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財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ、自殺した近畿財務局の男性職員を公務員の労災にあたる「公務災害」と認定した理由を記した文書について、人事院はこれまで黒塗りにしていた部分を外して男性の妻に開示しました。
森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられたあと、3年前に自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)は、公務災害と認定されていますが、人事院がおととし、妻の雅子さんに開示した認定理由を記した70ページの文書は、ほとんどの部分が黒塗りにされていました。
しかし、雅子さんの審査の申し立てを受けた人事院の審査庁が先月、黒塗りについて「具体的な理由が記載されておらず違法だ」という判断を示したため、人事院は17日までにほとんどの黒塗りを外して文書を開示しました。
黒塗りが外された部分の多くは、財務省が赤木さんの勤務状況などをまとめて人事院に提出した報告書や、その引用で、決裁文書の改ざんの強制と自殺を結び付ける具体的な記述はありませんでした。
財務省が人事院に提出した報告書は、去年12月に雅子さんが起こした別の裁判で、すでに開示されていて、人事院はそれから1年近く遅れて開示する形になりました。
これについて人事院は「法令に基づいて対処している。個別の事案についてはコメントを差し控える」としています。
妻 雅子さん “がっかりするも前向きに考えたい”
人事院が黒塗りを外して、改めて開示したことについて、妻の雅子さんは「夫は改ざんをさせられたことが根っこにあって、検察からの問い合わせなどに苦しんでいたのに、開示された文書の中で、改ざんについて書かれていなかったのでがっかりした。ただ、開示されたことは前向きに考えたいです」と話していました。
雅子さんの代理人の生越照幸弁護士は、ようやく開示された文書は、去年12月に雅子さんが起こした別の裁判で国側が証拠として提出している財務省の報告書とほぼ同じ内容だとしたうえで「人事院は最初から開示するべきであり、黒塗りにする法的な根拠もない。恣意(しい)的に黒塗りにしており、雅子さんが真実を知ることができなかったのは大きな問題だ」と話していました。
NHKニュース
2021年11月17日 18時07分
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