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大阪大学発バイオ企業のアンジェスは7日、従来型を標的にした新型コロナウイルスワクチンの開発を中止すると発表した。オミクロン型を標的にしたコロナワクチンを今後は米国のスタンフォード大学と開発する。
山田英社長は「臨床試験(治験)中の中間解析結果を確認し、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの有効性を上回ることは厳しいと判断した」と話す。
アンジェスは2020年3月、コロナワクチンの開発を始めると表明。ウイルスの遺伝情報をDNAを使って体内に送り込む「DNAワクチン」を開発していた。20年6月に第1段階の治験を始めたが、期待通りの効果を得るのが難しいと判断した。薬剤濃度を上げた追加治験を始め、第2段階の治験を進めていた。
同社は研究開発や生産体制整備のため、日本医療研究開発機構(AMED)や厚生労働省から計74億5000万円の補助金を受け取っているが、返還の義務はないという。
スタンフォード大学と開発するオミクロン型を標的にしたワクチンは、鼻から投与するDNAワクチン。「室温で保存できる可能性があるほか、鼻粘膜を通して抗体を作り、鼻腔(びくう)からの感染や感染拡大を防ぐことが期待できる」(山田社長)と話す。2年後の治験入りを目指す。
日本経済新聞
2022年9月7日 16:51
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