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Jan 12 2018 NewSphere
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元TBS記者の山口敬之氏から性的暴行を受けたとするフリージャーナリストの伊藤詩織さんの訴えが、海外メディアで大きく報じられている。ハリウッドの有力プロデューサーのセクハラ問題をきっかけに、アメリカのみならず世界各地で「#Me Too」ムーブメントが広がった。だが詩織さんの事件が示すように、日本では性的暴行やいやがらせを受けた女性への理解は依然として低く、被害者にとって非常に厳しい社会だと指摘されている。
◆取り止められた逮捕。事件はもみ消されたのか
政治誌ポリティコに詩織さん本人が寄せた記事によれば、詩織さんは2015年4月、就職相談のため山口氏と食事をした。途中すし店で気分が悪くなったところまでは覚えていたが、翌日意識を取り戻したのは東京のホテルで、すでに山口氏にレイプされた後だったと述べている。
警察にレイプ被害を届け出た2ヶ月後、防犯カメラの映像や2人を乗せたタクシー運転手の証言が得られたことで、担当の高輪署の捜査官が山口氏の逮捕状を得たが、警視庁刑事部長の指示で逮捕は取り止めとなった。事件はその後警視庁に引き継がれたが、結局山口氏は2016年7月に不起訴処分となる。詩織さんはその後も検察審議会に審査申し立てをしたが、2017年9月に「不起訴相当」の議決が出ている(ポリティコ)。
◆世界は性的暴行に厳しい目。日本では注目されない
山口氏の逮捕が取り止めとなったとき、詩織さんはメディアに話すことしかほかに道はないと思ったという。信頼するジャーナリストに話をしたが、取り上げてくれたのは当時1社のみだった。(山口氏が安倍首相と親しい間柄だったという)政治的に敏感な状況ではあったものの、性的犯罪は「存在」しない、黙して語らずというのが、通常の日本のメディアだと詩織さんは指摘する。レイプという言葉さえタブーで、被害者が未成年であれば、「乱暴された」、「いたずらされた」などの表現に置き換えられてしまい、大衆が事実を知らされない一因になるとしている(ポリティコ)。
詩織さん事件を一面で大きく報じたニューヨーク・タイムズ紙(NYT)も、別の場所であれば大騒動になったかもしれないが、日本ではわずかな注目しか集めなかったと指摘する。アメリカでは性的な不正行為が首都、映画界、シリコンバレーやメディアまでを揺らしているが、詩織さんのケースは、日本ではいまだに性的暴行が避けられる話題のままであることの紛れもない例だとする。そして、日本は女性がレイプ被害をほとんど警察に通報せず、通報しても、彼女らの申し立てが逮捕や起訴につながることがまれな国だと述べている。
(以降ソースにて)