03/09/23 19:05
前スレからの続き ふぐり
べんてん殺人事件 作 ふぐり
陽気な土曜の朝、俺はいつものように10番目くらいに並んでいた。
9時50分 いい匂いが鼻をつき、開店が近いことを知らせた。
既に店主の田中も9時30分ころ、入店している。
列の皆がそわそわし始め入店の準備をしていた。
そのとき、店内から柔道の「ぎゃおー」という叫び声が突然聞こえたかと
思うと、引き戸を荒っぽく開け、腹から血しぶきを上げた柔道がもがきながら
出てきたかと思うと、店の前のポリバケツを蹴飛ばし、出てきたごみの中にたおれ、
血とごみがまざりあった。
列の客が青ざめて立ちすくんでいると、店内から血みどろの包丁を持ったネギオが
無表情で現れた。
「ネギオがやったのか。ん、田中はどこだ。」ふと俺は思った。
ネギオに続いて田中が現れ、ネギオの肩をぽんとたたいて、めがねの奥できらりと光った。
惨劇の中で先頭に並んでいた禿めがねの香具師がその前で、なんと体操を
はじめたではないか。
なんということだ。やつには、この惨劇が目に入らないのか。
続く。