08/05/26 15:05:43.06 XZgcW1X70
そんなふうに頭の中でシミュレーションしている時だった。
ぐうぅ……。
部屋の隅の方からなにか音が聞こえてきた。ついでに何やら人の気配までする。
おいおい待ってくれよ、ここまで来て話をややこしくするような事態は勘弁してもらいたいんだがな。
どこの誰かは知らないが自重してくれ、あと少しでこの事件は収束するところなんだからさ、たのむぜ、で、誰だ?
「やだ、わたしったら、こんな時に……」
その人物がベッドの影から現れた。
頬をちょっと赤らめ、お腹の辺りをさすりながら、
「もうちょっとミステリアスに登場したかったんだけどなぁ、ふふ、お久しぶり、キョンくん」
「朝比奈さん!?」しかも大の方だ。
でも俺としては数時間前に会ったばっかりで『お久しぶり』って感じではないんですけどね。
「あ、そっか、そうだったわね。わたしったら」
ちろっと舌を出し、自分の頭をコツンと叩く朝比奈さん。
でもあなたにとって俺と久しぶりに会うんでしたらそれでいいんですよ。
そうだとしたら、俺の方がお久しぶりとちゃんと挨拶しないといけない立場じゃないですか。
と、そこでまたもや、ぐうぅ……、っと朝比奈さんのお腹が鳴り出した。
どうしたんです? ダイエットですか? ダイエットなんてしなくても朝比奈さんなら充分ナイスバディですよ。
それともひょっとして満足に食事も取れないほど極貧な生活でもしているんですか?
なぁんてことを顔を真っ赤にして照れている朝比奈さん(大)に訊ける訳もなく。
「こんな時じゃなかったら一緒に食事でもどうですか? と、言いたいところなんですが……」
今の俺自身、身動きが取れない隠密行動中であり、ふらふらとあちこち出歩くことが出来ない身分なのだ。
それは朝比奈さん(大)の方にも言える事であり、お互いに異時間同位体がいるこの時間では隠密に行動するのがセオリーだろう。