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どうもうさんくさいニュースだと思っていたら、やっぱりそうだった。NHKが報じた日朝首脳会談の可能性をめぐるスクープ報道のことだ。
NHKは先週4日、「前提条件を付けずに北朝鮮の金委員長と対話する準備がある」とした安倍首相の提案に対し、金正恩委員長が「留意している」と関心を見せたと報じた。北を国賓訪問した中国の習近平国家主席と会談した金委員長が明かしていた、と「日中外交筋」の話を引用する形で伝えたのだが、これが事実であれば対北外交で完全に「カヤの外」に置かれた日本にとっては絶好の名誉挽回のチャンスだ。
だが、このスクープ報道は何か怪しい―と政治部記者の間ではもっぱらだった。というのも「無条件会談」について「ずうずうしい」と突っぱねていた北の態度がなぜ、急に「留意」に変わったのか。なぜ、「参院選公示日」という安倍政権にとって絶妙のタイミングで報じられたのか。なぜ、中国政府は沈黙しているのか。あやふやな部分が多かったからだ。
そうしたら、北の国営通信「朝鮮中央通信」は6日、〈自分の価値を知れ〉と題した記事を掲載。〈日本は対朝鮮制裁を執拗に吹聴(略)朝米首脳の板門店会談が電撃的に行われることで、(略)安倍は世界的な笑いものとなってしまった〉〈我が共和国を中心に活発に展開している首脳外交の場に首を突っ込むことができず、人の手を借りて名刺だけを配っている島国の哀れな立場〉〈一寸先も分からない薄らバカ(略)日本ができることは何もなく、地域の平和の妨害屋が入り込む隙はどこにもない〉とケチョンケチョンだった。
NHKのスクープ通り、北が日朝首脳会談に少しでも「関心」があれば、さすがに安倍首相を名指しで「薄らバカ」とは言わないだろうし、「日本ができることは何もない」と切り捨てることもしない。つまり、これが北の変わらぬ「ホンネ」なのだ。今や「AbemaTV」ならぬ「安倍サマTV」とも揶揄されるNHKは本当に大丈夫か?
日刊ゲンダイ
19/07/07 14:50
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