06/09/07 04:00:33
【社説】カドミウム・鉛による農産物汚染、実態把握を急げ
政府の関連部処(省庁)が合同で、全国44カ所の廃鉱について付近の農地で栽培されたコメ・白菜など
10種類の農産物を調べたところ、相当数から国内外の許容基準値を越える鉛やカドミウムが検出された。
コメの場合、廃鉱から半径4キロメートル以内で収穫されたサンプルの27.5%が鉛基準値を上回り、
8.1%がカドミウム基準値を超えていた。白菜の場合も27~28%が鉛およびカドミウムの基準値を上回った。
鉛は人の神経系に障害を起こし、特に子どもの知能発達を阻害する。
またカドミウムは骨が極度に弱くなる「イタイイタイ病」という公害病を引き起こす。
早急に農産物の汚染の程度とそれに至った経路を正確に把握しなければならない。
公害病は原因が把握されないまま数十年間にわたり汚染物質にさらされ、悪化する例が多い。
日本の富山県で発生したイタイイタイ病の場合も、1910年から患者が発生していたが、
鉱山から出たカドミウムが原因であることが確認されたのは1968年のことだった。
廃鉱から流れ出た重金属を含む廃鉱液が入っていることも知らずに、
汚染された水や農産物を口にした人々が、正体不明の奇病で死んでいった。