08/05/25 23:46:30.36 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
287:@株主 ★
08/05/25 23:46:32.50 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
288:@株主 ★
08/05/25 23:46:45.51 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
289:@株主 ★
08/05/25 23:46:47.89 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
290:SOS大戦プロローグ3
08/05/25 23:46:49.67 eTK88z9K0
「おや、来て頂けましたか。」
部室のドアを開けるやいなや、真っ先に古泉が微笑んできやがった。長門と朝比奈さんもいた。
「早速ですが…」
ハルヒ絡みのことなんだろ。と俺が遮ると、
「ええ。」
と古泉は微笑んでみせた。
「ええ、それもあまり良い話ではありません。」
やっぱりか。なんでかは解らんが、そんな予感はしてたよ。
「そうですか。実は、ここ最近の閉鎖空間に異常が見られるのです。」
閉鎖空間に異常?元々アレの存在自体が異常だと思うが…。
「それもそうかもしれませんが、あの空間が無ければ涼宮さんの精神状態が不安定になることを考えると…」
そこで俺は再び古泉の話を遮った。悪かったよ、今は揚げ足を取ってる場合じゃないんだよな?だからそんな怪訝そうな顔をするな。
「助かります。」
そう言って古泉はいつものスマイルに戻った。続けてくれ。
「ええ。それでその異常なのですが、ここ最近の閉鎖空間には神人が現れ無かったり、現れてもとても小さな姿で現れるのです。」
なんだって?でもそれはお前らからしたら思わぬ僥倖なんじゃないのか?小さいほうが早く倒せそうだしな。
「確かに、神人を撃退させるのは以前より楽になったと言えます。ですが以前と違うのは、神人を倒しても閉鎖空間が消滅するまでの時間が長くなりつつある点です。神人が消滅してから約20分ちかく空間が存在し続けたこともあります。」
そうなのか?
「はい。これが何を意味しているのか、あなたに解りますか?」
…。悪い、さっぱり解らん。
「いえ、構いません。今から説明します。これは機関の…いえ僕の推測ですが、」
そこで古泉はわざとらしく区切り、
「神人は身体が小さいことによって、今までのように建設物を破壊することが困難になっています。故に、我々が神人を退けた後も閉鎖空間が存在するのは、涼宮さんのストレスが発散し切れていないことの表れなのかもしれません。」
と深刻そうに話した。うーん、確かにその説明は理に適ってると思う。それでハルヒはここ最近不機嫌そうなわけだ。
291:@株主 ★
08/05/25 23:46:50.28 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
292:@株主 ★
08/05/25 23:46:53.16 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
293:@株主 ★
08/05/25 23:46:55.84 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
294:@株主 ★
08/05/25 23:46:58.49 nRSrbpwg0
「ちっ、まさか一年前のお前がそんなに夏休みを満喫していたとはな…。まぁいい。ただし今年は俺も絶対に誘えよ。プールか海に行くならな。」
ああ、ハルヒの許可が下りればな。まぁまずプールに行くのにそんな許可は出ないだろうが。というかこいつ、長門の水着には興味無しか?何気に結構良かったんだけどな。
そんな他愛も無い話を繰り広げているうちに、俺たちは教室に着いた。ただ、教室に入る前に谷口と話した話を除いて、だが。
「最近涼宮のやつ随分と元気ねぇみたいだけど、お前らなんかあったのか?」
確かに、最近ハルヒのやつは元気が無い。いや、元気が無いと言うよりはストレスでいっぱいってな感じだ。
まぁだが谷口が気づくぐらいだ。俺も数日前から異変を感じていたけどな。けどアイツのことだ、何か悩んでいるとしても、それを人に話すってことをしないやつだからな。そう答えて俺たちは教室に入り、いつもの席に座った。
それから少し経った後、珍しく始業ベルギリギリにハルヒは登校してきた。
「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんてさ。寝坊でもしたのか?」
「朝からうるっさいわね!別にどうだって良いでしょ、そんなこと。」
しまった。どうやら俺はハルヒの逆鱗に触れてしまったらしい。しかし怒鳴らなくても良いだろう。俺なりにお前のこと心配してるんだぞ。
「何でアンタがあたしの心配するわけ?」
いや、最近元気ないみたいだからさ。っていうかそんな不機嫌そうな顔をしないでくれよ。
「ふーん。」
と、それだけ言うとハルヒは席について机につっぷした。なんだ?ただ寝不足で機嫌悪いだけなのか?
そうは言っても俺の思考回路じゃハルヒの思考が読めるはずもなく、慌ただしく教室に入ってきた岡部の方に席ごと身体を向き直した。
それから俺は無難に午前中の授業をこなし、昼放課となった。ハルヒはというと、午前の授業は全部寝てたらしい。ってかまだ寝てるぞコイツ。
とりあえず弁当を食べようと支度をしているところで、携帯に一通のメールが来た。古泉からだ。
『お昼休みに申し訳ありません。少し話したいことがあるので部室に来て頂けませんか?』
やれやれ、こいつからのメールは迷惑メール並みに煩わしい。とは言っても、どうせハルヒ絡みのことだろうし、シカトするのもなんだから行ってやるかね。
毎日食卓を囲む級友二人に一言告げてから、俺は部室に向かった。
295:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:47:00.63 tuCWPT7+0
支援
296:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:47:39.00 nRSrbpwg0 BE:1006905694-DIA(123555) 株主優待
さすがにうざいな… 反省してるよ。 申し訳なかった…
297:SOS大戦プロローグ4
08/05/25 23:47:41.41 eTK88z9K0
「あくまで推測、ですがね。それに僕や機関の他の方々も、これ以上の情報を持っていません。そこで僕は、数日前から長門さんと朝比奈さんに相談しているのですが、ここでまた不可解な現象が生じていることに気づかされたのです。」
マジかよ…。この間の佐々木たちとの騒動もかなりやっかいだったってのに、またやっかい事かよ。
「まぁそうおっしゃらずに。ここからは長門さんに説明して頂きましょう。良いですか?長門さん。」
長門の方に目をやると、相変わらず注意していないとわからない程小さくうなずいた。
「ここ数日の間、涼宮ハルヒから彼女の力をわたしは半分程度しか感じない。わたし自身のエラーかと思い、昨日情報統合思念体に確認をとったが、涼宮ハルヒの力が半減していることは事実だと言われた。」
ほんとうか?そうだとしたら神人が小さかったり、そのせいでハルヒのストレス解消ができてないことも説明がつきそうだが…。
「それだけではない。今日になってから、わたしと情報統合思念体とのアクセスが不安定になっている。強力なジャミングが仕掛けられている。」
なんだって。古泉の方に目をやると、僕も先ほど聞いたばかりです、という様な顔で微笑んできた。くそ、なんで俺は古泉と目で会話ができるんだ?
「そしてわたし自身も、ここ数日間強力な力によって情報干渉を受けている。」
そうなのか?やばい、さっきから疑問符が頭の中にいっぱいだ。この一年ちょっとでかなり非常識な体験をしてきた俺だが、新たな展開に多少混乱している。
「ジャミングを仕掛けている者と、わたしに情報干渉を仕掛けてきている者は同じとみている。けれど、詳細は不明。」
俺は咄嗟に考えついたことを長門に話してみる。
「待てよ。それって前の雪山で遭難した時と似てないか?まさかまた天蓋領域とかいうやつらが…。」
「彼らとは違う。」
やけにはっきりと俺の考えは否定された。どうしてだ?
「言葉で説明するのは困難。」
そうですか。と、俺が困った顔でもしていたのか、
「解ってしまうのだから仕方が無い、ということですよ。」
と古泉がフォローを入れる。そうだな。でもだとしたらまた新キャラ登場か?もう勘弁してほしいのだがな、俺は。
「あ、あのぅ~。」
ここでやっと愛しの朝比奈さんが口を開いた。はいはい、何でも言って下さい。
「実は、わたしも未来との連絡が取りずらくなってて…。この世界の未来が無くなってしまったとか、そういうわけではないと思うんですが…原因が解らなくて…。」
朝比奈さんは、今にも泣き出してしまうのではないかといった面持ちでそう言った。そんな顔をしないで下さい朝比奈さん。
「ごめんなさい、不安なのはわたしだけじゃ無いですよね…。」
確かに、俺も段々不安になってきた。えーっとだな、整理すると…ハルヒの変態超パワーが半分になって、そのせいで神人は小さくなっちまってストレス発散ができない。んでもって長門と朝比奈さんはそれぞれのバックに連絡が取れない。
…おまけに、長門自身に情報干渉だと?ふざけるなよ。ただでさえ俺たちは長門に頼りっぱなしで負担をかけてるのに、それに加えて正体不明のやつに負荷をかけられてるなんて。納得がいかん。
298:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:47:47.94 5R6NJcIF0
支援
299:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:48:03.31 tuCWPT7+0
支援
300:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:48:32.64 nRSrbpwg0 BE:419544353-DIA(123555) 株主優待
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301:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:48:36.08 nRSrbpwg0 BE:391574472-DIA(123555) 株主優待
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302:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:48:38.00 nRSrbpwg0 BE:391574472-DIA(123555) 株主優待
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303:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:48:39.88 nRSrbpwg0 BE:559392645-DIA(123555) 株主優待
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08/05/25 23:48:42.49 nRSrbpwg0 BE:895027384-DIA(123555) 株主優待
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305:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:48:44.29 nRSrbpwg0 BE:447514144-DIA(123555) 株主優待
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306:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:48:53.94 nRSrbpwg0 BE:223757524-DIA(123555) 株主優待
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307:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:48:58.07 tuCWPT7+0
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308:SOS大戦プロローグ5
08/05/25 23:49:30.40 eTK88z9K0
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
…なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。
──しかし。
事態は翌日、急展開を迎えた。
309:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:49:42.03 OZKWP99D0
いいじゃないか。おもしろいぞ。
310:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:50:29.52 5R6NJcIF0
支援
311:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:51:22.61 tuCWPT7+0
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312:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:51:22.48 nRSrbpwg0 BE:2013811698-DIA(123555) 株主優待
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
…なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。
──しかし。
事態は翌日、急展開を迎えた。
313:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:51:29.13 nRSrbpwg0 BE:1510359269-DIA(123555) 株主優待
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
…なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。
──しかし。
事態は翌日、急展開を迎えた。
314:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:51:35.19 nRSrbpwg0 BE:279696825-DIA(123555) 株主優待
「別にあなたたちはわたしに負担などかけていない。」
そうは言うがな長門、俺はお前にいつも頼っちまう。なのに俺は長門に何もできないのが悔しいんだよ。
「そんなことはない。それに、ジャミングや情報干渉についてはこちらの問題。」
でもなぁ…。で、これから俺たちはどうするんだ?何をすればいい?情けないが、俺にはあまり良い考えが浮かばないのだが…。
「一つは決まっています。涼宮さんはSOS団の活動によって充実した時間を過ごせばストレスを溜めることはなく、また閉鎖空間を生み出さないことはわかっています。ですので、これからはなるべく今まで以上に涼宮さんに彼女が楽しめるイベントを提供する必要があります。」
なるほどな。そもそも閉鎖空間を生み出してもストレスが解消できないっていうなら、ストレスを溜めさせないように俺たちがする必要があるわけだ。ん、待てよ。それって今までと変わらなくないか?
「そう思われるかもしれませんが、閉鎖空間によるストレス解消が困難な今、涼宮さんの精神を落ち着かせることができるのは我々だけなのです。」
それはちょっと、いやかなりやっかいだな。それで世界は改変されちまったら困るのは俺たちだし。ん…またおかしい点を発見したぞ。
「どうされました?」
「ハルヒのトンデモパワーが半減してるんだったら、あいつはイライラがマックスになっても世界を改変できないんじゃないのか?」
「半分の力で世界を改変できない保証がありますか?」
俺の考えは浅はかだったらしい。しかしだな、世界を改変できるだけの力が残っているなら、小さい神人なんか生み出さないと思うのだが…。
「確かに、そう考えるのが普通でしょう。しかし、こうも考えられませんか?力が半減してしまったが故に、まるごと世界を改変できず部分的に改変してしまう可能性もある、とは。」
…なるほどな。ありえん話じゃないな。部分的にだとしても、世界が変わっちまうのは嫌だしな。
「解って頂けましたか。僕や長門さんや朝比奈さんは、それぞれの組織と共に調査を続けます。そこで何か新しい発見があったら連絡を取り合うことにしました。それと同時に、SOS団の活動も有意義なものにしていかなければなりません。」
有意義か。まぁ様はハルヒが喜びそうなイベントを用意したり、ハルヒが不機嫌にならないように注意してれば良いんだよな?
「まぁ他にもして頂きたいことはあるのですが…いえ、とりあえずはそんなところですね。」
なんだよ、もったいぶるやつだな。実際今の事態が深刻なのは俺でも解ってるつもりだぞ。俺にできることがあるなら言ってくれ。
「でしたら、今までと変わりなく涼宮さんに接して頂きたいと思います。あまり急に積極的になられても、かえって彼女が混乱してしまうかもしれませんしね。」
積極的?よく意味が解らんが、まぁ俺なりにやってみるよ。
「ふふ、あなたらしいですね。」
と、そろそろ戻らないと午後の授業が始まっちまうんで、俺たちは解散した。
その後の授業やSOS団の集まりも滞りなく進み、俺は帰路についた。
母親の作ったシチューを食べてから風呂に入り、特にやることも無かった俺はすぐに布団に潜ることにした。
正直、自体が深刻なのは理解していたつもりだったが、それでもいつもの様になんとかなると思っていた。
──しかし。
事態は翌日、急展開を迎えた。
315:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:52:24.12 5R6NJcIF0
支援
316:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:52:50.39 eTK88z9K0
投下してしまいました。株主さんすみません。
とりあえずプロローグは以上です。1話も書き終わっています。
ただ、このスレの趣旨に反しているとマズいので、反しているようでしたら教えて下さいm(__)m
本当にただの自己満SSになってるかもしれませんが、何卒ご容赦をm(__)m
317:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:54:04.02 nRSrbpwg0 BE:2265538199-DIA(123555) 株主優待
>>427
乙
読んでないけど。
文章がダラダラ長くてあれですね。 あんまし…
318:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:54:07.14 5R6NJcIF0
>>427
おkおk。気にするな。がんばって続きを書いてくれ。
SSなんてみんな自己満足の産物だ。
319:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:54:25.97 8SWxozFvO
>>427
その株主ってのは荒らしだから無視すればおk
乙!
320:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:54:31.94 1dpET+Jj0
>>427
乙
荒らしに謝ることは無いよ。
321:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/25 23:55:35.82 nRSrbpwg0 BE:559392454-DIA(123555) 株主優待
おいおい!!
荒らしってなんだよ!! おかしいだろ!!!
本物の荒らしってのはもっと酷いぞ!
322:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:55:48.44 tuCWPT7+0
>>427
これは続きが楽しみだな。
323:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/25 23:58:57.61 OZKWP99D0
今のトコロ問題ないよ。てか現状ではさっぱり分からんしなw
全部書きおえてないようだけど、長編の連載は本当に難しいから、頑張って欲しい。
324:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:01:48.30 eAngp7TS0
支援
325:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:02:37.93 GcwMvz0kO
読んでみたけど面白いね。ほど良く改行されてるし、作者さん頑張って下さいね。ついでに支援
326:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:02:48.02 501dwzFg0
みなさん、暖かいお言葉誠にありがとうございますm(__)m
実は涼宮ハルヒシリーズには先月初めて出会いまして…というかラノベというものも初体験だったのですが;;
そこで自分の好きなスパロボと混ぜてみたいなぁと思って、SSというのも初めて書いてみました。
ですので…かなり自己満ですm(__)m
大分スレ数を消費してしまい言いずらいのですが、もしよろしかったら第1話も投下しようと
思います。
すぐに投下してしまって大丈夫でしょうか?
327:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:03:31.35 46kebisH0
>>437
いいよ、支援する。どんとこい。
328:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:04:16.60 GcwMvz0kO
して下さい。今すぐに、お願いします。
329:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:04:46.46 1+5qkJBRO
スパロボなんて知らないやつには苦痛でしょうがないな
330:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:05:07.12 1+5qkJBRO
ほんとその辺考えてるのかな
331:SOS大戦第1話・1
08/05/26 00:05:14.45 501dwzFg0
第1話『目覚める戦士』
次の日、俺はいつもの様に学校へと行き、いつもの様に午前中の授業を睡魔と闘いながら乗り切った。いや、勝てなかったけどな。
そして昼休み。ハルヒが変なことを言い出した。
「ちょっとキョン。なんか今日、いつもとクラスの雰囲気が違うと思わない?」
なに?俺にはいつもと同じ様にみえるが…。
「ホントに?アンタ、先週わたしが阪中さんと話した内容覚えてる?」
いくら俺の記憶力が弱いといってもだな、それぐらい最近のことなら覚えてるぞ。たしか、今度の日曜日にSOS団プラス鶴屋さんで阪中の家に遊びに行くって話しだろ?
「そうよ。それで今日彼女にその話をしたらね、そんな約束したっけ?って言い出したのよ。」
なんだって?あの時の会話の流れからして、阪中が社交辞令でその話を承諾したようにはみえなかったぞ。いや、どっちかっていうと阪中の方から遊びたがってたような…。
「でしょう?もちろんそれだけで雰囲気がおかしいと思ってるわけじゃないわ。今日の数学の授業、あれもっと随分先にやる範囲をやってたわ。」
そうなのか?だったら俺が理解できんのも当然だな。
「バカ。アンタは普段の授業にもついてこれてないじゃないの。」
痛いとこをつくやつだな。でも確かに言われてみれば今日の学校はおかしい。いや、学校だけじゃない。まるで世界が変わっちまったかのような違和感が…。
そう窓の外を見ながら考えていると、空に飛行機が見えた。おいおい、ちょっと高度が低すぎやしないか。っていうか、なんか飛行機っていう形じゃねぇな。しかも段々学校に向かってきてるような…。
──その時だった。
ドォォォォォン。
もの凄い轟音と地響きが俺たちを襲った。俺はまだ目の前の状況がつかめていない。
「うそでしょ…。なによアレ!」
ハルヒが俺より先に声をあげた。クラスの生徒もざわざわと騒ぎ出した。そりゃ無理も無い、こんな田舎の高校のグランドに飛行機?らしきものが墜落してきたんだからな。
332:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:05:58.62 GcwMvz0kO
>>440
そんなに苦痛なの?だったら俺は苦痛を伴うじゃないか。
333:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:06:00.05 46kebisH0
支援
なんか問題出たら下記スレへ。
URLリンク(yy42.60.kg)
334:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:06:43.33 GcwMvz0kO
>>440
そんなに苦痛なの?
だったら俺は苦痛を伴うな
335:SOS大戦第1話・2
08/05/26 00:07:15.42 501dwzFg0
「ちょっとアタシ見てくる!」
嬉々とした表情でハルヒが駆け出す。それを追うように俺も走った。やっと俺は事態を理解した。いや実際は何も理解なんてしてはいないのだが、昨日あんな話を聞いたばかりだ。胸騒ぎがする。
「待て!ハルヒ!墜落してるんだぞ。爆発するかもしれん、危険だ!」
「何言ってんのよ。事件よ事件!わたしたちSOS団の出番だわ!」
ダメだ。こいつを止めるのに俺じゃ力不足だ。なんてことを考えているうちに、俺たちはグランドまで来ていた。他にも生徒たちが集まってきている。
「軍の輸送機だね。」
「まさかうちの高校のグランドに堕ちるなんてな。」
「おいおい、戦争はよそでやってくれよな。」
…は?俺は周りの生徒の会話に耳を疑った。みんな何を言ってるんだ?戦争?日本は今戦争なんてしてないだろう。ってかなんでこれが輸送機ってわかるんだ?こんなもん俺は初めて見るぞ。
「やっぱり変だわ。」
さっきとは違い嬉々とした様子でハルヒが呟いた。
「お前も変だと思うのか?」
「当たり前よ。いつからうちの学校の生徒はミリタリーオタクになったっていうのよ。」
だよな…。こりゃ明らかにおかしいぜ。そう思いながらハルヒの方を向いていた俺は、またもや信じられない光景を目にした。
虫のような外見のロボット?らしきものがこっちに向かって飛んでくる。しかも何か光ってるぞ…ってまずい!!
「伏せろぉー!!」
そう俺は叫び、ハルヒに飛び掛るようにしてハルヒごと伏せた。なんでかって?あの虫型の未確認飛行物体がレーザーのようなものを撃ってきたからだ。
「いきなりなにすんのよ!…ちょっと!どこ触ってんのよこのエロキョン!!」
ハルヒの罵声が聞こえる。少しは感謝してもらいたいね。
「え…。今のなに?」
ハルヒは起き上がりつつ虫型の飛行物体の方を向いた。他の生徒たちは大パニックで騒ぎだした。走って逃げるやつもいれば、腰を抜かしちまってるやつもいる。
「ハルヒ!俺たちも逃げるぞ!こりゃただの事件どころじゃない!」
俺はそう言ってから気づいた。ハルヒがなにやら深刻そうな顔で俺の後ろを見ていることに。振り返ってみると…。
「マジかよ…。」
学校がさっきの砲撃で崩れかけていた。堕ちてきた瓦礫で俺の後ろはエライことになっている。さらに──
336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:07:26.05 46kebisH0
支援
337:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:07:25.95 1+5qkJBRO
>>443
いやだって知らないのテーマにされてもつまんないだけじゃん
338:SOS大戦第1話・3
08/05/26 00:08:04.93 501dwzFg0
「なんなのよ…!こいつ!」
俺の後ろにも虫型のロボットがいやがった。学校を越えて降りてきたのか?いかん、そんなことを考えてる場合じゃ…。
「なにボサっと突っ立ってんのよ!!早く逃げるわよ!!」
そう言ってハルヒは俺の手を掴んで走り出した。でも何処に逃げるんだ?後ろは虫型ロボットが1体に瓦礫や逃げまどう生徒の群れでいっぱいだぞ。
「あっちよ!」
ハルヒが指を指したのは数機の虫型ロボットが向かってきている正面だった。確かに真後ろのやつよりかは大分距離は離れているが、4体ぐらいいるぞ。
「でも後ろよりはいいわ。グランドを横断して非難するわよ。学校なんかいつ倒れてもおかしくないんだからっ!」
そう言い終わると、ハルヒは周りで動けなくなってる生徒たちにも逃げるように叫んだ。ああ、やっぱりこいつ良いやつなんだな、と悠長なことを俺は考えた。その瞬間──
ドォォォォン。
またも砲撃。しかも今度は俺たちが走ってる目の前を撃ってきやがった。激しい地響きで俺とハルヒは倒れこんだ。近くには墜落した輸送機?がある。
「…あいつら、この飛行船を狙ってるの!?ねぇキョン!有希やみくるちゃんや古泉くんは無事かしら!?」
「わからん。とにかくこれじゃ迂闊に動けないぞ!前も撃たれてるし、ここも危険だし!いったいどうすりゃ…。」
俺は輸送機?の方を見ながら話していたんだが、そこで信じられないものを見つけた。撃たれて穴が開けられたであろうその輸送機?の穴から、俺は『それ』を見つけた。
『それ』は小さい頃テレビで夢中になって観ていた、人型ロボットの足に俺は見えた。
「あれって…もしかして…。」
俺の視線に気づいたハルヒも同じ『それ』を見つけたようだ。なんだなんだ、このアニメとかでありがちな展開は。
「─くわ──!」
え?なんだって?ハルヒが何か呟いたみたいだが、頭の中が天変地異を起こしてる俺には聞き取れなかった。そして─
「おい!どこ行くんだよ!」
ハルヒは俺の腕を掴んで『それ』の見える輸送機?に向かって走りだしていた。
俺はハルヒに言われるがまま共に輸送機?によじ登り、その中に入った。
「案外中は広いのね。っていうかもしかしてとは思ったけど、こんなのが本当に世の中にあったなんてね。」
なんでお前はそんな平然としていられるんだ?ああ、俺はもう驚きを隠しきれん。なんでこんなもんが在るんだ?政府が秘密裏に開発してたのか?そう、俺たちの目の前にあったのは──
─ロボットだった。
339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:08:14.89 46kebisH0
支援
340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:08:58.06 eAngp7TS0
>>448
文句は全部読んでからいえ
341:SOS大戦第1話・4
08/05/26 00:09:08.20 501dwzFg0
「キョン…。」
今まで非常識なことに散々巻き込まれて…
「キョン?」
もう大抵のことじゃ驚かないと思ってはいたが…
「キョン!」
こりゃ驚いたぜ。
「キョンってば!!」
その声で俺は我に返った。
「悪い、あまりの衝撃に我を失ってた。」
「そんなことどうでも良いわよ!それより…これに乗るわよ!!」
まさかと思ったが…。マジで言ってるのか、こいつは。こんなもん素人の俺たちが動かせるわけないだろ。アニメと違って現実はそんな甘くない。
「じゃあアンタ、このまま学校の連中を見捨てる気?あたしだってもう面白さとか好奇心でこんなこと言ってるわけじゃないわ。」
お前はこいつでみんなを守る気かよ。そりゃ俺だって、あの学校やそこにいる人間たちに愛着はある。けど無理だろ…こんなわけの解らんロボットに乗って、敵と戦うなんて!
「…ならアンタは逃げなさい。」
ハルヒは起用にロボットのコックピットと思われるところに上っていった。とはいっても、墜落した衝撃で倒れているから上れるのだが。
いや、そんなことを解説してる場合じゃない。俺はどうするんだ?いくらハルヒがスポーツ万能で成績優秀、かつ─半減したとはいえ─変態超パワーを持っているとしても、こんなの動かせるのか?
あいつ一人にこんな危険なことさせるのか?俺だって手を貸してやればいいじゃねぇか!今までだってそうしてきただろ!確かに俺は何にもできない一般人だ。だけど!だけど──
「待て!」
気づいたら俺は叫んでいた。
「なによ?」
「俺も乗る。」
ああ、もうこうなったらなんでもありだ。逃げようにも逃げ場も無いし、様子が変だとは言っても級友たちを放って逃げ出すほど、俺は腑抜けじゃない!
342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:09:56.28 ruxPDPwS0
>>448
まあ、嫌だったらスルーしろよ。俺はスパロボ好きだけど
支援
343:SOS大戦第1話・5
08/05/26 00:09:56.33 501dwzFg0
「本当にいいのね?多分、めっちゃんこ危ないわよ。さっきはあんたにも乗るように言ったけど、怖かったら無理しなくていいわ。学校はあたしが守るから…!」
「構わん。お前一人にそんな危ないことさせられるか。こんなわけのわからんシチュエーションで死にたくも無いしな。役には立たんと思うが、俺も闘うぞ。」
ハルヒと会話をしながら俺も機体によじ上り、なんとかコックピットに乗り込んだ。
「わかったわ─って急に入ってくるんじゃないわよ!狭いんだから、ここ!」
ハルヒの言うこともごもっともだ。もしかして俺、邪魔っすか?
ドォォォォォン。
「うわっ!」
機体が─正確には輸送機が揺れた。外から砲撃を受けてるのか!?
「んもう、早くシートに座りなさい!」
「お前はどうするんだよ?」
「あたしはあんたの膝の上に座るわ。いいから早く!」
なるほど、そういうことか。っていうかそれより動かし方は解るのかよ?
「勘よ、勘。」
…やっぱり俺、降りてもいいか?しかし─思っていた程コックピットの中は複雑では無かった。いや、複雑は複雑なんだが、なんとか操縦できそうな気がしたんだ。なんとなくな。
俺とハルヒは急いで機体のOSを立ち上げ、目の前のディスプレイに操縦方法を表示させ、簡単に確認した。外からは爆音が聞こえる。急がないとマズイ!
ディスプレイに何か横文字で表示された。ハルヒがそれを声に出して読む。
「ゲシュ…ペンスト?この機動兵器の名前かしら?それにしては縁起の悪い名前ね。」
そうなのか?何語かは知らんが、知らない単語で助かったぜ。
344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:10:13.73 46kebisH0
支援
ID:1+5qkJBROはみるくだから無視。
345:SOS大戦第1話・6
08/05/26 00:10:27.37 501dwzFg0
グォォォォン。
「キョン!動いたわよ、こいつ!!」
やっと動いてくれた。でもまだ安心はできない。素人がこんなもん操縦して、本当にあんな化け物みたいな虫型ロボットを倒せるのか?
頭の中のネガティブな思考を振り払い、俺も手を動かした。もう悠長なこと言ってられるか。
とにかく─やるしかない!
「いくわよ、キョン!しっかり掴まってなさい!!」
そう言ってハルヒはブーストを点火し、輸送機の内壁を突き破って、俺たちを乗せたゲシュペンストは外に飛び出した。
346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:10:37.03 46kebisH0
支援
347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:10:47.61 1+5qkJBRO
>>451
いやこんなの読む気にもならんよ。
こんな小学生の作文みたいの読んでて何が楽しいのやら
348:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:11:39.97 ruxPDPwS0
支援
349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:13:54.39 501dwzFg0
最後短くなってしまいました。
上手く改行できるように練習します…。
支援して下さってる方々、本当にありがとうございます!m(__)m
そうですね…確かに興味が無い方にはつまらないと思います;;
一旦、お風呂入ってきます。
恐らく今日はこの辺で打ち止めになりそうですがm(__)m
350:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:16:47.63 46kebisH0
乙! 続きがんばって書いてくれ。うるさいのはただの荒らしだからスルーすべし。
351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:17:47.45 1+5qkJBRO
つまんないって思うやつがいるってわかってんのになんで投下すんだよ
頭悪いな 考えろよ
あといちいち風呂入るとか報告いらねーから
352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:20:39.49 ruxPDPwS0
>>460
良かったよ。もっと自分に自信を持つべき
>>462
みるくももう少し考えて行動しなよ
353:みるく ◆Milk...huc
08/05/26 00:23:18.98 1+5qkJBRO
>>463
はい><;
おやすみなさい><;;;
354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:23:21.48 KgzSgjd+0
乙!
今後の展開が気になる
ID:1+5qkJBROはいつものことだから気にするな
355:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:25:37.00 F7+umaDV0
>>464
オヤスミ!
356:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:47:08.10 ILph7qXW0
とりあえずここの住人がスルースキル無さ過ぎだということはわかった。
357:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:55:15.69 yDeA7jrm0
>>460
乙!
続きまってますよ。
358:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 00:58:24.22 yDeA7jrm0
何か御題ください。
359: ◆vN8PWvI6WE
08/05/26 01:03:38.63 RZKgcr3sO
ローション相撲書き終えなかったから明日の夜にでも投稿します
360:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 01:03:44.68 Y7RA/4uR0
>>469
ご当地ラーメン
361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 01:05:34.91 yDeA7jrm0
>>471
把握
362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 01:18:44.82 yDeA7jrm0
ハルヒ「そう、そうだったのね」
キョン「あぁ、そして今目の前に居るあいつらが悪の化身ってわけだ」
ハルヒ「今まであんたがあたしに黙って、みくるちゃんや有希や古泉くんと色々楽しそうな事をしてたって事は理解できたわ」
キョン「すまん、無事に帰ったら何でも言う事聞いてやるさ」
ハルヒ「本当?」
キョン「あぁ。全部終わったらご当地ラーメン全国制覇でも何でも付き合ってやる!」
ハルヒ「約束よ! 忘れたって言っても覚えてるんだからねっ!」
キョン「わかったよ。いくぞ、ハルヒ」
何か熱い展開保守(前後のシチュエーションはお好きなように想像して)
363:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 01:42:25.88 F7+umaDV0
>>470
シュールなタイトルだw
364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 02:01:15.76 yDeA7jrm0
ほ
365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 03:02:55.65 tcd3eVVe0
保守
366:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 03:50:48.62 hC5lRlPV0
保守
367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 05:50:17.41 WOHb2iq4O
ほ
368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 06:25:17.71 iz3HsnSFO
ほ
369:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 07:21:40.14 BRrZoJnoO
ほ
370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 08:33:14.15 3jRFlQy+O
ほ
371:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 09:16:25.96 B1VIcIBY0
ほ
372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 09:31:05.93 3jRFlQy+O
保守
373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 09:34:10.82 uDufKJDbO
祝☆本スレ復活
2 指
「キョンくんの指って綺麗ですね」
オセロを指すキョンの指を見つめてみくるちゃんが言った。
まーあキョンったらデレデレしちゃって。朝比奈さんの指だって白くて可愛らしくて…だって。あったりまえでしょ!?みくるちゃんはあたしが見つけてきたスーパー最強萌えキャラなんだから!
…まあキョンの指が綺麗なのは否定しないわね。
少し骨張ってて、薄くも厚くもない皮が何とも言えずにいいのよね。
何よ。何ニヤニヤしながらこっち見てるのよ。
何か面白い事でもあった?
顔が赤いのはちょっと上せちゃっただけなんだから!
(その指が唇をなぞる瞬間を思い出してしまったなんて、言えない)
374:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 10:16:40.27 TENcahe9O
イイ落ちだ
375:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 10:39:10.14 3jRFlQy+O
いいねいいね
376:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 11:12:11.76 eAngp7TS0
「やーっほーっ!」
といつものように部室の扉をぶち開けたのは
我がSOS団団長・・・ではなく、SOS団名誉顧問の鶴屋さんである。
鶴屋さんはにょろにょろした仕草で部室を見回すと、
「おやおや?ハルにゃんはまだいないのかいっ?」
と誰かに向けて言っている。仕方がないので俺が返事をしてやることにした。
「ハルヒのやつですか?まだ掃除でもしてるんじゃないですか?」
「そうかいっ!じゃあそれまでちょっとここで待たせてもらうことにするよっ!」
とずかずかと部室に入ってきた。
「ところで、どうしたんですか?今日は。」
「うん。それがねっ。今日はハルにゃんに耳寄りのとびっきりの情報を持ってきたんだよっ!
それとたまにはこうして顔を出さないと顧問としての役目がないっさ!」
「なるほど。」
と古泉。何を理解したんだろう。
「丁度良かったです。僕も涼宮さんが退屈しないように
何か面白いイベントを考えていたところなんです」
「うんうん。もちろん、これはハルにゃんだけじゃなくてみんなにもめがっさびっくりの
一大イベントだからねっ!」
部屋の片隅で外界との間に見えない壁をつくっているような長門が
珍しく反応したような仕草を見せた。
「それでそれは一体なんなんですか?」
「それはハルにゃんが来るまでのお楽しみ。」
鶴屋さんは廊下の足音を聞き取ると、膝くらいまで届くような長い髪をひるがえして
部室おドアに向かって体を反転させた。
377:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 11:18:58.10 eAngp7TS0
保守
378:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 12:28:00.22 3jRFlQy+O
ほ
379:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 13:18:00.54 3jRFlQy+O
保守
380:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 14:31:11.63 XZgcW1X70
書き込みテスト
381:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 14:37:32.87 5SgMxsLA0
保守
382:新・孤島症候群 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:42:23.12 XZgcW1X70
やっとラストまでできました。
前回の投下が4月はじめだったから約二ヶ月くらい経ってますね。
知らない方や覚えていない方のほうが多いかもしれません、
なので、前回までのお話はこちら↓
URLリンク(www25.atwiki.jp)
16レス予定
383:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 14:43:37.65 6oEl960Z0
ほっしゅほしゅ
384:新・孤島症候群 結 1/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:45:08.73 XZgcW1X70
今回のこの事件、実行犯は俺だった。ま、種を明かせばそういうことになる。
だが、そううまく事は運ばなかったのだ──、
「誰? 誰かそこにいるの?」
──なんと、ハルヒに見つかっちまったい。どうすりゃいい?
新・孤島症候群─結末編─
完全に予想外だった。たしかハルヒは下の階に走っていったと鶴屋さんは言っていた、
それが正しければハルヒは一階に行き、三階には来ないはずなんだ。しかし、今のこの状況はそうじゃない、
はっきり言おう、アイツには常識どころか既定事項すら通じないのか、っと。
「みくるちゃん? みくるちゃん見っけ!」
ハルヒに指を刺されて固まった表情のまま朝比奈さんはゆっくりとハルヒの方に向く。
別にかくれんぼをしてた訳じゃないんだが……。
朝比奈さんだけなら何とか言い訳も出来たのかもしれない、ハルヒにとって、この事件はただのサプライズパーティなんだからな。
古泉たちが仕組んだ人が消えていくミステリー、朝比奈さんは最初の犠牲者でどこかに隠れている、っということにしておけば、
たとえハルヒに見つかったとしても「見つかっちゃいましたぁ、えへへ」で、済んだかもしれない。だが、
「それ……と、……キ、キョン!?」
どこかに隠れようとしてあたふたしている俺に声を掛けた。
そうなのだ、俺は絶対見られてはいけなかったのだ、どう考えてもこの時間にはもう一人俺がいて、
今現在、鶴屋さんの部屋のイスに座り込んで居眠りをしているはずなのである。
さて、どうやってこのピンチを切り抜ける? 考えろ、俺。
385:新・孤島症候群 結 2/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:46:56.91 XZgcW1X70
だが、よくよく考えてみればハルヒが言っていたセリフと鶴屋さんが言っていたセリフに矛盾があったのだ。
そう、ハルヒはすでに一階の探索は自分の目で行っていたのだ、多丸さん兄弟と共に。
だとすると『やっぱちゃんと自分の目で探してみなきゃだめね』と言っていたのはそれ以外の場所ってことになる。
二階は長門と森さん、新川さんで、三階は俺と古泉が調べたんだ、
二階は朝比奈さんがいなくなった時に全員集まって探しはじめた場所だし、ハルヒもその場にいた、ってことは、
ハルヒが言っていたのは三階のことになる。だからハルヒが三階を探索しに来るのは当たり前なのだ。
と、言うことは。鶴屋さんが嘘をついているって事になるんだが、一体なぜ?
いやいや、今はそんなことを考察している暇はない。俺が二人いるこの状況を、
目の前にいるこいつにどう説明すればいいのか考えなきゃならんのだ。
下手な説明だと、古泉が言っていた想像したくない結末に向かうかもしれん。
かと言って真実を話す訳にはいかないのが、なんというかコイツのややこしいところなのである。
仮に真実を話したとしてもコイツは信じないと思うが、
それによって別の被害が発生する可能性があるのは既に去年の映画撮影時に実証済だ。
ハルヒは豆腐とヨーグルトを間違えて食べてしまったような戸惑った表情で立ちつくしている。
無理もない、俺が居眠りしている部屋から出て、階上から人の気配がするので見にいってみるとまた俺がいるんだからな。
「お! みくるじゃないかっ、さすがハルにゃん、さっそく見っけたんだねっ」
ハルヒの後ろから鶴屋さんもやってきた。そして俺を見つけると、
「あれ? キョンくん? おっかしいなぁ、いつの間に先回りしてたんだい?」
「あ、えーと……それはですね……」
そろそろタイムアップだ、これからは言い訳を考えながらしゃべらなばならん。
「なんかいつもと違うふんいきだねぇ? 本当にキョンくんかい?」
鶴屋さんは覗き込むようにして俺を見る。偽者じゃありません本物ですよ。と、ここで天啓が舞い降りた、
……ふむ、なるほどその手があったか。ありがとう鶴屋さん。
386:新・孤島症候群 結 3/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:48:33.82 XZgcW1X70
俺は観念したように深呼吸し、ハルヒと鶴屋さんを一瞥すると、
「まあ、見つかっちまったんじゃしょうがない。今この時間には俺がもう一人いるってことになっている」
俺がそう言った瞬間、全員の表情が変わった。ハルヒは何言ってるの? って感じで眉をひそめ、
朝比奈さんは驚愕の表情、鶴屋さんはへぇーって感じで興味深そうに目を見開いた。
「どういうことよ? あんたが二人いるって」
予想通り、ハルヒが乗ってきた。
「二人いるってのはつまり、どちらかが偽者でどちらかが本物ってことだ」
考えながら話すのは少々辛かったが、ようやく俺のほうも頭が回転してきたらしく乗ってきた、
「さて、ここにいる俺と下にいる俺とではどっちが本物で、どっちが偽者でしょう?」
ちょっと調子に乗って芝居がかったセリフを言い放つ、さてハルヒはどうでる?
などと考えてる間もなくハルヒはつかつかと俺の前に歩み来て、
「い、痛てててっ!」
いきなり左の頬をつねり上げられた。なにしやがるっ!
「ふうん、どうやらその顔は作り物じゃなくて本物のようね、それに声や仕草もいつものキョンと同じだし」
ハルヒは顎に手をやり、頭のてっぺんからつま先までまじまじと俺の姿を眺めながら言う。
俺はつねられてヒリヒリするほほを撫でながらハルヒを睨み返す、なんだか品定めされてる気分になって少々不愉快になった。
「おっと、それじゃあここにいるキョンくんが本物で下の部屋で居眠りしてるキョンくんは偽者ってことなのかいっ」
なぜかにやにやしながら鶴屋さんは言う。ほんと、楽しそうですね。
「うーん、どっちかてーとあたしはこのキョンくんの方があやしい気がするにょろ、でもどっからみてもキョンくんなんだけどねっ」
「まさか、ひょっとしてどっちも偽者ってんじゃないでしょうね」と、ハルヒ。
おいおい、さらに事態をややこしくするような事を言うなよ。どちらかといえばどっちも本物だ。
「さてね、偽者か本物か、そんなこと正直に言ったらせっかくのサプライズパーティが台無しになっちまうだろ、
それよりハルヒ、さっきみたいな強引に偽者か本物かを調べるような行為は自重してくれ。
探偵を気取るんなら推理で本物かどうか当てるもんだ」
まったく、俺が二人いる状況をなんとかハルヒに納得させることが出来ても、
ハルヒがもう一人の俺に今のような行動を取ったら事態がややこしくなっちまうからな、なんとか釘を刺しておかないと。
387:新・孤島症候群 結 4/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:50:36.66 XZgcW1X70
「む、それもそうね。みくるちゃんが見つかってこれで解決じゃああまりにもあっけないもんね。
それじゃあこれからは二人いるキョンのどっちが本物か見極める推理ゲームをはじめましょ、
と言ってもよく考えたらここにいるキョンの方が本物っぽいけどね」
ハルヒは隣にいた鶴屋さんに同意を求めるように言う。
まあ、それはいいんだが、この事件のシナリオはまだ残ってるんだ、
そういう事は全部終わってからにしてもらいたいんだがな。
「それくらい解ってるわよ、事件を未然に防いじゃったらミステリーとして破綻しちゃうじゃない、
そんなのは推理じゃなくて予知よ、予知。探偵が予知能力なんて使ったらカンニングしてるようなものじゃない」
ハルヒは腰に手を当て、えらそうにレクチャーし始めた。お前の考えなんか今更どうでもいいよ。
あと、俺が二人いるってのはここだけの内緒にしてくれないか、でないと色々と不都合が出て、
打ち合わせ通りに事が運ばないんだ、あとこれ以上誰かと鉢合わせするのも回避したいんだが……、
といっても残っているのはもう一人の俺と妹だけどな。
「そういうことなら鶴にゃんにまかせときなっ! とりあえず三階に行かないようにすればいいってことにょろね」
そう言って鶴屋さんは胸をドンと叩いた。
なるほど、あの時、鶴屋さんのセリフに矛盾があったのはこういう訳だったのか。
「なんとかやってみるよっ、キョンく……」
そこで鶴屋さんは一時停止したように言葉を止め、
「あたしとしてはまだ本物か偽者か解らないから……んーと、そだっ、言わば少年Kってところだねっ」
一応どちらも本物なんですけど。てか、あの時言っていた少年Kってそういう意味だったんですね。
それじゃあ鶴屋さん、よろしくおねがいします。それと、また後で伺います。
そうして二人は下に降りていった。まるで台風一過のような感覚だ。
朝比奈さんと俺はやれやれって感じで顔を見合わせてほっと胸をなでおろした。
388:新・孤島症候群 結 5/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:53:25.76 XZgcW1X70
と、そこに急にハルヒが戻ってきて、
「あんた、ちょっと手だしなさい」
なんだいきなり。
「いいからさっさと出すの!」
なんだか解らんがとりあえず右手を差し出した。抵抗しても仕方ない上に理由もなく命令してくるのはいつものことだ。
するとハルヒはポシェットからすばやくサインペンを出すと俺の右手にバツマークを書いた。
なにするんだいきなり! て、おい! これ油性ペンじゃねえか。なかなか消えねえんだぞこれ。
ところで、おまえはいつも油性ペンを持ち歩いてるのか? まさかとは思うが、
急にサインを求められる芸能人を気取ってんじゃないだろうな。
と、思ったが、ポシェットからペンを出す時、中に赤いものがちらりと見えた。あれはひょっとして腕章?
て、ことは腕章に書き込むためのペンか。
「何言ってるの、見た目そっくりの二人なんだから印つけとかないと紛らわしいじゃないの、
推理の途中で入れ替わられたりしたら判断しにくいでしょ」
たしかにそうだが……、それで、何でバツ印なんだ、これじゃ俺が偽者っぽいじゃねえか。
さっき、俺の方が本物らしいとをいっていた気がしたが。
「丸でもバツでもどっちでもいいでしょ、ただの印なんだから、それに手のひらには丸よりバツのほうが早く書けるのよ」
そうかい。しかし別に早く書く必要もない気がするが、まあ、手早く行動するのはこいつの特徴だしな。
そうこうしている内に、下の階から扉の開く音が聞こえた。この時間の俺が鶴屋さんの部屋から出てきたようだ。
「あ、もう一人のキョンくんが出てきたみたいです」
階下を覗き込んでいた朝比奈さんがこちらに振り向いた。それを聞いたハルヒがどれどれって感じで階下を覗き込む。
頼むからその『俺』に見つからないでくれよ、これ以上ややこしくなっちまったら収拾が付かなくなっちまうんでな。
389:新・孤島症候群 結 6/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:55:42.12 XZgcW1X70
「わき目も振らず一階にいっちゃいました」
ま、そうですとも朝比奈さん、あの時の俺はまったく周りを警戒せずに一階に向かったんだったな。
「やっぱりどう見てもそっくりね、全然見た目じゃ判断できないわ、まさか双子ってんじゃないでしょうね」と、ハルヒ。
恐ろしいことを言うなよ。
話題を変えることにする。「あー、そうだハルヒ」
「なによ」
俺はこの後、二階の俺の部屋潜む予定なんだ、だから推理が成り立ったらその前で披露してもらいたいんだ。
そこでちゃんと事件の推理とどっちが偽者なのか判明してくれ。お前の推理が正解ならそこで事件は解決。大団円だ。
「何言ってんの、あたしの推理力なら正解するに決まってるでしょ、間違うなんてありえないわ」
まぁ今回はそのハルヒの推理どおりに事を運ぶつもりだからな、たしかに間違うなんてありえないってのは当たっているがな。
だが、いつも思うがその自信は一体どこから湧き出してるんだろうか? とはいえ、自信なさげなハルヒなんてのも想像しにくいが。
そのハルヒも今は一階に向かって階段を降りている。絶対ニセ俺の証拠を見つけ出してやるって背中が語っているようなふんいきだ。
まったく、わかりやすいヤツだな。くれぐれもお手柔らかにたのむぜ、本当はどっちも俺なんだからな、
軽く脅かしてやるくらいにしといてくれよ。
ともかく、今のところどうにか辻褄合わせだけはうまくいっているようだ、まったく、
ハルヒに見つかった時は一体どうなることかと思ったが、考えてみればどうやらこれも既定事項らしい。
俺は手の平に書かれているバツ印を見ながら、
今頃一階でビクビクしながらハルヒを探しに行っている過去の俺のことを思い浮かべた。
そういや、あのときのハルヒは変によそよそしい感じだったな。らしくないなと思ったが、
あの時には既に偽者だと決め付けていたと考えればしっくりと来る。急に夜食作り始めたのも俺を観察するためだったんだろう。
390:新・孤島症候群 結 7/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 14:59:08.72 XZgcW1X70
後は鶴屋さんと妹、ラストのハルヒ消失のトリックだけだ。
とりあえず、朝比奈さんが来てくれたからこのトリックも時間移動で間違いないだろう。
妹はどうせ眠ったままだろうからいいとして、問題は鶴屋さんだ、やっぱ眠らせてから時間移動した方がいいのか?
それとも事情を話してもいいのだろうか、俺としてはもうすべてさっぱり話しても良さそうなんだけどな。
しかし、ここにいる朝比奈さんはおそらく、鶴屋さんには正体を知られたくないようだ。
そして鶴屋さんもどうやらそのことについて感付いているらしい、きっと事情を話し始めても途中で、
「事情なんて堅苦しいことどうでもいいっさ! 要するにあたしは○○しておけばいいんだねっ!」っと言ってくるに違いない。
そんなことを考えながら俺は朝比奈さんと共に鶴屋さんと妹のいる部屋に向かった。
俺たちの今の状況を知ってか知らずか、鶴屋さんは大きなあくびをすると、眠くなったから寝ると言い出した。
どうやら勘の鋭い鶴屋さんは詳しい事情を説明する前に悟ったようだ。
後、朝比奈さんが口ごもりながらタドタドしく、
「あたしが急にいなくなって鶴屋さんに心配を掛けてしまったみたいで、あの、えーと、ごめんなさい。
えーと、皆いなくなってるのもお芝居だからあの、安心して休んでてください」
と、困った表情で謝りながら言ったからだろう。鶴屋さんもそのしぐさを見て更にニヤニヤした笑みを浮かべてたしな。
で、その鶴屋さんが、そのニヤニヤ顔を俺の方にきゅいっと向けて、
「そこの少年Kくんも一緒に寝るかい? この部屋、セミダブルのベッドが二台もあっから四人で仲良く寝れるよっ!」
とんでもなく魅力的なお誘いだが、さすがにそれは辞退させてもらうことにする。というか明らかに鶴屋さんの冗談だしな。
それに俺はまだやらなきゃいけないこともあるんでね。
てなわけで、ここは朝比奈さんに任せることにする。
391:新・孤島症候群 結 8/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:02:07.70 XZgcW1X70
まあ、予想通り鶴屋さんと妹も未来に時間移動する結果となった。
眠っていた妹はそのまま、鶴屋さんは本当に眠っていたのか怪しかったが─ひょっとしたら狸寝入りだったのかも─
寝ている隙に朝比奈さんが長門と古泉たちのいる時間につれていった。
しばらくして朝比奈さんが戻ってくると、俺は朝比奈さんを廊下の端の部屋に連れて行った。
その部屋は最後に俺とハルヒが入って消えた場所である。
俺は朝比奈さんと最後の打ち合わせをする。
内容は俺とハルヒがこの部屋に入ってきたらすぐさまハルヒを眠らせて三人で時間移動をしてもらうことだ。
ここで手間取るとこの時間の俺に目撃されてしまうからな。
頼みますよ、朝比奈さん。ここでドジっ娘メイドはやらなくて良いですからね。
ま、ハルヒが大声出して俺のことを呼ぶからそれが準備の合図になります。
「わかりました、なんとか涼宮さんに気付かれずに眠らせれるようにがんばります。ちょっと自信ないけど」
朝比奈さんも普段はちょっとドジな部分も有るけど未来からの指令は結構きっちりとこなしているように思う。
これは俺の主観的な意見だが、朝比奈さんは集中力があり、どんなことにも一生懸命に取り組む姿勢があるからだろうと思う。
そう言うことできっと朝比奈さんはうまくやり遂げると思う、なので俺がこれから考えなきゃならないのは、
その後のハルヒへのフォローだな、さて、どうするかな。ちゃんと考えておかないと、この後のことは完全に未知の領域だからな。
考えながら俺は待機場所である俺の部屋に入った。
とりあえずこの後に俺が話さなければならない会話を思い出しておかないといけないな。
一字一句間違いないかどうかは解らんが、大体あってれば良いだろう。
あの時はそんなこと細かく覚えている暇もなかったし、違和感と不条理さで一杯だったからな。
392:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:04:43.99 25a2vU6uO
支援
393:新・孤島症候群 結 9/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:05:43.06 XZgcW1X70
そんなふうに頭の中でシミュレーションしている時だった。
ぐうぅ……。
部屋の隅の方からなにか音が聞こえてきた。ついでに何やら人の気配までする。
おいおい待ってくれよ、ここまで来て話をややこしくするような事態は勘弁してもらいたいんだがな。
どこの誰かは知らないが自重してくれ、あと少しでこの事件は収束するところなんだからさ、たのむぜ、で、誰だ?
「やだ、わたしったら、こんな時に……」
その人物がベッドの影から現れた。
頬をちょっと赤らめ、お腹の辺りをさすりながら、
「もうちょっとミステリアスに登場したかったんだけどなぁ、ふふ、お久しぶり、キョンくん」
「朝比奈さん!?」しかも大の方だ。
でも俺としては数時間前に会ったばっかりで『お久しぶり』って感じではないんですけどね。
「あ、そっか、そうだったわね。わたしったら」
ちろっと舌を出し、自分の頭をコツンと叩く朝比奈さん。
でもあなたにとって俺と久しぶりに会うんでしたらそれでいいんですよ。
そうだとしたら、俺の方がお久しぶりとちゃんと挨拶しないといけない立場じゃないですか。
と、そこでまたもや、ぐうぅ……、っと朝比奈さんのお腹が鳴り出した。
どうしたんです? ダイエットですか? ダイエットなんてしなくても朝比奈さんなら充分ナイスバディですよ。
それともひょっとして満足に食事も取れないほど極貧な生活でもしているんですか?
なぁんてことを顔を真っ赤にして照れている朝比奈さん(大)に訊ける訳もなく。
「こんな時じゃなかったら一緒に食事でもどうですか? と、言いたいところなんですが……」
今の俺自身、身動きが取れない隠密行動中であり、ふらふらとあちこち出歩くことが出来ない身分なのだ。
それは朝比奈さん(大)の方にも言える事であり、お互いに異時間同位体がいるこの時間では隠密に行動するのがセオリーだろう。
394:新・孤島症候群 結 10/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:07:13.72 XZgcW1X70
「そうね、キョンくんの言う通り、いくら忙しかったからって食事くらいはきちんと取っておいた方がよかったわね、
今みたいに隠れてる時にお腹がなったりしたら大変なことになっちゃったかもしれない」
照れ隠しなのか少し早口でしゃべる朝比奈さん、そういや最初の時間遡行の前に食事したっけな。
「そっか、それで無理やり俺に食事をさせたのか……」
空腹じゃいくら気配を殺してもさっきの朝比奈さん(大)のようにお腹の音で誰かに気付かれてしまう可能性があるってわけか。
それもあるが、あの時朝比奈さん(大)はお腹が空いてたってことだったのか。
それで普段よりよく食べてたってわけか。なるほどね。
「えーと、今の俺は無理ですが、このあとこの時間の俺となら食事できますよ、朝比奈さん。
なんせ俺たち以外誰もいなくなりますからね、気兼ねなしにいけますよ」
ちょっとした提案だったのだが、よく考えてみると朝比奈さん(大)にとっては、
俺がここでこう言うって事もすべて既定事項なんだろうか? まぁそんなこと考えたってしかたない、
この後この朝比奈さんと食事したから酔い止め薬も飲めたし、大惨事にならなかったんだからな。
「え、キョンくんと二人きりで食事……。うん、そうね、それもいいかもね」
朝比奈さん(大)は、その大人びた姿になっていてもやはり朝比奈さんだ、しぐさにかわいらしさが残っている。
それによほど空腹なんだったんだろう、食事と聞いて嬉しそうにしている。
俺だって空腹の時は食べ物のことを考えただけで楽しい気分になるさ、レストランに行ってメニューを見てるときなんて最高だね。
この後少しばかり話をしたが、たわいのない話しか出来なかった、
なんせちょっとでも未来の情報に関わることだと禁則事項となってしまうからな。
だが、その中でこの事件について少し訊くことが出来た。
どうやらコレは未来人が主催のサプライズパーティーって事らしい、
まぁ、詳しくは話せないらしいが要約するとそういうことなんだそうだ。
395:新・孤島症候群 結 11/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:10:11.34 XZgcW1X70
それで、なんでこんなことをしようとしたのか? そういうことは古泉たち機関の方々の役目じゃなかったのかと訊いたら、
「あなた達と行動を共にしている過去のわたしは、もう高校三年生、
夏休みが終わったら進学、就職、卒業等の準備とかで色々と忙しくなるじゃない、今しか時間に余裕がなかったの。
だからもう一度あのバレンタイン間際の時みたいに二人だけで行動するような楽しい思い出が欲しかったのよ」
そりゃ朝比奈さんと秘密を共有して二人だけで行動するってのは、どちらかと言われれば楽しいって方向になるだろう。
でもあの騒動は俺にとっちゃ終始ハラハラの連続で、目の前で誘拐された朝比奈さんを追ってカーチェイスしたり、
つじつまあわせに翻弄したり、長門に謝ったり、とあんまりいい思い出じゃないんですが、
まあ最後にチョコをもらえたのが救いでした。よく考えたらそれで充分過ぎるほどいい思い出なのかもしれないが。
つまり、とても大変で、その時にはとんでもなく迷惑だった事柄でも、その方が深く記憶に残り、いずれ良い思い出になる、
ってことなのか? うーん、そんなことをいわれても俺にはまだピンとこないがな。
記憶と思い出の違いなんてさっぱりわからん。どっちも同じに思えてしまう、良い記憶が思い出で悪い記憶が後悔か?
そうこうしている内に、廊下からハルヒの話し声が聞こえてきた。
「さてと、そろそろ呼び出しかな、それじゃ、行ってきますね、朝比奈さん」
笑顔で手を振り見送っている朝比奈さん(大)。
俺もつられて手を振り返した、右手だ。
その手の平にバツ印が書かれているのを忘れていた俺は、それを朝比奈さん(大)に見られてクスリと笑われた。
396:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:10:49.45 3jRFlQy+O
し
397:新・孤島症候群 結 12/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:12:44.27 XZgcW1X70
「キョーンっ! 団長命令よっ、今すぐ出てきなさいっ!!」
和やかな雰囲気を打ち壊す様にハルヒの声が響きわたった。
まったく、なんてでかい声なんだ。そんな大声をだすな、ちゃんと聞こえてるよ。
俺はガチャリと扉を開けて廊下に出た。
勝ち誇ったような表情でこっちを向いたハルヒは俺を見てニヤリと口元をゆがませる。
「何者だお前」
目を見開いて俺をみているこの時間の“俺”がつぶやくように呻いた。
そうだった、普段聞き慣れているようで聞き慣れない声なんだったな。やっぱ違和感がする。
俺は「ようっ」て感じに右手を上げて挨拶をした。もちろんハルヒに手の平が見えるようにだ。
ハルヒはそれを確認すると勝ち誇った感じでもう一人の“俺”の方に向き、
「何しらばっくれてるの、こっちが本物のキョンでしょ、どう? 観念した、偽キョンさん」
よう、本物はどうやら俺の方だ、まあ、後のことはまかせろ、うまくやるからさ。
だからお前もなんとかうまくやれよ、ちょいっと苦労するが、終わっちまえばいつものことだと思うはずさ。
「と、言うわけでハルヒ、サプライズパーティはこれで終了だ、みんながあっちで待ってる、いくぞ」
「ちょっと何勝手に仕切ってるのよ、それよりあたしの見事な推理、ちゃんと聞いてた?」
ほんとのところ朝比奈さん(大)と会話していて聞いちゃいなかったんだが、ハルヒの推理の内容はすでに既知していたので、
「ちゃんと聞いてたさ」っと、返事をしておく。そう、お前の推理が正解ってことにして、このまま大団円に向かうところさ。
ハルヒはもう一人の俺について、
「見た目はほんとにそっくりね、その手の印がなきゃ、どっちがどっちか解らなくなるところだったわ」
等と言っていたが、どっちも本物の俺なんだから当たり前だろ、と、本当のことを言えるはずもなく、
俺は適当に返事をしておくことにする。
「俺はどこにでもいるようなごく普通の人間だからな、そっくりに化けることくらい、
ちょいと練習すれば誰にでも出来るんじゃないのか? まあ、古泉達がどっかから見つけてきたんだろ。素質のあるヤツをさ」
398:新・孤島症候群 結 13/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:16:23.39 XZgcW1X70
「うーん、そっか、だったら有希やみくるちゃん、あたしのそっくりさんも古泉くんに探してきてもらおうかしら」
二ヒヒ、っといやらしい笑い顔をして顔面の筋肉を弛緩させるハルヒ。
「あたしが二人に増えたりしたらみんなどんな顔するんだろ?」
おいおい、お前が急に二人に増えてたら朝比奈さんなら間違いなく卒倒するはずだし、
あの長門ですら何かしらのリアクションを起こしそうだ。
ていうか、俺が二人いて自分が驚かされたから、他の誰かも同じ手口で驚かせたいって発想だろ、それは。
はっきり言ってそんなのは小学生並みの単純な思考じゃないのかね、ハルヒくん。
それにお前は唯一無二の存在だろ。天上天下唯我独尊、それがSOS団団長、涼宮ハルヒだろ。
なぁんてことを考えていたが、俺は口に出して言わなかった。今は余計なことを言わない方が良いと判断したからだ。
今は適当にハルヒに合わせておき、好きなように妄想させておけば朝比奈さんが行動しやすいんじゃないかと考えたのさ。
そして朝比奈さんの待ち構えている部屋に入り、俺はこの時間でしなければならない最期の仕上げをする。
部屋に入る直前に、古泉並のエセスマイルをもう一人の“俺”に見せなければならないのだ。
自分ではどんな表情なのか鏡がないので確認できないが、まぁそれなりに悪びれた感じは出てるんじゃないかと思う。
それが証拠にそのスマイルを見たもう一人の“俺”がハッと何かに気付いたように表情を変化させたからだ。
さて、こっから超特急でやらなければならないことのオンパレードだ、と、言っても俺が出来ることは殆どないんだけどな、
頼みましたよ朝比奈さん。て、俺は祈るだけかよ。
「あれ……」
ハルヒが力なく崩れ落ちるように倒れ始めた。俺は何とかそれを受け止める。
朝比奈さんがうまくハルヒの背後を取って眠らせるのに成功したのだ。小さくVサインをしている。
「後は時間移動です、おねがいします」
「はい、では目を閉じてください、行きますよ」
朝比奈さんのセリフとドアの向こうからハルヒの名前を叫ぶ声が殆ど同時だった。
399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:16:33.03 3jRFlQy+O
しえん
400:新・孤島症候群 結 14/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:18:28.26 XZgcW1X70
エピローグ
まあ、これで事件は一応の終わりを迎えたってわけなのだが、残った問題はハルヒへのフォローだけだ。
ハルヒが気を失って眠ってしまったのは、事件の解決と同時に緊張がとけて、自分でも自覚していなかった疲労と、空腹感、
睡眠不足などが一気に押し寄せたため、と言うもっともらしい古泉の説明でなんとか納得したようだ。俺もそれに同意しておく。
どうやらハルヒは理屈で説明すると納得するらしい。後、古泉が言うとそれらしく聞こえるそうだ、
それもひょっとしたらあいつの超能力の一種なのかもしれないな。
ちなみに、俺の偽者は急用があると言うことで朝一番で帰ってしまったと言うことになっている。そのことについても、
古泉は苦しい言い訳をハルヒにしていたけどな。
俺そっくりの人物を探してきたのはいいが、スケジュールの調整がうまく出来ず、本来ならこのサプライズパーティーは、
合宿の最終日にする予定だったのだが、どうしてもはずせない用事があって、急遽前倒しになってしまった、ということだそうだ。
その後、説明好きの古泉には色々補足があったらしく、ハルヒが席を外している時に俺に語りかけてきた。
「なかなかいい経験をさせてもらいましたよ、ですが僕としてはもう少し長い期間の時間移動も経験してみたいですね、
特に、未来に飛ぶのではなく過去の方に行ってみたいというのが本音です」
言っておくが過去に行ってもろくな事がないぞ、遠足みたいに自由行動なんてできないからな、それに、
結局まともに帰ってこれるのかどうかもあやしいんだ。長門に時間凍結されたり朝倉にナイフで刺されたりしたからな。
「そうですね、時間移動をするということはその時間で成すべき事があるからそこに向かうわけですから、
理由もなく時間移動は出きないんですよね」
古泉は何か言いたげな表情を含んだ笑みを浮かべて俺の方を見る。
なんだ? 何か言いたげだな、すでに俺は精神的にも肉体的にも疲労していて、
どちらかといえばお前の長話に付き合いたくはないんだがな。早くのんびりとしたサマーヴァケーションを味わいたいんだ。
そんな俺のことなどお構いなしに古泉は語りだした。
401:新・孤島症候群 結 15/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:20:45.10 XZgcW1X70
「今回のこの事件、今までの時間移動と少し趣向が違うような気がしてならないんです。
はっきりいいますと、未来人らしくないといえます。このようなサプライズはどちらかといえば我々の分野です。
実際、今回のシナリオ通りのことなら機関ででも再現可能です」
まったく聞く気はなかったし、この事件について少しばかり朝比奈さん(大)から訊いていたので聞き流すつもりだったのだが、
どうやら古泉は未来から現在に介入があるときは何かしら理由がある、と言いたいらしい。
だが、そんなこと俺が考えることじゃないし、考えたから答えが出るわけでもない。
俺にとっては朝比奈さん(大)が言っていた、高校最後の夏休みだからみんなで過ごす楽しい思い出を作りたかった。
って理由で十分なのさ。
それ以外になにかあるのか? 無いならそれでいいじゃないか。
「未来人の、いえ、別の出で立ちをした朝比奈さんの考えならそれで正しいのかもしれません、
ですが我々はもっと別の見解があるのですよ」
ほう、一応聞いとくか。だいたい予想はつくが。
「すべて涼宮さんがそう望んだから、そうなったという見解です」
やはりそうきたか。
「あの時、あなたが眠くなった妹さんと朝比奈さんと共に二階に行った時、まだまだ遊び足りなさそうな涼宮さんは、
もう少しあなたと、いえ、みんなと遊びたいと願ったのではないでしょうか。
その願いが未来人を介入させてこの事件を引き起こしたのかもしれません。
まあ、これはただの推測に過ぎませんが、涼宮さんが考えそうなことだと思いませんか?」
結局古泉の考えを聞いたから何かが変わるわけでもなく、無駄な時間をすごした結果になっちまった。
だが、俺にとってそんなことよりも一つ懸案事項が増えてしまったのが気になるところだ。
それは、席をはずしていたハルヒが戻ってきた時に俺の中で沸きあがった。
402:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:20:58.11 3jRFlQy+O
し
403:新・孤島症候群 結 16/16 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:23:16.35 XZgcW1X70
「ねえ、キョン、あたしが作った夜食のパスタどこに行ったか知らない? あぁ、あんたはその場にいなかったんだっけ、
その時にいたのは偽キョンだったわね。まあ、どっちでもいいわ、さっきそれのことを思い出して鶴屋さんの部屋に取りに行ったら、
誰かが全部食べちゃってたのよ、鶴屋さんも知らないって言うし、みくるちゃんと有希にも聞いたけど食べてないって言ってるのよ。
あの時考え事しながらだったから結構な量を作ったのよね、ちょっと一人では食べきれない量のはずなんだけど」
ハルヒは隣にいた古泉の方にも問いただす。
実は俺には心当たりがある、ていうか、食ったのは俺と朝比奈さん(大)なのだが、それでも平らげることはできない量だったのだ。
だから半分以上残していたはずなのだが、それがすべてなくなっていたって事はどういうことなんだ?
誰かが残りを食べたというならこの中にいるはずだ。しかし、全員に訊いて回ったところ誰も食べていないそうだ。
まさか、俺たち以外に誰かいるってんじゃないだろうな。
お前が真の黒幕だろうとどうだっていい、少しくらいなら遊びに付き合ってやるからさ、だからハルヒ、へんな考えを起こすなよ。
特に、俺たち以外に誰かがこの別荘にいる、なんてことをな。
「あ、すまんハルヒ、それなんだが実は俺の偽者のやつが食べてたぞ、て言うか俺も少しばかり食べちまったんだが……」
誰かが犯人として名乗り出ればハルヒが変な考えを起こさないだろうと思ってとっさに手を上げてしまった。
ハルヒが作った料理を無断で食べちまったからな、何か文句ぐらいは言ってくるだろうと思っていたが、意外とハルヒはおとなしく、
「ま、食べちゃったんならいいわ、偽者の方はともかく、あんたはあのパスタのことあたしが作った夜食だって知らなかったんでしょ?
それに、あの後あたし朝まで寝てたから、せっかく作ったパスタが冷めて固まって食べられなくなるところだったしね」
そのせいで俺の中に妙な考えが浮かんでしまったんだ。
ハルヒがあのパスタを食べたのが俺だと思い込めばそれが現実になるのではないか? という考えだ。
そうなれば、ひょっとしたら俺はハルヒの作ったパスタの残りを食べに、またもやあの時間に行くことになるのかもしれない。
──でも、もしそうなったら今度はちゃんと味わって食べようと思う。
なんせ、ハルヒが作った料理は美味いからな。
おわり
404:新・孤島症候群 ◆VDgHU0rDdk
08/05/26 15:26:24.85 XZgcW1X70
これで終了です、支援どうもでした。
書き始めたのが去年の12月だったから半年もかかってしまいました。
次回はもう少し短めのものを予定中。
405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:32:38.61 3jRFlQy+O
乙です!
最初の方忘れてしまったからまとめで読んできます。
406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:38:23.72 yDeA7jrm0
うおお、投下きてた!
作者さんGJでした!
407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:44:52.58 25a2vU6uO
まさか皆で時間移動するとは予想外だったぜw
GJ!
408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 15:45:27.49 6oEl960Z0
おぉ!投下きてたのか・・・
作者GJ
そして次の投下に期待・・・おれもなんか書いてみよっかな
409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 16:13:07.57 B1VIcIBY0
ほ
410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 16:25:19.85 GcwMvz0kO
作者さんお疲れ様でした。
411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 17:01:08.38 ORzDq8aPO
今夜8時頃投下するかもしれん
412:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 17:03:02.71 6oEl960Z0
おぉ 投下まってるぜ!
413:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 17:07:04.89 ORzDq8aPO
IDが…orz
414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 17:46:41.23 25a2vU6uO
保守
415:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 17:53:48.89 yDeA7jrm0
本スレ復活したと思ったらもう500越えか
やはり本スレはいいなw
416:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 18:18:06.16 6oEl960Z0
えいち おー えす わい ゆー
保守
417:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 18:34:37.39 n2YGj16T0
保守
418:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 19:31:45.16 /PbRj9WC0
ほしゅ
419:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 19:43:55.38 501dwzFg0
SOS大戦の作者です。
>>522さんが投下を終了次第、僭越ながら第2話以降を投下させて頂きますm(__)m
420:みるく ◆MILKELR6d6
08/05/26 19:59:18.34 n10dlaGQ0 BE:1174723867-DIA(123555) 株主優待
やめてください
421:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 20:07:48.68 /PbRj9WC0
ほしゅ
422:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。
08/05/26 20:12:06.78 ORzDq8aPO
>>530
紙に書いたのを打つのに予想外に激しく時間がかかりそうなのでどうぞお先に投下を!
423:SOS大戦第2話・1
08/05/26 20:19:17.61 501dwzFg0
>>533
了解です。では、お先に失礼しますm(__)m
第2話『プレリュード』
なぁハルヒ、俺たちなんでこんなもんに乗っちまったんだ?勢いで俺も乗っちまったが、こりゃ我ながら無謀極まりないね。
『なにボサっとしてんのよ!!いくわよ…あたしたちが学校を守るのよ!!』
んなこと言われたってな……シートに座ったまでは良いが、お前が俺の膝の上に乗ってるおかげで、俺は前が見えねぇんだよ。
『あんたはそれでいいの。』
……は?
『いいから、あんたは言われた通りにしてなさい。……!くるわよ!!』
なに?とハルヒの背中から顔を覗かせて正面を見るやいなや、機体がガクンと揺れる。いつの間にか接近してきた敵からの砲撃だ。
『うわっ!』
思わず声を上げちまった。咄嗟のことに声が裏返ってたな、情けない。
うぉっ!おいハルヒ!もうちょっと安全運転はできないのか!?このまんまじゃ酔いそうだ。
『仕方ないでしょ!これでも精一杯やってるのよ!!』
珍しくハルヒがいっぱいいっぱいな様子で怒鳴っている。って当然か。それもそうだよな、今俺たちは……
命のやり取りをしてる。
いくら不思議体験を経験しようが、こればっかりは誰だって怖いだろう。確かに、俺は朝倉に命を狙われた。
だからって命を狙われることに慣れるわけなんてねぇ。それに、あの時は長門たちが助けてくれた。
今だってほとんど俺はなにもしてないかもしれない。でも前と同じくらい、いやそれ以上に頭の中がめちゃくちゃだ。
俺でさえそうなんだ─ハルヒは、もっと辛いに決まってる。