08/06/24 02:19:42 aTr/Cvto0
「どうだ、小樽は梅雨時でも涼しいだろ。そもそも梅雨がないからな、ここは」
「はぁ、助かったでゲソ。あのまま”れもん”にいたら、いいかげんカビが生えてくるでゲソ」
「いつまでもは居れないぞ、一泊二日だ。千鶴さんに八つ裂きにされるからな」
「はぅっ! …か、帰りの飛行機のチケットは取れてるでゲソか…?」(ガタガタガタ)
「心配すんなって。ところでどうだ小樽は。お前、初めてだろ?」
「んー、港ばかりで、砂浜がないゲソね。泳げなくてつまらないって人は居なイのカ?」
「海水浴場か? なら銭函とかが近いけどな。どっちにしてもまだシーズンじゃないしな」
「そーいえば、北海道は涼しいから、夏はあまり盛り上がらないって聞いたでゲソ」
「短い夏だから、盛り上がりたいってみんな思うんだよ…」
「ふーん…あ、海の家が出てるでゲソ! 一緒になにか食べなイカ?!」
「あ、あれはただの屋台だ…って、ちょ、離れろよ、恥ずかしいだろ!」
「ふふーん、お前はラブラブファイヤーが弱点だってことは調査済みでゲソ。さ、れっつごーでゲソ!」
「らっしゃーい。おやーカップルさん、とうきびにすっカイ?」
「とうきび? ってなんでゲソ?」
「とうもろこしの事だ。北海道の網焼きでは定番だな」
「あら、イカ帽子のお姉さんはとうきび嫌い?なら、これにすっカイ?」
「これは帽子じゃないでゲソ! …ってこれは?」
「よかったら試食してみっカイ?」
「それじゃ…んんん! 海の香り、しょうゆの味わい、もち米の甘さ…おいしさの三重奏でゲソ!
屋台料理なのに、奇跡の料理に出会ってしまったじゃないイカ! ”れもん”でも出してみたいでゲソ!」
「これはね、イカポッポって料理サァ。函館生まれなんダァ?」
「イカポッポ? って…イカ!? ま、まさか…」
「…イカの胴体にもち米を詰めて、しょうゆで炊いた料理だ」
「ぎ…ぎぃやーーー!!! 共食い! 共食いしてしまったでゲソ! やっぱり人類は最低の生命体でゲソ!
…で、でもおいしい…! くっ、くやしいじゃなイカ!」(ばくばくばく…)
「…おもしろいカノジョさんだねぇ、兄ちゃん」
「タクランケ(アホ)なんです、ほっといてください」