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「疑惑まみれのタマネギ内閣」「お友だちの不良品一掃内閣」「極右不正政治家集結内閣」……とにかくひどいとしか言いようがない第4次安倍第2次改造内閣。加計問題のキーパーソンである萩生田光一氏をよりにもよって文科相に登用したり、スキャンダルの印象しかない今井絵理子議員をまさかの内閣府政務官に抜擢したりと、完全に国民を舐めた人事だが、しかし、もっとも驚かされたのは、この人事かもしれない。
それは、今井尚哉首相秘書官を首相補佐官に昇格させ、さらには首相秘書官と兼任させるという人事だ。
今井首相秘書官といえば、安倍政権の主要政策を仕切ってきた経産省出身の官僚で、“影の総理”の異名を持つ実力者。第二次安倍政権発足から政務を担当する首席秘書官を務めてきたが、今回の補佐官への昇格で「政策企画の総括」を担当するという。首相秘書官と首相補佐官を兼任するなどというのは、異例中の異例である。
これはある意味、閣僚人事よりも深刻な話だろう。というのも、今井氏はこれまで「国民生活より安倍首相が第一」という方針を貫いてきた人物。それが今後、秘書官兼補佐官としてさらに強大な権限を握ることになるからだ。
そもそも、今井首相秘書官は今井敬・元経団連会長と今井善衛・元通産事務次官の甥にあたり、さらに今井善衛は岸信介が商工大臣だった際に秘書官を務めていた。ジャーナリスト・森功氏の著書『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』(文藝春秋)によると、今井氏が善衛の甥だと安倍首相が気づいてから2人の距離は近づいたという。そして、第一次政権から支えてきた今井氏を、安倍首相は「今井ちゃんはなんて頭がいいんだ。本人の頭の中を見てみたい」などと惚れ込み、一方の今井首相秘書官も安倍首相の分身として政策を進めてきた。
たとえば、今井首相秘書官は消費増税をめぐって財務省に介入するだけではなく、本サイトでも報じたように外務省の中国外交にまで口を挟み、2017年に自民党の二階俊博幹事長が訪中した際には習国家主席に手渡した親書を事前に中身を書き換えたほどで、「対中外交は外務省ではなく、俺がやってるんだ」と吹聴しているという。さらに、2015年9月に安倍首相がぶち上げた「アベノミクス新3本の矢」をつくったのも、「一億総活躍社会」なる全体主義的な気持ち悪いネーミングも今井首相秘書官のアイデアだというが、その際、今井首相秘書官は「今度のアベノミクスは、安保から国民の目をそらすことが目的なんだ」と話していたという(前掲書『官邸官僚』より)。
だが、そうした今井首相秘書官が主導した政策や外交は、成果を出せていないばかりか、経産省の利権拡大ばかりを狙う姿勢がひどく、状況をどんどん悪化させている。今井首相秘書官はロシア外交や北朝鮮問題にもかかわっているというが、ご存知のとおり何も進んでいない。また、今井秘書官は、原発再稼働や原発輸出に固執して旗振り役も務めてきたが、すべての原発輸出計画が事実上、破綻。そのためか、今度は原発の国内新規建設に舵を切らせようと、しきりに安倍首相に働きかけているという。
■補佐官に異例の抜擢をされた今井秘書官は森友公文書改ざんのキーマン
さらに、重大なのは、今井首相秘書官はさまざまな不正への関与が取り沙汰されてきた“安倍官邸のガン”であるということだろう。
記憶に新しいのは、森友学園の公文書改ざん問題だ。今井秘書官は財務省に改ざんを命じた人物ではないかと大きくクローズアップされ、複数のメディアが今井氏を名指しして“疑惑の本丸”“司令塔”と報道。前川喜平・元文科事務次官もこう証言していた。
「官僚が、これほど危険な行為を、官邸に何の相談も報告もなしに独断で行うはずがない。文書の詳細さを見れば、現場がいかに本件を特例的な措置と捉えていたかがわかる。忖度ではなく、官邸にいる誰かから「やれ」と言われたのだろう」
「私は、その“誰か”が総理秘書官の今井尚哉氏ではないかとにらんでいる。国有地の売買をめぐるような案件で、経済産業省出身の一職員である谷査恵子氏の独断で、財務省を動かすことは、まず不可能。谷氏の上司にあたる今井氏が、財務省に何らかの影響を与えたのでは」(「週刊朝日」2018年3月30日号/朝日新聞出版)
以下ソース先で
2019.09.16 12:23 リテラ
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