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>>138の続き
いったい誰だ…?
高まる鼓動を必死になって抑えながらドアを開けると、
そこには、紅茶を載せたお盆を両手で持った佐紀が立っていた。
「あっ、どっ、どうしたの?」
桃子を犯す想像で頭をいっぱいにしていた後ろめたさから、つい目をそらしがちになる俺に、
佐紀は微笑みながら答える。
「ご主人様の部屋から明かりが洩れていたので、もしかして寝付かれないんじゃないかと思って、
紅茶をお持ちしたんです」
「そっ、そう、ありがとう」
そう言ってお盆を受け取った俺は、慌ててドアを閉めようとしたが
その手をそっと上からにぎりしめると佐紀は言った。
「あの、よろしければ、少しお話しませんか?」
ベッドに腰掛けた俺の横に同じようにして座ると、佐紀は俺の方に向き直った。
「あっ、こっ、紅茶、おいしいよ、ありがとう」
俺は必死になって会話の糸口を作ろうとするが、佐紀は何故か俺を見つめたまま黙りこんでいる。
薄明かりに照らされた佐紀の顔は、昼間には感じられなかったなまめかしさを湛えており
うっすらと濡れた唇が、俺の心の奥底にある何かに呼応するかのようにして光った。
「はは…、無くなっちゃった」
そう言って俺がティーカップを置いたとき、佐紀がようやく言葉を発した。
「ご主人様…、体が疼いてお眠りになれないのなら…」
いつの間に距離をつめたのか、俺の腕にそっと頭をもたせかけながら佐紀は囁く。
「…私に慰めさせて頂けませんか?」