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1950年以降の年平均成長率を見ると、フランスはアルゼンチンよりも1.5％高かった。1.5％高いと、60年後には2.4倍もの開きを生むのである。
つまり、わずか1％程度と思うかもしれないが、1％程度の成長率の差というのは、長期的に見ればきわめて重大な結果をもたらす。
今を生きる私たちにとって、来年の成長率が1％上がるかどうかはそれほど大した問題ではないかもしれない。
しかし、これが60年積み重なると、孫の代には大変なことが起きているのだ。
世界銀行と国際通貨基金（IMF）の有名なレポートでも示されているように、第二次世界大戦後にアジアで最も有望な国はフィリピンだった。
一方、最も悲惨な国で、どうしようもないと考えられていたのが韓国だった。
朝鮮半島は北と南に分断され、工業施設の大半は北に置かれていた。ただの貧しい農業国だった韓国が、今では経済協力開発機構（OECD）のメンバーに入っている。
それはフィリピンに比べて成長率が少し高かったからだ。
さらに、英エコノミスト誌の予測によれば、2050年には日本の1人当たり国内総生産（GDP）は韓国の半分になるという。日本の低成長が続けば、そういう事態も予想される。
1％の成長率というのは、こうした恐ろしさを秘めているのである。
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