04/07/04 01:05 6z+hrQwi
20年ぐらい前のことだが、漏れのバイト先の喫茶店に初老のフランス人夫婦の観光客が来た。
いや、フランス人ってのは後からわかったんだが。
注文された珈琲を出して他の仕事をしていると、その夫婦が呼ぶので行った。
言葉が何語かすらわからないので、日本語で「なんでしょうか?」と聞くと、
「シュクレ!シュクレ」と言っている。(はて?なんのことだろう?)と思っていると、
スプーンでコーヒーに何か入れる仕草。
(あ!砂糖の事かな?)と思い、テーブルにおいてあるスティックシュガーを示すが、
「ノン!ノン!ノン!シュクレ!」と言って、
今度は塩の瓶を持ってコーヒーに入れるふりをする。
(砂糖だと思うんだけど…外国人は何か変わった物を入れるのか?)と思いつつ、
スティックシュガーを手渡しするが、「ノン!ノン!シュクレ!」と言って、
受け取らずに頭を抱え困ったそぶり。
(うーん…いったい何のことだ?)と店長に目線を向けると店長は奥に引っ込んだ。逃げやがったんだ。
そのお客さんは何かワケの分からない事を大声で言いつつ、時折「シュクレ!」が言葉に混じる。
その時ひらめいた。
スティックシュガーを手に取り、封を切って自分の手のひらに出して見せた。
奥さんは「オゥ!ナンタラカンタラ~!」と叫び、
旦那さんは「オォ~ッホッホッホゥ~!」と大声で笑って、漏れと握手し、
立ち上がって肩を叩きながら何か謝っている様子。
何となくコミニュケーションしたくなり、つたない英語で「ほぇあ あーゆー かむふろむ?」
と聞くと「フランス」と聞き取れた。
自分の知ってる数少ないフランス語(松田聖子の歌の歌詞)で「ぼんぼやーじ!」というと、
ずいぶんと喜んでくれた。なんて言っているのかはわからなかったけど。
…えーと、当時のフランス人から見れば、
砂糖を変な入れ物で出す嫌な喫茶店と言うことで。