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上記のような保守的な立場で推計した場合、避難地域の外側においては、
福島県民のがん 罹患のリスクの増加は少なく、
がん発生の自然のばらつきを超えるがん発生は予測されず、
また最も被ばくした地域の限られたグループの人達では、
ある種のがんの生涯リスクがい くらか上昇するかもしれないと評価された。
これらのリスク評価は、当面の住民の健康管 理施策の必要性や優先度を明確にする際に
有用な情報を提供するものであるが、既に福島 県において甲状腺検査が実施されていることから、
県民健康調査が継続して実施されるこ とが健康管理に有効との見解を示している。
なお放射線を生殖器(精巣、卵巣)に受けて生じる遺伝的影響については、
実験動物や昆 虫を使った研究では見られているが、
広島・長崎の原爆被爆者に関するこれまでの調査か ら、人間においては確認されていない。
そのため、遺伝的影響の発生増加は予想されない。 また、被ばく線量は、
急性放射線障害や胎児影響(自然流産、周産期死亡、先天性奇形、 発育異常、
認識機能障害)を誘発するレベルに比べて十分低く、確定的影響(組織反応) の発生は予想されない。
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