05/01/28 00:35:31 0
>>88の続き
そうして俺たちは再び歩き出したが、後方に注意していると
今度は間違いなく人がついて来ているということがわかった。
佐紀も気付いた様子で、俺に小声で話し掛ける。
「どうやら、りーちゃん、ついてきちゃったみたいですね」
俺も釣られて小声で返事をする。
「でも何でついてきたんだろ?」
佐紀はクスっと笑うと言った。
「多分、ご主人様のことが気になるんだと思います」
「へっ?」
思わず素っ頓狂な声を上げた俺に、佐紀は笑いながら打ち明けた。
「りーちゃん、昨日からずっと楽しみにしてたんですよ。お兄ちゃんができるって言って」
さっき自己紹介した時はろくにこっちを見てもくれなかったけど、
ホントはそんなこと思ってくれてたんだ・・・
嬉しくなった俺は、なおも姿は見えない後方に向けて声をかけてみた。
「梨沙子ちゃん、隠れてないで出ておいでよ!」
反応はない。
「りーちゃん、もうバレバレだよ。出ておいでよ」
佐紀も一緒になって声をかける。
そうこうしてるうちに観念したのか、電柱の陰からうなだれた様子で梨沙子が出てきた。