04/11/03 17:28:14 zGX9veYg
ナジミの塔の最上階にて、一人だけ空気の違う人物がいた。
「どこに飛ばされるかと思ったら…なんだ懐かしいアリアハンじゃないですか」
そう、何の緊迫感も無い声でおっとりの述べていく。
かつて、勇者と共に冒険したとは思えないほどの緊迫感の無さである。
しかし彼女こそが、正真正銘、あの勇者と冒険した僧侶フルートなのだ
「えっと、何をするんでしたっけ。……そうでした、武器を確かめるんでした。」
そういって、彼女は袋の中から武器を取り出した、中から出てきたのは、剣とマフラーの二つだった。
「綺麗な剣ですね…軽いし、やっぱりこの剣は扱いやすいですね
そしてこのマフラー、とっても暖かいです、少し寒かったから丁度良いですねぇ」
相変わらずおっとりとした口調で喋っている
剣の方は、不思議な妖力を持つ草薙の剣だった、彼女も一度手にしている。
マフラーのほうはとても暖かく、体に丁度良かった。
しかし彼女にとっては、只の防寒具としか思っていないこのマフラーが、伝説の防具をも上回る防御力を誇ることを、彼女は知らない。
「さて、元通りのアリアハンですし、ご飯でも食べますか。」
と、ザックの中からいそいそと食事を取り始めた。
塔の地面に綺麗に並べられたパン、フルートはそれを黙々と食べていた。
パンを綺麗に食べ終るその少し前、背後から迫る剣があった。
「あのときの恨み!おぅりゃあ!」
その威勢の良い声と共に現れたのは、盗賊カンダタ。
一度フルート達勇者に、懲らしめられている。
そして、改心したはずだが今になって復讐心が湧いてきたのだろう。
しかし、フルートは以前食事を続けている、何の警戒も無い…かに見えた。