FFDQバトルロワイアル3rdat FF
FFDQバトルロワイアル3rd - 暇つぶし2ch200:199
04/11/04 01:17:22 dl/lS1AW
補足です。

【リュック(ドレス:シーフ) 現在位置:いざないの洞窟B1F 
 所持品:バリアントナイフ、マジカルスカート、アンブレラ
 第一行動方針:仲間達との合流(仲間の中でもユウナを最優先して探します)】

201:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/04 11:04:27 OSKjlniJ
ルイーダの酒場のカウンターで、ローグは悩みつづけていた。
元の世界での仲間と合流するべきか、多少危険でも一人で行動するべきか。
支給品がどう見てもハズレ―妙なフォーク一個だということを入れなくても、仲間は多いほうがいい。
だが、問題は仲間たちの性格だった。
すごろく場はまだしも、神竜相手に「エッチな本」まで要求した勇者。(まあ、本当によこす神竜も神竜だが)
二重人格で、どちらの性格でも手に余るフルート。
何考えているのかわからないがとにかく自信家で、正義感も強いがプライドも同じくらい高いセージ。
一番まともなのが、一番まともに見えない職業「盗賊」の自分なのだから笑うしかない。

「協力させても俺の足を引っ張る……だろうな、あいつらなら」
彼はゲームに乗るのではなく、それ以外の方法で終わらせる―つまり、首輪を外す方法を探すつもりだった。
しかし仲間たちの性格では、協力させたところでミスや事故を引き起こす可能性が高い。
呪文の使えないローグとしては、解呪・解錠系の呪文を心得ている協力者がほしいのだが……
問題は仲間たち以外に、平和主義者でそういった呪文に精通していて、かつしっかりした性格の人物がいるかどうかだ。
「最悪の場合、誰を頼るか……やっぱセージの野郎か?」
勇者は呪文を使えるが、さほど詳しいわけでもない。
フルートは論外だ。キレたら仲間でも殺される。
勇者の父親・オルテガを頼りにすることも考えたが、すぐに諦めた。
いくらなんでも面識が少なすぎる。
ゾーマの城と、神竜に三個目の願いを叶えてもらった後で勇者の家に泊まった時、
その二回だけしか顔を合わせていないし、ましてや直接話したことなど一度もないのだ。
それに呪文が使えることは知っているが、だからといって呪文の知識を持っているとは限らない。
となると、残るはセージだけだ。あまり気が進まないが。
「ちくしょう、一人ぐらい普通の性格で呪文に詳しくて頭が良くて腕が立つ心優しい人間はいねーのか!」
そんな完璧超人がそうそういるわけないと思いつつも、ローグは叫ばずにいられなかった

【ローグ(男盗賊) 現在地:ルイーダの酒場一階 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:協力者かセージを探す 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】

202:精霊と勇者と
04/11/04 14:22:25 G/yBC3N4
ロトの勇者、アレフは洞窟の中、今正直に迷っていた。
なぜなら彼の目前に――
「お願い!力を貸してくれないかな??」
そう、もこもこした物体が自分に話し掛けてきたのだ。
可愛い外見で、とてもこのふざけたゲームに乗っているとは思えない。
しかし、人間ではない、もしかすると襲われるかもしれない。
そうやって、支給武器の小手を装備しながら、対峙していた。
素手という不利な条件の中彼は一時も物体から意識を離さなかった
「言え、用件を言え。」
と重く答える。
そして、その奇妙な物体は泣きそうなで答えた。
「テリーっていう、僕ぐらいの小さな青い帽子を被った子を探してるんだ、彼がいないと、タイジュは――」
突如、そこでその物体は言葉を切る。
そして、迷いを振り払うかのごとく首を横に振った。
「ううん、なんでもないよ。とにかく力を貸してほしいんだ!お願い!僕のこれならあげるから!」
と、その物体は頭を下げ始めた、ペコペコと。
それと同時に、アレフの目の前に剣と鎧が落ちてきた。
(敵意は無い、ならば――)
と彼は、腕をぶらりと下げ、警戒を解いた。
「事情はわかった、そのテリー君というのを探してあげよう、僕も探さなければならない人がいる…」
そう、彼もこのゲームに巻き込まれた、ある人物を探しているのだ。
それは、ラタドーム城の姫、ローラだった。
「この剣は使わせてもらうよ、でもこれはどうも僕の腕には填まらない、君が使うといいよ。」
と言って、一つの腕輪を投げ出した。
それを拾い、その物体は笑顔で答えた。
「ありがとう、アレフ!僕はわたぼう、よろしくね!」
そして、握手を交わしたのである。
アレフは知らなかった、このわたぼうと名乗るものがタイジュという国の精霊で、魔王を遥かに上回る力をもつことを。

【アレフ 生存確認 現在地:いざないの洞窟最深部 所持品:メタルキングの剣 刃の鎧 クリスタルの小手
 わたぼう 生存確認 現在地:同上 所持品:星降る腕輪
 第一行動方針:テリーとローラを探す】

203:喪失
04/11/04 20:11:45 EBKaqxrS
それは、はたから見れば正常な状態に見えただろうか。
あの惨劇を前に狂気に身を包む事も無く、涙を流す事も無く、それは確かにその個室にいた。

「…俺、は、…何、何で、こんな」
たどたどしく、無機質な声で言葉を繋げていく。彼は自分の状態を疑問に"思おうとした"。
(上手く、いかない…)
「駄目だ、こんな、…アルティミシア」
今度は、憎むべき相手の名前を声に出す。
そうすればきっと憎くてたまらなくなるだろうと考えての事であった。
でもそれも、(上手くいかない)
「――ッ…」
彼は自分の状態に、恐怖を感じ"ようとした"。唇を噛んで目を開き、息を飲んだ。
確かにほんの一瞬だけ、恐怖を感じた時の表情を形作ったが…
それはあくまでも『演技』の部類に入るようなもので、すぐにまたその顔から表情が抜け落ち無表情に戻る。
「………」
彼はしばらく、無表情のまま頭を抱えていた。
しかし数分後、ゆっくりと腰を上げ、ゆっくりとザックから支給品である大きな盾を取り出し手にした。
もう、先程までの行為は時間の無駄だったと思うことにした。いや、考える事にした。
そうでもしないと(自分が、消えて、しまいそうだ)
…ドアノブに手をかけ、ゆっくりと回す。自分がこれからどうするべきか…わからない。

フリオニール。彼は首を失ったマリアを見たその瞬間から、感情の一切が麻痺し何も感じなくなってしまっていた。
空虚に満たされた心の奥底、その隅のほうに沈んだ理性では、泣きたい、叫びたい、狂いたいと確かに欲していた。
狂って殺人鬼と化してしまえれば。マリアの仇を取る事が出来れば。…どんなに楽だろうか?
しかしそれは、今の彼にはとても無理な事であった。

【フリオニール(感情喪失):生存確認 現在位置:レーベの村民家一階→レーベの村 所持品:天空の盾
 第一行動方針:ただ歩く】
※天空の盾は現在では、持ち主に近づくまでの間なら一応扱えます。

204:一緒 1/2
04/11/04 22:16:24 OSKjlniJ
「お茶、いれましょうか?」「ああ」
お城の中にあった台所。そこで私はお湯を沸かす。
彼―たった今出会ったばかりの旅の方は、大きなテーブルに突っ伏しながら、ぼんやりと窓の外を見ている。
疲れているのだろうか。それとも、こういうだらけたポーズが好きなのだろうか。
どちらの理由でも構わないけれど。

「……あーあ、あいつやハッサンやバーバラは大丈夫かな」
「お友達ですか?」
カップに注いだ紅茶を運びながら私は聞いた。
「友達というか、仲間だな」
「きっと優しい人たちなのでしょうね」
「ああ、機会があったら君にも紹介するよ」
「ありがとうございます」と微笑みながら、私は紅茶を差し出す。
「これでうまいケーキがあればいいんだけどな」
彼はそう言って、砂糖も入れずにそのままぐいっと飲み干した。
私はダメだ。ミルクを入れて冷まさないと飲めそうにない。

205:一緒 2/2
04/11/04 22:19:39 OSKjlniJ
ようやく飲める熱さになったようだ。私はゆっくりと、緋色の液体を口に運ぶ。。
「おいしいですね」
自分で入れた紅茶を自分で誉めたのはやはり変だったのだろうか。彼の返事は無い。
「ごめんなさい、付き合わせてしまって」
やっぱり返事は戻ってこない。仕方ないけれど。
「本当は一人でいくつもりでした。
 でも、怖かった。たまらなく怖くて決意がつかなかったとき、あなたが現れて」
どこから吹いた風なのか。彼の髪が静かに揺れた。
「嬉しかったです。私のことを気遣ってくれて。一緒に行こうと誘ってくれて。
 私、とても嬉しかったんです。だからこんなことをしてしまいました」
彼は答えない。答えられない。
「覚めない悪夢の世界にいるより、永遠の眠りにつきたかった。
 絶望の中誰かに殺されて死ぬぐらいなら、少しでも安らいだ気分の中で逝きたかった」
ただ、命の抜けた体だけが、椅子にもたれかかっている。
もうすぐ私も彼のようになるのだろう。
「ごめんなさい、旅の人。身勝手な願いに付き合わせてしまって。
 ごめんなさい、勇者様。あなたのことを置いて逝ってしまって」
やがて体が痺れ始め、視界が白く濁りだしてきた。
バランスを保っていられずに、懐に入れたままの小瓶を落として割ってしまう。
中身は無い。全部、二人分の紅茶に入れてしまった……
「―さようなら」
それが私の最期の言葉になった。

【アモス死亡】【ローラ死亡】
*ローラの支給品は毒薬で使用済み、アモスの支給品は不明。
*現在位置は【アリアハン城の台所】

206:レディには親切に 1/2
04/11/05 01:21:58 55BEymfp
教会の中央で血に塗れて事切れている老人を目にして、エドガーは思わず唇を噛み締めた。
「―何てことだ」
低くうめく。

誰かが、乗ったのだ。
悪夢のゲームに。殺戮という名の誘惑に。

一体誰が。
仲間達の誰かか、それとも見知らぬ誰かか。
もし自分がもう少し早くここに足を踏み入れていたら、冷たくなっていたのは
自分だったかも知れない。
心臓が絞め付けられるようなプレッシャーを感じて、エドガーは後ろ手でしっかりと
今入ってきたばかりの教会の扉を閉めた。

『……い……』

「うわっ!?」
聞こえてきたかすかな声に、エドガーは文字通り飛び上がった。
慌てて教会の中を見回すが、人影らしき物はない。
まさかと老人に駆け寄るが、その体はすでに温もりを失っている。
心霊現象―というところまで彼の考えが飛躍したところで

『……えてる?……』

再びかすかな―女の声。

207:レディには親切に 2/2
04/11/05 01:25:21 55BEymfp
エドガーはふと思いついて、老人の支給袋の中を探った。中から現れたのは―草。
『おーい』
そして、その草からははっきりと先ほどの女の声が聞こえてきた。
(これは……こんな草が通信装置の役割を果たすのか!?)
祖国の機械技師達が知ったら目が点になるに違いない、是非とも持って帰ろう、と固く
心に誓うエドガー。
持って帰ろう。
もし、帰れるならば。

「……もしもし、レディ?私の声が聞こえるなら、麗しき貴女のお名前を教えていただきたい」
対女性用のトーンで語りかけたエドガー。しばしの沈黙の後、彼の持つひそひ草から
僅かに戸惑った、だがはっきりとした「……バーバラよ」という返事があった。

【エドガー 現在位置:アリアハン教会  所持品:ひそひ草(ブライの支給品から取りました)
 (エドガー自身の支給品はまだ不明です) 行動方針:バーバラとのコンタクト?】


208:占いネコ 1/2
04/11/05 01:45:58 sOLK3WHX
暗くてジメジメした洞窟を、リュカは一人でサクサク進んでいた。
もちろん警戒は怠っていない。洞窟探索など慣れたものだ。
ただいつもと違うのは、命を預けられる仲間がいないことと、洞窟の陰に潜むのが魔物ではなく、
このゲームの参加者だ、ということぐらいだろうか。
(あっ、でも参加者に魔物もいた気がする・・・)
頭の隅でそんなことを考えながら、足は止めない。
動けばゲームに乗っている連中に見つかる危険もあるが、地理を把握しなければ逃げるときが困る。
それに、早く家族や仲間達、親友に再会したい気持ちが強かった。

角を曲がると、袋小路だった。
頭の中に描いた洞窟の略地図に×をつけ、そのままそこを去ろうと踵を返す。
と、その時、リュカはなんとも奇妙なものを見た気がして、もう一度振り返った。
震える王冠が浮かんでいる?
正確には、岩陰に隠れたのに、頭の上の王冠だけ隠し切れなかったというところか。
「あの、その王冠は脱いだほうがいいよ。光って目立つし」
とりあえずそう言ってみると、往還はビクッと揺れて、すごすごと岩陰の中に消えていった。
王冠さえなくなれば、そこに誰かがいるとはわからないのだが・・・。
「ねぇ、俺の他に、ここには誰か来なかったかい?」
とにかく、誰かいるなら聞いてみるべきだろう。
怯えて隠れているなら、ゲームに乗っている訳ではなさそうだし。
「あんさん人捜しか?こんなけったいなゲームの中で、なんでそんな危険冒す気になるん?」
「うん。まぁ、大切な人たちだからね」
「ボクはここに来てから、誰も会わんかったけど・・・ちょっと待ってぇな」
そういわれて少し待つと、何と岩陰から王冠をかぶったネコが出てきた。
「・・・君、魔物?」
「失礼やなー。ボクは占いマシーンのケット・シーや。
 兄さんいい人っぽいから占ってやろ思たんに、やめましょか?」
「あ、ゴメン。僕はリュカって言うんだ。捜しているのは家族とか仲間とか、親友なんだけど」
「ふうん、リュカさんか。ほな、占ってみましょか」

209:占いネコ 2/2
04/11/05 01:46:53 sOLK3WHX
ケット・シーがそういうと、今度は袋小路のずっと奥、最初ケット・シーが隠れていた岩より
ずっと大きい岩陰から、よくわからないピンクのデカブツが動き出した。
リュカにはこいつこそ魔物ではないかと思われたが、ケット・シーが素早くそいつの頭上に納まり、
次いでケット・シーがそいつの全身を揺り動かしだすと、攻撃するのもままならず、
ただじっと事態を静観するのに努めた。
「出ましたでーって、あっ、アカン。これ間違いや。前に使うた分残っとった」
「出たって、占い、なんて出たのさ?」
 ピンクの物体、デブモーグリ人形から出てきた紙を、リュカはケット・シーから掠め取る。

『求めれば必ず会えます。しかし、大切なものを失います』

紙にはそうとだけ、書かれていた。
「あー、ボクの占いって外れるんで有名やから、気にせんほうがいいですよ?」
ケット・シーの気休めを聞き流すリュカの手は、占いの結果を握りしめて震えていた。
「ありがとう。とりあえず急げってことだけはわかったよ」
 リュカにとって、最も大切なものとは家族だ。求めて、会えて、それで失っては元も子もない。
早く探し出して守らなければ・・・。
リュカはそのままそこを後にしようとする。それをケット・シーが遮った。
「ちょい待ちい。占い屋ケットシーとしてはこんな占い不本意なんです。
 きっちり見届けんと気持ちがおさまらん。一緒に連れてってもらいますよ」
リュカは立ち止まり、まくしたてるケット・シーをまじまじと見つめる。
ケット・シーはなんだか気恥ずかしくなった。
「本当は、一人でここに隠れとるんも怖いから、連れてってほしいだけです」
気恥ずかしさのあまり、思わず本音が出るほどだった。
リュカはにっこり笑い、それを肯定の返事に変えた。

【リュカ(DQ5主人公) 現在位置:岬の洞窟 所持品:不明
 第一行動方針:家族を探す 第二行動方針:仲間とヘンリーを捜す】
【ケット・シー 現在位置:岬の洞窟 所持品:不明
 第一行動方針:リュカに従う 第二行動方針:生き延びる方向で臨機応変】

210:独自の美の感覚1/3
04/11/05 04:45:33 VirIW4gc
アリアハン王城謁見の間。
鎖国しているとはいっても、自国民、他国民に威厳を見せつけるために様々な装飾品や絵画が飾られている。
窓から見える美しき町並みと広大な平野は、ここが殺し合いの舞台であると忘れさせてくれるくらいの、のびのびとした風景である。
そして、その向こうには、太陽の光を受けてきらきらと輝く湖、荘厳さを感じさせる古き塔。
さらに向こうに広がる、岬を覆い尽くす森林地帯の鮮やかな緑色との相乗効果もあいまって、絶妙な美しさを醸し出している。

そして、その風景を見ている者がいる。
その男は豪華なマントを身にまとい、頭には羽の付いた帽子をかぶり、右手の指には赤い石の付いた大きな指輪をはめている。
後ろにはレオタードを着た、緑色の髪をした女。旅の扉に飛び込んでこの世界に到達するやいなや、
このわけの分からない人物に出会い、対応に困っているらしい。
「素晴らしい… 邪悪な闇に包まれた景観もいいが、朝の光にやわらかくくるみ込まれた景観もよい。そうは思わぬか?」
男は女性に背を向けたまま、尋ねる。
女は、何も答えない。答えられない。何しろ、意味が分からないのだから。
男が豪華な鏡を取り出す。破壊の鏡。あまりにも映ったものの出来がいいため、
映し出された本物がこの世に存在できなくなると伝えられる、人魚族の秘宝である。
「美しき鏡に映るものは、やはり美しいものが相応しい。そうだろう?」
鏡の中に映し出された装飾品の数々。その合間に張られた蜘蛛の巣が、鏡の中で消える。そして、現実でも。
鏡は、謁見の間にあるものすべてを映した。玉座を映し、王家の紋章を映し、女を映し、そして男を映す。
鏡に映った男の顔は、人間のものではなかった。いや、厳密に言えば人間だが、生きている人間に
このような顔を持つ者はいない。鏡に映された男の顔は、骨となっていた。

211:独自の美の感覚2/3
04/11/05 04:48:43 VirIW4gc
「モンスター!」
女が驚いたように声をあげる。
それに構わず、男が今度は剣を取り出す。氷でできた、青き剣。
「どうだ、この青く、透き通った剣。まるで水晶のようだ…美しいだろう?」
男が振り向く。男の顔がみるみるうちに溶け、鏡に映っていたのと同じ、骸骨となる。
「だが、これだけではもの足りないな。このような剣とは、使われてこそ真の美しさを発揮するものなのだよ。
 透き通るような青には、真紅の色をした血がよく似合うと思わぬか。美しき乙女の血ならば、なおさらな…」
男…魔道師ハインがマントをひるがえし、剣…氷の刃を女…リディアに向ける。

リディアは逃げだそうと、階段へ通じる扉へ駆け出す。
「逃がしはしない…」
ハインはブリザラを唱え、扉を凍りつかせる。
「それとも」
ゾッとするような笑みを浮かべながら、ハインが近づいてくる。
「氷漬けの女神像として、この城の一部となるのを選ぶか?」

212:独自の美の感覚3/3
04/11/05 04:57:16 VirIW4gc
「冗談じゃないわ。こんなところで死にたくなんかない!」
相手はどう見てもアンデッド。アンデッドには炎が効果的。
「ファイラ!」
相手は完全に炎に包まれたかに見えた。しかし、何かに弾かれたかのように炎が四散する。
「余に魔法は通用しない。余には相手をいたぶるのを楽しむような趣味もない。
 おとなしくしていれば、すぐに終わる」
「ブリザラ!」
炎がダメなら氷で攻める。謁見の間の気温は下がり、ハインの周りは凍りつく。
しかしハインがマントを返すと、またも魔法は四散した。
「あきらめの悪い娘だ。美しいものではないな…おや?」
ハインの周り、特に足下が凍りついたことで、身動きが取りづらくなったらしい。
チャンス。リディアはファイアで扉の氷を溶かし、一目散に階下へ逃げた。
「ふん、逃がしたか。それにしても…」
またも悦に入るハイン。
「氷で覆われた部屋もよいものよな…」

【ハイン 現在位置:アリアハン王城謁見の間 所持品:破壊の鏡、氷の刃、ルビーの指輪
 次行動方針:氷の刃で人を殺す 現在、謁見の間で色々眺めています。】
【リディア 現在位置:アリアハン王城1F 所持品:? 第一行動方針:ハインから逃げる 第二行動方針:仲間を捜す】

213:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/05 08:09:24 vlTkKvXy
俺は……物真似師、物真似することで生きて来た。
前いた世界だってそうだ、俺は世界を守るという物真似をやってのけた。
俺の支給武器は、一振りのナイフと奇妙な靴。
靴のほうはとても不思議だ、何十にも魔法が掛けられたかのように力が湧いてくる。
「俺は物真似師ゴゴ、今までずっと物真似をして生きて来た。」
そう自分自身で呟いた。
その奇妙な服装の裏側に隠された表情を知るものはいないが。
(誰か来るまで待とう、そして、俺に会った奴の物真似をしよう。)
この選択が、吉と出るか凶と出るかは本人すら知らない。

【ゴゴ 現在位置:レーベ南西の山岳地帯 所持品:ミラクルシューズ ソードブレーカー
第一行動方針:誰か来たら、その人の物真似をする。】

214:ナイト危機一髪!
04/11/05 15:47:07 8GCHA8U/
「光の戦士の僕が殺し合いだって!?冗談じゃない!」
フルートが塔の上から確認した人影は、ぶつぶつ言いながら
ナジミの塔の入り口に立っていた。
自分はナイトだ。強きを挫き、弱きを助けるのが使命だ。その自分が
女性もいるこんなゲームに乗ることなんて出来ない。
「皆を探して、このゲームに乗らずに済む方法を考えなくちゃ」
手始めにギルダーかエリアでも探そうか。ややうつむき加減になおもぶつぶつ
言いながら歩いている彼の視界に、塔から駆け出てくるフルートの姿は
入っていなかった。



215:ナイト危機一髪!
04/11/05 15:57:19 8GCHA8U/
どしん!
「きゃっ!」
「わっ!」
二人はぶつかってものの見事にひっくり返った。
「ご…ごめんなさい~」
誰かに襲われたのかと一瞬焦りまくる彼の耳に、なんとものんびりした
声が聞こえてきた。
つられて彼も緊張感に欠ける返事を返す。
「いや…僕も不注意だったし」
見たところ、敵意などかけらもなさそうな女の子だ。
「君も…このゲームに乗ってるようには見えないね」
安心した彼の表情がふっと緩む。


216:ナイト危機一髪!3/4
04/11/05 16:11:16 8GCHA8U/
「良かったら、一緒に行かないか?ゲームを脱出する方法を考えようと
思うんだ」
彼はフルートに右手を差し出した。フルートがその手をとる。
「は~い。で、まず何をしましょう?」
あまりの緊迫感のなさに幾分彼はずっこけそうになったが、
「とりあえず、お互いの仲間を探さないか?協力できる奴が
多いに越したことはないし」
「そうですね~。まずはアリアハンの城下町にでも行きましょうか。私、
フルートです。よろしく」
「僕はサックス」
ぶつかった瞬間にフルートがキレなかったのを感謝すべきであること、
自分がとんでもない爆弾を抱え込んでしまったことを知る由も無い
サックスだった。



217:ナイト危機一髪!4/4
04/11/05 16:24:06 8GCHA8U/
【サックス(FF3ナイト) 生存確認 所持品:水鏡の盾 チョコボの怒り 
現在位置:ナジミの塔入口付近 第一行動方針:自分とフルートの仲間を探す
第二行動方針:ゲームを脱出する方法を考える】
【フルート: 所持品:草薙の剣 スノーマフラー 現在位置:ナジミの塔
入口付近 行動方針:サックスと共に行動する】
1と2に番号を振ってませんでした…スマソorz




218:エンジニアの集中力
04/11/05 17:55:45 jZrGtjym
デッシュは大陸に辿り着いてからずっと、その支給品に夢中になっていた。
自分の世界では見たことの無い形状の武器と、水晶のような玉。
見たことも聞いた事も無いそれの仕組みを完全に理解したいと思うのは、自分がエンジニアであるが故か。
既に最低限の使い方は付属の説明書でわかってはいるのだが…
ちなみに説明書の方は主催者のご丁寧な配慮か、上のほうに黒インクで"安易版"と書かれていたが…デッシュには余計なお世話であった。
武器のほうは拳銃、名前はウインチェスターという名の…いわゆる遠距離戦専用武器らしい。
水晶のような玉のほうはマテリアといい、凝縮した魔力を宿しているという。
そして、マテリアは専用の武器にはめないと扱うことが出来ない、と。
(といっても俺は元々、基礎魔法も使えないからなあ…術者に魔力が無くても使えるのか?)
(…こっちは、ここに…攻撃の元となる弾をセットしていくのか。それでこの引き金を引くとここのグリップが動いて…なるほど)
(何でマテリアは単独では扱えないんだ?媒体が必要ってことは武器を通じてしか魔力を通せないってことか…)

随分長い間それらとにらめっこをしていたデッシュだが、考えに一区切りがついたのか息をつき、顔を上げた。
それと同時、現実に引き戻される。…こんなことしてる場合じゃないって。
「やばいな…すごい無防備だ…はは」
空笑い。このゲーム、戦闘力の無い自分はいつ死んでもおかしくないってのに…何でこんなに落ち着いてるんだか。
「まあ、俺は俺なりのやり方で精一杯やってくってことで」
誰に言うでもなく呟き、参加者の証であるその首輪に触れてみる。金属の冷たさが指先に伝わってきた。
(首輪の仕組みにも個人的に興味があるしな。やってみる価値はあるだろ)

【デッシュ:生存確認 現在位置:アリアハン城下町、アルスの自宅二階西側の部屋
 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる)
 第一行動方針:首輪の研究を試みる】

219:修正
04/11/05 18:05:53 jZrGtjym
×現在位置:アリアハン城下町、アルスの自宅二階西側の部屋
○現在位置:アリアハン城下町、DQ3勇者の自宅二階西側の部屋

スイマセン、まだ名前決まってないんでしたね。

220:ガメゴン
04/11/05 18:19:44 IsHyvVyN
「ほらガメゴン、霜降り肉だぞ」
「……」
「ほら食べなって」
アリアハンに降り立ったルカはこれからのことを考えた。
自分はマスター、しかし手持ちのモンスターはいない。でも支給品に霜降り肉が入っていた。
ルカの出した答えは簡単だ。いないなら捕まえよう。
そして近くにいたガメゴンとおぼしき亀に肉を食べさせようとしているのだが
「いい加減にせんか!わしはガメゴンではない。賢者ギードじゃ!」
「そーかお前の名前はギードっていうのか。じゃあ行くぞ」
当然のごとく歩きだすルカをギードが呼び止める
「どこへ行く気なんじゃ?」
歩きだしたルカが振りかえって言う。そんなこともわからないのかと言った目をして
「決まっているだろ。イルを捜しに行くんだよ
 あと、マスターの言うことはちゃんと聞かないとダメじゃないかギード」
唖然としているギードをおいてどんどん歩いていくルカ。
軽くため息をついたあとにやれやれと言った様子で追い掛けていくギードだった
【ルカ:生存確認 所持品 霜降り肉 ほしふりのオーブ行動方針:イルを捜す】
【ギード:生存確認 所持品 ? 行動方針:ルカについていく】

221:ある忠臣の思考 1/2
04/11/05 18:37:35 sOLK3WHX
イルは逃げた。
訳もわからぬままこのゲームは始まり、とにかく兄を捜そうと決めた。
しかし「イル」と「ルカ」では、出発の時間に差が出る。
彼女が「兄を捜す」という行動方針を捨てなければならない事態は、
多分まだルカが出発する以前に起きてしまったのだった。

その時、全くの偶然に、イルは他の参加者がフィールドに降り立つ場面に出くわした。
そしてその参加者は魔物だった。
モンスターマスターとしての素質と経験を十分に持つイルは、相手が魔物だからといって怯みはしない。
むしろ全く知らない大人でなかった分安堵したくらいだ。
心を開けば魔物とも分かり合えるというのは、彼女にとってごく常識的なことである。
だがそれが、油断だった。
その魔物は、野生モンスターではないのだから。

イルの姿を認めるなり、ピエールは袋の中にある鋼鉄の剣を取り出し、それを振るった。
間一髪、イルはそれを避けたが、目の前で行われていることが信じられない。
彼女の中で、魔物は直接人間を襲うものではないのだ。
それでも、ピエールが第二撃の攻撃態勢に入ったことで、イルは理解することを放棄して、
とにかく生命維持を優先することを選んだ。
イルは逃げ出した。
逃げて、逃げて、体力のある限り駆ける。
しかし、スライムナイトは諦めることなくイルを追い続け、ついに回り込まれた。
「…お兄ちゃん…」
イルは兄を呼び、そしてそれが最後に口にした言葉となった。

222:ある忠臣の思考 2/2
04/11/05 18:39:35 sOLK3WHX
所持品の回収を終えた後、ピエールは己が仕留めた少女の死体を、物悲しげに見下ろした。
もしかしたら、彼の主君の最愛の娘の姿とダブらせていたのかもしれない。
しかし、ピエールは、そうせねばならなかったのだと自分を納得させる。
このゲームに勝ち残れるのは一人。
生き残るのは、リュカ様であってほしい。
その為には、リュカ様の敵になる可能性を持つものを、一人として生かしておく訳にはいかないのだ。
そこまで決意して、ピエールはこの世界に降り立った。
そしてすぐ目の前に少女がいた。自分はためらいなく彼女を葬った。その行為は間違っていない。
生き残るのは一人。
レックス様でもなく、タバサ様でもなく、ビアンカ様でもなく。リュカ様であってほしい。
もしタバサ様に会っても、私は彼女らを殺す。
もしタバサ様達とリュカ様だけが生き残った場合、リュカ様に己の家族を手にかけるようなことは
させたくない。
あの方はお優しいから。
だから私が全て殺し、そして最後に自害しよう。
そうすれば、リュカ様は生き残れるのだから…。

【ピエール 現在位置:レーベ南部の森
 所持品:鋼鉄の剣 ロングバレルR 青龍偃月刀 祝福の杖 いかずちの杖 魔封じの杖
 第一行動方針:リュカ以外の参加者を倒す】

【イル 死亡】
※イルの所持品はピエールが全て所持。

223:”竜王”1/3
04/11/05 18:48:28 vlTkKvXy
(ちくしょう…何所まで追ってくる気だ…。)
金髪の鶏冠頭の青年、ゼルは洞窟を逃げていた。
(あんな強そう奴と戦ってられるかってんだ!)
なぜ追われているのか、それは数分前にさかのぼる。

「ぅー、痛ってぇなぁ…まだ頭がズキズキするぜ。」
と、ゼルは洞窟の近くに放り出されていた。
とはいい、出るタイミングが分からなかったので、派手に頭から突っ込んでしまった。
そして、彼は考え込んだ、このゲームの主催の魔女について。
(―俺らが倒したはずの次元の魔女がいる、そして俺たちに殺し合えと言っている。
 冗談じゃネェ!絶対に止めてやるぜ!)
と、彼は心の中で決めた、もう一度倒すと。
「さて…俺の支給品は…?おっ、いいじゃねぇか!」
そう彼の袋の中に入っていたのは、服と帽子だった。
素手で戦う彼にとっては、剣だとかそういう武器ではなかったのは助かった。
そして、彼は服と帽子を着た、その直後だった。
「げ、な、なんだよアレ……」
そう、彼の目の前には人のような、でも人ではないような者が経っていた。
そして、そのものはゼルのほうを向き。
「ほう…先ずは一人…私の為に、死んで頂こうか。」
そう、それは”竜王”と呼ばれる、ある世界の魔王だった。
ゼルは見た、その邪悪に満ちた顔を。
そして、彼の戦闘の経験と知識が彼にこう言った。”逃げろ”と。
ゼルは走った、後ろにあった洞窟へ、一目散へ。

224:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/05 18:50:04 vlTkKvXy
竜王は、以前ゼルを追ってきている、戦えば殺される、竜王の放つ気配が物語っていた。
そして、リュカ達のいる部屋を超速で素通りし、竜王もそれについていった。
「ん?今何か通ったかな?」
リュカは、ケット・シーに尋ねた。
本気になれば飛空挺をも上回る脚力を持つゼルを、見ることが出来ただけでもものすごい動体視力だ。
しかし、ケット・シーはこう返した。
「え?何かとおりました?ワイには見えんかったし、何も通ってまへんですよ。」
「そう、かなぁ?」
と、リュカは首をかしげていた。

(ちくしょう!あの階段を上るしかねぇ!)
ゼルは、追い詰められたと思った、出る先は、きっと孤島なのだろうと。
しかし、登らなくてもあの怪物と戦わなくてはならない、一人では確実に死んでしまうだろう。
そうやって、ほぼヤケになり階段を上った。
―見えたのは塔のような入り口と、二人の人だった。
人が見えたことを確認すると、ゼルはこう言った。
「おい!逃げろ!とんでもない奴が襲ってくるぞ!」
と、ゼルは、怒鳴り散らすような声で言った。
すると、入り口にいた戦士が一人言った。
「逃げろって、何があったん――」
戦士の言葉はそこで切られた、恐怖から来るものに切られた。
傍にいた僧侶も、畏怖の表情を浮かべ、小さく叫んだ。
ゼルも後ろを振り向いた、そして、恐怖の衝撃が彼を襲った。
しかし三人が立ちすくんでいる中、現れた青年と少女。
少女は僧侶と同じ畏怖の表情を浮かべていたが。
青年は………鋭い眼光で怪物を見ていた、そして呟いた。
「竜王…………」と。
しかし、彼らも怯えるばかりではない、目も前に立ちはだかる魔王を倒そうと決意し、戦う構えを取った。

「ほう、ロトの血脈を引く者もいるのか、ならば丁度いい、まとめて薙いでくれるわ!」
竜王のその声は塔と塔に繋がる洞窟に響いた。

225:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/05 18:50:57 vlTkKvXy
【サックス 所持品:水鏡の盾 チョコボの怒り
【フルート: 所持品:草薙の剣 スノーマフラー
【リルム 所持品:英雄の盾 絵筆 祈りの指輪
【ロラン 所持品:ガイアの剣 ミンクのコート
【ゼル 所持品:レッドキャップ ミラージュベスト
現在位置:ナジミの塔入り口
行動方針:目の前に現れた竜王と戦う】

【竜王 所持品:不明
現在位置:ナジミの塔入り口
行動方針:目の前の人間を殺す】

226:交換交渉 1/4
04/11/05 21:16:20 ehssG7dw
様子を見ようと、そっと顔をのぞかせる。途端に、強烈な炎が木々を焦がしながら飛んでくる。
(冗談じゃない。こんなところで殺されてたまるものか)と、クルルは思った。
木立の影に身を潜め、必死で反撃の機会をうかがう。
その視線の彼方に立つのは一人の女だ。自分より少し年上の、緑髪を後ろで結んだ女性。
彼女の手には矢をつがえたボウガンが握られていた。
さきほどの炎魔法といい、ゲームに乗っている、という意思表示以外の何物でもない。
(どうする?)
―もしかしたら、先に仕掛ければ勝てるかもしれない。
狩人を極めた彼女にはわかるが、相手は弓に関しては間違いなくド素人だ。
構えはともかく、狙いのつけ方がなっちゃいない。
魔法は脅威だが、こちらにはミスリルの小手がある。ファイア程度なら、一度は耐えられるはずだ。
初撃をかわし、ニ撃目がくる前に間合いに入れれば勝てる。
けれどももし、相手が弓以外に武器を持っていたら。あるいはもっと強力な魔法を使ってきたら。
その可能性がクルルを躊躇させていた。
彼女だって命は惜しいし、バッツやレナやファリスにももう一度会いたい。
飛竜やモーグリ達、バル城の人々も、自分の帰りを待ちわびているはずだ。
彼らのことを思うと迂闊な行動は取れない。
だが、このままでは埒が明かないことも確かだ。
いちかばちかの可能性に賭けようと、彼女が木陰から一気に飛び出した時……

勝敗は、予想外の形で訪れた。
突然、木の枝が大きくしなり、茶色の影が飛び出したのだ。
真上から落ちた。走り出そうとした少女に重なるかのように。
思わず立ちすくんだ緑髪の女―ティナの耳に、肉が断ち切られ骨が砕ける鈍い音が響く。
「よっ、と」
影が立ち上がった。木の葉を片手で払い落としながら。
ついさっき見たばかりの顔だった。長いコートに奇妙な帽子を被った、茶色の髪の優男。
「あ、あなた…………」

227:交換交渉 2/4
04/11/05 21:19:24 ehssG7dw
アーヴァイン。
広間で一番最初に名を呼ばれた、あの青年が目の前に立っている。
その手には長大な剣が握られ、ブーツの下には刃を食い込ませた少女の死体が倒れている。
なぜ彼がここにいる? もしかして、最初からずっとタイミングを伺っていたのか?
気配すら感じさせずに、彼女を―あるいは、私を殺すために。
そんなティナの思考を余所に、アーヴァインは微笑みながら突き刺さったままの剣を抜いた。
「そんな怖い顔しないでよ~。別に、君を殺そうなんて思ってないからさ」
「……あなたは思ってなくても、私は思ってるわ」
あまりに説得力のないセリフに、ティナは迷わずボウガンを向ける。だが青年は涼しい顔で
「君、そういう武器扱い慣れてないでしょ。狙いが甘いよ」と答えた。
「僕なら、もっと上手く扱う自信があるよ。これでも一応スナイパーだからね」
「そう、それで? 私から武器を奪うの? その子だけじゃなくて、私も殺すつもり?」
警戒し続ける少女に、青年は肩をすくめて苦笑いした。
「やめてよ。僕、そこまで悪党じゃないってば。
 それに今のは不意打ちだから上手くいったんだ。
 スコールやサイファーじゃないし、剣を振り回すなんて性に合わない。
 それに木の上にいたのも身を隠して考え事してただけで、待ち伏せるつもりはなかった」
何を言いたいのか測りかねて、ティナは首を傾げる。アーヴァインはさらに言葉を続けた。
「僕ね、射撃なら自信有るんだよね~。こう、BANGBANGってさ。けど剣はあんまり扱いなれてない。
 一方、君はボウガンを持ってるけど射撃は苦手。
 でも戦いには慣れてるようだし、おそらく剣とか槍とか一般的な武器なら扱えるはずだ。違うかい?」
言い当てられて、思わずうなずいてしまうティナ。その後で、慌ててアーヴァインを見返す。
「つまり、武器を交換しろということなの? それとも仲間になれということ?」
「あー、仲間かあ。考えなかったけどそれもいいね。うん、その方が都合いいかな」
「お願いだから、回りくどい言い方をしないで。用件があるなら短く言って」
険しい目つきで睨みつけられ、アーヴァインは苦笑しながら言う。
「―実はね、殺す相手を交換してほしいんだよね」

228:交換交渉 3/4
04/11/05 21:25:51 ehssG7dw
ティナは自分の耳を疑った。殺す相手を交換してほしい? この青年はふざけているのか?
だが、アーヴァインは真剣な眼差しでティナを見つめている。
「僕の知り合いがね、何人かこのゲームに参加しているんだ。
 腕とか力とかそういうのを抜きにしても、僕には殺せない。これでも情ってものがある。
 幼なじみ三人にその恋人に、幼なじみの父親だ。止めを刺そうとしてもためらっちゃうよ。
 ―君にも、そんな奴が一人か二人ぐらいいるだろう?」
いる。確かにいる。
ロック、エドガー、マッシュ、シャドウ、セリス、リルム、ゴゴ……そして、レオ将軍。
ゲームに乗ることを決めた今でも、彼らと戦いたくないという気持ちが残っている。
「君にとって知り合いでも、僕に取っちゃ他人だ。逆もしかり。
 僕は君の殺しにくい人を殺す。君は僕が殺しにくい人を殺す。
 一人で全員殺すよりはよっぽど確実だし、多少は気も楽になるんじゃないかな」

なるほど、とティナは思った。この男に乗ってやってもいいかもしれない、と。
「わかったわ。……でも、一つだけ聞かせて。
 なんでそこまでするの? そうまでして生き残りたいの?」
「生き残りたいね。どんな手を使ってでも」
ティナの問いに、青年は即答した。
「僕は帰らないといけない。
 魔女が―アルティミシアが生きていたことを、ガーデンの仲間達に伝えないといけない……」
言いかけて、ふとアーヴァインの表情が自嘲に歪んだ。
「……なんて、言い訳だね。
 本当は、元の世界に会いたい人がいるんだ。ずっと好きだった女の子が。
 裏切り者とそしられても構わない。人殺しと蔑まれてもいい。
 ただ、彼女ともう一度、生きて会いたいんだ。それが一番の理由だよ」

229:交換交渉 4/4
04/11/05 21:32:34 ehssG7dw
「私も、会いたい人達がいる」
ティナはぽつりとつぶやいた。
「ようやく見つけた、愛する家族がいる。
 子供たちがモブリズで待っている」
あの日、再び剣を取った日に、交わした約束がある。
「だから私も死ぬわけにはいかない。必ず帰ると誓ったから」
ティナは真っ向からアーヴァインを見据え、ボウガンを向けたまま片手を差し出した。
「手を組んでもいいけど、邪魔になれば殺すわ。それでいい?」
「ああ、いいよ。僕もそういうつもりなんだしさ」
青年は血と土に汚れた手を拭いてから、少女の手を握り返した。

【アーヴァイン 所持品:キラーボウ 竜騎士の靴 G.F.ディアボロス(召喚不能) エアナイフ(回収)
 現在位置:ほこら近くの山岳地帯
 行動方針:ゲームに乗る(ティナの仲間を殺す)】
【ティナ 所持品:グレートソード ちょこソナー&ちょこザイナ ミスリルの小手(回収)
 現在位置:ほこら近くの山岳地帯
 行動方針:ゲームに乗る(アーヴァインの仲間を殺す)】
【クルル 死亡】

230:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/05 22:27:14 Npc2AOmo

草原にたたずむ青い影。
足元には、もはや動かぬ男の姿。
放射状に広がる、あまりに鮮やかな血潮。
青年の握る血に濡れた剣から、紅い雫が零れ落ち、足元の男の顔を染め直す。

青いフードの中から覗く、狼のように鋭い眼光。
"真実の"物語を歩んでいたなら、やがては正義の剣士となり得た影が其処にあった。

彼はゆっくりと、記憶を思い返す。
姉を守れなかった自分を恨み、それ故に力を欲した。
力を手に入れるため、魔族とも手を組んだ。

…そして、それ以降の記憶は、彼には無い。

姉と再会し真の友を得るのは、彼にとって未来だったはずだ。
…だが、彼が正義となる未来は、あの邪悪なる魔女に名前を告げられた瞬間、途絶えた。
気づけばこの大地に立っている。
殺し合うことを命じられて。

デュランならこう言うだろう。
『躊躇う事は無い。このゲームこそ、力を試すに相応しい』
今の彼の心は、それと意見を異にする事は無かった。


【テリー(DQ6) 所持品:クリスタルソード イヤリング 鉄の杖(回収) ヘアバンド(回収)
現在位置:レーベ北の平原
行動方針:自らの力を試す=ゲームに勝利する】

【キノック老師 死亡】


231:220
04/11/05 22:33:41 IsHyvVyN
すっかり忘れていました。すみません
【ルカ ギード:いざないの洞窟前の泉】

232:背負うもの 1/5
04/11/05 22:53:51 AmP/6OSB
「見つけたぞ、ケフカ」

レーべからすぐ南にある森の一画で重々しいその声が響いた。
支給品の袋をあさっていたケフカは声がした方へゆっくりと振り返る。

「これはなつかしい、レオ将軍ですか。イヤなときにイヤな旧友と出会うものだな」
「お前が友であったことなど、かつて一度もない」

ケフカの言葉に対し、茂みの奥から堂々たる足取りであらわれたレオ・クリストフは断固として言った。
道化師を真似て見せているのか派手な化粧を施している顔で、レオを舐めるように見つめる。
その眼差しは、笑っているようにも、嘲っているようにも見えた。
レオは、喉の奥で低く獰猛に唸った。

「…ケフカ、お前はこのゲームに乗るつもりなのか?自分ひとりが生き残る気か?」

疑問というよりも確信に彩られたレオの質問にケフカは答えなかったが、
代わりにその顔に浮かべた狂気めいた満面の笑みの表情が質問の答えを雄弁に語っていた。

「君とは長い付き合いだ。ここはなにも言わず引いてくれれば、僕としては余計な手間が省けて嬉しいんだがね」
「私はこのふざけたゲームに乗るつもりはない。だが―」

レオは一度言葉を切り、支給品である吹雪の剣を鞘から引き抜くと、切っ先をケフカに向けた。

233:背負うもの 2/5
04/11/05 22:56:13 AmP/6OSB
「貴様のような不逞の輩、これまで野放しにしておいたのが我が愚策か。ここでその腐った息の根、止めてくれよう」
「―だから君は、この僕に殺されたんだよその生真面目な性格を利用されてね」

ケフカは懐から取り出した支給品と思しき物体を手で弄びながら、言葉をも弄ぶかのようだった。

「それとも、まだ怒っているのかな?僕のことを。武人というのは、随分と根に持つものなんだね」
「黙れ。なにひとつ真理を知らん、痴者が」

からかうようなケフカの態度を、レオは一喝する。
そして吹雪の剣を引っ提げ、ケフカにゆっくりと歩みよった。

「ゲームに乗るというのなら、貴様の相手はこの私がしてやろう。下らぬ魔術、思う存分に披露するがいい」
「どうやらもう一度この僕に殺されたいらしい。困ったものだ」

ケフカは人差し指で宙に弧を描いた。
その指先に巨大な火球が生み出される。―ファイガだ。
その腕を振り下ろすと、火球が弾丸もかくやと言わんばかりにとレオへと向かっていく。
常人には視認出来ないほどの速度で飛んできたそれを、レオは踊るようにしてかわす。
不安定な姿勢になったレオの耳にケフカの声が飛び込んだ。

234:背負うもの 3/5
04/11/05 22:57:34 AmP/6OSB
「これはどうかな?」

レオがケフカの姿をとらえた時にはすでにもう一つのファイガの火球が生み出されていた。
通常、これほどの短時間で連続して魔法を紡ぐことなどいかなる優れた魔道士でも不可能なのだが、
ケフカに支給されたアイテム…ソウルオブサマサがこれほどの魔法詠唱を可能にしている。
再度飛来してきた火球をかわす体勢にはレオははいっていない。このままでは直撃は必至だ。

「子供だましだな」

しかしレオは鼻で笑い、火球に向かって逆に一歩踏み込んで行った。
その勢いを利用し、横なぎの斬撃を火球に叩き込み、ファイガを一刀両断する。
ケフカは楽しげに甲高い声で笑った。

「魔法を剣で斬るなんてね。君のほうこそ相変わらず、身もフタもない男だね」
「下らん、と言ったはずだ」

そして三度目の魔法詠唱の時間を与えぬとばかりに、レオは地を蹴る。
振り上げた剣は、ケフカの血を吸うべく鈍く輝く。

「貴様が殺した罪無き人々の分の血、その身体から吐き出して逝け!」

235:背負うもの 4/5
04/11/05 22:58:52 AmP/6OSB
ケフカは一見無防備のごとく棒立ちだったが、懐から取り出したものをすでに目の前に迫ったレオに向けた。
刹那―
レオに向かって幾筋もの雷が発生する。レオは反射的に剣を持つ逆の手に装備した鉄の盾で防御するが
やはり防ぎきれず、電撃を受ける。
内部に蓄えた魔晄エネルギーを瞬時に擬似魔法へと変換する魔晄銃による攻撃だとレオは気づいただろうか。
大きく姿勢を崩すレオにケフカは勝利を確信し、笑みを浮かべる。
ケフカはレオに肉薄して今度は回避できぬよう至近距離で魔法を放つつもりだった。
しかしレオは今にも倒れそうな姿勢から、斬撃を繰り出した。
見事なバランス感覚は、不安定な姿勢から美しき弧を描き出す。その行き着く先は、ケフカの肩口だ。
血が飛沫き、今度は逆に後退するケフカにさらにもう一撃を加える。鼻頭から左頬にかけて一文字に裂ける。

「おのれ、―おのれレオ・クリストフ!」

切り裂かれた顔を抑えながら、ケフカは凄まじい怒号を上げる。
レオの方はようやく体勢を直し、すぐさま飛びかかれるように全身の筋肉を撓めた。

「覚えていろレオ将軍。この仕打ち、必ず後悔させてやろうぞ」

236:背負うもの 5/5
04/11/05 23:02:15 AmP/6OSB
憎々しげに呪詛の言葉を吐くケフカの姿が段々と見えなくなっていく。姿を消す魔法、バニシュ。
ケフカの姿が完全に見えなくなり、気配が消える。
しばらく周りを探っていたレオはケフカが自分から逃走したことに気づいた。

「…逃がしたか、おのれっ!」

レオは舌打ちをして、手にした剣も収めぬままケフカが逃げたと思われる方角へ駆け出す。
―奴だけは、この手で殺さねばならない。それがもう一度、生を受けた私のけじめだ!


【レオ 所持品:吹雪の剣 鉄の盾 神羅甲型防具改
 現在位置:レーべ南の森
 第一行動方針:ケフカを見つけ出し殺害 第二行動方針:ゲームに乗らない】
【ケフカ(負傷) 所持品:ソウルオブサマサ 魔晄銃 ブリッツボール
 現在位置:レーべ南の森
 第一行動方針:レオから逃走 第二行動方針ゲームに乗る】

237:トンベリのにっき 1/2
04/11/05 23:14:08 ehssG7dw
こんにちは。トンベリです。
気が付いたら宝箱の外にいて、お友達二人がいなくなっていました。ちょっぴりさみしいです。
なにをすればいいのかわからないのでうろうろしていると、
はでなお姉さんに、大切なほうちょうとカンテラを壊されました。すごく悲しいです。
それから、お姉さんと『てあまと』さんにコロシアイなるものをしろと言われました。
コロシアイってなんでしょう。食べられるものですか? ステキなものですか?
わからないので質問しようとしたら、『てあまと』さんが睨んできました。
こわかったので、質問するのをやめました。
宝箱の外は冷たい人がいっぱいです。早く帰りたいです。

しばらくぼんやりしていると、名前を呼ばれたので、扉から外に出て旅のナントカに入りました。
旅のナントカは青い光があふれていました。
中に入ると、みにょーんとしてびみょーんとしてとるるるるーとして、
いつのまにかアリアハンとかいう世界についていました。
大きな橋と、大きな水溜りが見えます。
旅のナントカはすごいです。アリアハンは広いです。

238:トンベリのにっき 2/2
04/11/05 23:19:56 ehssG7dw
橋の方に行ってみると、人間の子供が二人いました。
片方は頭が金色で青いマントを着ています、片方は頭が銀色で、青い帽子をかぶっています。
でも顔は似ていません。どちらかというと、銀髪の方が性格が悪そうです。
「おい、お前。そこのお前、野良モンスターか?」
銀髪が言いました。ぼくはトンベリです。『のらもんすた』なんて名前じゃないです。
やっぱり、性格が悪いと思ったのは間違いではないようです。
「悪い魔物じゃないよね。大人しいし」
金髪が言いました。大人しいわけじゃないです。ほうちょうがないからどうにもできないです。
「なあ、マスターとかいないならさ、オレらと一緒にこないか?」
「一人でいると危ないよ。僕達と一緒にいようよ」
どうも、この子供たちは一緒に行く相手を探しているみたいです。
特に断る理由もないので、とりあえず了承しました。
「やったあ! これで君も友達だね。僕はレックス、よろしくね!」
「オレはテリーだ。よーく覚えてくれよ。マスターなんだからな」
金髪が『れくす』で、銀髪が『てり』というようです。
ともかく、友達が二人増えて、三人になりました。三人はさみしくないので嬉しいです。

【テリー(DQM) 所持品:不明 行動方針:わたぼうを探す】
【レックス 所持品:不明 行動方針:テリーについていきながら家族を探す】
【トンベリ 所持品:不明 行動方針:テリーとレックスについていく】
【現在位置:三人共通でアリアハン北の橋の上】

239:220
04/11/05 23:57:36 IsHyvVyN
なんか何度も間違ってばかりで申し訳ないです
【ルカ ギード:なじみの塔宿屋】

240:1/8 アリアハンの攻防
04/11/06 00:44:27 SdeZc2WM
アリアハンのある民家の中で、ぼさぼさ髪の青年が独り佇んでいた。
彼、バッツは浮かない顔で手に持った一本の短剣を見ている。
「やれやれ…」
ため息をついたけれど、それを気にかけてくれるものは誰もいない。
短剣の名はチキンナイフ。持ち主の臆病さに呼応して強くなるというなんともひねくれた武器である。
極度に臆病になればその強さは計り知れないものの、その威力に強気になれば弱くなる。
そのうえ普通に斬りつけようとすると体が反射的に逃げ出してしまうという、あらゆる意味で伝説の武器といえる。
また、もうひとつの支給品は妙なトリガーのついた剣だ。
説明書にはGun Bladeと書いてあり、どうも剣と銃のあわさったようなものらしいが、
試し切りをした感じでは使いこなすにはまだ修練が必要のようだった。
二つとも実戦で使うには頼りない。
バッツはナイトにジョブチェンジしながらも、アビリティとして黒魔法の他にかくとうをつけた。
これならば、最悪素手でもかなり戦えるという寸法だ。
回復に関しては先の道具屋らしき場所で、やくそうやどくけしそうを一通り手に入れた。
ひとまずは万全といったところか。
落ち着いたところで名簿を取り出す。もう何度も見た。
そこには馴染みのある名前がいくつか並んでいた。
「クルルとレナがいることは知ってたけどなあ」


241:2/8 アリアハンの攻防
04/11/06 00:45:29 SdeZc2WM
クルルはバッツよりもはやく呼ばれ、レナは偶然というのか、初めの場所ですぐ側にいた。
それが幸運なのか不運なのかはバッツにはわからなかったけれど、
あの場で気心知れたものと話せたのは少なくとも特異なことではあった。
まわりが張り詰めた空気の中黙っているのに対し、二人はある程度は心が和らいでいた。
二人はひとつ、約束をした。
「なにがあっても、生き残って、また会おう」
クルルの名前が呼ばれたときは、「クルルもいっしょに」と付け加えた。
あのとき、それだけ平静でいられた。
「そっか、ファリスもいるのか。みんな揃ったな…」
ファリスが呼ばれたときレナはどんな顔をしたのか、自分やクルルが呼ばれたとき、ファリスは何を思ったのか。

みんな今どこにいるのだろうかと思い窓の外を見ても、そこは相変わらず同じ景色があるばかりだ。
天上を見る。
自分の声を聞きながら、不思議に思った。
「独りって、こんな感じだったっけかな」
そう呟くと、バッツはそれきり口を開かなかった。


242:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 00:47:31 SdeZc2WM
静寂が続いて暫く、バッツはある気配に気づいた。
明らかに違う空気が流れ込んできている…それは戦士の勘だ。
身構える。流れを感じる。今、上流に凄まじい空気の振動が起こる!
バッツは瞬間大きく飛び退き、もといた場所には轟音とともに煙幕とかけらがたちのぼっていた。
先までみていた天上からは青空が広がり、煙の中に人が見える。
「誰だ!?」
バッツは叫んだけれど、それには答えず凄まじいスピードで相手は迫ってくる。
何とか攻撃を受け流して態勢を整え、ガンブレード―ライオンハートを手に取ると、相手は空高くに浮かび上がった。
(…竜騎士だ!)
竜騎士についてもかなり練達しているバッツは、相手の動きをまさしく正真正銘のプロのものとわかった。
(まずいな、相手は本職の槍、こっちは不慣れな武器だけだ…このままじゃ分が悪い。
 でも、約束をしたんだ…レナたちに会うまで絶対に…死ぬわけにはいかない!)
バッツはライオンハートを構えなおし、相手のジャンプを間一髪で避けた。
風圧だけでも、それが非常に大きい破壊力を有していることがわかる。

(この相手に勝つには、不意だ…不意をつくしかない!)


243:4/8 アリアハンの攻防
04/11/06 00:49:22 SdeZc2WM
バッツとカインの激しい斬り合いの最中、アルスの家では―

なーんか、さっきからすごい爆音がするんだけど…。
ここでどんぱちはじめたやつがいるんじゃないだろうな…。外、見てみるか。
…はい、戦争中。
っておいおい!巻き込まれたらたまったもんじゃねえぞ。
でも首輪調べてるときにやらなくてよかったよ、
もしそのときなら集中力の凄い俺のことだからきっときづかな…ってこんなこと言ってる場合じゃないな。
荷物をまとめてさっさとずらかるとするか。
さよなら誰かの家、でもベッドの下にエロ本があったのはどうかと思うぜ―
さあて、見つからないように見つからないように…って、ん!?
前に誰か居るぞ!?誰だいったい…。
金髪で長身の男…今町からでようとしてるということは、このどんぱちに参加する気はないってことだよな。
ってことは、話したらもしかすると仲間になったりするかな。
俺弱いし、心の優しいつよーい味方がいてくれると助かるんだがなあ…
首輪の謎を解く自信だってあるしさ。
…しかし、どうも気のせいかもしれないが、あいつさっきから草に話しかけながら歩いてないか!?
もしかして危ないヤツだったりして…。話しかけない方がいいか…どうしよ…。


244:5/8 アリアハンの攻防
04/11/06 00:52:35 SdeZc2WM
デッシュとエドガーの他に、この戦いを見る男がもうひとりいた。
「チッ、人が平和主義者を捜してる手前からこれかよ…」
そうそうそんな人が見つかるはずもないのだが。
気配を殺して、ローグは二人の争いを見守る。
「どうやらあの茶色い髪のほうが不利みたいだな。最初のほうなんか動揺してたし、仕掛けたのはあの金髪か」
剣は槍の攻撃を捌くのに精一杯でいまいち反撃にでられず、見ている限りこのままではじき勝負がつく。
「助太刀にでるべきか、我関せずを保つべきか」

剣と槍の重なる音がする。
二人とも相当の熟練者だ。
もし使い慣れた剣を使えるのであれば、ほぼ互角の戦いとなったであろう。
だが、今はその状況ではない。

キン、キン、キン―キィン!!

ついに剣が空を舞った。
(あーあ、こりゃだめだ。もう死ぬな)
(……)

「……クソっ!なんで俺はこう運がねえんだ!」
そう叫び、ローグが飛び出そうとしたまさにそのときだった。

245:6/8 アリアハンの攻防
04/11/06 00:54:40 SdeZc2WM
ぼんっと音を立てると、刹那―火炎、ファイラがカインを包み込む。
「なっ!?」
カインは戦闘が始まって以来初めて声を挙げ、予期せぬ攻撃に驚愕の表情をする間もなく体に膨大な熱が入り込むのを感じる。
「ぐっ、ぐああああああああ!!!!!!」
絶叫。勝利を確信していたカインは、防御の警戒をまったく解いてしまっていたのだ。
そのために、ナイトの決して高くはない魔力のファイラに思いがけないダメージをうけてしまっている。
態勢を整える暇もなく、素手のままバッツはカインに殴りかかった。
その一撃はナイトの体術といったレベルではなく、モンクの専門がもつ技にほかならなかった。
(こいつ、魔法が使えたのか…!そしてこの体術…一端の戦士じゃない!)
カインはなんとか間合いをとり、槍を再び構えた…が。
「うぐっ…!」
「えっ?」
何もしていないのにカインは前にのめりこみ、その先にはみたこともない男がいる。
「だ、誰だ!」
「俺はローグ。助太刀に入ろうと思ったんだけど…なんか必要なかったみたいだな。
 まさか魔法が使えるなんてねえ。隠し玉かい?うまいな、俺までしてやられたよ」
バッツは戸惑いの色を隠せない。
「ま、それより今はこいつをどうするかだな」
「あっ」
カインはうつ伏せになったまま動かない。
「死んだのか?」
「いや、気絶してるだけさ。でもほっとくわけにもいかな…うわあっっ!!」


246:7/8 アリアハンの攻防
04/11/06 00:57:23 SdeZc2WM
氷の矢がローグを掠めた。反射的によけなかったら直撃していたところだ。
彼が盗賊で、抜群の反射神経をもっていたことが幸いであった。
「な…なんだ!?」
ローグはそう叫ぶと、氷の飛んできた先をみる。

そこには緑髪の少女がいて、こっちを睨んでいる。
「あなたたち!カインになにをしたの!?」
(こいつカインっていうんだ…)
名前を聞いたのに答えてくれなかったので、バッツは実のところ少し気になっていた。
「ってそうじゃない!おまえはこのカイン?とかいうやつの知り合いか!?」
バッツがそう叫ぶと、リディアが答えるまもなく呻くような声が下からきこえた。

「リ…ディア」
「なっ、まだ意識があったのか!」
「カイン!大丈夫!?」
「…お、れに……構うな!!」
カインは瞬時におきあがり、負傷をものともせず猛烈なスピードでその場を飛び立った。
バッツとローグはあっと声をあげたけれど、振り返ったころにはもう姿は見えなかった。
まずは近くに隠れ、そのまま移動したのかもしれない。


247:8/8 アリアハンの攻防
04/11/06 01:01:55 SdeZc2WM
「え?ちょ、ちょっと!」
助けようとしたのに、カインは自分を見ると急にいなくなってしまった。
わけがわからない、という表情をするリディアにバッツは肩をすくめて言った。
「リディア?だっけか、なんだかよくわからないけれど…多分彼、ゲームにのってるよ?」
リディアは寸時躊躇った。
「知り合いみたいだし信じられないかもしれないけどさ…
 殺し合いをする気がないなら、とりあえず話し合わねえ?」
暫くの間、その場に沈黙が流れた。


【バッツ 現在地:アリアハン城下町中央 所持品:チキンナイフ、ライオンハート
 第一行動方針:ローグ、リディアと話す 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】
【ローグ(男盗賊) 現在地:アリアハン城下町中央 所持品:銀のフォーク@FF9
 第一行動方針:バッツ、リディアと話す 第二行動方針:首輪を外す方法を探す】
【リディア 現在位置:アリアハン城下町中央 所持品:?
 第一行動方針:目の前の事態の整理 第二行動方針:仲間を捜す】
【カイン(負傷) 所持武器 ランスオブカイン 現在位置 アリアハン城下町から脱出 
 第一行動方針:逃げて、傷の回復を待つ 第二行動方針:殺人者となり、ゲームに勝つ】

【エドガー 現在位置:アリアハン城下町出口  所持品:ひそひ草(エドガー自身の支給品はまだ不明です) 
 第一行動方針行動方針:逃げる 第二行動方針:バーバラとのコンタクト】
【デッシュ 現在位置:アリアハン城下町出口 所持品:ウインチェスター+マテリア(みやぶる)(あやつる)
 第一行動方針:逃げながらもエドガーに話しかけるか決断 第二行動方針:首輪の研究を試みる】

注意 エドガーとデッシュは、デッシュの決断はどうあれ少なくともリディアが登場する前にはアリアハンを出ています。

248:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 01:07:57 SdeZc2WM
申し訳ない。3ページ目。

天上→天井
天上みあげてどうする。

せっかくなのでついでに。最後の一個前のセリフは口調が若干バッツっぽくないような気がするので、

「リディア?だっけか、なんだかよくわからないけれど…多分あいつ、ゲームにのってるぜ?」
とでも脳内修正お願いします。重ね重ね申し訳ない。

249:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 01:27:42 FrlYZG/0
やらなきゃやられる、やらなきゃ……
アグリアスは岬の洞窟を片手づたいにひた歩き、なんとか出口を見つけ外に出た。
洞窟の中では暗闇が恐怖を誘ってしまう。光が欲しかった。明るい日差しのもとで、敵を倒す。
そう、他の参加者はすべて敵だ。
ひとりだけしか生き残れないゲームなのだから、仲間なんて意味がない。

彼女は知らなかった。ラムザたちがこの大陸にいることを。
あまりに唐突に始まったこのゲーム、ビアンカは始まりの部屋で彼らの姿をその目にすることは
できなかったのだ。
気が動転していたことが一つ。
五十音順のためすぐに出発せざるを得ず、仲間を探す余裕が少なかったのも一つ。
……私は一人でこの世界に投げ込まれたようなもの……
彼女は、自分が孤独であると思い込んでいた。

洞窟を出たところは森の中だった。
入りくねった木の枝や、足をからめとられそうな草の茂みに面倒なものを感じながらも、先へ進むことを
決意する。
少し歩いた所で、人間の気配が背後にあることに気づいた。
洞窟を出たころにはまったく感じられなかったもの。いつの間にか接近されたようだ。
……やる気だ
アグリアスは武器をとった。
支給品はビームウィップとクロスクレイモア。
どちらもすぐ手に馴染んだ。鞭を使った戦闘はほとんど経験がなかったが、この武器は難なく使い
こなせる自身がある。
ぱきぽきと折れた枝を踏みつける音がした。敵は近い。
アグリアスは深呼吸した。敵が背後にいると知っていながら、わざと背を見せたままでいる。
だが、射程内に入ったら、一瞬のふり向きざまに、一閃―

―私は騎士だ。仕えるべき主君がいる。その方を守り抜くまで、何も生まないこんなくだらぬゲームで、
こんなところで死んでたまるかッ……

250:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 01:29:20 FrlYZG/0
アグリアスは次の瞬間ビームウィップを横になぎ払い、その勢いを利用して体を180度反転させた。
線状のビームが大きく弧を描いて、木という木を真っ二つに切断した。
草が焼かれ赤い火が辺りに燃え移る。火花が散ったような音がして、大木が崩れ落ちた。
やったか? 今の攻撃をかわすような相手がいるとは思いたくないが……
アグリアスが気をぬかずにいたのは幸いだった。
敵は瞬間的に跳躍し、ビームの閃光をかわしたのだ。
「!」
頭上から赤い塊が降ってくる。
アグリアスは体を屈め、緊急回避の体勢をつくった。後転し、背中が太い木の幹にぶつかったところで
もう一度鞭で前方を薙いだ。

赤い髪の戦士、サラマンダー・コーラルがアグリアスの十数メートル先にいた。
サラマンダーはアグリアスの第二激もかわしていた。
「まさか気づいていたとはな。俺の気配を殺す術は完璧に近いと思っていたが」
アグリアスは口の端をわずかにつり上げた。
「気配を消せても、枝を折る自分の足音に気づかないようでは、二流だな」
サラマンダーは突進してきた。
黒くくすぶった草の上を跳ねとび、あっという間に距離をつめてくる。右手に鋭い爪が生えているのを
アグリアスは確かにみた。あれはきっと鋼鉄をも切り裂く使いこなされた武器だろう。
ならば、アグリアスもクロスクレイモアを手にとった。
こちらも専門を使わせてもらう。剣の扱いならば負ける気がしない。
少なくとも今ならば。

【アグリアス 現在位置:岬の洞窟入口近辺 所持品:クロスクレイモア、ビームウィップ、もう一つは不明
  行動方針:サラマンダーを倒す
 サラマンダー 所持品:ジ・アベンジャー(爪) 他は不明 
 行動方針:参加者を殺して勝ち残る(ジタンたちも?)】

251:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 01:47:21 RCmHFqMk
アリアハンの攻防>>247修正
何回もごめん…アイテムで道具屋から漁ったって書いたのに最後表示されてないよ…

【バッツ 現在地:アリアハン城下町中央 所持品:チキンナイフ、ライオンハート、薬草や毒消し草一式
 第一行動方針:ローグ、リディアと話す 第二行動方針:レナ、ファリス、クルルとの合流】

今回は現地調達ありみたいだからやらせてみたかったんだ…いきなり忘れとる…

252:記憶
04/11/06 02:09:06 N65KRZM0
レーベ北西の草原に、一人の少女がいた。
その蒼い髪の少女は、涙を止める術を知らない。
記憶の中で飛び散った鮮血が、何度も何度も彼女の瞳の中を染め上げる。
少女は、無防備ともいえる状態で、草原の真ん中で突っ伏していた。

蒼い瞳に浮かぶのは、勇気ある一人の女性。
―あまりに無残に、その生涯を終えさせられたその姿を。
―紫の髪を、血の池に横たえた、最初の犠牲者の姿を。

少女はかつて父も母も失った。
ともに安らかな死に顔だった。
お前を一人残していくのはつらい、と呟いて逝った。
それが死ぬことだと、今までそう思ってきた。

だが、その女性は最後の一言も発する事無く、絶命した。
きっとこのゲームでは、多くの人がそうやって死んでいくのだろう。
安らかな死など、認められないこの世界の中で。


止まらない涙を拭き、体を起こす。
こんな風に泣いていても、何も変えられない。
…お兄ちゃんを見つけよう。
本当はレイドックの王子様だったお兄ちゃん。
魔王を倒して、伝説の勇者と呼ばれたお兄ちゃん。
私の、これからもお兄ちゃんと呼んでもいいかという問いに、笑って答えてくれた。
「もちろんだよ、ターニア」と。
…また、会いたい。
お兄ちゃんも、その仲間達も…ランドも。
みんなと、会いたい。

253:記憶
04/11/06 02:10:26 N65KRZM0
少し勇気が出てくると、ターニアは支給品を開いた。
配られたアイテムは二つだった。
一つは、巨大な剣。とても、扱えそうに無い。
もう一つは、小さな種。使い方はわからなかった。
とりあえず二つをまた袋にしまうと、ターニアは周りを見渡した。

隠れる場所のほとんど無い、平原のど真ん中。
東に200m位のところに、森があるのを確認する。
ふと反対側に目をやると、西の方から、誰かが歩いてくるのが見えた。
「あれは…?」
確か、魔王を倒した時のパーティーに来ていた人だ。
お兄ちゃんの仲間のテリーさんだ!
「テリーさん!!」
少女は、ありったけの声でその青年を呼んだ。

その青年は、表情を変えなかった。
…私のことを、覚えていないのかな?
ターニアのある意味楽観的なその想像は、即座に否定された。

青年はおもむろに歩みを走りに変え、剣を前に構えた。
それでターニアは、凍りついた。
青年の剣は、血で濡れていた。

「あっ…」と言う間に、テリーはターニアから50mの所まで迫っていた。
もう、明らかだ。私にも感じる。彼の殺気が。
彼に背中を向け、全力で逃げようとするも、鍛えた戦士と普通の少女の違いは大きい。
真正面に森があった。あそこに逃げ込めば助かるかもしれない…!
そう思ったとき既に、テリーとの距離は30mをきっていた。

20m…いやだ…15m…どうしよう…10m…お兄ちゃん…5m…助けて!

もうダメだ、そう諦めかけた瞬間だった。

254:記憶
04/11/06 02:12:08 N65KRZM0
バーン。自分の後ろで、何か大きな音がした。
振り返ると、テリーの姿は20m以上後方で、宙を飛んでいた。
何かに吹き飛ばされたようで、彼は背中から地面に激突した。

「大丈夫!?」
森の中から、一人の女性が出てきた。
女性…エアリスは杖を正面に構え、大きな声で叫んだ。
「早く、逃げて!」
ターニアは、躊躇いを捨てた。。
杖を構えるその女性の方へ、一目散に駆け出した。


「くッ…」
唐突な攻撃だった。
強かに腰を地面にぶつけ、苦悶の表情を浮かべる。
立ち上がって見ると、少女と、自分に攻撃した『誰か』は既に森の中に消えていた。
「ちッ」
テリーは、苦々しく舌打ちをする。
―しかし…わからない。
あの少女は自分の名を知っていた…?
一瞬考えようとするも、彼はその思考自体はあまり意味がないと考え直す。
―まあ、いい。
彼は、力の証明のための相手を探すべく、南西のレーベへと向かった。

【ターニア 所持品:ゴディアスの剣 理性の種 行動方針:テリーから逃げる/兄(DQ6主人公)を探す】
【エアリス 所持品:ふきとばしの杖 他不明 行動方針:テリーから逃げる/??】
現在位置:レーベ北東の森入り口付近?

【テリー(DQ6) 所持品:クリスタルソード イヤリング 鉄の杖 ヘアバンド
現在位置:レーベ北東の平原 行動方針:レーベへ向かう/自らの力を試す=ゲームに勝利する】

255:>>249修正
04/11/06 02:25:13 oW15+NOv
生き残るためには殺さねばならない、それが正しいことであると言えるか、しかし―
アグリアスは岬の洞窟を片手づたいにひた歩き、なんとか出口を見つけ外に出た。
洞窟の中では暗闇が恐怖を誘ってしまう。光が欲しかった。明るい日差しのもとで、敵を倒す。
そう、他の参加者はすべて敵だ。
ひとりだけしか生き残れないゲームなのだから、仲間なんて意味がない。

あまりに唐突に始まったこのゲーム、アグリアスは始まりの部屋でラムザに声をかけられた時も、
半信半疑でいた。
うなずいて、扉に走りこんではみたが、そう簡単に信じていいのだろうかと不安になった。
暗闇の洞窟のなかでラムザの顔を思い出したとき、あれは幻影であったように思えた。
あの毅然とした態度の中に確固たる本物の人間としての精神を見い出したのは確かなのに。
そう簡単には信じられないのだ。

あの男の姿は自分を騙す罠の一つであり、気を許して近づいてこの身をゆだねることなぞ、このゲーム
に乗ることと同じ位愚かなことなこと、そう考えるべきだとアグリアスは思う。
……だから結局私は一人でこの世界に投げ込まれた……
彼女は、今洞窟をぬけ、自分は孤独であると思い込んでいた。
現に傍には誰もいなかった。


洞窟を出たところは森の中だった。
入りくねった木の枝や、足をからめとられそうな草の茂みに面倒なものを感じながらも、先へ進むことを
決意する。
~~これ以降は同じです~~
失礼しました


256:闘争心
04/11/06 02:52:57 H7xHCbs4
「ハアアァァァ…!!」
男は剣を振るうと巨木を一刀両断にし、直後に発生した爆発により巨木は粉々となる。

「流石は伝説の剣。この力、真に素晴らしい。
 が、流石に扱い辛いな。やはり私では完全に使いこなす事は出来ぬか…。」
デュランは手に持つラミアスの剣をじっと見つめた後、鞘に収める。

「あの魔女に巨竜、おそらくその強さは私よりも数段上か。
 フフ ハハハハハ…。奴等とも是非戦ってみたい物だが、今はまだそのステージでは無い様だな。
 暫くの間この余興に付き合うのも悪くは無いだろう。
 この地に集められし強者達よ、是非とも私を楽しませてくれたまえ!」

ゲームに乗っているのとは少し異なる。
他者を殺す、生き延びる、そのような事は彼には関係無い。
弱き者、戦う気の無い者には興味は無く、ただ強い者と本気で闘い、そして勝つ。
それだけが彼にとっての興味であり、生き甲斐である。

「先ずはこの洞窟へ向かってみるとするか。
 フフフ… これから強き者に出会えると思うとゾクゾクしてくるわ。」
森を駆け抜け、デュランは岬の洞窟へと向かう。
自分を楽しませてくれる相手を捜し求めて。

【デュラン 現在地:岬の洞窟北東の砂漠付近 所持品:ラミアスの剣
 第一行動方針:強い者と戦う 最終行動方針:ティアマト、アルティミシアと戦う】

257:214
04/11/06 09:05:58 v65cecnL
間違えて雑談スレで修正宣言してしまいましたので一応こちらでも。
女性もいるこのゲームに←女性も子供もいるこのゲームに
重ね重ねすみませんorz

258:最後の血統1/4
04/11/06 11:05:06 fGNQDf2L
(―殺し合いをしろですって?冗談じゃないわ!)
そんな怒りを小さな魔法で木にぶつけている少女。
ムーンブルク国の王女、ムースだった。
殺し合いをしろといわれた、でも自分にはそんなことが出来るわけが無い。
あの中にはロランやパウロだって………。
しかし、ある思考が彼女をこのゲームに乗らせようとしていた。
「お前はムーンブルク最後の血統だ、誇り高きその血統を絶やしてはいかんぞ…。」
父の遺言だった、何故それを思い出したのか、彼女自身も分からない。
(私が死ねば…ムーンブルクの血は途絶える…それはお父様を悲しませてしまうこと。
 お父様を…悲しませてはいけない、でもロランやパウロを殺すだなんて―)
そのとき、彼女の思考に何かが流れこんだ、そう、完全にこのゲームに乗らせる言葉が。
「生き残れ!ムースよ!たとえ何があろうと!」
タトエ…ナニガアロウト…イキノコラネバナラナイ…。
ロランやパウロを殺せない?―否、今の自分には平気で殺せる。
誰だって、そう生き残る為なら嘗ての仲間を殺し、自らの手を血に染めることになろうとも。

259:最後の血統2/4
04/11/06 11:11:02 fGNQDf2L
「生き残る…そして私は…嘗て破壊神を破壊した、破壊できないものは無い。」
そして、狂気に満ちた彼女は支給品から一本のロッドを取り出した、その後彼女はあたりを見回した、三つほどの影が見える。
「先ずは三人…」
彼女はその三つの影に向けてロッドを振った。
彼女自身は呪文を唱えたが、ロッドからは彼女自身も知らない、未知の呪文があふれた。
一つは、大きな火球が影に向かい、その影を燃やし尽くした。
一つは、強靭な風が、影を襲った。
一つは、何所からとも無く、一粒の隕石が落ち、小さな爆発を巻き起こした。
もう一つの支給品、望遠鏡のようなもので、その三つの影を確認する。
火球の行った先は海賊のような姿をした男が燃えていた。
強靭な風が通り過ぎた先は吹き飛んだのか、何も見えなかった。
隕石が落ちた先も、一人の忍者のような女性が見える、即死とは行かないが腕が落ちている、片腕を遺失したようだ、そして素早く、忍者の如く逃げていった。
「チッ、確実に仕留められたのは一人ですか…まぁ良いです、逃げたあの女性は後で仕留めましょう。
 そして…フフッ、これは使えるわ、大事にとっておきましょう。」
そして、人を求めて歩き出そうとしたときだった。

260:最後の血統3/4
04/11/06 11:11:51 fGNQDf2L
ムースは不意打ちを食らってしまった。
「やい、てめぇ!いきなりバギクロスかますなんて痛いじゃねぇか!」
そうやって、ムキーッっとなりながらムースに殴りかかってきたのは、小さなもこもこしていて、顔はいかにも意地悪そうな顔の奴だった。
しかし、この物体もムースも気がついてはいなかった、今のはバギクロスではなくエアロガだということを。
「もう怒ったぜ!ちょっと懲らしめてやる!」
そんな言葉を聞き、ムースは口元を歪めた。
「フフ、貴方みたいな小さな奴に負けるとでも―」
言葉はそこで遮られた、その物体が先ほどの大きな火球を練りだしたからだ。
急いで避けたが少し火傷を負ってしまった。
「チッ…こんな上等な呪文を使うだなんて…」
「ちくしょお、素早い奴だぜ!」
その声は重なった、対峙する一匹と一人、そこへ…。
「おいおい、そこのもこもこした奴!一人で立ち向かうのは無謀だと思うぜ。
 こいつは結構呪文の使い出だ、余計なお世話とは思うが、こういう奴は放って置けねぇ!
 このギルガメッシュ様が加勢してやるぜ!」
と威勢のいい声と共に現れた颯爽に現れた赤マント、しばし呆然としていたわるぼうだが、
ムースに殺意を向けられていることに気がつき、もう一度ムースのほうを向いた。
そして、ギルガメッシュと名乗る奴に向かい、一言呟いた。
「俺はわるぼう、マルタの国の精霊さ。」
そしてムースは、邪悪な笑みを浮かべ、こう言い放った。
「フフ、二人に増えようと同じです、まとめて塵にしてあげましょう!」
その声は、嘗て破壊神を復活させた、ハーゴンに似ていた。

261:最後の血統4/4
04/11/06 11:13:58 fGNQDf2L
【ムース 生存確認 現在地:レーベ北の平原
 所持品:ワンダーワンド(ランダムに魔法を発射します) 遠距離用スコープ
 第一行動方針:わるぼう、ギルガメッシュを殺す
 第二行動方針:仕留め損ねた奴(ユフィ)を殺す
 最終行動方針:生き残る】

【わるぼう(負傷) 生存確認 所持品:不明(邪魔だと言って捨ててきた可能性あり
【ギルガメッシュ 生存確認 所持品:不明
 現在地:レーベ北の平原
 第一行動方針:ムースを懲らしめる(殺すことになるかどうかは微妙。】

【ユフィ(片腕遺失) 生存確認 現在地:レーベ北の平原からいざないの洞窟方面へ逃げる
 所持品:不明
 第一行動方針:術者から逃げる
 最終行動方針:????】

【ビッケ 死亡】(支給品は燃え尽きたor放置

262:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 12:22:26 fGNQDf2L
ぁぁ、申し訳ない。
【ムース(DQ2ムーンブルク王女) 生存確認 現在地:レーベ北の平原

です。

263:実は弱虫…? 1/2
04/11/06 12:58:09 Zg3h8cIb
(なんで、なんで俺様はここにいるんだ…)
唐突に始まったこのゲーム。何故こうなったのかを、ブオーンは考えていた。
(俺様は確か、あのいけすかないルドルフの奴に封印されて…)
封印がとけたらルドルフに復讐しようと決めていた。
(あの金の亡者は、俺様にかかった賞金欲しさに封印しやがったんだ!!)
思い出しただけでもはらわたが煮えくり返ってきた。
(俺様は、健気に、直向に、大人しく、生活していただけなんだぞ!!)
確かに寝返りを打ったり、何かに躓いて思わず、家や人を踏んだことは何度かある。
だが人間だって、何かの拍子に蟻を踏んだり、巣を壊すことだってあるじゃないか。
(封印の経緯についてはまあいい)
ブオーンは、確か自分の封印はとかれたことを思い出した。
封印がとかれた後、早速ルドルフの居所を捜した。
最初に、ルドルフに罠をかけられ、封印した塔に行ってみると、そこには見知らぬ男と子供がいた。
(そして、俺様は倒されたんだよなあ…?)
これについては、ブオーンには何の文句もなかった。
弱い奴が強い奴に倒されるのは自然なことだ。ルドルフのように卑怯な罠を使ったわけでもない。
あいつらは、自分が封印された後、幅を利かせた奴なんだろう、と予測している。
(あいつらも、このゲームに参加してたなぁ…)
参加者一同揃った先ほどの会場に、あの男と子供がいた。
このゲームには、確実に自分より強いものが参加している。
(ルドルフの奴が参加しているわけでもなさそうだし…)
ルドルフがいない以上、ブオーンはわざわざ動いて殺される危険を高めるつもりはなかった。
一度倒され、もう一度殺されるのはゴメンだ、という心境になっている。
(さっきから背中の当たりが痒いけど、かくわけにもいかないか、はぁ)
大きな、ため息が漏れた。

264:実は弱虫…? 2/2
04/11/06 13:00:07 Zg3h8cIb
「ぬお、なんか動いた…?」
運がいいのか悪いのか、ブオーンの背中を小山だと思って待機していたゴゴは、突然の揺れに驚いた。
それはブオーンがため息をついたために起きた揺れなのだが、それを彼は知る由もない。

【ブオーン 現在位置:レーベ南西の山岳地帯に同化中 所持品:不明
第一行動方針:動かずやり過ごす】
【ゴゴ 現在位置:レーベ南西の山岳地帯(ブオーンの背中) 
所持品:ミラクルシューズ ソードブレーカー
第一行動方針:誰か来たら、その人の物真似をする。】

265:花占い 1/2
04/11/06 13:13:40 Y0tOXZzb

「私は、サックスに…」
すぅっ…と決意したように息を吸い込み、真剣な眼差しでそれ―ある意味、彼女の運命を決定づける物―を見つめ…そして、始める。
震える指先で、それでもしっかりと掴んでいく。ゆっくりと、ひとつずつ無くなっていく。
「会える、会えない、会える、会えない」橙色の花びらが足元に散っていった。
エリア。彼女はどこかずれている。

死んだはずの自分が何故ここに立っているのか、何故こんなゲームに参加させられているのか…
考えた、考えたが、わからないことをいつまでも考えたって始まらない。
それよりも、折角今もう一度こうして彼らと同じ大地に立つことができたのだ。もう一度…会いたい。
「会える、会えな……」
ぴたり。エリアの指はそこで止まった。…花びらはあと一枚。
「……もうっ!こんなのどうせ当たらないんだから」
そうつぶやくと、今度は赤い花を手にする。そしてまた占いはじめる。
「私は、ギルダーに…会える、会えない、会える…」
―サックスもギルダーも、どうしてるかなあ。あのころと変わらないままだといいな。
そういえば、ジョブはナイトと赤魔道士のままなのかしら?二人ともこだわって極めようとしてたから…きっとそうね。
ああ、早く会いたい。
「会えない、会える…やったあ!」
赤い花は、その花びらを全て散らせることができた。もちろんこんな占いは気休めだと彼女自身わかっている。
動かなくては始まらない。占いのほうは…橙のほうはハズレ、赤のほうアタリであることを希望して。
エリアは花びらが一枚残る橙の花と、花びらのなくなった赤い花のふたつを大切そうにワンピースのポケットにしまいこむと歩き出した。

266:花占い 2/2
04/11/06 13:16:51 Y0tOXZzb

(…あれって、まさか!)
緊張しながら森の中を進んでいたエリアは、その後姿を確認するなり目を見開いた。
彼女の視線の数メートル先には赤いマントに羽帽子、そして長い金髪―もしかして…!
安堵感と嬉しさから笑みを浮かべる。こんなに早く見つかるなんて!駆け寄りながら懐かしい名前を呼ぶ。
「ギルダー!」
「…!?うわああああっ!」
あ――
エリアは、引きつった笑顔で硬直した。ギルダーじゃなかった。
確かに服装は似てるけど赤魔道士のものではないし…ギルダーよりも七つか八つは年上と思われる青年だった。
「なっ…だ、誰?ぼ、僕が何か?」
青年は突然の他人との遭遇に、青ざめた顔で震えている。
相手がエリアのような、とても悪人には見えない女性でなければ錯乱して襲い掛かっていたかもしれない。
「ご、ごめんなさい、…あ、あはは」
エリアは、笑うしかなかった。

【エリア:生存確認 現在位置:レーベ東の森最東部 所持品:妖精の笛、占い後の花
 第一行動方針:ギルバートと話をする 第二行動方針:サックスとギルダーを探す】
【ギルバート:生存確認 現在位置:同上 所持品:毒蛾のナイフ
 第一行動方針:エリアと話をする 第二行動方針:セシルとリディアを探す】

267:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 14:12:58 kG4DPW/D
>わるぼう所持品:(邪魔だと言って捨ててきた可能性あり
「なわけねーだろ、勿体無い!」
わるぼうは怪我した体など露ほどにも感じさせない勢いだった。
大型のライフルを片手で軽々と持ち上げると躊躇わずトリガーを引いた。目の前にはギルガメッシュがいた。
「食らえ、ビームライフル連射!」
「うおっ、危ねえええっ」
ギルガメッシュは乱射されたビームに危うく巻き込まれるところだった。
体を左右に振り、ビームの嵐を際どいところで回避した。
「おい、俺まで撃ち殺す気か!」
わるぼうは掲げていたライフルを地面の高さまで降ろした。
「すまないワル。でもお前は動きが速そうだから、かわしてくれと信じていたんだぜ……
 俺の読みは正しかったワル。お前ははぐれメタルなみにすばしっこい。でも調子に乗って逃げ足の
 速さまではぐれ並に発揮してもらっちゃ困るぞ。もし、そんな真似したら後ろから撃つからな」
「てめえ、セリフが長いんだよ!敵がまだいるのを忘れんな!」
そう、ムースは怒り心頭でいまにもイオナズンを撃ってきそうな様子だった。
衣服がいたるところ裂け、その切れ間から白い肌が露出していた。
「よ、よくも私の法衣を……」
ムースはワンダーワンドを振り上げて呪文を唱えた。
わるぼうが目を見張る。
「あれはイオナズンの構えワル。こっちも呪文で応戦するぞ」
「待て、俺は攻撃魔法を使えねえぞ」
「お前に使ってくれなんて誰も言わないぜ。もともと戦力は俺一人だけだと考えていたからな」
「なんだとう!?俺は物の数に入ってねえってことかあ?なめてんのか!」
「まあ、加勢してくれる言ったときは少しは感謝したけどさ。でもよく考えたらあれは気の迷いだったのかと」
「ふざけんな。俺が頼りになる男だってことを思い知らせてやる」
ギルガメッシュはザックを野原にひっくり返して中身をぶちまけた。
その中から古びた剣を選びとると、ムースに向かって突撃を開始した。
わるぼうは頭をかきながらギルガメッシュの背中に精神を集中させた。
「やれやれ、しょうがない奴だよ。ほらっ、スクルト&バイキルト&ピオリム&フバーハ&マホカンタ×2!」

268:名前が無い@ただの名無しのようだ
04/11/06 14:17:34 kG4DPW/D
【ムース 生存確認 現在地:レーベ北の平原
 所持品:ワンダーワンド(ランダムに魔法を発射します) 遠距離用スコープ
 第一行動方針:わるぼう、ギルガメッシュを殺す
 第二行動方針:仕留め損ねた奴(ユフィ)を殺す
 最終行動方針:生き残る】

【わるぼう(負傷) 生存確認 所持品:ビームライフル 残り不明
【ギルガメッシュ 生存確認 所持品:ボロい剣、種子島銃、厚底サンダル
 現在地:レーベ北の平原
 第一行動方針:ムースを懲らしめる(殺すことになるかどうかは微妙。】

269:誕生!スーパーボンバーマン1/4
04/11/06 17:08:33 ZxF/XcgI
「うおおおおおーーーーー!!」
雄叫びを上げ、自らを奮い立たせるモヒカン男。
正義をこよなく愛する男、ハッサンである。
彼は、心底怒っていた。
主催者アルティミシアに対して。
このゲームに対して。
そして、最初の広間で女性が殺されたとき、何もできなかった自分に対して。
こんなところで死んでたまるものか。絶対に、生きて脱出してやる。
そして、あいつをブン殴る。そう心に決めたハッサンであった。

しかし、気合いと怒りだけで脱出できるはずがない。
首輪をどうにかしないといけないし、アルティミシアに一人で勝てるはずもない。
同士を募り、アイテムを集めなければならない。

「おっと、そういや、オレの支給品は?」
ハッサンが袋を探る。出てきたものは3つ。
神秘の鎧。歩くだけで体力が回復するスグレもの。結構カッコイイ。
奇跡の剣。斬りつけると同時に、体力を回復する業物。結構カッコイイ。
当然装備。これでボーナス40点もいただきだぜ。
もう一つは、エメラルドの付いた指輪。
レイドックのおばさんの指輪に付いていたイミテーションのようなものではない、本物のエメラルドだ。
さらに、魔力もこもっているらしい。装備するか。最近の男には、おしゃれも必要だぜ!
ハッサンはエメラルドの指輪を装備した。

270:誕生!スーパーボンバーマン2/4
04/11/06 17:11:34 ZxF/XcgI
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´
エメラルドの指輪が爆発した!

271:誕生!スーパーボンバーマン3/4
04/11/06 17:14:29 ZxF/XcgI
まさか爆発するとは…
生きているのが不思議なくらいだぜ。
こういう謎のアイテムには、インパス。一応覚えておいてよかったぜ。
「インパス!」


爆発の指輪 重さ4
装備すると、装備者の生命エネルギー(=HP)を半分消費して、強制的に爆発を起こすぞ。
その後、数歩~数十歩ごとに爆発を起こすぞ。


つまり、なんだ、弱いメガンテみたいなもんか。神秘の鎧を装備していてよかったぜ。爆発しまくっても死なずにはすむな。
…て、待て待て待て!こんなの装備してたら、仲間どころか、生き物一匹よってこねぇじゃねぇか。
それに、このまんま装備してたら、常に瀕死状態じゃねぇか。冗談じゃねえ。
いや、この指輪外せばいいのか。俺としたことが、ただの取り越し苦労だったぜ。
さて、これは外して、仲間を捜すとするか。

272:誕生!スーパーボンバーマン4/4
04/11/06 17:18:40 ZxF/XcgI
         ("  ./   i {;;;;;;;i|    .|i;;;;;;) ,ノ    ii
     ,,       (    l, `'-i|    |i;;-'     ,,-'"   _,,-"
     "'-,,     `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '"  _,,--''"
         ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_  __,,-''"
        ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄   |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,,
      ,,-''::::二-''"     .--i|     .|i          "- ;;:::`、
    ._,-"::::/    ̄"''---  i|     |i            ヽ::::i
    .(:::::{:(i(____         i|     .|i          _,,-':/:::}
     `''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i|      .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
       "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i|      .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
               ̄ ̄"..i|       .|i
                 .i|        |i
                 i|        |i
                 .i|          .|i
                .i|           |i
               .i|      ,,-、 、  |i
               i|      ノ::::i:::トiヽ、_.|i
           _,,  i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
     ,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
     ;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::ヽ
爆発の指輪は呪われていて外れない!

【ハッサン(HP残り1/4+α) 現在位置:いざないの洞窟西の山岳地帯 所持品:E奇跡の剣 E神秘の鎧 E爆発の指輪(呪)
 行動方針:指輪を外す 最終行動方針:仲間を募り、脱出】
※爆発の指輪、呪いはトルネコ2仕様

273:254
04/11/06 17:44:16 FcWPz1pn
ふきとばしの杖→ふきとばしの杖〔4〕
に脳内修正お願いします

274:意思疎通1/4
04/11/06 18:28:00 fGNQDf2L
(オレは、気がついたらあの場所にいたんだ。
 タイジュでヘルードとグレンザとゴルゴと冒険していて、いつも道理疲れたからベッドで寝たらあそこにいたんだ。
 そして、アルティミシアっていうすごいおばさんに殺しあえなんて言われちゃってさ。
 もう嫌になっちゃうよ、あーあ、皆がいればあんなおばさん一捻りなのにな。
 でも、この変な世界で一人の友達と、見たことも無いモンスターを仲間にすることが出来た。
 友達のほうはレックス、僕と同じぐらいの大きさで呪文も使える。
 で、モンスターの方は緑色の…面白い形をしたモンスター、マーマンが100倍可愛くなった感じ。
 そうそう、まだアレをやってなかったっけ、名簿によると…このモンスターはトンベリって言うのか、神聖な儀式だし…うーん)
と、彼が悩んでいる中、レックスがこう言った。
「ねぇ、テリー、君。どうせだからこの袋開けてみない?」
とレックスがテリーとトンベリに尋ねた、君というのはトンベリを指しているようだ。
そして、テリーも座り込み、袋を開けてみた、テリーの支給品はラッパと黒い球体だった。
「これは…吹くのかな?でもこっちの丸いのは使い方わかんねぇ、入れとこう。」
その黒い丸い物体が、このゲームを破壊しかねない存在だということ。
「メテオ」を呼ぶものだということを、を二人と一匹は知ることは無いだろう。
そして説明書を片手にラッパを使いこなそうと頑張っていた。

275:意思疎通2/4
04/11/06 18:29:37 fGNQDf2L
「僕の支給品は包丁と…盾だな、うーん、ちょっと使いにくいなぁ。」
盾のほうはオーガシールドという、なかなかの守備力を誇るものだった。
包丁を取り出した瞬間、トンベリが少し暴れ始めた。
「ど、どうしたんだよ!いきなり暴れて!」
テリーとレックスは慌て始めた、トンベリが暴れ始めたからだ。
(―見たことも無い魔物…話し合えるかどうかは分からない…でもオレは…やってみるしかない!)
そして、テリーは集中し、トンベリのほうを向いた。
それは…魔物使いのみが出来る、モンスターとの会話だった。
テリーがゆっくりと目を閉じた後…テリーはこう呟いた。
「それはぼくのほうちょうです、かえしてください!」って言ってるぜ。」
そうテリーがレックスに言った、トンベリとの意思疎通に成功したのだ
レックスはそのテリーの姿を、見て魔物と離す、父の姿と重ねていた。
「テリー…君は、一体?」
その言葉に、テリーは自信を持って答えた。
「オレはタイジュの国のM・M(モンスターマスター)テリーさ!」
モンスターマスター、その言葉にレックスはやはり父と繋がるものを感じていた。
そしてテリーは、ちょっと決まった…と思いつつ、テリーは用件を思い出した。
「おっと、その包丁、こいつの物みたいだから返してやれば?」
レックスはうなずき、トンベリに包丁を返した。
トンベリは、お気に入りの包丁が戻ってきて、とても嬉しそうである。
すると、一本の剣をレックスに差し出した。
「ほうちょうをかえしてくれた、お礼です」ってさ。」
その剣は、レックス自身よく知っている天空の剣だった。
それを受け取ってレックスはニコリと微笑んだ。
彼自身、前にも握っている、やはり…手になじむ。

276:意思疎通3/4
04/11/06 18:30:57 fGNQDf2L
ちょうどニコリと微笑んだときである、一人の男が向かってきたのだ。
手には大きな剣、そして盾、もしかしたらゲームに乗ってるかもしれない。
レックスとトンベリはテリーを守るように、テリーはラッパを片手に構えた。
すると、その男は剣から手を離し、テリー達に話し掛けていた。
「すまない…君たち、僕より少し小さな白魔道師…名簿に載ってると思うけどローザって人を見なかったかい?」
その男は、すこし悲しそうな顔でそういった。
しかし、子供たちは顔を横に振っていた。
その合図を見、男はさらに表情を暗くした。
「そうか…なら、もし見たなら言ってくれ、セシルという人が探していたと、あの城の近くにいると。」
そういって、その男はもの悲しそうに去っていった。
テリーにしてみれば仲間になるのを断った敵のように…去っていった。

その後、テリーとレックスはやるべきことに頭を切り替え、こう言った。
「そうだ…僕もわたぼうを探さなきゃ!」
「僕も…お父さんや妹を見つけないと!」
二人の意思は繋がった、そしてその後テリーは思い出したかのようにトンベリの方を向いた。
「そうだ、魔物を捕まえたからには、やっておかないとね、神聖な儀式だから。
 お前の名前は――」
そう、テリーがトンベリに名前を付けているときだった。
レックスはふと、上を向いた、そこには…考えられないが人影があった。
よく見てみると…人のような、そうではないような、そんな感じだった。

277:意思疎通4/4
04/11/06 18:33:24 fGNQDf2L
【テリー(DQM) 所持品:突撃ラッパ 黒マテリア(メテオ)
【レックス 所持品:天空の剣 オーガシールド
【トンベリ 所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ
現在位置:アリアハン北の橋の上
第一行動方針:わたぼうとレックスの仲間を探す
最終行動方針:ゲームから脱出する】
テリーがトンベリに名前を付けました、テリーはトンベリと意思疎通が可能です。

【セシル 所持品:光の剣 ミスリルシールド
現在位置:アリアハン北の橋の上からアリアハン城へ
行動方針:ローザを探す】

【フライヤ 所持品:?????
現在位置:テリー達の上空
行動方針:?????】

278:責任1/3
04/11/06 20:19:43 2xUTUuvV
森を駆ける二人の少女。
エアリスとターニアだ。
エアリスは後ろを振り返り、剣士が追いかけて来ない事を確認する。
「もう、大丈夫みたい」
そうターニアに告げると、ゆっくりと足を止めた。
ターニアもそれに習い、足を止める。
「怪我はない?」
エアリスが聞くと、少女は少しだけ頷いた。
呼吸は、少し荒い。
少し赤く染まった頬に、涙が流れた跡。
未だ潤んだままのその瞳で、ターニアは礼を言った。
「ありがとう…」
「いいのいいの。ホラ、こんなゲームだし、助け合わなきゃ…」

エアリスの声が、止まる。
ターニアとは違い幾らか戦闘経験のある彼女は、人間の気配を察知した。
「誰かこっちに来るみたい…」
ふきとばしの杖を握ると、神経を集中させる。
(二人くらい…殺気は無し)
エアリスは少しホッとしたが、まだ油断はできない。
人を見つけると急変する可能性だって、ある。
ターニアと共に、茂みの中に身を隠した。

ターニアを茂みの奥のほうへやると、エアリスは葉の隙間から外の様子を見た。
やって来るのは予想通り二人。
軽い身のこなしの金髪の美女と、剣を手にした金髪で体格のいい青年。
なにやら明るく話をしている。どちらも、人を殺せるようには見えない。
…と、そう考えていると、美女のほうがゆったりした口調で言った。
「其処においでの方、私達に戦う意思はありません。出てきていただけませんか?」

279:責任2/3
04/11/06 20:22:09 2xUTUuvV
見つかった!とエアリスが思ったその瞬間、ターニアは既に立ち上がっていた。
(この声には、聞き覚えがある。あの人なら、テリーさんのようにはならないはず!)
「ミレーユさん!」
ターニアは叫び、エアリスの横を一気に走り抜けるとその美女に抱きついた。
「ターニアちゃん!?無事だった!?」
ミレーユは、ターニアの予想通り、ターニアを抱きとめた。

「知り合いなのね?」
エアリスもまた、ゆっくりと立ち上がった。
四人が戦う意思が無いことを示しあうと、座り込んで自己紹介をした。



ターニアがテリーに襲われたことを話している間、ミレーユはとても険しい顔をし、
エアリスと金髪の青年…ティーダも表情を曇らせていた。

「やっぱり、そうなのね…」
ミレーユが、ふっ、と呟く。
「参加者リストのテリーは…」
彼女はリストを開き、テリーの写真を指差す。
「…赤い目をしているの。それは、デュランの手下になっていた時のテリーの目…」
「えっ?」
「多分彼は、デュランの手下だった時のテリーとしてこのゲームに参加しているの。
だから彼には正義がない。そしてきっと、ターニアちゃんのことも…私のことも、わからないはず。
なぜならその彼にとって私達は、未来に出会うはずだった人達だから…」
ミレーユが物憂げに溜息をつき、エアリスとティーダは顔を見合わせる。

280:責任3/3
04/11/06 20:23:15 2xUTUuvV
「…ティーダ君?」
ミレーユに不意に呼ばれ、ティーダは慌てる。
「な、何スか?」
「…その二人を守ってあげて。私は…行かなきゃ」
そう言い残し、ミレーユは立ち上がると、履いていた靴のおかげか信じられないスピードで何処かへ走り去った。


「ミレーユさん!!」
背中から聞こえるターニアの悲痛な声を聞くまいと、ミレーユはなおもスピードを上げる。
(テリーをあんな風にしたのは、私のせい。だから私が止めなくちゃいけない。)

あの時…ヘルクラウドでのテリーとの再会は、不意だった。
でもその時は仲間達がいて、だからテリーを止められた。
…でも私は、私を許せなかった。
彼の行動の全ては…私の責任なの。
だから、止めなくちゃ、いけない。
―私の命に換えても。

金色の髪を振り乱し、ミレーユはテリーの向かうであろうレーベへと、走る。
悲しくも美しい姿は、木々の向こうへと消えていった。

【ターニア 所持品:ゴディアスの剣 理性の種 行動方針:休憩?/兄(DQ6主人公)に会う】
【エアリス 所持品:ふきとばしの杖 青銅の盾 行動方針:休憩?/クラウドたちと合流】
【ティーダ 所持品:鋼の剣 麦わら帽子 微笑みの杖 行動方針:休憩?/仲間と合流】
現在位置:レーベ北東の森の中

【ミレーユ 所持品:月の扇 エルメスの靴 行動方針:テリーと会い、自分の命に換えてもテリーを更正させる】
現在位置:レーベ北東の森からレーベに移動中

281:血の臭い
04/11/06 22:13:40 Y0tOXZzb

(うう…何で僕が、こんなゲームに…?)
森の中を青ざめた表情で震えながら歩く兵士が一人。ピピンは、この殺人ゲームにびくびくと怯えていた。
自分は戦士とはいってもあくまでも兵士である。単独での実戦経験はないに等しかった。
訓練のときは常に他の兵士と一緒。戦いの旅はリュカ様達とご一緒。
そんな自分が、戦い慣れしていると思われる戦士達と普通に戦って勝てるはずもなく。
おまけに支給品はとてつもなく大きな剣と使ったことのない弓で、どちらも上手く扱うことができなかった。
「はぁ…」
溜息のひとつも出る。選ばれし選手達って…どんな基準なのさ。何で僕が?
それにあんな可愛い女性を、あんな見せしめみたいに殺すなんて!ゆるせな…い――?
「! なっ!」
ピピンは目を見開いた。ふいに、視界の端に映ったその存在に気が付いたのだ。
少し先の茂みに女性が倒れている、そして…これはまさか、血の臭い?
「だ、大丈夫ですか!?」
だっ、と駆け寄り…目の前で思わず立ち止まる。
女性の怖いくらいに真っ白な顔は、間違いなく死体のそれだった。既に絶命していたのだ。
(そんな―…酷い、こんな)
ピピンは、怒りと恐怖に震えながらもゆっくりと女性に近づく。
最初の部屋で見たのと同じ真っ赤な血が、周囲の緑を赤く染めていた。
そっと、死体を抱き上げる。…とても美しい顔立ちの女性だった。埋葬してあげなくては…
(……あれ?)
うつむいているピピンはふと気が付いた。…なんだ、これ?
キラキラと光る何かが地面に…氷だ。氷が辺りに散らばっている。
気が付かなかったが、良く見ると女性の足元にも氷が着いている。まさか、冷気系の呪文で――

282:血の臭い 2/3
04/11/06 22:15:26 Y0tOXZzb

「――ブリザガ!」
突如、男の声と共に魔力の波動が降ってきた。
すぐ後にピピンは、氷が砕けるような音を聞いた。足元が凍っている!
(上!?何で、何で…まさか、死体を囮にして…!?)
足が動かない、両手は使えるが武器を持っていない。不慣れな武器はザックの中だ。
(…くそっ、動けない!)
ピピンは見た。頭上の木の枝が大きく揺れて…一瞬後、自分の背後に着地した赤いマントの少年を。
(ちくしょう――リュカ様――レックス様――!)
それが、最後だった。


ギルダーは、兵士が絶命したのを確認すると、もはや動くことのないその身体からライトブリンガーを引き抜く。
兵士の死体は前に倒れ、先程殺めたばかりの女性の死体に重なった。心臓の辺りから広がっていく血がまた緑を赤く染める。
ギルダーは目を細めてそれを見つめる。ふと、いつの間にか出てきていた嫌な汗に気づき袖で拭った。
(くそ、気分のいいものではないな)
ただ実感が湧いてくる。刺した…罪のない人間をこの手で殺めた、と。
「……大丈夫だ…約束は守る」
空を見上げ、自分に言い聞かせるようにつぶやく。
気分が悪いなんて今更だ…。それを覚悟の上で、帰ると決めたんじゃないか。
もう殺すことでしか戻れないのだ。
ギルダーはピピンのザックを開けた。剣と弓。剣のほうは自分にはとても使えなさそうである。
弓もあまり得意ではないが、まあ邪魔にはならないだろう。
そう思いミスリルボウだけを抜き取ると、ザックは先程と同じように茂みの中に投げ捨てた。
(…もう、移動するか。ここは血の臭いが酷い)

283:血の臭い 3/3
04/11/06 22:16:22 Y0tOXZzb
【ギルダー 現在位置:アリアハン北の橋より東の森→移動 所持品:ライトブリンガー・雷の指輪・手榴弾×4・ミスリルボウ
 第一行動方針:獲物を探して移動 最終行動方針:生き残りサラの元へ帰る】

【ガーネット 死亡】
【ピピン 死亡】
【死体位置:アリアハン北の橋より東の森中央付近】
※ガーネットの支給品はラミアの竪琴とイエローメガホン、ピピンの支給品はバスタードソードとミスリルボウ。
 ラミアの竪琴・イエローメガホン・バスタードソードは二人の死体の近くの茂みに放置されています。

284:ピクニック 1/4
04/11/06 22:41:53 j5QfPQUH
陽光が木の葉の間をすりぬける。
暖かい風が、肩をやさしく撫でながら通り過ぎていく。
そんな静かな森の中で輪を描くように座った自分と、四人の男女。
その中心に、かなり大き目のピクニック用バスケットが置かれている。
皆、好き勝手に籠の中のサンドイッチをつまみ、コーヒーを飲み、うさぎリンゴを齧り……

(なんなんだ、この雰囲気は?
俺たちは殺し合いの会場にいるんだぞ?
いくらなんでも、これはおかしいんじゃないか?)

「これ、結構うまいな。もう一つもらうぜ」
金髪を短く刈り込んだ、いかにも格闘家風の男がカツサンドを口一杯にほおばる。
「よくそんなに食べれるわね。私、もうお腹一杯だわ」
頭巾をかぶった少女が、そう言ってコーヒーをすすった。

(……こんなのんきにピクニックやってる場合じゃないだろ。
 既に人が一人死んで、首を吹き飛ばされているんだぞ?
 俺たちがこうやってる間にも、誰かがどこかで殺されているかもしれない。
 それなのになんで、誰もおかしいと思わないんだ。不謹慎以前に緊張感がなさすぎるだろ)

「いやいやもっと食ってくれよ。
 どうせ俺一人じゃこの量は食いきれないし、腐らせるのももったいないからな」
長髪の男―ラグナが、唐揚げをつまみながら言う。彼がこのピクニックセットの提供者だった。

(ラグナ……一体、この男は何を考えているんだ?
なぜこんな時に、見知らぬ人間と食事を楽しんでいられる?
誰もが敵になる可能性がある。いや、実際に自分以外の全員が敵なんだぞ?)

285:ピクニック 1/2
04/11/06 22:45:24 j5QfPQUH
「なーんか、さっきから一人で辛気臭い顔してるね。せっかくカッコイイ顔なのに。
 楽しめるときに楽しんでおかないと損するわよ」
角の生えた少女が、いたずらっぽく笑いながら自分を見た。
「……この状況ではこれが普通の反応だ。
 あんたたちが享楽的かつ楽観的すぎるだけだ」

(そう、俺が普通だ。俺は普通なんだ。
 なのになんだ、この雰囲気は。まるで俺一人が間違ってるみたいじゃないか)

「スコールなぁ、そうピリピリすんなよ。
 よく言うだろ。急ぐと計算間違えるとか腹が空いたら勉強できないとか」
ラグナの言葉に、(言わないよ)(言わないわね)と、女性二人が小さな声で茶々を入れた。
それが聞こえたのか、ラグナは小さく咳払いしてから話を続ける。
「なんつえばいいのかな……こういう時だからこそ急がないほうがいいっつーか」
「心にゆとりを持てと、あんたはそう言いたいのか?」
「そうそう、そゆことだな」

(ゆとりとかいうレベルか?
単に現実逃避して、無防備に食事してるだけじゃないのか?
考えてもみろ、もしも乗り気の奴に襲われたら、全員一巻の終わりなんだぞ……)

俺のそんな考えを察知したのだろうか。ラグナは急に真顔になって、俺を見つめた。
「思うんだけどな。雰囲気に飲まれて、流されるのは簡単だ。
 でもな。流されちゃいけない流れってのがあるんじゃないか?」

286:↑2/4の間違いです。これが3/4
04/11/06 22:51:33 j5QfPQUH
「俺は正直、殺し合いなんかしたかない。
 そりゃあ命が惜しくないつったら嘘になるけどな。
 でもなあ、お前やリノアちゃんを殺してまで生きるなんて真っ平ゴメンだし
 大事な息子を生かすために、ゼルやアーヴァイン達を殺して自分も死ぬって気にゃ、もっとなれないぜ」
「……バカなこと言わないでくれ」
「そうだ、バカなことだって思うだろ?
 でも、そういうのをバカなことだって思わない奴もいる。
 どんなバカなことでも、焦ったり場の空気に呑まれたりすると、当たり前だって考えちまうんだ」
ラグナは一旦そこで言葉を切り、コーヒーを一気に煽った。そしてまた話を続ける。
「いつまでも現実逃避してろとは言わないさ。
 でもな。どんな最悪の時でも、こうやってゆっくりすることは必要だと思うぜ。
 最良の選択ってやつをするためにはな」

(そうなのか? ……そうかもしれない。ラグナの言うとおりかもしれない。
 でも……)

「あんた……いや、あんたたち、本当にそこまで考えてピクニックをやってたのか?」
「いや、単にメシ食おうと思って広げただけだ。
そしたら、この可愛らしいおじょーちゃんがいるのに気付いてな」
「エーコ、ジタンを探してたら偶然この人と会ったのよ。
 せっかくの誘いを断るのも失礼だから、一緒に食べてたの」
角の生えた少女が答える。それから、頭巾の少女が
「まさか子供相手にピクニックセット広げてる人がゲームに乗ってるわけないでしょ。
 ちょうどお腹が空いてたし、手招きされたから相伴に預かっただけよ」
と言って、最後に金髪の男が
「いやー、やっと山脈を抜けたと思ったら、なんだかうまそうな匂いがしててさ。
 ちょっと聞いてみたら、食っていいっていわれたんでな」と答えた。

(やっぱりな、そんなことだと思った……。納得しかけた俺が馬鹿だった)


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