるSSが投下されているスレを挙げていくのはどうだろう?
少し前にも「DQ8のSSは?」という質問もあったし。
まとめてあると楽なんじゃないかな。保守代わりにもなるし。

123:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/04 01:16:51 gZ4GC283
>>121
『え~~~それではいよいよ冒険のはじまりです! 使用する挺、チーム分けとかは勝手に決めさせて
もらってますから。じゃさっそく、飛空挺ポートまで送らせてもらいますんで』

「送る…… !? うわっ!」
「きゃっ!」
 話が忙しなくなってきたかと思うと、突然、ジタン達を緑色の淡い光が包み込んだ。
 他の参加者達も同様に、そのままゆっくりと浮かび上がっていく。
「こ、これは一体どうした…」
「なのだ! しっかりしろ!」
「う、うるさいのである!」
「問答無用ってことね…… ダガー……」
 そして……

『それじゃ皆さん、またいつか~~~』

 そう言った次の瞬間、その場にいた全員の姿が消え去ってしまった。

124:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/04 02:05:47 gZ4GC283
>>123
 最初に気がついたのはジタンであった。
 けたたましい機械音を気にしつつ、目をこすりながらゆっくり、体を起こす。
「……飛空、挺?」
 段々と視界がはっきりしてきた彼の目に飛び込んできたのは、広大な機械空間に幾つも浮かんでいる、
飛空挺の群れであった。
 中央に底知れない深さの溝を挟み、両側の至る所に停泊スペースが設けられている。その光景に、
ジタンは見入ってしまった。
「すげえな、こりゃ」
「うっ…」
 と、手元で何やら声が聞こえる。
 ふと見ると、傍らに見知らぬ青年が倒れている。
「おい、大丈夫か!? しっかり!」
「こ、ここは?」
 ジタンに抱えられ、青年はゆっくりと起きあがった。
 青いターバンに同じ色のマント、白い服。後ろでに縛っている髪から見ると、どうやら旅人である。
「俺の名はジタン、あんたは?」
「僕はトンヌラ、グラン……いや、ただの旅人さ」
「ふむ。俺達がここにいるってことは、どうやら同じチームになったみたいだぜ」
「ああ。彼らも、そうみたいだね」
 言われて、ジタンは周囲に目をやった。
 巨大な雪男、モーグリ、四つ足の機械、反液体状のスライム、赤い頭巾の少女に緑の髪の少女……
皆目が覚めたらしく、むくりと体を起こし始めた。
 と、
「気づいたみたいだなァ」
「!」
 甲高い声と共に、黒い肌の「何か」が空中に出現した。

125:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/06 19:30:09 5NPNkEPI
(・∀・)

126:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/07 00:45:07 kX7/n7Dv
ニヤニヤスンナ(・∀・)

127:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/07 02:53:52 8nNINULb
 子供ほどの大きさのそれは、肌と同じ黒い布きれを身にまとい、赤く灯った瞳でこちらを見つめている。
その表情はうかがい知ることはできない。
「僕は、君らの案内役をつとめるクムクムさ。よろし…」
「うがー!!」
「ピキィッ!?」
「ぶっ!」
 言い終わらないうちに、後ろから凄まじいスピードでスライムが飛んできたかと思うと、鈍い音を立てて
クムクムの顔面に命中した。
 ジタンが振り向くと、腕を振り切った姿勢で雪男が立っている。クムクムはその場に落ち、スライムは
上手くトンヌラの懐に収まった。
「な、なかなかの歓迎じゃないか……ぐふっ」
「だ、大丈夫かい?」
「なんとかね……まずは点呼を行う。その前に」
「ウ? ウゥ……」
 赤い瞳が怪しく光ったと思うと、雪男はその場に倒れ込んでしまった。
 やがて聞こえてきた大きなイビキも気にせず、クムクムは懐から紙切れを取り出した。
「えーと、ジタン、トンヌラ、ウーマロ、モグ、ロビン、はぐりん、ルナ、リディア……こりゃまた、
動物園って感じだねぇ」
「大きなお世話だよ」
「嫌なら他のチームに寝返るんだね。次に、ルールその他諸々を説明する。ちゃんと聞くんだよ」
 やれやれ、といったジタンを尻目に、さらに続ける。

128:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/07 02:57:45 8nNINULb
>>127
「ルールは簡単さ。各チームに用意された飛空挺で、ゴールゲートをくぐればいい。1位とか2位とか
順位付けも無いし、完走さえすれば元いた世界に帰れる。簡単だろ?」
「本当かい? 本当に、元の世界に……」
「なら信じなければ?……完走するためにはこいつを5枚、集めてもらう」
 口を挟むトンヌラに言い返しながら、黒いその手の平が光った。
 見れば、小さな金貨のようなものが輝いている。
「君はご存じだよね? そう、小さなメダルさ。こいつを5枚集めることで、ゴールがどこにあるか
わかるって仕組み。……地面に埋まってるなんてことはないから、安心していいよ」
「宝探しね……なら、オレの出番かな?」
「ただし! 残念なことに、ゲートをくぐれる飛空挺の数は決まっていてね? おそらく、下位の
チームはゴールすることができないはずさ」
「……!」
「次に禁止事項だが……飛空挺を破棄もしくは廃棄すること、レースを棄権すること。これだけ
守ってくれれば、あとは他を潰そうが味方を裏切ろうが好きにして構わない……って」
 
 zzz…… zzz……

 思わず、クムクムの話が止まった。
 ふと見てみると、ジタンとトンヌラ以外のメンバーが皆、寝息を立てて眠っている。
「……飽きちまったみたいだな」
「……」
「所でさ、その大事な飛空挺ってのは、どうやって操縦すりゃいいんだ? それだけ……」
「……」
「!? おい!? ちょっ、おーーーい!」
 しばらく黙った後、クムクムはそっと消え去ってしまった。


129:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/08 01:40:45 IJmsQOdh
>>128
 案内役がいなくなってから、10分後。
 ようやく全員が目覚めた所で、ジタン達はひとまず自己紹介を始めていた。そこに浮かんで?いる
飛空艇も気になるが、まずは仲間である。
「さて、と。じゃあ次、こっちから順番に頼むぜ!」
 発案したのはジタンらしい。得意気に名乗った後、隣のトンヌラの肩を叩いた。
「僕の名前はトンヌラ、旅の魔物使いをしています」
「ロビンと申しまス。トンヌラ様の仲間をさせて頂いておりまス」
「ボッ、ボクもそうで……はぐりんです……悪いはぐれメタルじゃないです」
「リディアよ。みんなよろしくね!」
「モグだクポ!」
「ウ、ウーマロ……モグ親分の子分、してる」
「故国ムーンブルグの王女、ルナと申します。……えっと……よ、よろしくお願い致します」
 ルナの自己紹介が終わると、再びジタンが立ち上がった。
「よっしゃ! これからこのメンバーで冒険の旅に出るわけだが、みんな仲良く……」
「こりゃー!」
「いっ!?」
 ジタンが場を締めようとしたところで、飛空艇の方から大声が響いた。
 歳のいった声である。やがてドタドタと足音がしたかと思うと、入り口から油まみれの男が飛び出してきた。
「なっ、なんだぁ!? 変なじいさんが!」
「仲間を差し置いて自己紹介とは何事じゃ! まったく!」
 胸まで届くひげ面に派手な青の飛行帽をかぶり、ゴーグルの中の目が鋭く光っている。

130:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/08 01:43:23 IJmsQOdh
……なんだか自分しか書き込んでないのですが……
このまま続けてもいいんでしょうか?

131:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/08 02:08:55 SpcNoTsd
小説スレでレスがないからといって不安になってはいけない。

132:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/08 20:50:40 b10bHGrp
>>129
「! シドのおじいちゃん!? おじいちゃんなのね!」
「む? わしをおじいちゃんなどと呼ぶその声は……リディア! お前さんもこのレースに!?」
 シドと呼んだその初老の男を見るやいなや、リディアが声を上げ、そのまま勢いよく抱きついていった。
「みんな紹介するわ、シドのおじちゃんよ! 前に一緒に戦った仲間で、飛空艇を扱わせたら一番なんだから」
 どうやら、リディアの知り合いらしい。
 先程の点呼では呼ばれていないが、ジタン達と同じ艇に乗る気のようである。
「まあ、そういうことじゃ! よろしくな!」
「本当かどうかあやしいクポ~」
「ぬぬっ、疑うのか!? この……この……白いもこもこが!」
「! もっ、もこもこって何クポ!! ボクにはモグっていう名前があるクポ!」
「お、親分いじめる、許さない!」
「……な、なんともにぎやかになってきたね」
 手元のはぐりんを撫でながら、トンヌラは苦笑いを浮かべた。

133:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/08 22:01:28 BeF34AtG
便り(レス)が無いのは無事(このまま続けていいよ)の知らせ

134:辻裏のおとめ
05/08/09 16:08:55 BFRnF6JD
「そこな少年よ、そなたの歩みに迷いが見える。占いは迷いの闇を照らす光…」
完全無視して少年は歩いていった。だめか。

今日び占い稼業も楽じゃない。見台に肘ついてため息ひとつ。
夜風がさむざむと吹き抜けて、辻占の乙女を振り返る者もない。
ああ、神秘の美貌と不可思議の深い声音。なのにエンドール銀座のカリスマは遠い。

さっきの少年がもどってきた。
「なんか言いましたか」
「う、占いよ。占い。ひとつどう」
水晶玉とわたしの顔を見比べて、瞳が揺れる。いい引きだ。
この子にはどんな悩みがあるのだろう。少年は各種コースの値段表をじっと見つめた。
「じゃあ、下から二番目のコースで」
どれも内容は同じだ。オッケー釣れたぜ。

クリスタルの向こうの椅子に、すとんと少年が腰掛ける。
緑に透ける髪はさらさらで、可愛い感じの男の子だった。
「さて、お名前は」
「名前なんかどうでもいいでしょ。どうしても呼びたければ、勇者と呼んでください」
すこしカチンときた。
「では勇者くん、きみの悩みを話してください」
くん付けで呼ばれてむっとした顔。でも、ぼつぼつと話し始めた。

過酷な環境だったらしい。ある日、両親に自分は実の子でないと知らされた。
村のごたごたに巻き込まれて、両親は彼を置いて蒸発した。
幼馴染の女の子は変わり身してしまうし、家は焼かれて居場所もなくなってしまった。
ひとり村を逃げ出したものの、行き先に迷ってるわけか。これだけ材料があれば楽勝だ。

覗き込んだ水晶玉が光っていた。
「七つの光が見えます…。まさか、あなたは勇者さま!」
「さっきからそう言ってますが」


135:ブルジョワジーの密かな愉しみ
05/08/09 16:10:23 BFRnF6JD
きらきらと縦横にめぐる水路に、ゆったりと小舟が行き交うさまをみる。
水の都はスタンシアラ。ある日、国王は憂鬱になった。
「私はなぜ生きているのか」
「私はなぜ私なのか」
こうして一日中玉座に座っていると、根拠のない想念が次々と湧き起こってくる。
奇怪であり、やがて狂おしくなってきた。

そう、今となっては、何もかも色あせて見える。
王は政務を放り出し、遊興に耽るようになった。それが楽しいからではない。
都に放火して酒の肴にしたという、古代の皇帝にも習うところがある。
王は城の水路を酒で満たし、黄金のゴンドラの上で退廃した宴を開いた。
莫大な財貨を投じ、王は笑いと快楽を求めた。そして、なお憂鬱であった。

当代随一というお笑い芸人が、王の前で大仰に見得を切って見せる。
「ここにおられる御方こそは、誰あろう、予言の勇者に違いありませぬ。
 すべての王より尊い天空の血を引き、竜神の祝福を受けた御方。
 地上にはびこる妖怪悪魔を駆逐すべく、御光臨あそばされたのでございます」
そのとき、王はにっこり微笑んだ。

ジョークが面白かったからではない。芸人の後ろにいた、緑の髪の少女が可愛かったからだ。
王家重代の秘宝『天空の兜』を少女に贈って、王は満悦した。
その夜、少女のことを思い出すと、またにんまりと笑えてきた。


136:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/11 01:42:44 M+Kbcwuz
>>132
 発進準備を迎えた中型艇グレイハウンド号では、各作業が着々と行われていた。
 全長約40メートル、3基の上昇用と2基の推進用大型プロペラを備えた、機動力に優れた
機体である。ただ、動力に未知のエネルギーを使用しているため、出力や安定性など不明な点は多い……
『ミド、どうだ?』
「むー……」
 というのは、この艇の機関士長の言葉である。中でも中枢部に何かのエネルギーを秘めた「宝石みたいな
もの」が組み込まれているエンジンに関しては、特に不明な点が多いらしい。
『おい、聞こえてんのか??』
「むむむ~」
『あんだってぇ?』
「わかんない!」
 そう言うと、機関士ミド・プレビアは両手を上げ、その場に寝ころんでしまった。
 通信管からしつこく流れ落ちてくる声を聞いてか知らずか、すっかり不機嫌な顔である。
『てめぇ、わかんないって言いぐさはなんだ!? 仮にもこの船の機関士長だろうがよ!』
「機関士長って、そんなの主催者側に勝手に決められただけだもん! ……同じ名前のクセに、
おじいちゃんとは大違いなんだから……」
「まぁまぁ…… ハイウィンドさん、ひとまずコレのことは忘れましょう」
「チャモロの言うとおり! 悩むな、悩むな。心配するのは年取った証拠って言うよ?」
「~~~!」

137:104 ◆V0Z9gQxKXc
05/08/11 01:44:55 M+Kbcwuz
>>136
 エンジン室から聞こえる少年達の声を聞きながら、艇長シド・ハイウィンドはため息を吐いた。
 機関士長であるミドとアーヴァイン・キニアス、そしてチャモロという3人の少年には、
それぞれの性格は違いこそすれどうも調子を外される気がする。
「でも、退屈はしなくて済みそうじゃない?」
 と、そのやりとりを笑いながら聞いていたアリーナが、微笑みながら言った。
「そうだろうな、退屈なんざするヒマもねぇだろうさ」
「ええ……孤独よりマシよ」
 赤い巻き毛を手でさぐりながら、ふと呟く。
 そんな時であった。
『艇長! 今すぐ上に来てみな!』
「おぅ! どした?」
『隣の飛空艇がさ、なんだか動くみたいなんだ! なんてゆーか、ヘンテコな形の飛空艇……』
 2人の男女の声が、少し興奮した様子で甲板の様子を伝えた。

138:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/12 17:36:18 2jB7rS0Z
過疎あげ

139:書き手  ◆F/WveZadCU
05/08/14 02:12:52 Hn9yes6F
お久しぶりです。
めぐれメタルスレ落ちちゃいましたorz
470KBまで行っていたのに無念。
合宿帰宅報告でもしておけばよかった・・・。
書き込もうとしたら過去ログ行き。二時間前はなんともなかったのに。・゚・(ノД`)・゚・。
復活させるにしても2.0になるのか2.5になるのか、それすらも微妙です。

場の悪いことに明日から帰省・・・。
一週間ほど帰ります。どうするかはそれから考えます。
ごめなさい。

とりあえずここに非難させてください。

140: ◆QWzUF/wj3.
05/08/15 22:30:18 1bFZ5PEn
すごい久しぶりの書き込みで最初躊躇った・・・
ま、短く。
>>52
A・Iさん、すみません。お題スレでは感想くれたのに返事できなかった。
もう何ヶ月前のことになるやら・・・
このスレでも自分のあとに間髪入れず投下してるのに今になってレスをするような
体たらくぶりですよ、はい。
なんだかもう暑くて忙しくて・・・どうでもいいか。
とにかくその軽め(?)なストーリーと文体は健在なのでよかったです。でも時々重厚な話も
書いてますよね。
>>54
実際だれかが測ってみて一分半くらいだったらしいです。
クラウドのつっこみもやっぱり欲しかったか。
やったことないけどインター版のスーパーノヴァは凄いとか

141:あやかし
05/08/16 16:14:31 aZ+k81J5
深い森の緑に包まれて、人の目に隠れた隠れ里。
夜の丘にたつ不思議の塔は、あたかも月光にゆらめく幻のようである。
ここに妖魔の王子デスピサロ様は、黒い鳥の姿を借りて飛来された。

ぼんやりと白んだ春の月に、王子は心に染み渡るばかりに笛を遊ばし、
魔法の入り口の封印をお解きになった。
階上の部屋にひとり住まう妖精の姫は、王子の姿をご覧になり、
「まあ、デス様」
とお迎えなさった。
「今日は魔界王子ではなく、ひとりの男として参りました。
 ただピサロ、とお呼びください」

ところが姫は、花のかんばせをにわかに曇らせ、困惑したご様子になられた。
「いつもお着けになっている、あの仮面はどうされたのですか。
 黒羽をあしらった黒金の細工、泣きぬれたような宝石の仮面は」

王子は言葉を尽してお慰めなさったが、姫はただ首を振り、むやみに怯えたご様子なので、
なすすべもなく手をつかねて、ただ呆然となさる。
妖精の姫の目にあふれ、こぼれた涙は、落ちてきらめく宝石になった。

そうこうするうちに、緑の甲冑の宿直騎士が戸の前に参り来て、
「もう夜も更けました。姫様にはご就寝の時間でございます」
と告げたので、王子は、
「これはもう、なんともはや」
とその夜はお帰りになられたのも、あわれに優雅なことであった。


142:伝統
05/08/16 16:15:15 aZ+k81J5
新しい太陽がアリアハン国を照らす。少女の十六歳の誕生日の朝であった。
「わたしの可愛い勇者さん、起きなさい」
ベッドを覗き込んだ母親は、娘の頬を指でつついた。柔らかくくぼんだ。
「んー」
「今日はお城に行く日でしょ」
少女は飛び起きた。「いけない、遅刻しちゃう!」

とんとんと階段を降りてきた少女は、真新しい制服を母に披露した。
「どう? どこか変じゃない?」
今日の日のためにあつらえた、伝統の勇者の衣装はミニスカ。
半袖の肩から胸にベルトを渡し、これにかばんと剣を提げる。
くるりと回るとふわり広がる、薄手のマントはブルー、好きな色。
すこし癖っけな黒髪を、額で留める冠は勇者のあかし。

「似合ってる。似合ってる」
おかしそうな母の笑顔に不安になる。棚の上の写真をちらりと見上げた。
どう、パパ?
写真の隣に置いた時計は八時二十分だった。少女はぎょっとした。

テーブルをかっさらって玄関に飛び出した。母の声が後を追う。
「ごはんはー?」
「時間ないから!」
行ってきますの声も慌しく、少女は城への坂道を、食パンをくわえて駆けていった。


143:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/18 07:40:24 vKAkPFyl
何この萌え小説w

144:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/18 23:21:24 hhZIsuWH
ところでラトーム氏は本当にどこへ行ってしまったんだろう。
今年の3月末のよろず相談所への書き込みが最後のような気がする。
誰か消息を聞いていませんか?特に保管人の方々。

145:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/20 08:24:10 mLTlTYzm
 軍人というものは、多かれ少なかれ何を着ていても軍人然とした雰囲気を隠せないもの
だ。以前、近衛隊の上官の私服姿を見かけたことがあるが、あれは何とも言えないものだ
った。サー、制服をどこにお忘れになったのですか?…今はまだ笑っていられるが、ぼく
だってあと十年もすればあの上官とおなじ、軍服しかしっくりこないタイプの人間になる
のかもしれない。ぞっとしない話だ。
 ところがその酒場にいた彼にはそういった様子が微塵も感じられなかった。なるほど騎
士団の洒落た赤の制服を粋に着こなしてはいるのだが、彼の気配はあまりにも貴族的だっ
た。要するに軍服を着ていてさえも軍人に見えないのだ。古風な仕立ての錦の三揃えを着
て、詩篇を引用した訳のわからないジョークで上品に笑う、彼にはそういった世界の方が
よほど似合っているように見えた(だから後になって、彼が没落貴族の出身だと聞いても
ぼくはあまり驚かなかった)。
 彼に会った時、彼の部隊の連中はさぞかし手を焼いていることだろうとぼくは内心苦笑
した。綺麗すぎる男というのは当人の意思に関わらず問題を起こしやすいものだし、何よ
り彼の空気は根本的なところで軍人連中とは馴染まない。例えば上官をネタにしたお決ま
りの下品な小話で仲間と一斉に馬鹿笑いをする、そんな彼を誰が想像できるだろう。言っ
ておくが、軍事組織においてもっとも重要なのは協調性なんだ。
 実際付き合いが長くなってみると、彼は見かけほどなよやかな男ではなかったにせよ、
幼稚なまでの無邪気さと、目に見えないもの手に入らないものを恋慕う屈折したナイーブ
さ、彼のそういった多面性はまさしくある種の貴族性の本質を体現していた。華やかさの
裏の暗い影、情熱と諦念、相反するそれらを共存させて感じやすい心を絶えず揺らす。そ
ういう生き方はぼくのような単純、よく言えば現実的な庶民精神の埒外のものだ。
 しかもこの美人の騎士殿ときたらカードの仕込みまでやらかすらしい。当時、彼のあか
らさまなチーティングのせいで起きた乱闘を眺めながら、ぼくは彼の同僚にますます同情
していた。こんな問題児と上手くやっていくのはさぞかし大変だろう。ぼくなら三日で胃
に穴が開くに違いないと思ったからだ。


146:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/21 01:45:40 Fracpwxs
>>141
おー、平安物語調ですね。ロマンチックだー!
文体を自在に変えられるって憧れます。

147:僕らの勇気
05/08/22 15:15:53 37/iqvHU
むかしローレシアのモョモト王子は、魔法で織られた絹のつばさ、
『風のマント』を身にまとい、塔の頂から飛び立った。

眼下に荒れ狂う海峡は、竜のあぎとの名のごとく、
すべてを飲み込む貪欲な渦、行き交う船も絶えてない。
ドラゴンの角の一方から他へ、モョモト王子は空を飛ぶ、
不撓不屈の勇気を胸に。

モョモト王子は空を飛ぶ。
愛と勇気は友だちさ、でも一人じゃない。
右手にサマルトリアのトンヌラ王子、
左手にムーンブルクの犬姫をつなぎ、
海上を三人でグライディン。

「すばらしく気持ちがいい」
とトンヌラ王子。
「勇者がトべるって本当だな」
「やみつきになりそう」
と犬姫。
「船なんかいらないわ。もっともっと」

あまり二人がはしゃぐので、モョモト王子も男気を出した。
海峡を越えてさらに飛ぶ、目指すルプガナがみるみる近づく。
ところが不思議な魔法のつばさ、『風のマント』も限界だった。
あまり長時間展開していると、太陽熱で溶けてしまう。
「なんかやばいぞ。失速してないか」
「きゃー! きゃー!」

最後の力で二人を森に放り出し、モョモトの翼は空中分解した。
つばさ奪われモョモトは、
落ちて命を失った。いや、危うく死ぬところだった。


148:野生児
05/08/22 15:16:37 37/iqvHU
がうがう、おれガウ。獣ヶ原のいっぴき野生児。
今日も野生してるよ。

おいしい匂いや、すてきな香りを追いかけて、まいにち夏の獣ヶ原を走る。
今日は、特別ふしぎな匂いを探してた。すごいお昼にありつけるかもしれない。
もうずっと近いんだ。期待して藪をくぐったとき、すぐそばで声がした。
「なに?」
「なにかいるみたい」
女の人の声。
がさがさ、わざと藪を揺らして、顔を出してみた。きゃーっと歓声。
「かわいーい!」
浅い芝の上にマットを敷いて、ランチとお姉さんたちが載っていた。

緑の髪のお姉さんがおれを指差す。
「あれ、野生児っていうんでしょう」
金髪のお姉さんが、ランチボックス持って、おれの方に来た。
「野生児って何を食べるのかしら」
おれに手を伸ばす。おれは待ってた。

「おいよせよ。噛みつかれるぜ」
お姉さんはびくっと手を引っ込めた。バンダナのおじさんが口を出した。
「そういう野生児にはな、エサとか、やらないほうがいいんだ」
「どうして?」
二人のお姉さんが見つめる。おじさんは言った。
「そりゃあ…野生児なのに、野性を失っちまうだろ」
お姉さんたちは未練っぽくおれを見たけど、納得して、さわるのはやめたよ。

そう言われたら仕方ない。おれも、退散するしかないけどさ。
おれだって時々は、お姉さんたちに甘えてみたかったんだ。
藪を抜けて無茶苦茶に走りながら、おじさんの言葉、忘れたかった。
ちぇっちぇっ。おしっこ、ひっかけてやればよかった。


149:書き手  ◆F/WveZadCU
05/08/22 23:14:59 GoxX3t4t
あやうく挨拶を忘れるところでした。
復帰しました。有志の方が立ててくれたみたいです。
お邪魔しました。また遊びに来ます。
ラトームさんも戻ってこないかな・・・。

めぐれメタルの冒険 2.5 deep strangeness
スレリンク(ff板)

150:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/22 23:58:17 r2A4yw87
>>147
「むーかーしギリシャーのーイカロスはー」
ですな。なんか嵌っててワロタ

151:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/24 09:21:17 5GN7VB3i
下がりすぎてギリギリの位置だったんで一旦ageますね

152:名前が無い@ただの名無しのようだ
05/08/24 10:21:38 G9jLrIgd

何がギリギリなの?

まさか最下層=dat落ちって思ってる?


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