04/12/29 16:24:49 EGRKpirv
「世界樹の葉を手に入れたかったのは、パパに使おうと思っていたからなの。私きょうだいがいないから、パパが死んだらひとりぼっちになっちゃう」
しかし、そんなティファの思いも空しく、ティファの父親はニブル山でセフィロスに惨殺された。ニブル山では、セフィロス、ザックス、
そしてクラウドの間で激しい戦闘が交えられたのだ。その場で深い傷を負ったティファが昏睡状態から醒めたときには父親の死後一週間が
経過しており、既に埋葬が済んだ後だった。
「もう、私のために人が死ぬのはイヤなんです。クラウドはすぎやま先生を想ってる。私のことなんて全然受け入れてくれない。
それはとっても辛いし苦しいことだけど、先生が私の身代わりになって死ぬなんて、私のために誰かがもっと苦しい思いをするなんて、
もう堪えられない。先生、どうして私なんかをかばったんですか。私、クラウドに斬られて死んじゃえばよかった、死ぬべき人間は私だった。
だって、だって誰からも必要とされていないんだもの……」
「そうでしたか……。本当に辛い思いばかりをしてきたのですね……」
こういちは、激しい嗚咽で言葉を続けるのが困難になったティファの肩に手を置くと、そっと身体を引き寄せた。ティファの身体は小刻みに
震え、すっかり冷たくなってしまっていた。
「ティファ君。心からあなたに感謝します。私に世界樹の葉を使ってくれて、そして辛い気持ちを話してくれて」
こういちには、ティファの気持ちが痛いほどよくわかった。自分に世界樹の葉を使うまでに、どんなにか思い悩んだことだろう。
この娘には、何よりもクラウド君の支えが必要なのだ。
「では、こうするのはどうでしょう」
こういちは、ティファにある提案をし始めた。
<つづく>