06/12/27 16:55:49 P6nH5otc
でもこのコンニャクゼリーには赤面するような苦い思い出が…
(中略)
学生と謂えど、打ち上げに酒が入るのは当然のこととなっていた。
解放感と興奮に支配された若者らに酒が入るとどうなるかは想像にかたくない。
幸い、一部の理性が強く常識的な者たちにより過ちが起きることはなかったが…
宴会では定番の王様ゲーム。
『じゃぁね~…22番と…9番がぁ、ポッキーゲーム!』
「(げっ…22って私じゃない…まぁポッキーゲームだし気を付ければ平気…)」
などと考えていたのも束の間。
「ねぇ王さまー、ゼリーでもいい?」
エロ魔人、夜の帝王…そう呼ばれる私の苦手な男。
何を言い出すかと思えば…
開いた口が塞がらない。
しかし、ここで躊躇ったら場がしらける。
「(女の意地をみせろアタシ!ここでやらなきゃオンナが廃る!)」
意を決して既にゼリーをくわえて待っている帝王。
絶対唇が触れ合ってなるものかと慎重にゼリーに噛みついた。
…が。
強い力でグッと顎を掴まれ、そのままついばむように唇ごと奪われる。
凍り付く体に反して沸き起こる歓声。
コイツ…彼女いるくせに!…嫌いな思いが強まった。
上手く取り計らったおかげで私の噂は流れなかったけれど…
淡く色付く半透明の柔らかな食物。
あるまじきことに肉感と結び付いたイメージ。
嫌いだけれど正直なところ何故か憎めない。
ちょっとでも欲情してしまった己を恥じながら、口に含む秘密の味。