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【安倍元首相銃撃で見えた 統一教会の実態】
<日本統一教会の梶栗玄太郎会長は3月31日午前、東日本大震災の被災者のため、NHKに義援金1292万4054円を持参しました。(中略)義援金は、梶栗会長が東京・渋谷のNHK放送センターを訪れ、社会福祉法人中央共同募金会に手渡しました。担当者は「わざわざお出でいただき、ありがとうございます」と述べ、丁重に受け取りました>
統一教会(現・世界平和統一家庭連合)のウェブサイト「家庭連合 NEWS ARCHIVES」(2011年3月31日)と「UPeace」には、中央共同募金会(赤い羽根共同募金)の担当者とみられる男性3人が統一教会の会長と会長夫人、総務局長の3人に対し、頭を下げる写真とともに、こんな記事が掲載されている。
寄付は全国の信者だけでなく、一般からのものも含まれているという。
「当時の事情は分かりませんが、おそらく一般からの寄付は義援金にしたいという趣旨をもって、バザーなどを開催して集めたものだと思います」(世界平和統一家庭連合広報部)
義援金を手渡した梶栗玄太郎氏は09年、統一教会の第12代会長に就任。教団の草創期から関わってきた中心的人物だ。同年、教団の組織的犯行が認定された「新世事件」により、当時の徳野英治会長が引責辞任。代わって会長に就いたのが、梶栗氏だった。以降、全国各地で元信者による裁判が次々行われ、献金勧誘行為や霊感商法の手口による販売行為の違法性が認められている。
そんな中、統一教会はNHKを通じて約1300万円もの義援金を寄付していた。中央共同募金会に経緯を聞いた。
■NHKに質問状を送ると…
「当時、中央共同募金会が東日本大震災の義援金受付窓口をしており、NHKは義援金を呼び掛ける団体の1つでした。NHKから話があり、放送センターまで受け取りにうかがったのだと思います。義援金を受け取ったのは事実です」(広報担当者)
サイトを見る限り、NHKは義援金授受にあたり、全面協力したように見える。しかもNHKは組織犯罪が認定された宗教団体のトップを「NHK放送センター」という本部に招き入れ、「橋渡し役」を担っただけでなく、現金受け渡しのために部屋まで用意していたように映る。
日刊ゲンダイはNHK広報局に「記事に掲載されている写真はNHK放送センター内の部屋か」「NHKは統一教会が中央共同募金会に寄付をするために、写真の部屋を貸したのか」「どういう経緯で日本統一教会からNHKに話があり、なぜNHK放送センターで受け渡しが行われたのか」という質問書を送った。
これに対し、NHK広報局は「東日本大震災では、NHK放送センター内にも義援金の受付窓口が設置されました。義援金の受け付け自体は、中央共同募金会が主体で行っています。以上です」と文書で回答した。
霊感商法や合同結婚式が社会問題化した統一教会の実態を当時、公共放送が知らなかったとは信じがたい。「皆さまのNHK」が統一教会の「宣伝」や「布教活動」に使われていたとしたら、大問題だろう。
日刊ゲンダイ
8/18(木) 7:06
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