19/02/21 13:35:37.88 DVrHI1g99.net
「偽装バズーカ」が炸裂だ―。「毎月勤労統計」の賃金、GDP、「貯蓄ゼロ世帯」など、数値をよく見せる“かさ上げ”が相次いでいる。よりによって、このタイミングで、「2%物価目標」の未達に苦しむ日銀が、物価見通しのかさ上げを進めている。これまでの方針を百八十度転換し、10月の消費税アップを物価に加える“禁じ手”である。
2013年3月に就任した日銀の黒田総裁は、2年で2%の物価目標実現を打ち出した。ところが、一度も達成せず、達成時期は6回も先送りされた。揚げ句、昨年4月の金融政策決定会合で「2019年ごろ」としていた達成時期を削除した。
今年1月の金融政策決定会合でも、20年度の消費者物価(除く生鮮食品)見通しを、前回のプラス1.5%からプラス1.4%へと下方修正。この先、トランプ大統領の円高圧力による輸入品価格の下落、携帯電話の値下げ、教育無償化などの下げ要因が目白押しで、物価目標はいっそう遠のいている。
そんな中、日銀が打ち出したのが、10月の消費増税要因を物価に反映させる前代未聞の“禁じ手”だ。
■毎月勤労統計の手口と同じ
これまで日銀は、消費増税を特殊要因と見なし、増税の影響を除いて物価見通しを示してきた。ところが突然、今年1月、10月の増税要因を物価見通しに含める方針に転換したのだ。日銀に聞いた。
「10月の消費増税は、同じタイミングで行われる教育無償化とのパッケージと考えています。物価への影響はほぼ相殺されるので、従来のように増税を特殊要因として除かなかった。1月の『展望リポート』で、増税要因を含む数値を“参考値”とする報道がありましたが、違います。すでに、増税を含む数値の方を重視しています」(広報課)
まるで毎月勤労統計の「手口」と同じ。実際、効果てきめんだ。
1月の「展望リポート」によると、物価は消費増税で0・5%押し上げられるが、教育無償化で19年度0.3%、20年度0.4%押し下げられると試算している。これまでなかった消費増税要因を加えると、教育無償化のマイナスは打ち消される上、むしろ0・1~0・2%のプラスに転じるのだ。物価見通しを“改善”する起死回生のかさ上げである。経済評論家の斎藤満氏が言う。
「建前として、これまでも消費税は福祉に使われてきました。直接、間接に、物価を抑制したり、下げる効果もあります。政府が、増税と教育無償化をパッケージで示したからといって、今回だけ増税要因を物価に含むのはおかしい。過去との比較もできなくなってしまいます。物価目標が達成できない中、日銀が上昇要因を盛り込んで、“かさ上げ”したとみられても仕方がありません」
4月の「展望リポート」からは増税要因を含む物価見通しに一本化される可能性も。そうなると過去との非連続は決定的。算出方法を変更した毎勤やGDPと同様、日銀の物価見通しもワケが分からなくなってしまう。
2につづく
日刊ゲンダイ
2019/02/20
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