05/07/28 02:18:27 pQYIVzed
>>113
広々とした廊下の赤絨毯の上を、あれこれ見回しながら3人が歩いていく。
人の気配はない。聞こえるのは自分達の足音、エーコとガウの話し声、先程から
窓に吹き付けている風の音だけである。
(……風?)
ふと気になったジタンは、外の様子を見ようと窓の側まで近づいてみた。
とそこには、驚くべき光景が広がっていたのである。
「っ! おいおい、なんなんだここは!?」
「どうしたのジタン、何か見えた?」
「見えたなんてもんじゃないぜ、ここは空の……空の上だ!」
窓の外にあったのは、ただひたすら広がる青空のみであった。
陸地らしきものは全く見えず、外壁も黒々とした断崖である。建物としての面影すらない。
誰もが城だと思っていたこの空間は、どうやらとてつもなく巨大な岩山のようであった。
「なんだか、リンドブルム城みたいなところね……」
「あぁ。どうやら、俺達はとんでもないことに巻き込まれちまったらしいぜ」
そう呟いて、ジタンはふっと笑った。