14/07/08 13:07:32.40 B8oNBm5e0 BE:183724976-PLT(12001) ポイント特典
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早稲田大学とサントリーで活躍し、日本代表としても戦った今泉清。現在はJSPORTS解説者、そして母校早稲田大コーチとして活躍する彼が、
トップリーグ開幕で新時代に突入した日本ラグビー界について、そして世界のラグビーと楕円球の魅力を分かりやすく解説する。
第6回 「ラグビーへの招待」~ラグビーの魅力を伝える格言~」
「ラグビーは少年をいち早く男にし、男に永遠(いつまでも)に少年の魂を抱かせてくれる」
元フランス代表の主将に、ジャン・ピエール・リーブという選手がいる。私が高校生の頃に目標としていた選手のひとりで、
小柄ながら金髪の髪を振り乱して走り回り、その身体のサイズからは想像できないほど激しいタックルを決めるフランカーだった。
そのリーブが日本のテレビコーマーシャルの中で「あなたにとって、ラグビーの素晴らしさとは何ですか」という質問を受けた時の答えが、冒頭の一文である。
大学2年の時、全早稲田大のメンバーとしてオーストラリアに遠征したことがある。その時に同行取材されていたある方から、リーブの言葉を教えてもらった。
その瞬間は今でも忘れられない。身体の中に風が吹いた。それまでは上手く表現できなかった、自分を大きく突き動かす衝動の理由、
数あるスポーツの中からラグビーを選択した理由はそこにあった。なんとも言えない幸福感が自分を包んだ。
その後も、ラグビーの素晴らしさを表現してくれる格言や、その言葉を体現している偉大なるプレイヤーとの出会いがあった。
「サッカーは野蛮人が紳士にプレーする。ラグビーとは、紳士が野蛮にプレーする球技である」
「ラグビーを通して、人は人を征服して生きるよりも、共に生きることが重要だと学んだ」
最初の言葉を誰が言ったかは不明だが「イングランドにおけるラグビーとは?」の問いに対する言葉であり、2番目は元フランス代表プロップ、ピエール・ドスピタルのものである。
そんな瞬間を経験してきたから、「私はラグビーを選択して幸運だった。この選択に間違いはなかった」と確信することができたのである。