05/08/11 01:42:44 M+Kbcwuz
>>132
発進準備を迎えた中型艇グレイハウンド号では、各作業が着々と行われていた。
全長約40メートル、3基の上昇用と2基の推進用大型プロペラを備えた、機動力に優れた
機体である。ただ、動力に未知のエネルギーを使用しているため、出力や安定性など不明な点は多い……
『ミド、どうだ?』
「むー……」
というのは、この艇の機関士長の言葉である。中でも中枢部に何かのエネルギーを秘めた「宝石みたいな
もの」が組み込まれているエンジンに関しては、特に不明な点が多いらしい。
『おい、聞こえてんのか??』
「むむむ~」
『あんだってぇ?』
「わかんない!」
そう言うと、機関士ミド・プレビアは両手を上げ、その場に寝ころんでしまった。
通信管からしつこく流れ落ちてくる声を聞いてか知らずか、すっかり不機嫌な顔である。
『てめぇ、わかんないって言いぐさはなんだ!? 仮にもこの船の機関士長だろうがよ!』
「機関士長って、そんなの主催者側に勝手に決められただけだもん! ……同じ名前のクセに、
おじいちゃんとは大違いなんだから……」
「まぁまぁ…… ハイウィンドさん、ひとまずコレのことは忘れましょう」
「チャモロの言うとおり! 悩むな、悩むな。心配するのは年取った証拠って言うよ?」
「~~~!」