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■元・北海道日本ハムファイターズ内野手・二岡智宏さん（55歳）
プロ野球の盟主として8年連続日本一と躍進が続く北海道日本ハムファイターズ。
いまや北の大地と象徴として道民に愛される無くてははならない存在だ。
しかし、平成10年代末期に移転してきたばかりのころはかつての盟主だった巨人の
人気に押され気味で大変な苦労をしいられたこともあったのだ。
その巨人から放逐同然でやってきた一人の男がいたことを覚えているだろうか？
"北の狼"とも呼ばれたスラッガー、二岡智宏さんは今……
「北海道に来たころよりも来る前のことの方が鮮明に覚えてますね。いい思い出ではありませんが…」という二岡さん。
「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。"モナ岡"って野次られて苦しんでる夢を。
今考えると若気の至りでしたね。悔やんでも悔やみきれませんよ。｣
巨人の正レギュラーとしてその人気は不動のものだったがある事件が彼の人生を狂わせた。
「実は最初は広島へ行く予定だったんですよね。それが強引に巨人に引き抜かれたんです。
巨人ではちやほやされましたが去ることが決まったとき周りの人間は急速に離れていった。
あるOBからは二度と巨人OBを名乗らないでくれと釘をさされましたよ。」
しかし追われるようにやってきた日本ハムで二岡さんは奮起する。
「地元のオープン戦の初打席で見送りの三振だったんですが、スタンドから大きな声援が送られました。
もうありがたくて涙がでましたよ。この球団でがんばろう。北海道に骨を埋めようと強く誓いました。」
その後の活躍はここで記すまでも無いだろう。
ファイターズの不動の4番として長年に渡ってチームを牽引。その勝負強い打撃で何度も日本ハムの
勝利に貢献してきた。
現在は富良野の広大な大地で酪農を営んでいる。
「どうですこの乳牛。毎朝いい乳がとれるんですよ」と慣れた手つきで乳を搾る。
かつての古巣だった巨人について尋ねると……
「そうですね……。内海監督も相当苦労してるようですね。こないだコーチとしてお呼びがかかったんですけどお断りしました。
なにしろ巨人OBは名乗らないでくれとのことですからね(笑)」
かつて札幌ドームを沸かせた強打者は、第2の人生でホームランをかっ飛ばしている。