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「桜を見る会」に関する2日の質疑を終え、立憲民主党の蓮舫副代表は「誠実にお答えしよう、自分はやましくない、ということを明らかにする姿勢は微塵も感じられなかった」と安倍総理を厳しく批判した。
一方、与党・自民党の二階幹事長は「だいたいこういうことであったということが、ほぼみんなに分かったのだろうと思うから、これで結構じゃないかと思っている」と述べている。
しかし、「前夜祭」をめぐる問題について、“安倍総理は詰んでいる”と話すのが、元東京地検検事の郷原信郎弁護士だ。
理由の一つ目が、「参加費5000円は安すぎるではないか」という点だ。実際にはこの額以上のお金がかかっており、その部分を安倍総理や後援会が賄っていたとすれば、公職選挙法に抵触する可能性があるという。
公職選挙法では、「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならない」(199条2)と定めており、違反した場合は「1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金」(249条2)と規定されている。
「安倍首相の枠で地元・下関の人たちがたくさん招かれていたと思うが、それは選挙区の有権者だ。本当は1万円かかるところ、そのうち5000円を後援会側が補填していたということになると、それだけで公選法違反。当該選挙区ではない場合や、自分の選挙に関してではない利益の供与の場合は比較的軽く、罰金だけになる。しかし、違反は違反だ」。
理由の二つ目は、「安倍総理夫妻は参加費を払ったのか」という点だ。仮に払っていないとすれば、会場であるホテルニューオータニ側が忖度して払った可能性があり、その場合、政治資金規正法に抵触する可能性があるという。つまり総理夫妻や後援会関係者らが会費を払わずに飲食していれば「無銭飲食」ということになるが、これをホテル側が見過ごし、支払いを免除していたとすれば、政治資金規制法上の違法性(企業団体献金の禁止)が問われることになるのだ。
「大した金額ではないが、後援会主催である以上、後援会とホテルの間で総額を決め、会費を徴収するのが当たり前だ。ところがそのような説明をすると公選法の問題になりかねないため、安倍首相は必死になって、ニューオータニ側の責任だったかのような形にしようとしている。一方、ニューオータニが参加者から5000円ずつ徴収したという話になると、参加者である安倍首相夫妻はどうなったのかということの説明がつかなくなる。少なくとも乾杯でグラスに口をつけているのであれば、飲み物を飲んだということになる。こうした点から、安倍総理は説明不可能な状況になっている」。
その上で郷原弁護士は「ホテルニューオータニは自発的に資料を出すべきだ」と訴える。
「一流ホテル、立派な企業がこれだけ説明を押し付けられているにもかかわらず、営業の秘密だから明細も出せないなどとして、何も説明しない。こんなことが許されるのか。今年の10月23日には、内閣府から受注した総理大臣夫妻の晩餐会が同じ部屋で開かれている。ニューオータニ側が“利益供与はない。公明正大に処理している”と自ら説明しなければダメだ。そうでなければ、これから何十年も汚名を着続けることになる」。
では、この問題で検察が動く可能性はあるのだろうか。郷原弁護士は「検察が総理大臣の刑事事件をやるというのは極めて特異なケースで、実際にはほとんどやったことがない。田中角栄元総理のロッキード事件も辞任後だ」と話す。
「検察が動かないから違法ではない、犯罪ではない、などと言っている人がいるが、それは違う。構造的にそのようになっていないということだ。憲法75条に、在任中の国務大臣は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないという規定がある。要するに、憲法は時の総理を検察が起訴して追い落とすということを予定していない。在任中の内閣総理大臣が自らのことについて同意するわけはないので、結局、訴追されないことになる。ただし、そのような疑いかけられた時には、徹底して説明をしなければいけない。それがなされていないということだ」。
2019.12.04 15:46
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