09/04/16 13:38:39 DpafQe30O
改めて言うまでもないが、スポーツは相手がいなければ成立しない。試合中は「敵意」をむき出しに
するのもいいが、試合後はそれを「敬意」に変えなければならない。これはルールではなくマナーの問題だ。
腹立たしさを通り越して寂しい気持ちになったのは私だけではあるまい。
韓国スポーツ界の名誉のために言っておくが、尊敬できる選手もたくさんいる。韓国人Jリーガー第1号の盧廷潤。
今から16年前、米国W杯出場を巡り、苦戦を強いられていた日本代表を勇気付けるため、
彼は敵陣にキムチを送ったのだ。「あの時ほど彼の優しさを感じたことはない」。
サンフレッチェで同僚だった森保一はしみじみと語っていた。たかがキムチと言うなかれ。
隣人に対するさりげない気遣い。彼こそは本物のスポーツマンだった。
相撲に視線を移せば、初場所、優勝を決めた直後の横綱・朝青龍の土俵上でのガッツポーズ。
敗者に対するいたわりがまるで感じられなかった。「喜びを表現するのは自然な行為だ」と弁護する声もあるが、
他者への敬意よりも優先するものではあるまい。「他者不在」のミーイズム。
その向こうには草木も生えぬ荒漠たる風景が広がっている。
<この原稿は09年4月15日付『スポーツニッポン』に掲載されています>
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(了)