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新産業革命「インダストリー４．０」－日本のＦＡ、存亡をかけた期待と危機感
掲載日 2015年04月08日
ドイツと米国で「現代の産業革命」に例えられる動きが進んでいる。引き金になったのは、インターネット・オブ・
シングス＝ＩｏＴと呼ばれる情報技術。センサーやＩＣタグを通じて現実世界のデータをインターネットに取り込み、
巨大な情報システムで管理する。さまざまな工場をつないでＩｏＴで進化させれば、モノづくりのあり方を一変させる
可能性がある。日本にも先進的なＩｏＴシステムはあるが、製造業でのまとまった動きは欧米に後れを取っている。
「このままだとウチはやばい」―。日本のＦＡ機器最大手の三菱電機のある幹部は危機感を募らせている。
「ＦＡには大きな既存事業があり、従来のやり方を崩して新しい動きに対応するのは難しい。経営中枢が主導
権を取って全社的にどうするか考えないと」（同幹部）。
新しい産業革命の影響はＦＡ機器業界だけではなく広く製造業全般に及ぶ。「インダストリー４・０が本格展開
されれば、ドイツ経済の競争力と生産性に大きな貢献を果たすだろう」―。ドイツが国策で進める「インダストリー
４・０（Ｉ４・０）」。諮問機関から提出されたその「提言書」からは期待の大きさがうかがえる。
災害発生時に自動的に調達先を変えたり、負荷に応じて自動的に最適な生産ラインに振り分けたり。シーメン
スやＳＡＰ、ボッシュなど世界トップ級の企業が加わり、標準化やモデルシステムの開発を進めている。
一方、米国では、ＧＥやＩＢＭなど５社が２０１４年に設立した「インダストリー・インターネット・コンソーシアム（ＩＩＣ）」
が同様の動きを進める。技術的な内容はＩ４・０とほぼ同じだが、特徴はスピードの速さ。ＧＥは、ＩｏＴで収集した
ビッグデータを使って航空機エンジンや発電タービン、医療機器などの管理を効率化するサービスを提供し、
収益力を高めてきた。さらにそこで使うシステム基盤「プレディックス」の外部販売も始めた。第１号の販売先は
ソフトバンクモバイル（東京都港区）だ。じっくりと標準化を進めるドイツ勢に比べると、ビジネス展開で先行する。
URLﾘﾝｸ(www.nikkan.co.jp)