05/08/07 02:57:45 8nNINULb
>>127
「ルールは簡単さ。各チームに用意された飛空挺で、ゴールゲートをくぐればいい。1位とか2位とか
順位付けも無いし、完走さえすれば元いた世界に帰れる。簡単だろ?」
「本当かい? 本当に、元の世界に……」
「なら信じなければ?……完走するためにはこいつを5枚、集めてもらう」
口を挟むトンヌラに言い返しながら、黒いその手の平が光った。
見れば、小さな金貨のようなものが輝いている。
「君はご存じだよね? そう、小さなメダルさ。こいつを5枚集めることで、ゴールがどこにあるか
わかるって仕組み。……地面に埋まってるなんてことはないから、安心していいよ」
「宝探しね……なら、オレの出番かな?」
「ただし! 残念なことに、ゲートをくぐれる飛空挺の数は決まっていてね? おそらく、下位の
チームはゴールすることができないはずさ」
「……!」
「次に禁止事項だが……飛空挺を破棄もしくは廃棄すること、レースを棄権すること。これだけ
守ってくれれば、あとは他を潰そうが味方を裏切ろうが好きにして構わない……って」
zzz…… zzz……
思わず、クムクムの話が止まった。
ふと見てみると、ジタンとトンヌラ以外のメンバーが皆、寝息を立てて眠っている。
「……飽きちまったみたいだな」
「……」
「所でさ、その大事な飛空挺ってのは、どうやって操縦すりゃいいんだ? それだけ……」
「……」
「!? おい!? ちょっ、おーーーい!」
しばらく黙った後、クムクムはそっと消え去ってしまった。