08/06/12 12:22:29 N2tAsWlZ0
「あ……、ちづ……姉?」
「千鶴アルか。どしたネ、そんな恐い顔をして」
「夏美ちゃんから離れなさい!」
古はやれやれと言わんばかりに首を振ると、
「……え?」
次の瞬間、古は千鶴の目の前に移動していた。顔と顔が触れ合わんかの距離でニヤッと笑い、千鶴の胴に
両手を押し当て―
「はっ!」
短く息を吐くと、一瞬遅れて千鶴の背中が爆ぜた。肉片がびちゃっ、と床一面に飛び散る。腰からほとん
ど真っ二つにされた千鶴は、脊椎の支えを失い垂直に崩れ落ちた。倒れた時にねじれ、足と胴体が逆を向いている。
「ちっ、……ちづ姉ぇぇっっっっ!」
夏美がすごい悲鳴をあげている。古はちょっと顔をしかめながら夏美の下へと歩いて戻った。
「ちづ姉っ、ちづ姉っ、ちづ姉っ、ちづ……」
「うるさいネ」
古が夏美の喉をひと突きにした。指を深くめり込ませ、かき混ぜるように動かすと、夏美はそれきり声を
出せなくなった。
「さあ、ゆっくり楽しむアルヨ」
古は両手を持ち上げ、指をくねくねと動かすと、その指で夏美の全身を貫いた。こめかみ、耳の裏、乳房、
腋の下、太もも、下腹……。突かれるたびに夏美は体を震わす。全身の穴という穴から血や体液を垂れ流し
悶える、その姿はまるで悦んでいるようにさえ見えた。小便が勢い良く放物線を描く。
「ふむふむ、勉強になるアルヨ」
眼窩に指を掛け、ぐいっと力を込めると、目玉がにゅっと飛び出した。夏美はよだれを垂らして恍惚の表
情を浮かべる。古は飛び出た目玉を指先でつまみ上げ、ひと通り観察すると、ひょいっと口に放り込み舌の
上で転がした。
「ほれはなかなかおいひいアルヨ、なふみ」
奥歯で噛み砕く。ぐちゃっと目玉が破裂した。そのままくちゃくちゃと何度か咀嚼し、ぐいっと飲み込む。
「次はどこにしようカ……」
腹に掌を当て、ぐっと力を込める。手首のところまでずぶっとめり込んだ。腹の中でぐるぐる手をかき混
ぜると、それに合わせて夏美の体が踊った。ぐっと何かをつかみ、引き出す。どくんどくんと脈打つピンク
色の筒。引っ張るとどこまでも伸びた。引きちぎり、食らう。口の中に血の匂いが広がる。
「内臓も悪くないネ。うーん、あとはやっぱり……」
古はくり抜かれた眼窩に指を掛け、力を込める。ミシミシと音をたて、頭蓋が裂ける。ピンク色の脳が、
隙間から覗いた。古はペロリと舌を出すと、腕に込める力を増し……。
明日菜は顔をしかめながら部屋を見回した。
「くーふぇの奴、これはこのかといい勝負ね。……これで二人、えーっと……、刹那さんを含めずに数えて、
合計で……八人か」
あと一息だ。ネギに知られる前に、片をつける。やれるか? 大丈夫、やれる。なぜなら私は一人じゃな
い。仲間がいるから。一人では無理でも、私たちなら、きっと。
目を閉じ、犠牲者に黙祷を捧げると、明日菜は部屋を後にした。次の標的に向かうために……。
「ねぇ、ここ、見つからないかな?」
怯えた様子のハルナは、夕映の手を握りながら、不安そうにあたりを見回していた。
「だ、大丈夫ですよ、きっと」
根拠のない励ましだと思ったが、それでも今は夕映がいてくれるだけで助かっているのは否定できない。
一人で逃げ回っていたらとても、気持ちが保たなかっただろう。感謝せねば。夕映だけではない。もう一人、
のどかにも―
「あれ? のどかは?」
それを聞いた途端、夕映が何やらあわてだした。不審がるハルナ。そして偶然か、それとも第六感が働い
たのだろうか、ふとハルナが振り返ると―、そこには手にロープを持ったのどかが立っていた。
「のど―」
素早くロープをハルナの首に掛けると、のどかは一方の端を夕映に渡し、
「引いてっ!」
言われるままにロープを握り、目を閉じてぎゅっと引く。ぐげげっ、という呻き声が聞こえた。
811:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:22:51 N2tAsWlZ0
「……え、夕映っ」
ハッと気が付き目を開けると、のどかの顔が見えた。
「もういいよ、夕映」
指差された床を見下ろすと、ハルナが物凄い形相で倒れていた。目玉は飛び出し、口から舌が飛び出して
いる。首には爪でかきむしった赤い跡が何本も付いていた。
「大丈夫、うまくいったから」
「のどか……私、私はっ」
「大丈夫よ、夕映……」
震える夕映を、のどかは優しく抱き締めた。ぬくもりが体に染み、震えが止まっていく。二人は見つめ合
い、どちらからともなく唇を重ねた。そのまま、お互いの体をまさぐり、服を剥いでいく。
(何をやっているですか、自分)
夕映の頭の奥で、これは異常だと警告を発するのが聞こえた。異常で何が悪い。何でもいい、今はこの手
に残る嫌な感触、さっきの出来事を忘れさせてくれるのなら……。
やがて二人は下着だけの姿となった。のどかはゆっくりと夕映を押し倒し、上に覆いかぶさると、夕映の
ブラジャーを外し始めた。夕映も、のどかのブラジャーに手を伸ばす。二人の白くなだらかな胸を覆い隠す
ものが取り払われた。のどかはしばしの間、夕映の裸を見つめ、そして恐る恐る、その小さなふくらみに手
を触れた。
「あ……」
夕映は思わず声が漏れた。恥ずかしげに頬を染めると、お返しとばかりにのどかの胸を撫でる。今度はの
どかが嬌声を上げた。のどかは夕映と胸を揉み合いながら、片手を夕映の下半身に伸ばし、パンティの中に
指を滑り込ませた。
「あっ、だめですっ」
かすかな理性が姿を見せるが、のどかの指使いに一瞬で吹き飛んでしまった。夕映の喘ぎ声が大きくなる。
「あっ、ああっ、のどかぁっ」
のどかは夕映を弄びながら、反対の手を自分の股間に当て、激しく動かし始めた。
「ゆえっ、ゆえぇっ」
「のどかっ、のどかぁっ」
ここでいったん動きを止め、のどかが身を起こした。突然の中断に、夕映は不満そうにのどかを見上げる。
のどかは夕映が何か言う前に、その唇を自分の唇で塞ぎ、その体勢のまま夕映のパンティを脱がせた。次に、
自分のパンティも脱ぎ捨てると、夕映の脚を開かせる。そして、夕映を抱き寄せ、片足にまたがるように座
り込むと、腰を密着させてお互いの股間を擦り合わせた。粘膜が触れ合い、ぴちゃぴちゃと音が鳴る。
「んんんーっ!」
まだ唇は重ねたままだ。舌と舌が絡み合う。互いの唾液を吸い合い、胸を押しつけ合い、最も敏感な部分が繋がり合う。腹から尻に
かけてが、まるで漏らしたかのようにぐっしょり濡れた。
やがて、夕映が限界に達した。びくっと一度、身体を大きく震わすと、唇を離して絶叫し、弓なりに反り
返った。細かく痙攣する夕映。のどかはますます激しく腰を振った。ついに限界を越え、夕映の尿道から液
体が噴出した。液体はのどかの敏感な部分を直撃して飛び散り、霧のように舞った。その衝撃にのどかも限
界に達し、仰け反って悲鳴を上げた。意識が白に包まれ、全身の力が抜けていく……。
先に目を覚ましたのはのどかだった。身を起こし、安らかな寝息を立てる夕映を見下ろすと、のどかは、
夕映を起こさぬよう慎重に馬乗りになった。そして、その首に手をかけ―、
「……っ、ごめんね、夕映っ!」
しばしためらいながらも、ついに意を決し、力を込めた。夕映が目を覚ましてもがく。その手がのどかの
腕を握り、爪が食い込んだ。激しい痛みを感じながらも、決してのどかは力を緩めなかった。
「ごめんねっ、ごめんねっ!」
気が付くと、腕をつかむ力を感じなくなっていた。恐る恐る、力を抜き、首から手を離す。
夕映は、もう動いていなかった。
見開いた目をそっと撫で、まぶたを閉じてやると、のどかは無性に悲しくなった。
「……うっ、うぇっ、うぇぇぇぇっ!」
涙があふれ、頬をつたう。のどかは物言わぬ夕映の頭を胸に抱き締め、泣きじゃくった。
812:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:22:57 s4rght6O0
事件に触発されたのかまた荒らし始めたな
813:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:23:39 N2tAsWlZ0
「……ぐすっ、ひっく」
ひとしきり泣いて、気持ちが落ち着いたのどかは、脱ぎ捨てた制服から携帯を取り出した。そして、深呼
吸を一回した後、通話ボタンを押した。
「……うん、わかった。ありがと」
明日菜は携帯を切った。
「なんやて?」
「のどかから。二人殺ったって」
「ほかほか、それじゃもうすぐやな」
「うん……、もうすぐだね」
明日菜は携帯をポケットに戻すと、五月の胴に突き刺さった大剣を抜いた。
「もうすぐ、すべてが……終わる」
足音が聞こえる。二つ。明日菜は振り返った。
「来たわね、ネギ。それから……」
「アスナさんっ!」
明日菜を呼ぶ二人の声が重なった。一人はネギ、もう一人は―。
「いいんちょ」
「アスナさん、あなた一体何を考えてるんですか!」
「アスナさん、このかさん、その……投降して下さい! 他の人たちはみんな、捕まりましたよ!」
悲痛な顔で呼び掛けるネギ。一方、その傍らに立つあやかは、厳しい顔つきで明日菜を睨んでいる。ネギ
がどうすべきか迷っているのを見て、あやかは一歩踏み出してかばうように前に立った。
「下がっていてください、ネギ先生。……アスナさん、わたくし、あなたのことを友人だと思っていました
のに! 今ならまだ、間に合いましてよ」
「間に合う? 何が?」
鼻で笑う明日菜に、あやかはぐっと返答に詰まる。確かにこんなことをしでかして、今更ただで済むはず
がない。空しいことだと感じつつも、あやかは説得を続けた。
「……そもそも一体なぜ、あなたがこんなことを!? アスナさん、答えなさい!」
「……ネギのためよ」
「ぼ、ぼくの?」
意外な返答にあわてるネギ。
「そ、そんなこと、ぼく頼んでませんよ!」
「そうですわ! ふざけるのも大概にしなさい!」
あやかが憤慨して明日菜に詰め寄り、襟をつかむ。あやかを冷たく見下ろすばかりで何も言わない明日菜
にかわって、このかが説明を始めた。
「あのな、ネギ君をお父さんに会わせてやるんや」
「お父さんに!?」
「どういうことですの、このかさん!」
「ネギ君のお父さんは、今、魔界ゆーところにおるんよ。だから、生け贄を捧げなあかんねん」
何を言っているのかわからず、混乱するあやか。すると、明日菜が口を開いた。
「……つまりね、こういうことよ、いいんちょ」
「……え?」
次の瞬間、あやかの胸を明日菜の巨大な剣が貫いた。心臓を完全に破壊されて、あやかは絶命した。
「いいんちょさん! ア、アスナさん、なんでこんなひどいことを!」
「言ったでしょ。あんたをお父さんに会わせてやるためよ」
「魔界の入り口を開くには、十三人の生け贄を捧げなあかんのよ、ネギ君。けどもう終わりや。いいんちょ
で、ちょうどピッタリ十三人」
まるで罪の意識を感じていないように、にっこり微笑むこのか。明日菜はそれを見ると表情を曇らせた。
「違うわ、このか」
あやかの亡骸が床に落ちて音を立てる。その一瞬で、明日菜はこのかの足元に移動していた。身を屈めた
態勢のまま剣を一閃、横薙ぎにする。
「―これで十三人よ」
胴に刃が食い込み、くの字に曲がる。このかはそのまますさまじい勢いで床に叩きつけられた。血を吐き
ながら、このかは力を振り絞り明日菜を見上げる。信じられない、という表情で。
「……な……んで……」
「……刹那さんは、ヒトじゃないから」
このかはピクリとも動かず、もはや明日菜の返事も聞こえていなかったのかも知れない。ゆっくりと歩み
寄り、とどめを刺すべく明日菜が剣を振り上げたのを見て、ネギが止めに入った。
814:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:24:31 N2tAsWlZ0
「どきなさい、ネギ」
「……アスナさん! ……もう、やめて下さい!」
明日菜はいささかも心を動かしたように見えない。手を広げてこのかと自分の間に立ちふさがるネギを、
明日菜は無造作に押しのけた。たたらを踏んで振り返るネギ。
「やめ……!」
ネギの叫びも空しく、剣が振り下ろされた。このかの首が転がり、虚ろな目がこちらを向いて止まった。
「うっ……、うわあああっ! このかさんっ、このかさんがっ!」
ネギはこのかの首に駆け寄り、手を伸ばす。明日菜はそれを後ろからやさしく抱き寄せた。
「はっ、放してくださいっ、あ、アスナさんっ!」
「落ち着きなさい、ネギ」
明日菜はネギを振り向かせ、目を見据えた。ネギはびくっとして固まる。
「もう死んだ子たちは帰ってこないわ。今やめたら全て無駄よ。儀式を続けましょう」
「儀式……?」
「そう、最後の仕上げよ……」
そう言うと、明日菜は服を脱ぎ始めた。
「どうしたの? ほら、ネギも脱ぎなさい」
はらり、スカートが落ちる。ネギはどうしたらいいかわからず、顔を手で覆った。
「ほら、早く」
下着姿の明日菜が急かすが、ネギが動かないのを見ると、自らネギの服を脱がせ始めた。
「仕方ないわね、ネギ。……、あら、こんな状況でも元気なのね」
ネギのトランクスが、ぴょこんととんがっている。明日菜はクスッと笑った。
「手間が掛からなくていいわ」
「あ、あのっ、ダメですっ、やめて下さい!」
「お父さんに会いたくないの?」
「!」
「必要なことなのよ……さぁ」
明日菜はネギのトランクスを脱がすと、勢い良く飛び出したかわいらしいペニスに軽く口づけした。
「あうっ」
「さあ、横になって」
ネギを仰向けに寝かすと、つけていた下着を外し一糸まとわぬ姿になる。思わず息をのむネギ。明日菜は
ネギにまたがると、自分の股間に手を当て、割れ目をネギに広げてみせた。
「ほら、ここに入れるのよ……」
「あ、アスナさん、ぼく、ぼく……」
明日菜がぷるぷる震える竿に触れると、ネギは短く呻いた。一瞬ためらうが、気を取り直し、しっかりと
それをつかむ。そのまま、自分の股間へと導いていった。ネギのペニスが、明日菜の手の中で今にもはち切
れんばかりに激しく脈打つのを感じる。
「んっ……」
亀頭が陰唇に触れた。熱い感触に明日菜が思わず腰をくゆらすと、反応してネギが声を洩らした。
「いくよ、ネギ……!」
恐る恐る、という感じで明日菜が腰を沈めていく。ずぶっ、ずぶっ、と明日菜の中にネギのペニスが入っ
ていき、やがて奥に達すると明日菜はふーっと息をついた。
「……どう、ネギ?」
「あ……熱いです」
「ふふっ」
明日菜の膣にペニスをきつく締め付けられて、ネギはまともな思考力を失っていく。
「それじゃ、動かすね……んんっ」
明日菜はぎこちなく、腰を上下させ始めた。だんだん呼吸が荒くなっていくにつれ、腰の動きも大きくな
っていく。
「ああっ、ネギっ! ネギっ!」
「アスナさんっ! アスナさあぁぁんっ!」
いつの間にかネギも、明日菜の動きに合わせて腰を突き上げ始めていた。
「ああっ、いっ、いいっ、いぃぃぃいっっ!」
「アスナさんっ、で、出る、出るよぉっ!」
「来てっ、そのままっ、ネギっ、来てぇぇぇっ!」
ひときわ高く突き上げると、ネギはびくんびくんと腰を震わせた。熱い奔流が胎内に注ぎ込まれ、明日菜
は身を仰け反らせて叫んだ。そして、くたっと前に倒れこむ。胸に体重が掛かり、ネギが軽く呻いた。
「よかったわよ、ネギ……。さぁ、これで儀式は完了よ」
815:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:24:51 N2tAsWlZ0
明日菜が耳元でささやく。まだ呼吸が荒い。
「あ、アスナさん、ぼくは……!?」
突然、二人のいる床が光の輪に包まれたと思うと、体が地面に沈み始めた。本能的な危険を感じ、あわて
て身をよじるが、明日菜が上に乗っていてうまく動けない。
「アスナさんっ、ダメです! ここは危険です! 早くどかないと!」
「いいのよ、これで……。さあ、お父さんに会いにいこう」
明日菜は身を起こし、ネギを見つめると唇を重ねた。その間にも二人の体はゆっくりと闇に沈んでいく。
「二人で……」
やがて二人の姿が完全に沈み込むと、光の輪は急速に縮み、消えてなくなった。
しばし遅れて、その部屋に入ってくる人影があった。金髪の少女は死体の転がる部屋を見回すと、苦々し
げに吐き捨てた。
「ちっ……、バカどもが……」
間に合わなかった。せっかく知恵をつけてやったというのに。まあいい、今回は失敗でも、私には無限の
時間がある。いずれ、必ず……。
険しい表情を浮かべ、もう一度だけ辺りを見回すと、エヴァは長い金髪を翻して部屋を立ち去った。
廊下を歩き去るエヴァは、もう二度と振り返らなかった。
816:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:28:19 N2tAsWlZ0
「おい、誰にも見られてないだろうな……でしょうね、先生!?」
深夜の女子寮。千雨はキョロキョロと辺りを見回しながら少年を部屋に招き入れる。
「ハイッ! 大じょ……モガ」
「バッ! 声が大き……いですよ」
元気のいい返事に、あわててネギの口を左手でふさぎ、右手の人差し指を立て「しーっ」とジェスチャー
をすると、ネギはしゅんとなった。
「ご、ごめんなさい」
「い、いいから早く入れ……入ってください」
「ハ、ハイ」
もう一度外を見て、誰もいないのを確認すると、千雨はふーっと息をつき、静かに扉を閉めた。
まったくこれだからガキって奴は。どうしてこんな奴に私は……。
「あの、千雨さん?」
「なっ、なななっ、何だ!? ……ですか?」
いかんいかん。落ち着け。こんなガキにペースを乱されてどうする。しっかりしろ、自分……。
平静を装いながら千雨は振り返った。しかし、ネギの手に握られたものを見て、なけなしの冷静さも一気
に吹き飛んでしまった。ネギがにっこりと笑って、それを突き出す。
「今日はこれを着てくださいね、ちうさん」
「なっ……何だそりゃ!?」
それは紺色の、今では使われていないタイプのスクール水着であった。中央に縫い付けられた白いゼッケ
ンには、黒の太いマジックででかでかと、「3‐A ちう」と書かれている……。
「これは、スク……」
「知ってるよ! じゃなくて、何で私がこんなもん着なきゃなんねーんだ!」
「えーっ、だって、こないだ『何でも好きな服着てやる』って言ったじゃないですか」
「うっ……」
ああ、言ったさ。だが、よりにもよって、何故スク水なんだよ! 誰だ、こいつにいらん知恵つけさせた
のは!?
悶々とする千雨に、ネギはニコニコしながら「ハイッ」とスク水を渡す。引っ込めるつもりはないらしい。
千雨は観念してそれを受け取った。
「……仕方ねーな」
不機嫌そうな顔でスク水を引ったくると、ネギは心から嬉しそうに、
「ありがとうございます、ちうさん!」
かわいらしい笑顔を真っ正面に向けられて、ついつい頬がゆるむ千雨。
……はっ、何を考えてるんだ。そんなことだから、いつも最後は押し切られるんだ。あーっ、くそっ!
「……こ、今回だけだからな。……な、何見てんだよ! あっち向け、バカ!」
「すすすっ、すいませんっ!」
制服を脱ぎ始めても、ネギがじっと見つめ続けているのに気付き、あわてて向こうを向かせる。ネギは耳
まで真っ赤になりながら、後ろを向いて目を手で覆った。
「見たら殺すからな!」
目を閉じたネギの耳に、すっ、すすっ、と衣擦れの音が聞こえる。ふぁさっ、と今落ちたのは上着かな?
すると今脱いでいるのは下着、今振り返ったら一糸まとわぬ姿の……。
「見るなよ!」
「ハ、ハイッ」
よく考えたら、千雨の裸を見るのは別に初めてでは無いのだが、目を閉じた後ろで服を脱いでいる……
そのシチュエーションを想像すると、ネギは無性にドキドキしてきた。
817:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:29:19 N2tAsWlZ0
「……いいぞ」
「えっ?」
「着替え終わった、ってんだよ」
そーっと振り返るネギ。そこには、頬をちょっと赤らめ、ブスッとしたスク水姿の千雨が立っていた。
「うわーっ、やっぱりちうさんは素敵です!」
「あっ……当たり前だろ、このちう様に似合わない衣裳なんてあるわけねーよ」
やはり誉められると嬉しいのか、千雨の口元がにやける。照れ隠しのつもりか、いつもの強気なセリフを
吐き、フンッ、と胸を突きだしてポーズを取る。
「やっぱり思ったとおり、いえ、思った以上にきれいでカワイイですよ」
まったく裏表のない笑顔で称賛の言葉を浴びせてくるネギ。あんなに恥ずかしかったこの格好が、いつの
間にか豪華なドレスを着ているかのような気分にさえなる。
あーっ、いつものパターンだ。いつも、この手で乗せられちまうんだ。くそっ、わかってるのに……。
「ちうさん、ポーズをとってみて下さい、ほら……そう、素敵です、ちうさん! さあ、次は……」
ネギは調子に乗って、次々ときわどいポーズを要求してくる。はじめは乗せられていた千雨だったが、ふ
と我に返ると、急に恥ずかしさが込み上げてきて、
「……やめだやめだ!」
「えーっ」
「えー、じゃねえ! だいたい何だこの水着、サイズ小さすぎて痛いんだよ!」
「え、大変です、どこが痛いんですか?」
「どこって、その、胸とか……い、いろいろだよ!」
千雨の着ているスク水はあきらかにひと回り以上小さく、胸には深い谷間ができていて今にもはちきれそ
うだ。それに、脚を広げたポーズをとった拍子に股の部分が食い込んで、まるでTバックのようになってい
る。もちろん、ネットアイドルをやっている以上身だしなみには人一倍気を使っており、アンダーヘアがは
み出すようなはしたない真似はしていないが……。
「とにかく、擦れて痛い……コラ、触るなっ!」
ネギが、ツンと立った胸の突起や水着の股間にくっきり浮かんだスジを撫でた。
「ここですか? どうです、楽になりましたか?」
「あっ、やめっ……ひゃあっ! こ、この……いい加減にしろっ!」
「あたっ」
ぽかり、ネギの頭をはたく千雨。ひるんだ隙に間合いを取り、真っ赤な顔でにらみ付けた。
「調子に乗るな! これだからガキは……」
「ご、ごめんなさい……」
千雨が怒るとネギはしゅんとなって謝り、千雨を涙目で見つめる。その仕草に思わずたじろぐ千雨。攻守
が入れ替わった瞬間だった。
ちくしょう、この目に弱いんだよな……。
「あの、許して下さいっ」
「……わかったよ」
「ありがとうございますっ」
「わっ、バカ」
千雨の返事にネギは満面の笑みを浮かべ、ガバッと飛び付いてくる。不意を突かれた千雨はそれを支えき
れず、後ろへ押し倒される格好になった。
「ごごごごめんなさいっ」
「いてて……。こ、このヤロ……っ!」
め、メガネ!
倒れた拍子にメガネが外れてしまったらしい。素顔を見られることに慣れていない千雨にとって、このメ
ガネは本当の自分を守る鎧、メガネなしだと裸を見られるも同然だった。至近距離で直に見つめられて、恥
ずかしさのあまり顔から火が出そうだ。
「あ、あのっ、どどどっ」
コラ、どけっ、このっ……お願いだからっ! だめなんだよ素顔は、わたし……!
恥ずかしくてしどろもどろになる千雨、その顔にネギの顔が迫り……
「ごめんなさい、ちうさん」
バカ、やめろっ、コラ、そんな目で……。
「んっ!」
唇が重なった。
千雨の頭が真っ白になる。しばしの間、目を閉じて唇を重ね続け……そしてゆっくりとネギの唇が離れた。
目を開けたときにはもう、恥ずかしさもどこかに吹き飛んでしまっていた。
818:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:29:45 N2tAsWlZ0
「その、ちうさん……あんまりかわいかったから、つい……」
「……言って」
「え?」
「もっと言って下さい、ネギ先生! 私のこと、かわいいって!」
真剣な表情で懇願する千雨。
「は、はい、その、ちうさん、いえ、千雨さんは……スゴく、かわいいです! 千雨さんは、きれいで、か
わいくて……ぼく、大好きです!」
千雨の胸が熱いもので満たされていく。
こいつは、いつもそうだ……ありのままの私を見て、そして認めてくれる。私に、自信をくれる。だから、
私はこいつのことが……。
「あっ……そ、その、千雨さんは、かわいくて、だから、その……」
「もういいよ、先生」
さっきとは逆に、しどろもどろになったネギを微笑みながら優しく抱き締める千雨。そしてこれもさっき
とは逆に……今度は千雨のほうから唇を重ねた。
キスの後、しばし見つめ合う二人。ネギが何か言いたそうにしているのを見て、千雨は先回りした。
「……いいよ」
ネギが勢いよくペニスを取り出し、スク水の上から千雨の股に擦り付ける。心地よい刺激に声を洩らす千
雨。割れ目に食い込んで深い溝ができた股布の部分に、しっとりと染みが広がる。
ネギがスク水の肩の部分を片方ずらして脱がせると、小さな水着に締め付けられていた胸がひとつ、勢いよ
くこぼれた。形のいい乳房の先端で、充血してツンと立ったピンク色の乳頭を指先で転がすと、千雨が艶っ
ぽい喘ぎ声を洩らした。
「あっ、あっ……あぁっ!」
「千雨さんっ、千雨さんっ……うっ」
突然、千雨の股間に当たっているペニスがびくんっ、と震えたと思うと、ネギが体を起こす。その瞬間、
ネギのペニスから大量の精液がぶちまけられた。紺色のスク水の腹の部分に、点々と白いしぶきがかかる。
「ばっ、バカ野郎っ」
「ごごごめんなさいっ」
千雨の叱責に首をすくめるネギ。ネギは千雨を自分の精液で汚してしまったことを怒っているのかと思い、
「その、すすすぐ拭きますから」
「違うよ! そーじゃなくて、早すぎんだよ!」
「え?」
「あーっ、もう……まだ、私が全然、その……き、気持ち良くなってねーんだよっ!」
「あ……、あぁ! そ、そうですね! すすすいません」
「……謝るより、他にすることがあるだろ?」
照れ臭そうに言うと、脚を開き、水着の股布を横にずらした。水気が滴りつやつやと輝くピンク色の秘唇
が外気に晒される。
「ちゃんと気持ち良くしねーと、承知しないからな!」
千雨は顔を真っ赤にしながら、唇を尖らせた。
「は、ハイ、それでは失礼しますっ」
ネギは千雨の股間に顔をうずめ、ピンクの陰唇を舌でなぞった。
「ひゃうっ」
ぴちゃぴちゃとネギが猫のように忙しく舌を動かすと、それに合わせて千雨が背筋を震わせ悶えた。真っ
赤な顔で目を閉じ歯を食いしばり、両手でネギの頭を押さえてこらえる。
「あっ……、やめっ……ひゃあっ」
ネギの舌先が、充血して膨らんだ陰核をとらえると、千雨はたまらず甲高い悲鳴をあげて大きく仰け反っ
た。効果ありと見るや、ネギはそこを集中的に責め立てる。慎重に舌で皮を剥き、肉芽を甘噛みすると、狂
ったように脚をばたつかせる。思わず叫びそうになる千雨だったが、歯を食いしばり、最後の理性でどうに
かこらえた。何しろここは夜の女子寮だ。さすがにそれはシャレにならない。
「んっ……んんーっ!」
なおもネギの責めは続く。
ヤバい。限界だ。もうこれ以上は、やめっ、こらえっ、あっ、ああっ―
「んむーーーーーっ!」
体を大きく弓なりにそらし、細かく震える千雨。大量の愛液がほとばしり、ネギの顔をびしょびしょに濡
らした。千雨はそのまま全身の力を抜いて、くたっと崩れる。ネギが体を起こし見ると、ピンクの秘唇はひ
くひくと痙攣してだらしなくよだれを垂れ流していた。
819:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:30:17 N2tAsWlZ0
「……千雨さん」
「うぁ?」
ごくっと唾を飲み、ネギが千雨に覆いかぶさる。意識が朦朧とした千雨が気だるげに目を開けると、ネギ
の顔が間近に迫っていた。
「いきますよ、千雨さん」
先ほどの射精から回復し、再び痛いくらいに膨らんだ陰茎を、千雨の秘唇へと指で導く。すでに十分濡れ
ているため、さしたる抵抗もなく亀頭がずぷりとめり込む。
「! ちょっ……」
ネギはためらうことなく、一気に腰を突き出した。「あぁーーーっ! あ、あつ、熱いよぉっ」
下腹部に衝撃が走り、からだ全体がじんと熱くなる。焼けた杭を差し込まれたような感触に、たまらず声
を上げる千雨。むき出しになった乳房を乱暴に揉みしだきながら、ネギは腰を振り続けた。
「あ、あっ、せ、先生っ、熱い、熱いのぉっ!」
激しいピストン運動の、パァン、パァンという音が部屋中に響く。そのピッチが上がった。
「くっ、も、もう……で、出ますっ」
ネギがぐっと腰を押しつけた。膣内でペニスがさらに膨らむのを感じる。
「あ、ちょっ、胎内は……」
さすがにそれはマズいだろ、妊娠したらどうする、セキニン取れるのかよ、ガキのくせに、だいたいこい
つは、いつもいつも、あっ―
胎内に熱い奔流が流し込まれ、千雨の思考が中断された。頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなる。
何やら意味不明な言葉を叫びながら、千雨のは意識を失った……。
ヤバい。
ガバッと飛び起きた千雨が最初に考えたのが、それだった。顔から血の気が引いていくのを感じる。
あれだけ大声で叫んでたら、まわりに絶対バレたに決まっている。しかも、ぼんやりとした記憶のなかで、
最後に叫んだのはこいつの名前だったような……。あーっ、一生の不覚、身の破滅だ……!
「千雨さん、千雨さん」
「あ? 何だよっ!?」
誰のせいだと思ってやがる! 涙目で思わずつかみかかる千雨。ネギはちょっとむせながら、
「だ、大丈夫ですよ、他の人には絶対バレませんから」
「な、何でそんなこと……って、もしかして、魔法ってやつか?」
「はい、だからどんな大声出しても平気ですよ」
つくづく何でもアリだな……。ま、いいか、助かったぜ。
ほっと一息つく千雨。そんな彼女に向かってネギはにこにこしながら言った。
「だからもう一回しましょう、千雨さん!」
820:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:35:01 t0HOormp0
ID:N2tAsWlZ0
キチガイ来た
821:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:37:49 N2tAsWlZ0
「…あれ?」
亜子が目を覚ますと、そこは見たことの無い部屋の中だった。
「さっきまで公園におったような…てゆーか、ここはどこやろ」
どうも記憶がはっきりしない。直前まで誰かと話していて、それから急に意識が遠のいて…
「えーっと、確かナギさんが…」
「呼びましたか?」
「ひゃあああっ!」
背後から思いもよらぬ声を掛けられ、亜子は飛び上がって驚いた。
「な、ナギさん…!?」
「ど、どうしたんですか、亜子さん?」
「あ、あの…ウチ、なんでこんなとこに…どうしてナギさんが…」
パニックに陥りしどろもどろな亜子に、ナギ―大人になったネギが近づく。
「やだなぁ、僕たち、デートの途中じゃないですか」
「えっ…あ、あの」
思わず後ずさる亜子、追い掛けるネギ。亜子は壁際に追い詰められた。吐息がかかるような距離まで詰め寄り、
ネギはやさしく囁き掛ける。
「さぁ、デートの続きをしましょう」
亜子は今や、混乱の極みにあった。
こんなことあり得へん、ウチなんかとナギさんが、なんでデートなんか…。
あっ、もしかして…。
「あの、ひとつ聞いてもいいですか?」
「あ、ハイ」
「あ、あの、ウチとナギさんって、…こここ恋人同士でしたっけ?」
「(えーっと、今はデート中だから、デートは恋人同士がするものだってお姉ちゃんが言ってたから…)
…ハイ、僕と亜子さんは恋人同士ですよ」
「…やっぱりそうや」
「?」
ウチとナギさんが恋人同士なんて、絶対あり得へん。ということは…これは夢や!
ようやく納得いく結論を得て、うんうんとうなずく亜子。
「あの、亜子さん?」
「あっ、こ、こっちの話です」
よくわからないという感じで首をかしげるネギ。亜子は、顔を真っ赤にしてうつむきつつ、少しずつ目だけで
見上げてネギの顔を見る。
やっぱかっこええ…。ナギさんと恋人同士やなんて、こんな素敵な夢、せっかくやから楽しまな損や。
「ねえ、ナギさん…」
どうせ夢だという認識が、亜子を普段では考えられないくらい大胆にする。
「キスしても、ええ?」
「えっ…」
「ダメなん?」
あわてて首を振るネギ。
「そ、そんなことないですよ」
その仕草がどことなく幼さを感じさせて、思わず亜子は笑みを漏らす。
「ふふっ、ナギさん、かわええなぁ…」
亜子が目を閉じて、唇をネギに向ける。ネギはちょっとだけためらうと(いいのかなぁ…まあ、いいか)、
優しく唇を重ねた。こう見えて経験豊富なネギのこと、それは完璧なキスだった。
とろけるような感覚に、亜子は脳の芯が痺れてぼうっとなる。
「…亜子さん」
唇を離して微笑みかけるネギに、亜子は思わずくらっとなり、寄り掛かった。
「亜子さん?」
「なんかウチ、体が火照ってきた…」
そういって上着を脱ぐ亜子。そうや、これは夢なんやから、もしかしてあの傷痕も…。亜子は視線を下に向ける。
822:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:38:09 N2tAsWlZ0
しかし、当然ながら傷痕はそこに残ったままだ。あわててはだけた上着を掴んで、裸身を隠そうとする。
「だ、ダメッ」
「待って下さい、亜子さん」
ネギが亜子の手首を掴み、それを押し止める。亜子は抵抗するが、ネギの力は思いの外強く、振りほどく
ことができない。亜子は半泣きになって懇願する。
「放して、放して下さい…」
「(亜子さんに自信をつけさせないと…)聞いて下さい、亜子さん。亜子さんの体、とてもきれいですよ」
「えっ…」
「ほら、もっとよく見せてください」
そう言いながら、ネギは手早く亜子の上着を脱がせていった。
「自信を持って下さい、亜子さん。亜子さんの肌はこんなに白くて、きれいで……」
「……でもっ、傷がっ」
(うーん、やっぱり気にしてるんだなぁ、どうしよう。……そうだ!)
「亜子さん、ちょっと目を閉じて下さい」
「?」
言われるままに目を閉じる亜子に、ネギが魔法をかける。
「……目を開けて下さい、亜子さん」
「えっ……き、傷が、傷がない!」
「ほら、こうすれば亜子さんの肌の綺麗さがよくわかるでしょう? これは幻術で、一時的なものですが……
って、あの、亜子さん?」
「……やっぱり」
「え?」
「これは、夢や」
「夢? あ、そうです、夢です」
調子に乗って魔法を使いすぎたネギだったが、夢だと思い込んでくれれば後始末の手間が省ける。
「夢だけど、亜子さんが綺麗なのは本当で…… って亜子さん、な、何を!」
「どうせ夢なら、楽しまな損や」
突然、亜子がブラジャーを外し始めて、ネギは大いにあわてた。
「こんなHな夢を見るなんて、ウチって結構エロエロやったんやなぁ……」
スカートを脱ぎ捨て、下着に指を掛ける。ネギはどうすることも出来ずただ、おろおろするばかりだ。
「あの、ちょっと、亜子さん!? 待っ……」
一糸まとわぬ姿で、亜子が強引にネギの唇を奪う。
(ああ、亜子さんの唇って柔らかいなぁ…… それになんだか、いい香りがする)
「……ナギさん」
「は、はいっ」
ちょっと恥ずかしそうに顔を赤らめながら、それでも普段からは考えられない大胆さで、
「抱いてください」
亜子はネギに抱きついた。
「え、は、はい」
反射的にネギは亜子の肩を抱き締める。そのまま、しばらく時間が流れ、
「……あの、ナギさん?」
亜子が怪訝そうにネギの顔を見上げる。
「あの、抱くって、その……」
薬で大人の姿になっているとは言え、中身はしょせん十歳の子供。実は、亜子の言っていることがよく
わかっていなかったのだ。戸惑うネギを見て、どう勘違いしたのか亜子はくすっと笑い、
「もう、女の子にここまでさせるなんて、ナギさんはひどい人やなぁ」
そう言って、ネギの服も脱がせ始めた。
「わあっ、じ、自分で脱ぎますっ」
あっという間にネギも裸に剥かれる。何が何だかわからず、ネギは半分パニック状態だ。
823:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:39:02 N2tAsWlZ0
「これが、男の人の……」
亜子が、興味深々といった様子でネギのペニスを見て、指でなぞる。半勃ち状態だったそれは、その刺激を
受けて、完全に硬くなった。
(うわ、おちんちんが熱い! ぼ、ぼく、どうなっちゃったんだろう)
亜子は、愛しげにそれを撫で回すと、ひざまずいて先端に軽く口づけをした。
「あうっ、あ、亜子さん、何をっ」
「ふふっ、何か可愛ええなあ」
どうやら男性器の造形が気に入ったらしく、亜子は興味深げに観察している。恥ずかしくなったネギが
後ずさりすると、ネギを追って亜子も迫っていく。そしてそのまま、壁ぎわまで追い詰めると、ネギのペニスを
パクっと口に含んだ。
(うひゃぁっ、な、何、この感じ、おちんちんが熱くて、くすぐったくて、変な感じだ)
ちゃぷちゃぷと音を立てて、ネギのペニスをしゃぶる亜子。
(あ、あっ、なんか、何か出るっ)
「あ、亜子さんっ、だ、ダメッ」
「んむっ!?」
慌ててネギが亜子を押して引き離す。その拍子にネギは勢い良く射精して、亜子の顔面にしこたま白濁液を
ぶちまけた。それは、ネギ初めての射精の瞬間であった。
「きゃあっ」
「ごごごごめんなさい亜子さん、ぼく、よくわからなくて、その……」
慌てて顔を拭おうとするネギの手を取る亜子。
「待って」
「えっ? で、でもその」
「それより、今度はナギさんの番でしょ」
「な、何でしょうか」
「もうっ、ナギさんってば、こんなことまで言わせて、恥ずかしいなぁ」
そう言いながら、亜子はネギの手を胸から、そのままゆっくりと下へと導き、自らの股間へと持っていく。
ネギの指先にぬるっとしたものが触れた。
「ウチを気持ち良くさせて下さいってことです」
――
「あっ、あのバカ、何てことをしやがる!」
双眼鏡を握り締めながら幼女が叫んだ。薬で子供になった千雨である。しょせん中身は子供のネギがうまく
亜子を元気づけてやれるかどうか、不安になって監視していたわけだが、どうやら予想していた展開とは
逆の意味でまずいことになってきたようだ。
「ガキのくせに、教師が生徒に手を出すとは……ってか、むしろ手を出したのは和泉の奴のようだが」
千雨がふるふると首を振る。
「……じゃなくって! どっちにしろヤバいだろこれは! おい、止めに行くぞ」
「はい、ですが……」
歯切れの悪い返事を返す茶々丸に、千雨はいらいらを隠せない。
「ですが、何だ?」
「ここは、飛行船の中ですので……」
「あっ」
ネギが亜子を連れていったホテルの部屋は、位置関係的に監視できるような場所がほかになく、千雨たちは
空の上からの監視を余儀なくされていたのだった。言うまでもなく飛行船の中は完全な密室、途中下船は
できるはずもない。
「しまった……」
がっくりとうなだれる千雨を、小太郎が覗き込んで尋ねる。
「何や、ネギの奴何しよったんや?」
「黙れ犬っころ」
「いっ……! 何を抜かす、このクソガキ!」
「ガキはお前だろーが!」
「あの、喧嘩は……」
「……!」
三人を乗せた飛行船は、ゆったりと空を流れていった。
824:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:39:33 sGPTCAef0
おお、透明あぼ~んですげえ快適になった
825:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:40:17 N2tAsWlZ0
「あの、こうですか?」
「うん、そうや、そこを優しく……あっ」
「あ、す、すいません」
「ううん、今のよかったで、もっと……」
ベッドに横たわる亜子を、ぎこちなく愛撫するネギ。状況に流されるまま、亜子の秘所や乳首、首筋など
至る所を責め続けていた。
(うーん、ぼく、何をやってるんだろう……いいのかな、何だか先生としてすごくマズい気が……でも)
「ああっ、ナギさんっ」
(亜子さん、喜んでるみたいだし、いいのかな……?)
ネギが乳首を軽く捻ると、亜子が「ひんっ」と短く唸る。汗を浮かべ上気した顔は、普段とは違った大人の
魅力を感じさせた。ネギは亜子の顔を見つめ、優しく囁く。
「亜子さん、すごくカワイイですよ」
「ナギさん、嬉しい……!」
亜子がぎゅっとネギに抱きつき、熱い口づけを交わす。滑らかに濡れた唇、熱い息遣い、柔らかくも汗を含んで
しっとりとした二つのふくらみの感触、その全てがネギの感情を刺激する。
(あれ、ぼく、ドキドキしてきた……全身が熱くなって、息が苦しい……)
「ねえ、ナギさん……」
亜子が、恥ずかしそうに俯いて、小さな声で呟く。
「その……、ウチの初めて……貰って下さいっ」
恥ずかしさに顔を真っ赤にして、もじもじしている亜子。それでも最後の一言は、ありったけの勇気を
振り絞り、はっきりとネギを見つめながら言った。
「やっと着いた、おい、急ぐぞ!」
「は、はい、千雨さん」
「何や姉ちゃん、そろそろ何があったのか教えてくれや」
小太郎の質問は完全に無視、着ぐるみを着た茶々丸の頭の上で振り向きもしない千雨。
「おいコラ、無視かい!」
「くそっ、間に合わないか……」
茶々丸の頭上で揺られ、親指を噛む千雨は焦りを隠さない。後ろで犬が騒いでいるが、千雨の耳にはまったく
届かない。頭にあるのは、一刻も早くネギの魔手から亜子を救う?ことだけであった。
「あれ、逆か……?」
何故だか胸の中がもやもやするが、これは気のせいだ。決してあのガキが心配なわけじゃないぞ、クラスメイトの和泉が心配なだけだ。
うん、そうだ、そうに決まってる……。
「ったく、あのバカ、状況に流されやがって……ああ、畜生!」
ぶつぶつ呟く千雨を乗せて、茶々丸は一路ネギの下へ駈けていった。
「来て……」
亜子は目を閉じた。心臓がバクバク鳴っている。暗闇の中で待つ時間は、一瞬が永遠にも感じた。長い、
長い一瞬。……長すぎる。
「……?」
いつまで経っても何も起こらず、緊張に耐えかねた亜子は薄目を開けて様子をうかがった。ネギは亜子の前で
じっとしていた。
826:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:41:04 N2tAsWlZ0
「……あの、ナギさん?」
「は、はい」
「その、じらさないで早く……」
「え? で、でも、あの」
実はネギは、何をどうしたらいいのかわからないのだった。何せまだ十歳、このようなことには知識も経験も
不足している。
「ご、ごめんなさい、僕どうしたらいいか……」
そんな、ただおろおろするばかりのネギを見て、亜子はぷっと吹き出した。
「ぷっ、はははっ、そやったな、これはウチの夢なんやからウチから動かなあかんよな」
「え? あ、亜子さん?」
「ええからええから、さ、横になって、ナギさん」
「あ、は、ハイ」
亜子はナギを仰向けに寝かせると、その上にまたがり、ネギのものを手で軽く握った。
「あの、何だかちょっとマズい気が……」
「ええと、これをこうして……」
「あの、亜子さん、聞いて……ひゃあっ」
ネギのそれを自らの秘所に導く亜子。わずかに腰を落とし、先端を入り口にめり込ませると、
「んっ……これでよし、と。行きますね、ナギさん」
「あっ、あの、ちょっと待って」
ネギはあわてて止めようとするが、その声は亜子の耳に届いていない様子。と言うか、その目も何かに
取り憑かれたようでどこか焦点が合っていない。暴走した亜子はネギの制止を振り切り、ついに、
「えいっ!」
と腰を沈めた。ずむむっ、とネギの肉棒が亜子の中に侵入していき、その感触に思わずネギは「はうっ」と
情けない声を洩らした。
(あ、熱い……それに、ぎゅっとして、滑らかで、くすぐったくて……ああっ)
「はあ、はあ……どうですか、ナギさん……」
亜子が呼吸を整えながら、ネギの髪を優しく撫でて、微笑みかけた。
「あ、あのその、……き、気持ちいいです」
「……ウチもです。初めては痛いって聞いてたのに、やっぱこれって夢なんやなぁ……」
「いやあのコレ、夢じゃ……」
「ま、夢なら夢でええです、せっかくだからうんと気持ち良くならんとな」
「いや、その……」
「それじゃ、動きますね……んっ」
「だから、違……ふぁぁっ」
亜子は恐る恐る、腰を上下させ、息を止めたり、深く吐いたりしながら、次第にそのスピードを上げていく。
ついにはどこで学んだのか、上下の動きだけではなく腰にひねりまで加えてきた。
「は、はあっ、な、ナギ、ナギ、さぁんっ!」
激しく頭を振り体を前後左右に揺らしながら絶叫する亜子。ネギは頭の芯がぼうっとなるのを感じた。
(ああ、すごく熱くて、きつくて、気持ちいい……何だかもう、ボク、ボク……!)
牡の本能が働いたのか、ネギが亜子の尻を両手でつかみ、亜子の動きに合わせて下から腰を突き上げ始めた。
亜子は苦しそうに眉をひそめつつも、腰の振りを小刻みにして、貪欲に快楽を求める。
「あっ、何か来る、何か来るっ」
「来て、ナギさん、来てぇっ!」
「あ、ああぁーっ!」
ネギが亜子の尻を強くつかみ、ひときわ高く突き上げる。その瞬間、熱い奔流が弾けた。
「ふぁ、あ、熱……!」
子宮の中に熱いものが注ぎ込まれ、目の前が真っ白になり、意識が遠ざかり……。
「コラーーッ!」
薄れゆく意識の中で亜子は、バンッ、と扉が蹴破られる音を聞いた。
827:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:41:55 N2tAsWlZ0
「ほら、正座だ正座」
「ハイ……」
「ったく、何考えてんだ? 教師が教え子に手を出していいと思ってんのか?」
「ス、スイマセン……」
「すいませんで済むかっ!」
ホテルの一室で、全裸のまま正座して幼女に説教を食らう青年の図。事情を知らぬものが見れば、実に奇妙な
光景である。横では、やはり裸のままの亜子が気持ち良さそうに寝息を立てていた。ちなみに、小太郎は
千雨の判断で廊下に出され(「子供の見るもんじゃねえ!」)、見張りをしている。
「……で、どうすんだ?」
「はい、その、こうなったからには英国紳士として責任を……」
「あーっ! ガキが! どうやって! 責任取ろうってんだ! つか、そもそも薬で変身したその格好を
どうやって説明する気だよ?」
「そ、そうでした……」
亜子が惚れたのは幻術で変身した十五歳のネギである。責任を取ると言っても、ずっとその姿でいるわけには
いかない。かと言って、元の十歳の姿ならいいかと言うと、そういうわけにもいかないだろう。
「で、ではどうすれば……」
「……うーん、仕方ないな。よし、まずは後始末だ。茶々丸、こいつを風呂場に運ぶの手伝ってくれ」
「ハ、ハイ」
「あ、ボクも手伝います」
「おめーはそこで正座して反省してろ!」
「はい……」
気を失った上からさらにネギの魔法で深く眠らされた亜子は、茶々丸の肩に担がれても目を覚ますことはない。
茶々丸、亜子、そして千雨の三人がシャワー室に入り、扉が閉まる。それからしばらくの間、ネギは律儀に
正座したまま、シャワー室から聞こえてくるザーという水音に耳を傾けていた。
――
「あれっ?」
ここはステージの控室。亜子は伏せっていた机から体を起こした。いつの間にか居眠りしていたようだ。
これからリハーサルだというのに、いくらリラックスせなあかんとは言え、気を緩めすぎや……
亜子はぶるぶるっと頭を振り、立ち上がった。だんだん意識がはっきりとしてくる。
「それにしても、さっきの夢は…… あっ!」
夢の内容を思い出して、亜子の顔が真っ赤に染まった。
「う、ウチ、ナギさんと……な、なんてはしたない……」
「亜子ー?」
「うひゃいっ!?」
外から呼ぶ柿崎の声に、亜子はびくっとして妙な叫び声を上げる。
「どったの、亜子? ……亜子、お客さんよ」
「えっ?」
「ど、どうも……」
ガチャリと開いた扉の向こうから覗いた顔を、亜子はまともに見ることができなかった。
「ナ、ナギさんっ……!」
もっとも、まともに顔を見ることができないのは、ネギのほうも同じであったが。
「……やれやれ、どうやらうまく夢だと思ってくれたようだな。済まねえな、和泉」
その様子を見て、ホッと息をつく千雨であった。
「ひとまず一件落着、かな? ……妊娠してなきゃだが」
828:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:43:31 N2tAsWlZ0
「いらっしゃいませ、ご主人様!」
「わああっ!」
教室に入ったネギは、一斉に歓迎の声をかけられた。思わず後退りしたのは、声のボリュームに驚いたため
だけではなかった。
「い、一体何をしてるんですか!?」
顔を真っ赤にして目を覆いながら、ネギは詰問した。それに対して笑いながら答える朝倉。
「3‐A有志によるメイドカフェだよ」
「えっ、でも」
「もちろんお化け屋敷もやるよ、これはクラスの出し物とは別」
「いや、そうじゃなくて……」
「まあまあ、とりあえず入ってよー、ネギ君」
「そうそう、ほら座って」
「ネギ坊主が最初のお客さまアル」
まき絵、桜子、古菲に腕を引っ張られて強引に座らされる。
「ささ、まずは一杯」
「じゃなくて!」
ジュースを差し出す手を遮って、ネギが立ち上がる。きょとんとした顔でネギを見る一同。
「それ、メイドじゃないでしょー!」
そう、彼女達の服装は一般的にメイド服と呼ばれているものではなかった。素肌にエプロンを一枚身につけた
だけの格好。……つまり、裸エプロンというやつだ。
「……ダメかな?」
「ダメに決まってるでしょー!」
「またまたー、照れちゃって」
「もがっ」
まき絵が抱きついて、怒るネギを実力行使で黙らせにかかる。頬に当たる胸の感触が柔らかい。
「あぶぶっ」
「きゃー、ネギ君真っ赤になっちゃってカワイー」
「まき絵ばっかりずるいアル」
「私も私も」
3人にもみくちゃにされて、しまいには服まで脱がされるネギ。もはや息も絶え絶えだ。
「た、助け……」
「ふっふっふっ、助けなら来ないよネギ君。明日菜とかのうるさそうなのには声をかけなかったからね」
まるで悪者のような含み笑いをする朝倉。否、もはや完全に悪者だ。もはや絶体絶命かと思われたその時、
「お待ちなさい!」
その姿はネギにはまるで救いの女神のように映った。朝倉が舌打ちする。
「げっ、いいんちょ……」
「あっ、あっ、あっ……あなたたち、何をやっているんですの!」
あやかはずかずかと大股で歩み寄り、3人からネギを引き離した。
「あっ、ネギ君」
まき絵が引き止めようとするも、あやかがキッと睨みを効かせてその手を引っ込めさせる。
「まったくもう、あなたたちときたら…… 大丈夫ですか、ネギ先生?」
「は、はい、ありがとうございます」
律儀にお辞儀をするネギ。
「まあまあ、そんな丁寧に……」
ネギに向き合って返事をしようとしたあやか。その動きが突然固まった。
「ど、どうしたんですか?」
「ネ、ネギせんせ、その格好……!」
ネギはまき絵たちに服を脱がされ、パンツ一丁になっていた。
「あっ、こ、これは……」
「ネ、ネギ、せんせ……!」
「あ、危な……」
あやかがふらっとして倒れそうになる。あわてて支えようとするネギの顔に、熱いものがかかった。
「……え?」
ネギは顔を上げ、あやかの顔を見た。……あやかは、鼻血を吹いていた。
「わーっ、いいんちょさん、大丈夫ですかっ!」
829:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:44:08 N2tAsWlZ0
「スススミマセン、ネギ先生」
「い、いえ、それはもういいんですけど……」
実際、鼻血をかけられたことはもう気にしてはいない。ネギにはそれよりも言いたいことがあった。
「何ですか、ネギ先生?」
「……何で、いいんちょさんまでそんな格好してるんですか!」
顔を拭きに行って戻って来てみると、あやかまでもが何故か裸エプロンになっていたのだった。
「似合いませんか?」
「い、いえ、そんなことないです」
「それはよかったですわ」
「じゃなくて!」
「これは、先ほどの失礼のお詫びですわ」
「えっ」
「朝倉さんが教えて下さいましたの、殿方にお詫びするにはこれが一番なのだそうですわ」
「あ、朝倉さーんっ」
振り返ると、朝倉は離れた位置で笑いながら「ごめんね」と頭を軽く下げた。その横ではまき絵が不満そうに
唇を尖らせている。どちらも助けてくれる気はまったくなさそうだ。
「さあネギ先生、精一杯ご奉仕させていただきますわ」
「だだだ誰か助けてーっ!」
悲鳴を上げるネギを、容赦なくあやかが裸に剥いていくのであった。
「うわー、いいんちょ積極的アルなー、こんなことして本当にいいアルか?」
「まあ、いーんじゃない?」
ちょっとだけ心配顔になった古菲に、明るく笑い飛ばす桜子。
「いいんちょばっかずるいー!」
「まあまあ、順番順番」
そして嫉妬を隠さないまき絵を、朝倉がなだめる。
「ネギ君は若いんだから……さ」
不満そうな顔をしながらも、ひとまず納得したまき絵はいいんちょに声をかける。
「いいんちょー、早くしてよねーっ」
「まっ、ネギ先生に失礼ですわよ、まき絵さん。ねえ、ネギ先生」
ネギのパンツを脱がそうとしながら同意を求めるいいんちょ。
「な、何がですかー!」
「何がって……」
ぽっ、と顔を染めるあやか。その顔を見て思わずドキッとした隙を突かれ、ついにネギのパンツがはぎ取られた。
「まあ……」
充血したネギのペニスがぴょこんと顔を出すと、あやかは顔を真っ赤にしながらもそれをまじまじと見つめた。
あやかの鼻息が荒くなっていく。今にも鼻血を吹き出しかねない様子だ。
「いいんちょ、よだれ拭きなよ」
朝倉の突っ込みにあわててよだれを手で拭うあやか。ただし、その視線はネギのペニスに釘付けのままだ。
そのプレッシャーに耐えかねて、ネギがか細い声で訴える。
「あああの……恥ずかしいので、そんなに見つめないで下さい……」
「まあっ!」
そんなネギの様子を見て、感極まったあやかががばっと抱きつく。薄布一枚隔てただけの双つの膨らみを
顔に押しつけられて、ネギは情けない悲鳴をあげた。
「ひゃあっ、い、いいんちょさん!」
「ああっ、何て可愛らしいんでしょう! 全てが完璧ですわ! ここも……」
「だだだ、駄目ですよっ、そ、そんなところ触っちゃ、やめっ」
「ネギ先生のものはこんなにも可愛らしくて、それでいてりりしくて、ああっ……」
あやかの暖かく柔らかい指がネギのペニスを優しく包む。ネギは未知の感触に全身をびくっと硬直させて、
もはや抵抗も出来ずにされるがままだ。緊張のあまり、心臓がばくばく言っている。
「あっ、あの……」
実は緊張しているのはあやかも同じであった。これからどうしたらいいかわからず、ネギのペニスを右手で
握り締めたままネギと正面で向き合い、彫像のように固まってただ心臓だけをドキドキさせていた。
830:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:44:37 N2tAsWlZ0
そのままお見合い状態が何分も続いて、ついに見かねた朝倉が立ち上がった。
「もう、何やってるのさ」
朝倉がいいんちょの背中を軽くはたくと、あやかはばね仕掛けの人形のようにびくんっと背筋を伸ばした。
「はひいっ! あ、朝倉さんっ」
あっちの世界から急に引き戻されて、あやかは驚きを隠すことが出来ない。照れ隠しか、必要以上に
怒った顔をしてあやかが振り返ると、正直ここまで驚くとは思っていなかった朝倉が軽く手を合わせ謝った。
「いやー、ごめんごめ……あっ」
「えっ?」
朝倉がネギのほうを指差す。つられて振り向いたあやかの顔に、何か熱いものがかかった。
「きゃっ!」
大量の白濁液に、みるみるあやかの顔がべっとりと汚されていく。驚いた拍子に、あやかがネギのペニスを
しごいた形になって、ネギは思わず射精してしまったのだ。びゅくびゅくと吹き出すほとばしりは、未だ
止むことを知らない。たちまちあやかの右手や顔、髪がべとべとになり、胸の谷間に白い液が水溜まりを作った。
「あっ……あ……あ……」
やっと射精が治まった。その後も、しばらくの間放心状態に陥っていたネギだが、あやかの視線に気が付くと、
「……ハッ! ご、ごめんなさいっ、ボクっ」
あわてて詫び、手であやかの顔を拭おうとする。あやかはその手を取ると、
「お気になさらないで下さい、ネギ先生」
そう言って、ネギの唇に自らの唇を重ねた。舌と舌が絡み合う、濃厚なキスだ。ネギの鼻腔にあやかの匂いと
自分の精とが混ざりあったむせかえるような匂いが立ちのぼり、息苦しさに頭がぼうっとなる。あやかが
ゆっくりと唇を離すと、二人の間に透明な糸が下向きに細いアーチを形作った。
「ほら、ネギ君のをきれいにしてあげないと」
「あっ、そ、そうでしたわね」
放心状態から立ち直ったあやかが、朝倉に促されてネギの股間に屈み込んだ。やや遅れて意識を取り戻した
ネギは、あやかが自分のペニスをくわえようとしているのに気が付き、あわてた。
「い、いいんちょさん、ダメですよ、そんな、汚っ、ふわあっ」
ネギの制止もお構いなく、あやかがひと思いにネギの一物を口に含む。精を放ったばかりで敏感になった粘膜が、
柔らかくて熱い感触に包まれて、ネギは思わず情けない声を出した。
「ひゃあっ、ふあ、あぅ、……ふわあっ」
くちゅくちゅと音を立ててあやかが一心不乱に吸うと、ネギのペニスはあっという間に元気を取り戻した。
ビクンビクンと脈打っているそれは、かえって射精前より大きいくらいだ。
「裏筋の縫い目にそって舌を這わせて」
「カリ首を重点的に、傘の裏を舌でこそげ取るように舐めて、歯を立てないように」
「次は玉をしゃぶって、柔らかく、優しくね」
「ほら休まない、その次は鈴口を舌先でくすぐる」
「両手がお留守じゃない、おちんちんをおっぱいで挟んであげなよ」
あやかは朝倉が出す指示に従って、無心で奉仕する。あやかの舌技が上手いのか朝倉の指示の賜物か、
ネギの喘ぎ声はどんどん激しく、大きくなっていった。
「ああっ、いいんちょさんっ、ダメっ、で、出るっ、出ちゃいますぅっ!」
「ほら、いいんちょ、こぼしちゃ駄目だよ」
ネギのペニスがひときわ大きく脈打ち、あやかの喉奥にびゅるるるるっと精液を放った。
「むっ……ぐっ……」
あやかは懸命にそれを飲み込む。こぼすななんて朝倉に言われるまでもなかった。ネギが吐き出す端から、
バキュームのようにごくごくと喉を鳴らし吸い込んでいく。
831:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:45:13 N2tAsWlZ0
「んっ……むっ……」
とは言えあまりの量にあやかの口の端から雫が滴れる。なおも懸命に飲み込み続けるあやかだったが、
それももはや限界かと思われたとき、やっと射精が止まった。
「ごくん。……けほっ」
あやかが半勃ちのネギのペニスから口を離し、軽くむせる。そして唇の端からこぼれた精を舌で舐め取ると、
立ち上がりネギにまたがろうとした。、
「……ああっ、ネギ先生……」
「はいそこまでっ」
ネギの先端があやかの秘部に触れたところで、朝倉があやかを突き飛ばした。
「あ、朝倉さん、何をっ」
「順番、順番」
見ると、まき絵がもうネギの前にスタンバイしている。
「へへへー、次は私の番だよっ」
「その次は私の番アルね。中国4千年の秘技を見せてやるアルよ」
「ちょっ、皆さんっ、お待ちなさいっ」
「まあまあ」
あっという間に端に追いやられて、憤りを隠せないあやかを朝倉がなだめる。その間にネギはまき絵の愛撫で
見る見るうちに絶頂に昇りつめる。
「ま、まき絵さん、僕もうっ!」
「きゃー、ぬるぬるー!」
「次は私アルね」
「やっぱりお待ちなさい、あなたたち!」
「いっそのことみんなでやらない?」
「いーねそれ」
「だ、誰か助けて……」
「ぬるぬるがー……」
「……!」
こうしてネギは、いつまで経っても帰って来ないのを心配して迎えにきた明日菜に救出されるまで、半日近くも
精を搾り取られ続けたのであった。
832:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:52:21 N2tAsWlZ0
「アデアット」
宮崎のどかの声に応え、一冊の本が現れた。人の心を読むことの出来る、不思議な絵日記。夜、寝る前に
ベッドの中でこの本の使い方を練習するのが、のどかの最近の日課だった。
“○月×日 △曜日 のどか”
“ネギ先生のために、今日も練習。いつか、この力でネギ先生のお役に立てたらいいなと思います”
のどかは目を閉じてネギの姿を思い浮べる。礼儀正しく、それでいて子供らしい快活さを併せ持つ魅力的な
少年。それでいて目に宿る意志の光は、しっかりとした目的を持った大人のようだ。そんなネギに、はっきり
言ってのどかは惚れていた。すでにその想いは伝えていたが、返事は聞いていない。教師と生徒だし、
ネギは十歳なのだから、今はまだこのままでいいと思っている。これは本心だ。けれど、いつかは……。
“私の夢は、ネギ先生と両想いになってロマンチックなキスをすること。それも、できればディープキスを……
キャー”
“ネギ先生が私の顔を見つめて、
「のどかさん、キスしましょうか」
「は、はい……」
ネギ先生のりりしい顔がゆっくりと近づいてきて、私は目を閉じる。二人の距離は息の音が聞こえるくらい
近くて、ネギ先生がドキドキしてるのが伝わって来る。やがて、ネギ先生のやわらかい唇が、そっと私の
唇に触れて……”
絵日記には、ネギとのどかが唇を重ねている絵が描かれている。のどかがドキドキしながらそれを読んでいると、
だんだん絵が変わってきて―
“大好きなネギ先生とのキスに頭のなかは真っ白。すると、唇に熱くて湿った感触が―ネギ先生が舌を
入れてきた。私も舌を伸ばして、夢中で舌を絡めあう。お互いの唾液が混ざりあって、ネギ先生の唾液が
私の喉に流れ、私の唾液をネギ先生が飲み込む。ぴちゃぴちゃと、びっくりするくらい大きな音が響く”
絵日記の中のネギとのどかは、激しく舌を絡め合っている。絵の中ののどかに影響されて、現実ののどかも
だんだんと興奮していくのを感じた。まるで、自分が絵日記の中にいるかのように。
“私は一糸まとわぬ姿でネギ先生の前にいる。恥ずかしくてうつむいていると、ネギ先生はやさしく頬を撫でて、
「綺麗ですよ、のどかさん。もっとよく見せて下さい」
私はこくんと小さくうなずき、ゆっくりと両脚を開く。そうすると、ネギ先生はそこに手を伸ばしてきて―”
現実では実際に秘所に手を伸ばしているのはのどか自身である。パジャマの下と下着を半脱ぎにして、
絵の動きにあわせて右手を動かし、
「あ……だめです、そこ……」
などとうわごとを呟きながら、中指で秘唇をかき回している。
“裸のネギ先生が、私に覆いかぶさってくる。
「……やさしくしてくださいね」
「はい」
ネギ先生のが、私の入口に触れているのを感じる。ためらうように割れ目をなぞる動きを繰り返す。
そして……意を決したように、ネギ先生が腰に力を込める。ついにそれが私の中に入ってきた”
「ふわぁぁぁっ」
のどかの喘ぎ声がボリュームを増す。
「何事ですか?」
二段ベッドの上段に寝ていた夕映がその声に驚き、体を起こして心配そうに覗き込む。だが、そんな夕映の
様子ものどかの目には映っていない。
“ネギ先生のペニスが私の中を一気に最奥まで貫いた。不思議なことに、私は初めてだと言うのにまったく
痛みを感じない。ただ、体の芯が熱くなるのだけを感じていた。
「どうですか、のどかさん?」
「あ……気持ちいいです、すごく……」
「のどかさんはHな娘だったんですねぇ」
ネギ先生は意地悪そうにくすくすと笑う。私は恥ずかしくて顔がかあっと真っ赤に染まった。
「そ、それは……あの、先生はHな娘は嫌いですか?」
「いいえ」
ネギ先生は優しく唇にキスをして、
「大好きですよ、Hなのどかさんの事」”
「大丈夫ですか、のどか、顔が赤いですよ」
夕映がベッドを降りてのどかに声をかけるが、やはりのどかは気付かない。
「どうしたですか、のど……?!」
夕映はよく様子を見ようと覗き込みつつ、のどかの肩に手を触れようとして、途中でその動作を止めた。
「ごっ、ごめんなさいですっ、のどか」
なぜだか謝る夕映。しかし外の世界のそんな出来事に、のどかはまったく気付いていない……
833:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:52:42 N2tAsWlZ0
“ネギ先生は激しく腰を突き出し、私をめちゃめちゃにかき回している。私はまたたく間に絶頂に登り
つめるが、ネギ先生の責めは少しも休まることが無く、私の頭は何度も真っ白になった。。
「あっ、あっ、だめぇっ、私、おかしくなっちゃいますぅっ」
「ええ、どんどんおかしくなっちゃって下さい。そんなのどかさんもかわいいですよ。ほら、ぼくのペニスに
Hなのどかさんの膣肉が貪欲に絡み付いてるのがわかりますか?」
ネギ先生の言葉で下腹部に意識を集中させると、頭の中が快感でいっぱいになり、思わず私は反射的に
ネギ先生のペニスを強く締め付けた。
「うっ……、で、出ますよ、のどかさん」
そう言うとネギ先生は、さらに激しく腰を打ち付けた。私とネギ先生の下腹部がぴたっと密着する。私は
両脚でしっかりとネギ先生の腰を挟み込み固定した。次の瞬間、ネギ先生のペニスが大きく膨らむ。そして、
熱い性の奔流が、私の胎内にたっぷりと注ぎ込まれていった”
その頃、玄関でチャイムが鳴り、夕映が応対に出ていた。
「すいません夜遅く、のどかさんはいますか?」
「あっ、ネギ先生、今はだめですっ」
「えっ、どうしたんですか、夕映さん、何かあったんですか?」
「何でもありませんから、今は……」
その時、玄関で押し問答を続けていた二人の耳に、のどかの甲高い悲鳴が飛び込んできた。
「ああっ、ネギ先生ぇーっ!」
「のどかさん!? どうしたんですか!?」
「あ、だめですっ!」
あわてて部屋に飛び込むネギ、それを押し止めようとする夕映。二人の視界に夢うつつの状態で絵日記を眺める
半裸ののどかが飛び込む。と、その時、のどかの持つ絵日記の内容が急激に書き変わっていった。
“○月×日 △曜日 ネギ”
“のどかさん、大丈夫ですか!? ……って、え? のどかさん、何をやってるんだろう? なんだか
ドキドキするけど、これは英国紳士として、見ちゃマズいもののような気が……”
「……!」
我に返ったのどかはあわてて本を閉じた。ネギの名前を呼んだために、本の対象が切り替わったのだ。
のどかは背後を振り返り、ネギを発見して凍り付く。目が合った。
「ど、どうも……」
「……」
「あの、のどかさん?」
「……」
のどかの頭がふらりと揺れると、そのままネギにもたれかかった。あわてて抱き止めるネギ、のどかの
顔色を伺うがどうも様子がおかしい。目つきがとろんとして、なぜだか顔を近付けてきて……
「わーっ、のどかさんっ!」
「さあネギ先生、続きをしましょう……」
どうやらのどかの脳はこの状況に耐えられず、夢の世界に逃避することを選んだようだった。
「な、何の続きですかー!」
「だ、ダメですよのどか、離れるですっ」
「あれ、ゆえー? ほら、ゆえも一緒にしようよー」
「正気に戻るです、のどか、……って何故私まで脱がせるですか!」
「だ、誰か助けてーっ!」
「ふふふふふ……」
その後のどかをどうにか取り押さえることに成功したネギと夕映であったが、目を覚ましたのどかはこの
出来事を覚えておらず、しばらくの間、のどかは絵日記を使うのを禁止されたのであった……。
834:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:57:03 N2tAsWlZ0
「ゆえってば、本当に変な飲み物が好きよね~」
「な……何を今さら、ですか?」
寮の部屋、同室の3人でくつろいでいた時。唐突にしみじみ呟いたハルナに、夕映は思わず聞き返す。
彼女たちの友人関係もいい加減長い。本当に何を今さら、という感じではあるのだが。
「いやさ~、ゆえ吉が見つけてくる変な飲み物って、他の誰かが飲んでるの見たことないからさぁ。
そんなの作ってるメーカーもメーカーなんだろうけど……。今飲んでるソレは、何?」
「これは『とろみ海鮮スープ・中華風』です。『飲むゼリー』みたいな喉越しで、なかなか美味ですよ」
「うっわ! 中途半端に味が想像出来ちゃう分、余計ありえねぇ~~!
しかもそれを紙パックからストローで飲むかァ!? も~何考えてるかなー、この味オンチは!」
「……味の嗜好が平均から大きく外れていることは認めますが、『味音痴』とは聞き捨てならないですね。
こう見えても私の味覚はかなり鋭敏です。それに飲むもの全てを美味しいと感じてるわけでも無いです。
この『とろみスープ』シリーズは、久々のヒット作ですよ」
天を仰いで大袈裟に驚くハルナ、憮然とした表情で反論する夕映。
そんな2人のやりとりを横から見ていたのどかが、おずおずと口を挟む。
「……でもゆえー、何でゆえはそんな変わったものばかり飲むのー?」
「何故って……?」
「ゆえの飲んでるのって、ふつう、見つけても飲もうとも思わないのばかりだから。
何か、そーゆーのを飲み始めるきっかけとかあったのかなー、って……」
のどかの問いかけに、夕映は少し天井を見上げて記憶を探るような表情をした。
そして―しばしの沈黙の後、彼女の頬が僅かに赤く染まる。
……でも、それだけだ。ほとんど表情を変えることなく、再びのどかの方に向き直り、淡々と話す。
「きっかけのようなものは特にないです。強いて言えば、この学園で色々売っていたからでしょうか。
特に図書館島の自販機。あの奇妙で豊富な品揃えは、のどかも良く知っているでしょう?」
「う、うん、でも……」
「……あれ~~? ゆえ、何か言おうとしたことあるんじゃないの~?
怖くないからさー、お姉-さんに素直に全部白状しなさい♪ ほらほらぁ♪」
「べ、別に何もないですよ。変なこと言わないで下さいです、ハルナ」
のどかもハルナも僅かな表情の変化を見逃さず、全く納得してない様子ではあったが。
夕映は黙って視線をズラし、手にした飲み物を啜る。もう2人に喋ることはない、と言わんばかりの態度。
とろみのついた中華風海鮮スープ。白く濁った粘ばり気ある液体が、ストローを伝い口腔に流れ込む。
口の中に広がる魚介類の香りと旨み。鼻に抜けるこれは、イカの香りだろうか。
ちょっとクセのある苦味、これは薬膳を意識したのか漢方のエキスを入れているらしい。
僅かに喉の奥に絡みつく感覚があったが、それさえも夕映は好ましいものと感じてしまうのだった。
「これは……久々のヒット作ですね。一般受けはしないと思いますが……」
835:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:57:26 N2tAsWlZ0
―私の祖父、綾瀬泰造は孤独な人でした。哲学者は常に孤独なもの、とは言いますが、それにしても。
まぁ孤独だったからこそ、唯一慕っていた私のことを、あんなに可愛がってくれたのでしょうね。
その日私が訪れた時も、おじい様は書斎でたった1人、本を読んでいましたです。
「おお、夕映か。良く来てくれた」
おじい様の書斎は、そうですね、まるで図書館島の一室のような、四方を書架に囲まれた大きな部屋で。
本に埋もれるようにして暮らすおじい様。滅多に笑わないおじい様。偉大な哲学者であるおじい様。
そんなおじい様は、しかし私に対してだけは素直に笑ってくれたのです。
「その制服はどうしたのかね? いつものものとは違うようだが」
「中等部の制服が届いたので、おじい様にも見てもらおうと思って来たのです」
「そうか……夕映も4月からは中学生か。大きくなったものだな。似合っているよ、その制服も」
「そ、そうですか?」
「ああ。とても可愛いよ」
おじい様は、そう言うと私を優しく抱きしめてくれました。
本の薫りに包まれた、大きな書斎。小さな窓から差し込む、柔かな光。微かに薫る、刻み煙草の匂い。
私は、おじい様が大好きでした。この世の誰よりも、大好きでした。
そしておそらくおじい様も、私のことを……
「……おじい様」
「ん? どうした、夕映?」
「……おじい様の、おっきくなってるです」
……せっかくしみじみとしてたのに、まったく雰囲気ブチ壊しです。思春期の男の子でも無いんですから。
私と密着したおじい様、その股間が、熱く、硬く盛り上がって……
「う―夕映の制服姿、新鮮でな。思わず年甲斐もなく……」
「……まあいいです。どうせすることは一緒ですから。ほら、さっさとズボン下ろして下さい。私も脱ぐです」
「あー、夕映、今日はそのままの格好でお願いできんかね? つまり、その……」
「―おじい様も好きですね。いいですよ、でも制服は汚さないようにお願いします」
私は思わず溜息をつきました。それまでにも何度もしてきたことですし、展開は読めてはいたのですが。
祖父と孫娘、5倍以上も歳の離れた近親相姦―まあロクなモンじゃありませんです。自覚はありました。
でも情動というのは本人にとっても意のままにならぬもの。否定しても否定しきれるものではありません。
これでも互いに、葛藤のようなものはあったんですけどね。
それに普段のしかめ面から一転、子供のように素直に欲望を口にするおじい様が、なんだか可愛くて……。
書斎の真ん中に置かれた大きなソファ、そこがいつもの場所だったです。
おじい様に促されるままに、私は大股を開いてそこに座りました。
床に膝をつき、覗き込んでくるおじい様……さ、さすがにこれは、かなり恥ずかしい格好ではないでしょうか。
おじい様の目の前には、丸出しの私の股間、そしてそれを覆う小さすぎる布地が見えているはずで……
836:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:57:46 N2tAsWlZ0
「ふふ……プリーツスカートの下に、子供らしからぬこんな下着……いけない子だな、夕映は」
「だ、だって、おじい様が、紐のパンティが好きだから……だからわざわざ、なのですよ……?」
「私のせいにするのか。ますますいけない子だ。こんな下着は取ってしまおう」
「ま、待って、おじい様ッ!」
シュルッ。私の制止にも構わず腰のヒモが解かれ、私の大事なところが外気に晒されます。
ムワッと篭っていた熱気が逃げていく感触。思わず顔が赤くなります。
「おや、もう濡れているのかね? 夕映も準備万端ということか」
「そ、そんなことないです! わ、私は、濡れてなんて……」
「嘘は良くないな。お仕置きだ」
「ひうッ!?」
ニヤリと笑ったかと思うと、おじい様の舌が私のそこをペロリと舐め上げました。
おじい様に色々教え込まれてきた私の身体は、それだけですっかりスイッチが入ってしまって……。
と言ってもその頃は、今よりなお幼い子供の身体だったのですが。我ながら歪な成長をしたものです。
「ふふふ、甘露、甘露」
「いやぁ、そんなとこ、啜っちゃダメですッ! それ以上されたら……!」
陰唇を割り広げ、おじい様の舌が縦横無尽に暴れ回ります。おじい様の口が、音を立てて愛液を啜ります。
おじい様の頭をスカートの上から押さえつけるような格好で悶えてしまいます。
舌が小陰唇を、膣口を、処女膜をなぞる度に、背筋を快感が駆け上ります。
やがて執拗なクンニリングスの末、私は一回目の絶頂に押し上げられ……声にならない悲鳴。
パタタ、と飛沫がおじい様の顔にかかる音が響きます。どうも「潮吹き」というのをしてしまったようでした。
この潮吹き、自分の個人的体験としては、失禁した時の感覚と区別が困難のように感じるです。
だからいつも、直後に激しい自己嫌悪に襲われて……私は荒い息をつきながら、おじい様に謝りました。
「あう……。おじい様、すいませんです……。顔を汚してしまいました……」
「謝罪は言葉よりも態度で示さねば意味がない。言葉はいくらでも嘘をつくものだからね。
ほら、今度は夕映の番だ」
「はいです……」
こういう時に哲学じみた、でも実は何の意味もない言葉を口にするのは、おじい様の数少ない欠点です。
眼鏡に水滴がついたままのおじい様を、入れ替わるようにソファに座らせ、私は足元に膝をつきました。
ジッパーを下げた途端に飛び出してきた勃起。表情こそポーカーフェイスですが、こっちは素直なものです。
しかしおじい様の年齢を考えるとかなり若いと言えるのでしょうか? 私も本での知識しかありませんが。
私は迷うことなく、おじい様のソレに舌を這わせ始めました。
なんとも言えない、「雄の味」としか表現のしようのない味覚が、私の舌を刺激します。
「ああ、気持ちよいよ、夕映」
「そうですか。こちらはあまり美味しくもないのですが……おじい様が喜ぶなら」
上目遣いに見上げたおじい様の表情は、本当に蕩けそうで。
私が快感を与えているのだ、と思うと、思わず舌の動きも早くなりますです。
一通り唾液をまぶしたら、今度は口を大きく開けて咥え込みます。
最初の頃はすぐに顎が痛くなったものですが、この頃にはすっかり要領を覚えていました。
先走りの汁の変な味だけは、いつまで経っても慣れることができずにいましたが……。
837:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:58:30 N2tAsWlZ0
「夕映……このまま口の中に出して構わんな……? 飲んでくれるな……?」
「……ちょっと待つです、おじい様」
感極まったようなおじい様の声。私ははッとすると、愛撫を止めておじい様の陰茎を握り締めました。
射精を拒む圧力と、急に途絶えた心地よい刺激に、おじい様が驚いた様子で私を見つめます。
「夕映……?」
「おじい様……こんなことを口にするのは、その、躊躇われるのですが……
今日も、これで終わりなのでしょうか? つまり、その……今日こそは私と一緒に、その……」
そう、私は―おじい様とこんな関係を結びながらも、未だに処女だったのです。
未だに、最後の一線だけは超えてなかったのです。
―私とおじい様の関係は、いつ頃からになるのでしょう。
最初は、一緒にお風呂に入った時の、身体の洗いっこから発展したのだったと思います。
幼い頃からおじいちゃんっ子でしたからね。かなり長いこと、一緒に入っていたのですよ。
無邪気な洗いっこ、いつしかそれは性的な遊びに発展して。
その意味はすぐに理解しました。小さい頃から、教科書「以外」の本なら沢山読んでましたから。
けれど、嫌じゃなかった。未熟ながら快感もありました。何より、おじい様が喜んでくれるのが嬉しくて。
きっとおばあ様を早く亡くされ、やもめ暮らしの長かったおじい様は寂しかったのですね。
以来、私の成長に合わせ、おじい様との「秘密の遊び」はエスカレートし、書斎に場を移したのですが。
おじい様は、どこまで行っても最後の一線は越えませんでした。
私の処女を、奪おうとはしませんでした。
愛撫し舐めあい触りあい、オーラルセックスまではやっていたものの。
膣に挿入しようとはしませんでした。膣には指一本入れませんでした。肛門性交もありませんでした。
それは……まだ子供で小さな私の身体を案じて、というだけでは無かったように思います。
おそらくそれは、おじい様が私に対して抱く、相反する2つの愛情の妥協点だったのでしょう。
祖父として、たった1人の孫娘に対して抱く愛情と。
1人の男・綾瀬泰造として、1人の女・綾瀬夕映に対して抱く愛情と。
……もちろん、最後の一線を守ったからと言って、祖父としての立場が許されるわけではありません。
2人の関係が露呈すれば、2人ともオシマイです。たぶんおじい様は性的虐待の謗りを免れないでしょう。
けれどきっと、それがおじい様なりに悩み、考え、ギリギリのところで見出した妥協点だったのでしょう。
そう、これがおじい様にとってのギリギリの妥協点で―でも、それを知ってなお、私は。
「もう中等部に上がる歳です。初経も先月来ました。 時代が違えば、もう結婚が許されていた身体です。
私のことを気遣う必要はもうないのです! そんな言い訳する必要は、もうないのです! だから!」
今のままでも、露見すれば互いの破滅の避けられない関係―ならば、いっそのこと。
おじい様を困らせないよう、強くない言葉を選んでいたはずなのに、最後は叫んでしまっていて。
床に膝をつき、涙を浮かべた私を―おじい様もまた、床に膝をついて、抱き締めてくれました。
「夕映……いつかお前は、本当に愛するべき者と出会うだろう。真に巡り合うべき相手と出会うだろう。
あるいはその相手もまた、許されない相手かもしれない。大きな障害があるかもしれない。
けれど、それは少なくとも、私ではないのだよ。だから」
「でも、私は」
「祖父と孫という関係を抜きにしても……私にはおそらく、時間がない」
「え―?」
838:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:58:59 N2tAsWlZ0
おじい様の静かな言葉。覚悟と諦めの秘められた言葉。
私は思わずおじい様の顔を見つめ直しましたが、おじい様は優しい微笑みを浮かべているだけで。
「まあ、焦ることはない。物事には順番があり、今はその時でないというだけの話だ。
……そうだな、私だけが気持ちよくなっていては悪いな。いつものアレをやろうか」
問い返す間も与えられず。
おじい様は私を抱えながらソファに倒れこみます。そのままクルリと私の体を回転。
気がつけば目の前にはおじい様の勃起したペニス、私の股間にはおじい様の吐息がかかり……
男女双方が横たわってのシックスナイン。色事48手で言えば二つ巴。まあ無駄な解説ではありますが。
オーラルセックスが「限界」だった私たちにとって、それは定番のフィニッシュの体勢でした。
「ちょっと、おじい様、誤魔化さないで下さいです……ああッ!」
「ふふ、しゃぶりながら夕映も感じていたのかな? 口腔粘膜もまた性感帯の1つだからね。
夕映も続けてくれ」
「はいです……」
思わず流されてしまったです。私はアホです。目先の肉欲に負け、大事なことを聞きそびれててしまうなど……
……と、自分を責めつつ、私も再びおじい様のペニスをしゃぶり始めました。
陰嚢にも手を伸ばし、やわやわと揉み上げます。舌でカリ首をなぞり、鈴口をチロチロと刺激します。
おじい様も、舌で膣口をなぶったかと思うと、クリトリスを甘噛みして。私の弱いところを知り尽くしているです。
「夕映、そろそろ……」
「分かってる、です……」
互いの身体を抱いたまま、そのまま90度横に回転。女性上位のシックスナイン、逆さ椋鳥に移行します。
おじい様はソファの肘掛に頭を乗せ、私との身長差を補い、私の股間に顔を埋めます。
私はおじい様のを完全に口の中に収め、頭ごと上下にピストンさせてラストスパートをかけます。
口の中でおじい様のが一回り大きく膨らむのが分かります。私の方も、もう限界です。
「行くぞ、夕映ッ!」
「むぅッ、むむむむッ!」
(ああッ、漏るですッ! ごめんなさい、おじい様ッ!)
同時に上り詰めた絶頂。咄嗟の謝罪は、しかしおじい様のを咥えているので言葉になりません。
おじい様の精液が、私の口の中にぶちまけられます。溢れんばかりの勢い。強烈な匂い。
私も、頭の中が真っ白になって……ジョロジョロと漏れる、これは今度こそ潮ではなくおしっこです。
おじい様の顔を、服を、ソファを汚しながら、私は恍惚とした表情で、口の中の精液を飲み下しました。
「……何度飲んでも、変な味、です……」
839:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 12:59:58 N2tAsWlZ0
―2年前。
私が中等部に上がるのと前後して、大好きだった祖父はこの世を去りました。
あの制服をおじい様に披露して、間もなくのことです。急に倒れて、それっきりでした。
きっとおじい様は己の死期を直感してたのでしょうね。苦しまずに逝けたのはむしろ幸いだったでしょう。
しかし、取り残された当時の私には、そんなことを思う余裕もなく。
この世界の全てが、ひどくつまらないもののように感じられていたです。
この世界の全てが、味気ないものに感じられていたです。
いや、比喩でも何でもなく……本当に味気なかったのです。味が、無かったのです。
何を食べても、味が感じられない。何を飲んでも、味が感じられない。
おじい様の濃厚な精液の味―あれがフラッシュバックのように蘇り、現実の味を吹き飛ばしてしまう。
おじい様が生きていた頃は、別に美味しいとも思ってなかったのに。思い出したりもしなかったのに―
あの頃の私は、生きている実感が極めて希薄でした。
味覚に限らず、全ての「この世界のモノ」が遠く感じられて、まるで半分自分が死んでいるようで。
いやおそらく本当に死んでいたのでしょう。死んだおじい様に、魂を引き摺られていたのでしょう。
そんなこと、あの優しいおじい様は望んでいないと分かっていたはずなのに、です。
そんな時―図書館探検部の説明会に顔を出し、のどかたちに押し切られるようにして仮入部して。
頻繁に出入りすることになった図書館島で……私は出会ってしまったのです。
「抹茶コーラ……? 何ですか、コレは……?」
「うわー、信じられないわねー。この自販機、何か変なのしかないんじゃない?」
「まともな飲みモン、あらへんやんー。普通のコーラとかお茶とかないんー?」
一緒にジュースを買いに来ていたハルナやこのかが、今とあまり変わらぬ感想を口にする中で。
私も、最初に見た時は信じられなかったです。我が目を疑ったです。アホかと思ったです。
炭酸飲料を紙パックに入れるなです。コーラをストローで飲ませるなです。最悪の組み合わせです。
でも私は、怖いもの見たさとでも言うのでしょうか? 思わず手を伸ばして……
「変な味……。誰が飲むですか、こんなもの……。
―って……味?! 今、確かに味がしたですか―!?」
そう。それは、おじい様が亡くなってから、初めて明確に実感できた『味』でした。
思い出に縛られていた私の舌を、現実に引き戻してくれたインパクトのある味。
心因性の味覚障害に対する、一種のショック療法になったんですね。私は思わず微笑んで、呟いたです。
「……図書館探検部、正式に入部してもいいかも、ですね。
こんなジュースが、他にもここにあるのなら―!」
―それからです。変なジュースをわざわざ探してまでして飲むようになったのは。
その変な味、常識から大きくズレた味覚が、私がこの世界に生きていることを実感させてくれるのです―
840:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:00:18 N2tAsWlZ0
『―この『とろみ海鮮スープ・中華風』、ぶっちゃけ、ちょっと精液に似た部分があるです。
その粘り気、喉に絡まる感じ、魚介類の匂い、漢方の苦味……久々に思い出してしまったです。
この手の珍品は商品入れ替えの頻度が高いので、今のうちに飲んでおいた方がいいかもしれませんね。
図書館島でも地下2階の、一番奥まったところの自販機にしか置いて無いのですから……』
―図書館島、地下2階の奥の奥。
宮崎のどかは一冊の本を広げ、チラチラ中身を確認しながら、その休憩スペースに入ってきた。
抱えた本は、もちろん例のアーティファクト。前髪から僅かに覗く顔は、真っ赤に染まっていて。
休憩スペースに目的の自販機があることを確認すると、本に『戻れ』と命じ、カードに戻して懐にしまう。
キョロキョロとあたりを見回し、周囲に誰も居ないことを何度も確め、自販機で飲み物を購入。
もちろんそれは、『とろみ海鮮スープ・中華風』。彼女は恐る恐る一口飲むと、感慨深げに呟いた。
「これが……精液の味……? ネギせんせーのも、きっと……」
あの会話の後。気になってしまい、トイレに行くフリをしてこっそり『読んで』しまった夕映の回想。
祖父との関係にも大いに驚かされたが、しかしそれ以上に気になったのがその液体の味。
珍妙なドリンクの味を元に、乙女の妄想は果てしなく広がっていく。
ネギせんせーの精液……ネギせんせーのおちんちん……
昔の夕映みたいに、ネギせんせーのを咥えて……夕映と一緒に、夕映に教えてもらいながら……
「……何飲んでるのですか、のどか。ソレはあまり一般人受けしない味だと思うのですが」
「ひゃうぇッ!?」
妄想の真っ最中に突然声をかけられ、のどかは飛びあがる。
振り返ればそこに居たのは当の夕映。のどかの妄想を知らぬ夕映は、普段通りの醒めた表情。
「こんな奥まったところで偶然会うというのは珍しいですね。図書委員の仕事ですか?」
「あ、あの、その、あうう……!」
「私はこの自販機目当てで来たですが。ここにしか置いてないものが結構あるです」
「……あ、あたしもう行かなきゃ! ごめんね夕映ッ!」
「あ、のどか!」
淡々とした態度で自販機に向かう夕映、勝手にテンパって逃げ出そうとするのどか。
慌てすぎたのどかは、その場ですっ転んで……手にしていた紙パックが潰れ、中身が飛び出す。
『とろみ海鮮スープ・中華風』、その粘度の高い白濁した液体が、のどかの顔を直撃する。
「へぶッ!?」
「……何やってるですか、のどか。気をつけないと……」
841:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:00:40 N2tAsWlZ0
悲鳴と共に倒れた親友に、夕映は呆れ顔で歩み寄る。
腰を抜かしたままパニックに陥るのどか、その汚れた顔を、なんと夕映はペロリと舐め上げた。
「え……」
「ほら、動かないで。綺麗にしてあげます」
「で、でも……そ、そんな……!」
「勿体無いですから。のどかがどう感じたかは知りませんが、私には好きな味ですし」
「な……な……」
ペロリ。またのどかの頬を夕映の舌がなぞり、白濁した『とろみスープ』を舐め取っていく。
もうその『スープ』がただの『スープ』とは思えなくなっていたのどかは……限界だった。
「ご、ごめん、夕映ッ! もういいからッ!」
「あ、の、のどか!」
夕映を突き飛ばすようにして、のどかはその場から走り去っていく。
その背を呆然と見送りながら、夕映は呟く。
「……全く。あんな顔で出て行ったら、誰かに誤解されますよ……?」
呟いて、ふと夕映はその『誤解』の内容に思い至る。そして思わず赤面。
実は全くそのことに思い至らず、単に綺麗にするためだけに舐め取っていたのだが―あれではまるで。
「まるで、これじゃ……!」
のどかがフェラチオをしてもおかしくない相手。その場に夕映が居合わせる可能性のある(?)相手。
そして、飲みきれずのどかの顔にぶちまけられた精液を、わざわざ夕映が舐め取りたいと思うような相手。
―そんな相手は、1人しか居ない。ここに至って、のどかの妄想と夕映の妄想が一致する。
「な……何アホな妄想してるですか、私はッ!」
それからしばらくの間。
夕映とのどかは互いの顔をまともに見られず、不審がるハルナに散々遊ばれることになるのだが。
まあ、どうでもいい余談である。
図書館島地下2階の自販機では、『とろみ海鮮スープ・中華風』が未だに入れ替えられず、残っている。
それを買うのは2人の女生徒だけに限られていたが、まあこれもまたどうでもいい話かもしれない。
842:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:01:40 N2tAsWlZ0
「ネギせんせい……ネギせんせい……。」
夜空が仄かに紫になる頃、神楽坂明日菜がそろそろ新聞配達に出かけるくらいの時間…
中等部2-A27番、「本屋」の愛称でクラスの知恵袋として親しまれている 宮崎のどか は、
一人ベッドの中で、 担任・ネギ=スプリングフィールド をオカズに、
自慰に耽っていた…………。
―着任当日に転落した自分を助けたネギ―
―親友に曝け出された素顔を見てしまったネギ―
―転んだドサクサに自分のぱんつを見てしまったネギ―
―ドッヂ勝負で崩れかけたクラスの士気を取り戻させたネギ―
―明日菜さえも陥落させた魔球を彼女を庇いながら受け止めたネギ―
気が付いたら、彼が自分の心に住み着いていた…
自分より、5歳も年下、しかも本来ならば「小学生」である年齢にも関わらず。
願わくば、従弟としても、実弟としてでもいいから、彼を欲しいと思った。
しかし現実は、彼は バカレッド・明日菜 と 学園長の孫娘・近衛木乃香 の部屋に住まい、
クラス内でも、 委員長・雪広あやか と バカピンク・佐々木まき絵 を中心とした大半が猛烈な攻勢を仕掛けている。
そして自分は、異性を目の前にすると不慣れな所為か緊張で身がいつも以上に竦んでしまう性質…。
(はぁ……一歩前に踏み出せない、自分が悔しいです………んっ!!)
自分の性質が因して近くに居るのに遠くの存在になっている少年教師に思いを馳せつつ、
のどかは自分の両手の動きを激しくシフトした…。
パジャマの上は前をはだけさせ、下はぱんつごと膝まで下ろしている状態。
声をなるべく殺す為、パジャマの上の一部を噛んでいる。
左手は、まだ膨らみ始めたばかりの薄い胸を指の股で乳首を挟みながら揉みしだき、
右手は、腕が攣るんじゃないかというほど指を深く長く入れ、激しく出し入れしたり自在に曲げたりしている。
(はぁ……ネギせんせいに触れたい・触れられたい・味わいたい・味わわれたい………くうっ!)
彼は、私をどのように扱うか、逆に、私は彼をどう扱うかを頭に描き、そして結果どうなるかを
頭の中でシミュレートして、更に感情を昂らせながら左右の手を更に激しく、
そして秘部に指をもう一本挿入し、狂おしく蠢かせた…。
(ああっ、ネギせんせいの唇が…舌が…指が…そして、おち○ちんが…
だ、駄目っ、そこは……えっ、そ、そんな事まで………あっ駄目、もっと、もっと―――――)
「 ネ ギ せ ん せ ――――――――――!!!!!!!!!! 」
轡代わりのパジャマの生地を無意識の内に放し、想い人の名を叫びながら、のどかは絶頂に達した。
全身は弓なりになりながら痙攣し、小さな口からはみっともなく唾液を垂らし、秘部からは勢い良く愛液が飛ぶ「潮吹き」を行い乍ら…。
843:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:02:36 N2tAsWlZ0
「はぁはぁ……また……空想で済ませてしまったです……もう止めたいのに……現実でしたいのに……」
水仕事後のように愛液でずぶ濡れ、少しふやけた右手と、乱れた着衣に目をやりながら、
余韻に浸りつつ後悔の念に苛まれていた。その時…。
「喪前毎度毎度雄叫び上げながら盛ってんじゃねぇぞ、ゴルァ!」
「ひぃっ!?」
同室の図書館探検部トリオの一人、 セクシー同人女・早乙女ハルナ が、
不機嫌の絶頂とも言える普段では発しないガラの悪い言葉でのどかに怒っていた。
「は、ハルナさん、なんか、言葉が千雨さんみたいですごく怖いですー。」
「千雨みたいな口調で怒りたくなるわよ。いくら旧知の仲ののどかとはいえ。
こう、ここ毎日ネギ先生の名前叫んで盛っているとさ。…怒る以前に恥ずかしいし。
…まぁ、オナニーをするなとは言わないけど、もうちょっと考えて欲しいな。
…絶叫の事だけでなく、ネギ先生に対する想いについても…………………ね?」
「ギクッ……えっ!?」
「ギクッ、って、何を今更。ネギ先生の前での態度は勿論だけど、
わざわざオナニーのネタに使う程だもん、分からない訳ないわよ。」
「………………。」
なるべく友人の前でもあからさまに感付かれないようにしようとしておきながら、自らのミスで
周り…この時点では同室の目の前の友人に見事に心の内がバレてしまい、今更乍らのどかは顔を赤らめる。
「しかし…ついこの間までは男の人の前では何もせずに逃げ出すような娘だったのに。
生きているうちはどんな出会いがあるかわからない、一期一会とはよく言ったものねー。」
「もう、以前の私じゃないですー。」
「でもさ、面と向かえるようになったところで、碌に触れ合えず、
心の殻の中で理想像描いて自慰に耽っているだけじゃ、そのまんまよ。…まぁ、私も人に言えた義理じゃないけどね。」
「はい………………。」
「ま、ここは友人の一人として、役に立つかどうかわからないけど、助け舟出してあげる。
ネギ先生ねぇ、アスナがバイト行く頃にはもう起きていて、そこで朝の準備したり、時折アスナの付き添いしているそうよ。
普通ならみんな寝ているその間の数時間が、誰にも邪魔されずにネギ先生を独占できる時間、ということになるわね。
これは相部屋のこのかの情報だから、もしその時にこのかが起きている場合は運が悪いと思って諦めるしかないけどね…。」
「早朝の出かける前の…数時間………………。」
「その時間に、オナニー我慢して準備して、授業の解らない所訊くのを装って近づいて、今後に上手く繋げていくって寸法よ。」
「…お、お、オナニーは余計です……。」
「その作戦、やってみる自信、ある?あるんだったら、困ったときには助け舟を出し、邪魔なときには退くなど、協力するわ。」
「………………わ、私、やってみます!」
普段の癖である両腕を胸の前にかざすスタイルのまま、小さな拳を強く握り締めて、のどかはハルナの提案を呑んだ。
「おっ、中々強い返事ねー。まぁ、今日は時間が押し迫っているから、明日から早速実行ね!」
「…はい!」
(しっかし、見ていて危なっかしかっただけののどかが、一丁前に恋煩いか……
しかも、私なんかよりもずっと強い想い抱いちゃって……少しだけ悔しいかな?ま、とりあえず、見守ってみますか!)
心の中で負けを納得しつつ、手のかかる妹のようなのどかを応援しようと心に決めたハルナだった。
844:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:04:09 N2tAsWlZ0
早春の晴れた昼下がり、燃料を美味しく補充出来て、それこそ隙あらば爆睡を決めたくなるような環境下、
中等部2-A組では、ちょっと…いや、「かなり」珍しい事態が発生していた。
「く―――……っ!!……んん……く―――……」
(あれ?今日の本屋ちゃん、なんか壊れたロボットみたい……どっかおかしいのかな?)
(あら……流石ののどかさんが居眠り……明日はスキー日和かしら……。)
(アイヤー!本屋の意識が飛んでしまっているアル!これじゃ後で何も聞けないアルよ…。)
クラスメイトは目を疑っていた。あののどかが、授業中に意識が飛んでしまっている事に!
原因は、本人と、気心知れた探検部トリオの後2人ぐらいしか知る由がない。
中学生の身で、全身全霊を込めた自慰を夜毎行っていればツケが何処かに来るのは当然であろう。
もちろん、その異常事態に、この少年も気づいていた。
(宮崎さんが居眠りなんて……それでも机に突っ伏そうとしないようにしてる……
もう見ていられない状態だ……よし、ここは指名する風にして起こして注意を促しておこう。)
「それじゃあ、ここの所の訳を、えーっと、宮崎さんお願いします。」
「―――っえ!?あ、は、はいっ……あっ」
(あ!宮崎さん危ないっ!!!!)
ネギの指名に現実に戻されたのどかは、何とか最低限の体裁はとろうと朦朧とした意識で必死で立ち上がろうとした。
が、立つ勢いが良すぎたか、追い討ちをかける様にのどかの頭を立眩みが襲いかかったのである。
SF映画の廃ビルのように静かに倒れて落ちようとしたその時……。
ぱっか―――ん!!!!
踏み台が黒板側の壁に叩きつけられて破壊された音と同時に
冷たい床にキスをしそうになったのどかはネギの両腕の中に落ちていた。
クラス全員が目前に起きたもう一つの珍事に目を丸くした。
「……宮崎さん、宮崎さんっ!」
「あ!!……せんせい……ご、ごめんなさいです……。」
再度現実に戻り、自分の置かれた状況を把握したのどかは、顔を赤らめつつ、力なく立ち上がり席に戻った。
だが、教室の中は水を打ったような静けさが覆っていた…。
通常のこのクラスなら、このシチュエーションで「お姫様抱っこだー」という感じで囃し立てているであろう。
しかし、普段居眠りしない才媛が死んだようになっていた事、幼さゆえの華奢な感じの教師が驚異的な頼もしさを見せた事、
この二つの異常事態によって、鮮やかなまでの救援劇は沈黙に包まれてしまっていた…。
「宮崎さん。どこか体の調子がおかしいのですか?だとしたら、あまり無理をなさらないでください……。」
「す、すいません………………。」
「取り敢えず、保健室で休んで様子を見たほうがいいでしょう。
保健委員のえー、 和泉亜子 さん。宮崎さんを連れて行ってあげて下さいませんか。」
「あ、はい!」
845:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:04:48 N2tAsWlZ0
のどかに肩を貸し、ゆっくりと保健室に向かう亜子。
それを見送りながら、取り敢えず平静を装い授業を再開するネギ。
「えーと、ちょっとハプニングが起きてしまいましたが、授業を再開します。
今出て行った宮崎さんと和泉さんの為に誰か後でノートを見せてあげてください。」
(しかし……僕自身も不思議だ。宮崎さんが倒れると思った途端に魔法力かなり強めて飛び出すなんて……。
なんだろう、その時起こった感情は……熱いような……それでいて切ないような……………………………。
それにしても、アスナさんやバカレンジャーの皆より会う時間は短いのに、宮崎さんとは何かと縁があるような。)
ネギが授業を再開しだした頃、保健室では――
「あー、なしてこんなときに先生いないかなぁ、アカンわしかし。
それにしたって、ごっつう珍しいわ、のどかがあない見事に眠りこけるなんてなぁ。」
「亜子さん……すいませんです。授業の邪魔したみたいで。」
「別にウチに謝らんでもええねん。それよりのどか、最近、徹夜するほどのめり込んどる事、なんかしとるん?」
「いえ、特には……。というより、普通に寝ているです。」
「あるいは、何か激しい運動するようなったか……?」
「いえ……。」
「あー判った、かなり激しいオナニーとか?それもネギ先生でヤッとるとか。のどか、先生見るとき熱の入った目で見とるからなー。」
(!!!!)
(うわー、ごっつぅ判りやすい子やなぁ、ウチ冗談半分で釣っただけやのに……なーるほど、そういうことなら話は早いわ。)
亜子のトラップに見事に引っかかり、のどかは顔を耳まで赤くした。
「あー冗談や冗談。せやからそない蛸みたいに赤くならんと。別に先生にメロメロになるな言わんし。いいんちょもあーやから。」
「亜子さん……あなたは、ネギせんせいの事、本当はどう思っているのですか……?
確か、ドッヂ決戦の元となった諍いの後、ちらっと「ちょっと情けない」と言っていたように聞こえたですが……。」
「!……そ、それは……。」
探りを入れながらおどける亜子に、淡々と、且つはっきりとした言葉でのどかは反撃を加える。
846:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:05:15 N2tAsWlZ0
「でもその後、何も無かったように良い感じで接していますよね……。
確かにネギせんせいは高畑先生みたく年齢も経験も至っていません。
結果的に、話がこじれて高畑先生が割って入ったそうですが、
ネギせんせいも、静観しないで何とか止めようとしただけ立派です。
そして本戦の時、皆の士気が落ちたとき、やる気を奮い立たせようと入れた檄、
あれがなければ、私を含めてみんな瞬殺されていたでしょう……。
まだ右も左も判らない状態でそこまで引っ張れるネギせんせいは、情けなくなんかないです。
そして………………そう考えると、亜子さんは……ちょっと、調子が良すぎではないかとしか思えません!」
「うぅ…確かに諍いの時はちょっと……思うたけど、流石に自分もあの後
言い過ぎちゃうか考え直したさかい。せやからそこまで言わんでも……な。」
(うわ―――、これはウチの想像の遥か上空行っとるわ。
のどか本気や。こない怖いのどか初めて見たわ。これが所謂愛の力つー奴か……。)
亜子、藪を突いて見事なコブラを出してしまったようである。
「のどか、ちょっと調子乗りすぎたわウチ……
そこまで考えとると知らんと無責任な事言うたり釣ってからかったり……ほんま、堪忍な。」
「判ってもらえればいいですー。流石に今のは自分も大人気無かったし……。」
「ええてええて。しかし、そない考える根底は、やっぱり、先生の着任初日にもあったっつー、今日のような事なん?」
「………………。」
再び頬を赤く染め、亜子の問いにこくり、と首を縦に振る。
「否定はせぇへん、と。しかし、さっきの言葉だけで確証するのもなんやけど、
意外と芯強いんやな、のどかって。それやったら……いいんちょとかまき絵とか、ライバル多いけど、上手くいくかも知れへんな。」
「い、いえ……それ程でもないですー。でもその発言、まき絵さんの前では口が裂けても…。」
「あー、酷いなぁ。確かにまき絵とは同室のよしみで
宜しうやっとるけど、今のそれと関係無しに本心で応援したんやけどなぁ。」
口ではしょげているようだったが、亜子の顔はすぐに大笑いに移れるような緩み方を呈していた。
「くすくす……。ご、ごめんなさいです……。」
「あはははは………………!」
信奉者と元・離反者、雨降って地固まったようだ。
「……ところで、さっきよりも顔色は良くなった様やけど、どないする?復帰するか…用心とるか。」
「一応……今日はゆっくり休んで調子戻しますー。」
「了解。荷物取りに行くときに先生と相方衆には言うておくから、大事にな。それと……健闘、祈ってるで。」
「は、はい!」
「ほんじゃ、ちょいと荷物持ってくるまで待っててやー。」
その日、のどかは、授業を早退した後、図書館島に寄って、数冊、雑誌と書物を借りて寮に戻っていった……。
847:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:07:29 N2tAsWlZ0
「ただいまー、のどか。……あれ、もう寝てる。」
(あ、そっか。『例の作戦』の為に寝てるんだ…。)
気を遣い、なるべく音を立てないように動くハルナ。
明日の準備をしようとしていたとき、不意に、のどかが借りた本に目がいく。
(ん?医学書っぽい本に写真週刊誌のストック…何に使うんだろ…ちょっと見ちゃえ…………な、何じゃこりゃぁああ!!)
その本の中身に、ハルナは心で叫ぶ事を禁じえなかった様である。
(あ、あは、あははははは…………同人誌でも試してない事を……
私の想像の遥か上飛んじゃってる…じゃなくて、のどかちょっとそれは先走りすぎだよー。)
一体ハルナは何を見て戦慄しているのだろうか?
「ただいまです…。」
(のどかはともかく、なんでハルナまで寝ているですか…?)
安らかな寝息をたてて寝ているのどかと、何かに怯えるように蹲って布団虫になっているハルナを見て、
原因を目で探る夕映。そして、のどかの机にあった先ほどの蔵書を見つけ、目を通し……そして、口元を歪めた。
(ふふ……これで、朝の件以上にのどかの本気が判りました。
しかし明日はバカレンジャーの居残りテスト……ここは一つ、二人の為に一肌脱ぐとしましょう!)
特殊部隊を彷彿とさせる、普段はパジャマ代わりの抹茶色のツナギを纏い、軽装備で夜の図書館島へ出向いていった…。
今回は人助けという事で明日菜の御咎めを受けなかったネギ。
明日の労働のために既に寝た明日菜をよそに、明日の授業と小テストの準備をしながら物思いに耽っていた。
(むー、何なんだろう。アレ以降、どんなに集中しようにも宮崎さんの事が頭をよぎる……。
確かに、バカレンジャーや木乃香さんより会う事は少なくても、中身は濃密だよなぁ。
図書館での一悶着、彼女の友達による前髪御開帳、それと、着任初日と今日の救出劇…。
特に今日は、助けたあと、何となく、胸の中が甘酸っぱい感じで一杯になっていたし………。)
「ネーギ君っ、何仕事止めて考え事してるん?」
木乃香が、ホットレモネードを持ってきてネギの様子を伺った。
「あ、木乃香さん。いや、今日もまた色々とあったなー、と思いまして。」
「本屋ちゃん救出とか、本屋ちゃん救出とか、本屋ちゃん救出とか?」
「ぶ―――――!!!!!ななななな、何言い出すのですか!?」
「あははは、やっぱり。そんな事やろ思たわ。」
木乃香に図星を突かれ、レモネードを噴き出してしまうネギ。
「まぁ、確かにその通りなんですが…。教師として、なるべくなら不平等無く
皆と接していきたいと思っているのですが、今日はどういうことだか、そういう考えが飛んでしまって…。
気が付いたら、まぁ、木乃香さんの読み通り、宮崎さんのことばかり考えているな――――、と。」
「なるほどなー。まぁ、たまたま本屋ちゃんとの間で衝撃的な事が重なったからとちゃうんかな?
せやから、あまり気にする事はないんちゃう?もうちょっと教師続けてみれば、他の子とも色々あるから、それで釣り合う思うけど。」
848:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:08:31 N2tAsWlZ0
「そ、そうですか…。だといいんんですが……。」
「ふふ。まぁ、ウチもあくまで生徒の身やから、あまり自信持てないけどな。…ささっ、早く仕事片付けて寝よっか?」
「あ、はい。それじゃ、もうちょっとやってから寝ます。」
「了―解。」
(……と、当たり障り無く答えてみたけど、ネギ君、本屋ちゃんに淡いながらも好意を抱いているなぁ、これは。
多分本屋ちゃんもネギ君のことは満更ではなさそうな感じやしな…アスナ、もうちょっと素直にならな、いつまでたってもバカレッドやで。)
良きお姉さんを演じつつも、しっかり裏を読んでいる木乃香。流石は学園長の血を引く存在である。
翌朝午前4時すぎ。
「あ、おはよう、ネギ坊主。どうしたの?夕べはいつものようにアタシのベッドに潜り込んだりしないで。」
「僕だって……いつまでもそこまでの子供のままではいませんよ。」
「ふーん、変なの……。一丁前に大人ぶっちゃって。この時間生かして魔法の練習でもしてなさい。そんじゃ、行って来るね!」
「いってらっしゃい、アスナさん。」
(……でも何か調子狂うな。最近ではアイツが潜って来るのも満更じゃなくなったのに。
……不正直な自分の自業自得か。ま、私には高畑先生がいるしね―――――!)
―――明日菜、永続バカレッド、確定―――
「さて…木乃香さんは寝ているし、今日の準備は済んでいるし、出かけるまで魔法の練習しておくか。」
教師としてのいつもの正装を纏い、魔法の練習のために寮の裏の広場に出ようとするネギ。
しかし、目の前に、部活には早いのに制服に着替えてうろついている生徒を見かけ、誰であるか気づいた。
「ん……誰かなー、アスナさん以外でこんな朝早くに……
あれ、まさか………………宮崎さん?!……宮崎さーん!」
「……あ!お、おはようございます……ネギせんせい。」
「どうしたんですか?こんな朝早くに。まだ寝ていてもいいんですよ。」
「い、いえ……今日はたまたま、目が覚めてしまったので、散歩でもしようかと……。
あ!えっと……昨日、早退して聞いていなかった所、やっておこうと思うのですが…ダメですか?」
「いえ、僕は構いませんよ。しかし、誰から僕がこの時間に起きている事を聞いたか知りませんが、殊勝な心がけです。」
「そ、それ程でもないですー。……あ、教科書とノート、取りに部屋に戻るので待っててくださいー。」
一欠片の勇気を振り絞ってネギと対面したのどか。なんとかきっかけを掴もうと授業の質問という形で近づいた。
849:名無しさんの次レスにご期待下さい
08/06/12 13:09:26 N2tAsWlZ0
そして、寮の玄関前のロビーにて……
「……ふむふむ。ふむふむふむ。全く問題ありません。
すごいですよ。これだけ短時間で理解できるなんて。昨日の所だけでなく次の所まで。」
「あ…ありがとうございますー。」
「何となくですが、宮崎さんが皆から「本屋」と呼ばれている理由がわかった気がします。」
「……ネギせんせいまでそういう事言うとは思わなかったです……。」
「あ、ご、ご、ごめんなさい!!気に障ってしまいましたか?」
「くすくす……いいんです。もう慣れっこですので……。」
「あ、あは、あはは…………。
えっと、他には、何か質問はありませんか?授業の事だけでなく、クラスの事とか、生活態度とか。」
「あの……着任して早々忙しかったみたいなのであまり知らないのですが、
ネギせんせいの事とかについて……色々とお話をしたいのですが……ダメ、ですか。」
「え?ええ……まだ時間はいっぱいあるので、いいですよ。聞きたい事があれば、何なりと。」
(なななな、何で僕の事を……。でも何でだろう、あまり気恥ずかしいと思わないな。魔法以外の事だったら…。)
のどか、早い目覚めで少しハイになったのか、普段では考えられない大胆なもう一歩を踏み出した。
「えっと……いま、居候している部屋の、アスナさんの事は、どう思っているのですか…?」
「んー、皆の評判どおり、粗野で、凶暴で、言いたい事をズケズケいう、怖い人です。
でも、時折、生徒として、或いは人として至極真っ当なことを言う、良い面を持っています。
まぁ、性格が性格だからか、たまにそれだけの事を言っておきながら自分を律せない事があるようですが。
今同室しているのは、さっきの良い所と、自分の姉に雰囲気が似ている所に惹かれたから、かな?そんな所です。」
「そうですか…………。」
(なんで、アスナさんの事を僕から訊く必要があるんだろう……。まさか……ねぇ?)
この時点で、そのまさかが、現実となり、自分の世界を変えるとは、ネギには夢にも思わないであろう。
「あ、あの……。」
「は、はい?」
「私の事は……せんせいから見て、どう思いますか?どんな事でも言って構いません!」
(宮崎さん、なんで、こんな事でムキになっているのかな?
顔赤くして……でも、何か、愛おしく感じる……。この際、嘘を言うのは止めよう。)
「率直に言うと、宮崎さんは、端から見て、危なっかしく思えてくるのです。
引っ込み思案だったり、あまりイヤな事をイヤと言えなかったり、よく逃げたり、転んだり。」
(!!!!そ、そんな…………。)
いきなり、ネギに神妙な顔で自分の短所をハッキリと言われ、落胆しかけるのどか。しかし……。