05/01/29 17:48:49 0
>>99の続き
夜は茉麻が腕によりをかけて作ったごちそうを思う存分堪能した。
おそらく俺の歓迎パーティーと言った所なのだろう。
一人暮らしの俺には久々の家庭の味が温かくて何とも心にしみた。
そして、同じ食卓で時間を共に過ごしたこともあり、だいぶこの子達の性格が掴めてきた。
俺に率先して話し掛けてくるのはやはり桃子と千奈美の二人だった。
よく話し、よく笑う二人はここでのムードメーカーと言った感じなのだろう。
ただこの二人は性格が被っているせいなのか、あんまり仲は良くないようだ。
そして、そんな二人が衝突しそうになるとそれとなく仲裁に入るのが佐紀だ。
やはりリーダー格なのだろう、そんな佐紀に桃子と千奈美も一目置いている風だった。
その大人びた容貌からは想像できなかったことだが、雅もかなり明るい子でよく喋る。
また世話好きな所もあるらしく、最年少の梨沙子のことを何かれとなく面倒見ている。
梨沙子もそんな雅にすっかり頼りきっているらしい。
茉麻と舞波はどっちかと言うと大人しい性格のようで、自分からはあんまり口を開かない。
試しに茉麻に料理のお礼を言ってみたが、ただはにかむばかりだった。
もっとも、茉麻はその大きな体とおっとりした性格からか、みんなにはお母さん扱いされているらしい。
そして、友理奈はと言うと……、
「………」
相変わらず、俺と目を合わすことすらせずに、黙々と食事を続けている。
みんなも友理奈のそんな様子に気付いてはいるらしいが、
場の空気が悪くなることを恐れたのか、誰一人そのことに触れようとはしなかった。