06/01/15 23:02:12
いつも冷静沈着な彼女の目がどこか据わったようになり、
視線は俺が片手に持っている釈迦に釘付けになっている。
額と鼻の下にうっすらと汗の玉が光っているように見えた。
「こんなことお願いできる義理じゃないかもしれないけど、
それ、もらえないかしら?ちゃんとお代は払うから…」
彼女の声もいつもとちがってかすれてしまっている。
そしてこちらの返答を待つまでもなく、
手を俺がもっている釈迦にじりじりと伸ばそうとしている。
「おいっ、やめろよっ!」
俺は思わず彼女の手を払いのけた。