18/03/30 18:05:09.81 CAP_USER9.net
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学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄をめぐり、衆参両院で27日に行われた佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官の証人喚問では特段、目新しい話は出なかった。ただ、佐川氏が理財局長当時に「交渉記録は廃棄した」などと、改竄前文書とは食い違う「丁寧さを欠いた」(佐川氏)答弁をしていた背景は浮かび上がった。
佐川氏は事実と異なる答弁をした理由について「お叱りを受けると思うが」「言い訳になるが」と断りつつも、こう説明した。
「当時、局内は私も含めて連日連夜、朝までという日々で、本当に休むこともできないような、月曜日から金曜日まで毎日ご質問を受ける中で、そうした(確認の)余裕はなかった。全く余裕がなかったのが実態で、相当、局内も騒然としていた」(自民党の丸川珠代参院議員への答弁)
「局内の騒然とした状況の中で、やはりそれ(確認)を怠ったということだろう」(公明党の横山信一参院議員への答弁)
「レクチャーを受ける時間もほとんどなく、原課で作った答弁資料を入れてもらい、順次読み込んでいるという状況だった」(日本維新の会の浅田均参院議員への答弁)
また、答弁内容については省内や首相官邸と十分協議していたはずではないかとの問いには、次のように答えた。
「昨年、例えば予算委員会7時間コースだと、ほとんど全員の質問者が森友の質問をされるケースもあった。本当に何十問なのか、100問を超えるのか分からないが、(答弁準備が)事実上間に合わないケースもあった。それぞれ協議をしているという余裕もなかった」(民進党の小川敏夫参院議員への答弁)
「何月何日に現場で職員と業者と会ったとか、極めて実務的な話で、そういうものを首相官邸と調整することは通常は考えられない」(共産党の小池晃参院議員への答弁)
そして、立憲民主党の逢坂誠二衆院議員が「局内はなぜ混乱していたか」と尋ねると、こう強調した。
「国有財産の部局は個別案件の話も多いし、そんなに毎年国会でたくさん質問をいただく部局ではない。そういう中で毎日月曜から金曜まで毎週何十問も通告され、資料の利用もあり、外部からも情報開示請求をされ、いろいろなチェックをしないといけない。大変だったことは事実だ。これまでにない状況だった」
何のことはない。野党議員らによる質問攻めや資料請求などへの対応に忙殺されたため理財局内に混乱が生じ、丁寧さを欠く答弁になった-というのである。
もちろん、これは佐川氏自身も認めている通り「言い訳」の類いであり、だからといっていいかげんな国会答弁が許されるわけではない。佐川氏の答弁との矛盾が、文書改竄につながったとしたら責任は重い。
とはいえ、当時の理財局がそうした状況に置かれていたのは事実だろう。現在の太田充理財局長も28日の参院予算委員会で、次のように語っていた。
「答弁はとにかく朝までかかってということだし、週末もほとんど全部出勤している。今国会が始まってから、休んだのは2月の3連休のうち1日だけだ」
もし本当に、真相解明を求める野党の追及も手伝ってのこんな過酷な状況が佐川氏の誤答弁を生み、文書改竄という最悪の結果を導いていたとしたら…。国会は、全く笑えぬ喜劇を上演中ということになる。(論説委員兼政治部編集委員)