05/08/01 01:44:03 sxWvb4lY
>>116
と、
「おぉ~~い! ジタン! ジタンではないか~!?」
「!? この声は……スタイナーのおっさんか!」
ジタンを呼ぶ声が聞こえたと思うと、鎧をガシャガシャ鳴らしながら男が走り寄ってきた。
エーコと同じかつての仲間、騎士アデルバート・スタイナーである。
「お主、ここで一体何を…」
「お久しぶりね! スタイナーのおじさま!」
「がうー!」
「おおっ、これはエーコ殿……こちらの少年は?」
「っておっさん、感動の再会はあとあと! こりゃ一体なんなんだ!? ここにいる人達は……」
ひとまず再会を果たすと、ジタン達は互いに今までの経緯を説明した。
誘拐や突然の襲撃など様々な手段でここに連れてこられたこと、危害は一つも加えられていない
こと、ここにいる人々も同じ境遇であろうということ……
「自分も何がなにやらさっぱりである! ガーネット様もご無事であればよいが」
「もしかしたら、この中にいるかもしれないな。探して……」
『え~~~皆さん! ちょっと静かに! 今から大事な話をするんで、静かに願います!』
「? 声が……」
突然、奇妙な声が聞こえてきた。
どこからということもなく、四方八方から雑音混じりに聞こえてくる。
「姿は見えぬが声のみ聞こえる……何とも奇妙である!」
「しっ、なんか話すぜ」
『え~、この度はお忙しい所をお集まり頂きまして、ありがとうございます。なぜこのような場所に
来て頂いたかといいますと、皆さんにレースをね、やってもらいたいんですよ』
レースという言葉を聞いて、周囲がにわかに騒ぎ出した。
手紙に書かれていた言葉である。差し出し人の名前もなく、目的もわからず、ただレースに招待
するというだけの内容。
反応からして、ジタン以外の者達も同じものを受け取っているらしい。