ローゼンメイデン 紅茶板at POT
ローゼンメイデン 紅茶板 - 暇つぶし2ch90:名無しさん@( ・∀・)つ旦~
06/05/27 10:16:43

煙草を買いに夜ふけの町に出ると、薔薇の花を胸にさしてやけにめかしこんだ
一人の青年が、ひとけのない通りにじっとたたずんでいた。こんな夜中に何をやっているのだろうと
不審に思ってよく見ると、青年がその場でじわじわと回転しているのが分かった。
腰に両手をあてて正面を見すえたまま、星影が映った黒光りのする革ぐつだけちょこちょこと動かしている。

怪しげな動きだったので観察していると、青年はその自転運動をしつつ、さらにゆっくりとではあるが
横にも動いていた。大きな屋敷の垣根に沿って動いていくのだ。
電柱のかげに隠れて見ていると、青年はその動きのまま、通りの角を曲がっていった。

星の綺麗な夜だったので、その場で煙草を吸い、しばらく夜空を見上げていた。
木星がひときわ明るく輝いていた。

たおやかな星の歌に耳を傾けているうちに体が冷え、帰ろうとすると、青年が反対側の角を曲がってやってきた。
屋敷のまわりを一周してきたのだ。しかも自転を続けながら。

そして、二周目に入った。

青年の軌道の中心点となる屋敷を見ると、二階の窓から若い娘が顔を出していた。
彼女はとても美しく、星明りの下で太陽のようにまばゆく輝いていた。
それを見て、これは惑星を気取った青年の愛情表現だと理解した。

彼女はじっと青年を見ていたが、ふんと言って窓を閉ざしてしまった。
その途端、青年は軌道を離れ、彼女の家へと突進していった。



その後、どうなったか私は知らない。



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