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アメリカの研究者らの反応
アメリカの研究者の友人などに聞くと、これらの書籍が自民党国会議員から届いたことについて、苦笑と
共に呆れ果てた反応が多かった。何度となく、書籍、パンフ、メールなどを送られ続けてきている日本研究
分野の研究者も多いが、今回は国会議員からということで、またか、という感覚と共に、より驚き呆れた
という反応が多いようだ。
そして、自民党内のチームが執筆したという手紙についても、「ひどい」の一言であった。私もパッケージ
が届いた日にちょうど日本研究の授業があったので、学生に、手紙の内容を読んで聞かせ、届いた書籍を
回覧したところ、唖然としていた。「これで説得できると本気で思っているんだろうか」という反応
だった。さらには、封筒に書かれた宛名の「M. 」という部分も苦笑を誘っている。宛先の研究者について
全く知らず、調べもせずに送っていることが伺えるからだ。
自民党や右派の個人・団体が、右派論者や新聞社の書籍英訳版を北米の研究者らに送るという活動が、
「北米研究者らにこれらの書籍を読んでもらい、自分たちの考えをアピールし、説得する」という目的
だとしたら、効果があがっているとは思えない。
ただ、もしかしたら、自民党及び右派活動家の狙いは、北米研究者など実はどうでもよく、それらの本
を「送った」という事実をもって、国内のサポーター向けへのアピールをすることなのかもしれない。
実際、それくらいしか、こうした文献や書籍を送りつけることの効果はないのではないか。
にもかかわらず、このような「対外発信」を続ける与党自民党の目指すものは一体何なのか。これでは、
日本の評価はますます下がるばかりだろう。こうした「対外発信」の結果、日本で歴史修正主義が蔓延
していることだけは確実に海外に周知されている。
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