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現経営者の過ちは、ラーメンブームでメディアにちょこちょこ顔を出すうちに勘違いして
自分が有名人だと思ってしまったことだと思う。
先代が築き上げた中本の味があったからこそなんてのは、どこかに埋めてしまったんだろうな。
後継者としての使命がいつのまにかメディアへ露出することにすり替わってしまったようだ。
これを裏付けるエピソードの一つに、以下の実話がある。
ある日、雑誌の取材で記者とカメラマンが中本本店を訪問していた。
当然、普段はいない現経営者がいたね。
インタビューが終わったあと、カメラマンがラーメンを作っているところを撮りたいと注文。
現経営者があたり前のように調理場に入り、店員から麺の入った丼を受け取って寸胴から
おたまで味噌タンメンスープをすくい上げ、丼へよそうポーズを取った。
そうしたら、カメラマンが怒鳴ったね。
「なに？！記念写真が撮りたいの？俺は料理を作っている躍動感が欲しいんだけど！」って。
現経営者、ビックリしておたまで何度もスープを丼によそったね。
カメラマン、「そうそう！そう言う動きが欲しいんだよ」と連写。
丼がスープで一杯になると、店員が急いで別の丼を渡していた。
撮影後、その丼は味噌または蒙古タンメンとして客に出されていたよ。