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【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)は28日、日本の経済情勢を分析する報告書を公表して「日本は人口減によって、今後40年で実質国内総生産(GDP)が25%以上減少しかねない」との試算を示した。生産性を高める構造改革を徹底すれば、経済規模の縮小を抑えられるとも指摘した。2019年秋に予定する消費税率の引き上げには需要喚起などの緩和策を促した。
IMFは年1回、加盟国と経済状況を分析する「4条協議」を開き、報告書をまとめている。28日公表した対日協議の報告書では「現行政策のままでは人口減で実質GDPの縮小が続く」と指摘し、構造改革が欠かせないと主張した。
具体的には非正規労働者の就業研修などを強め、6月に関連法が成立した「同一労働同一賃金」を根付かせる必要があると指摘した。フルタイム労働の意欲を損なうような税制・社会保障制度の見直しも求めた。企業統治や貿易制度の改革なども徹底すれば、今後40年間のGDPを、基本シナリオから15%程度引き上げられると分析した。
18年の経済成長率は1.1%を見込み、19年は消費税増税の影響で0.9%に減速するとした。IMFは日本の消費税増税を促してきたが、来秋の増税時には「経済収縮を引き起こす懸念が残っている」とも指摘した。増税の影響緩和策として自動車や住宅関連の減税を挙げ、安倍政権が検討する措置を後押しした。
日銀には「金融緩和を維持すべきだ」と主張し、早期の緩和縮小には否定的な見方を示した。金融緩和の副作用で地方銀行などの収益悪化も懸念されるが「地銀に求められるのは人口減に対応する事業モデルへの転換で、金融とITを融合したフィンテックの活用も有効だ」と指摘した。
日本経済新聞
2018年11月29日 0:00
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