18/07/28 17:56:10.41 CAP_USER9.net
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【有本香の以毒制毒】
「文科省前局長の息子の裏口入学が賄賂とされた、東京医科大学の汚職事件には国会議員が絡んでいる。それも2人。別々の野党に所属している」
先週後半、文科省の私立大学支援事業をめぐる汚職事件に関し、このような情報が私の元へもたらされた。
官僚と民間人の事件とみられていたが、「政治家の関与」となれば、すぐにメディアも騒ぎ出すだろうと思っていた。だが、1週間経っても何ら話題にならなかった。
この間、24日には、収賄側として、前科学技術・学術政策局長の佐野太被告(59)と、医療コンサルティング会社の元役員、谷口浩司被告(47)が起訴され、贈賄側として、東京医科大の臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛前学長(69)が在宅起訴された。
「政治家の疑惑」が大好きな左派新聞やテレビが、この疑惑に無関心なワケは、関与が噂される政治家らが野党所属だからか。行政への不適切な口利きの疑いが濃厚でも、「反安倍」に繋がらない話は、はなも引っ掛けない。実に分かりやすい姿勢だ。
しからば、本コラムで、この「疑惑」の概要を紹介しておく。
これまでの報道では、佐野被告は谷口被告を通じて臼井被告と知り合い、昨年5月に3人で会食した際、臼井被告から支援事業の対象に大学が選ばれるよう依頼され、申請書類の書き方などを助言。その便宜の見返りに、臼井被告らは、佐野被告の息子の入試の点数を加算するよう学内に指示した-というのが事件のあらましだ。
しかし、実際は違うとの証言がある。
まず、佐野被告と臼井被告を引き合わせたのは谷口被告ではなく、野党のA衆院議員だというのだ。A議員は医学関係から強力な支援を得ているという。事件の発端と報じられた2017年5月よりも3年近く前の14年6月、A議員が、佐野、谷口両被告、臼井被告らを紹介し、以来、4人は定期的に会食していたというのだ。
A議員と谷口被告は14年の時点で非常に親しく、昨年10月の衆院選でも、谷口被告は選挙参謀的役割にあったとされる。それほどの関係なのに、事件へのA議員の関与は一切なしとなっているのは不自然過ぎる。
衆院選後も会食は続けられたそうで、支援事業の対象が決定された時期を考え合わせれば、A議員の関与について、それこそ「疑惑は深まる」。
もう1人、名前が挙がっているのが別の野党のB参院議員だ。B議員も起訴された面々と交流があるが、サブ的な役割で、この件の中心はあくまでもA議員だといわれている。
A議員の元同僚議員は、次のように言う。
「今回の件に限らず、医学・医療関係者と行政の間の口利きを、民間のコンサルが主導するとは考えにくい。むしろ谷口被告はA議員の下で事務局的なことをやっただけではないか」
果たして、真相はどうか。東京地検特捜部はなぜ、国会議員の関わりを切り離したのか。引き続き、本件に注目していきたい。
■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)など多数。