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静岡市の田辺信宏市長は21日の記者会見で、昨年12月と今年3月にNHK静岡放送局の記者と面会した際の発言にふれ、「人生の先輩としてアドバイスめいたこと申し上げたが、意図が伝えきれず、結果的に傷つけたのは私の力不足だった」と述べた。市長が記者と2人での会話の発言を会見で撤回し、記者の実名を挙げて謝罪するのは極めて異例だ。
このNHK記者は今月7日の会見で市長の発言を取り上げていた。面会時、市長は記者の取材姿勢を問題視したうえで「僕はNHK幹部と友だちだ。組織の中でやりたいことができなくなるリスクがあるよ」などと発言したと訴え、パワハラに当たるとも指摘した。
これに対し、市長は「個人的なやりとりの中で指摘されたことは頭を下げて謝罪し、撤回したつもり」と述べたが、記者は納得せず、追及を続けた。市幹部も巻き込んだ質疑が約10分間繰り返された。
両者のやりとりはネットで生中継され、会見の動画の視聴回数は通常の5倍に達した。議会の一部会派が事実関係の確認を市長に申し入れたり、市民から「何があったのか」と問い合わせが寄せられたりしていた。
朝日新聞
2020年7月22日08時39分
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