05/01/05 02:08:39 QOKw6guJ
「寒いだろうから私が移動させたの。ごめんね驚かせて」
「…ああ、お気遣い有難う。確かに少し冷えるよ」
さっきの不安は既になくなっていた。
どうやらタバサをベッドへと移動させたのはビアンカだった。
彼女はセージよりも前に起きていて、そしてタバサを自分の寝ていたベッドに…という事だったのだ。
「容態は大丈夫なの?随分汗だくだったからねぇ」
「ええ、大丈夫。これでも旅をしてたから体力は自信があるのよ」
「なら良いんだけど…。ああ、そうだ。今の状況を説明したいんだけど…いいかな?」
「私からもお願い。正直ちょっと困惑してるの。記憶もないし…」
「わかった。できるだけ簡潔に纏める様努力するよ」
そしてセージは今までの出来事をビアンカに話した。
タバサと自分が出会ったときのこと。それからした行動の事。ビアンカと自分が繰り広げた死闘のこと。
そして…ピピンとサンチョが死んだこと。
「彼らに関しては、タバサから話は聞いてたからね。どうやら惜しい人だったらしい」
「うん、2人ともとても素敵な人だった…」
「……だろうね。僕も話を聞くだけでそう思えた」
「そんな事が起きてるのに…私はもっと犠牲者を出そうとしてたのね」
母親失格かもね、とビアンカは笑って言った。
声が少し涙混じりだ。かけがえの無いものを失ったのだ、当然だろう。
それを見て、セージは静かに語りだした。