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夢は「ふつうの生活」 現代の若者たちは何を考えているのか
DATE:2015.03.07
「いまどきの若者は、消費もせず、無気力でけしからん」というバブル世代からの小言に辟易している若者世代。「さとり世代」「ゆとり世代」などというレッテルを貼られていますが、これからの世界でどう生きていくのでしょうか。
『若者はなぜ「決めつける」のか』(長山靖生/著、筑摩書房/刊)は、1990年代から2010年代までの若者の変遷を追った一冊です。著者の長山さんは1962年生まれの「新人類」世代。
タイトルを見たとき、私、学生ライターの石井は「また若者を叩く新書が出たのか」とため息まじりにページをめくりました。
しかし、そこにあったのは、若者を非難するのではなく、右肩下がりの社会の中でどうやってサバイバルしていくべきかを一緒になって考える姿勢でした。
■手に入らなくなった「ふつう」
ふつうに勉強して、ふつうに仕事に就く。ふつうに結婚して、ふつうに親になる・・・。そんな当たり前の生活が、今では手に入らなくなっています。
もはや「クレヨンしんちゃん」や「サザエさん」に出てくるような、サラリーマンと専業主婦が一軒家を持つなんてことは夢のまた夢。
幼い頃、「つまらない大人だ」と思っていたヒロシやマスオさんは、家族全員を養うすごいサラリーマンだったのだ、と感じるようになりました。
さて、なぜ若者は「ふつう」の幸せを手に入れられなくなってしまったのでしょうか。その原因に、「大学を出ても就職できなくなった」ことが挙げられます。
多くの学生たちは、純粋な学問的興味からではなく、就職で有利になるために良い大学に進もうとしますよね。しかし、大企業の採用人数が増えないのに大学進学者が増加したのため、競争は激しくなります。
「高学歴=高収入が当然」という考えがまだ根強くあるため、学生は「偏差値の高い大学まで進んだのだから・・・」と、有名な大企業ばかりを受けようとします。
そして就職活動に失敗してニート、または大学院に進むことになる学生もいます。もちろんニートになっても、大学院に進んでも必ずしもいい就職先が見つかるわけではありませんが…
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