08/09/30 22:44:16 JqdHgaMkO
2
385:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/02 01:16:01 TreRthc90
>368
今更ですが見ました!ありがとうございます!
動け俺の手…!
386:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/03 01:00:10 Ku6SNybR0
見守るスレ いつのまにか落ちたな
387:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/04 02:19:02 dT3JtViIO
保守
388:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/04 04:14:05 2aFq4IrT0
>>385
待ってますから気長に書いてください。
保守
389:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/04 09:04:43 gqPfSRTpO
保守
390:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/04 15:22:44 diLiKkku0
ほほす
391:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/05 15:32:54 XAX0ZOdN0
ほ
392:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/05 23:34:47 jQ8KSuswO
檻バト止まったゃったね保守
393:猫50 ◆rZmes0SmeE
08/10/06 19:49:43 94ZpYXzv0
>>356
109.スタンド・バイ・ミー
「まじかよ……こんな」
暴かれたのは無残な現実だった。
空虚で殺風景な本堂の畳の上に放置された凄惨な遺体、そんな現実を受け入れ
られない思いがそのまま呻き声として片岡の喉を震わせる。
ぎこちなくふらふらと近寄ろうとするが、酸化しはじめた血の臭気が瞬間
鼻についたような気がして、顔を背けて足を止める。近寄ろうとしながらも
どうしても近づけず、腰が抜けたようにへなへなと片岡は床に座り込んだ。
無意識に呼吸が荒くなり、鼓動がつられてテンポを上げた。
次第に片岡の脳内で何かが氷解していく。
つまり、これが今の自分に突きつけられた現実という奴なのだ。
くそやくたいもない現実とかつて自分が嘯いて理解していたはずのそれは、
実際はただ理解していたつもりでしかなく、本当はひとかけらも理解して
いなかったのだ。
友達を、こんな形で喪うということが、こんなにも身を切られるような思いが
するということを、かけらも理解していなかった。
「なんで……俺は生きてるんだ?」
「待て!」
片岡の動きに西口が危険を感じたのか、行く手を遮るように腕を伸ばす。
だがその手は空を切った。一瞬早く片岡は制止をすりぬけて、夜闇の中へ
駆け出した。
ただ駆ける、駆ける、駆ける。
―風になればいい、みんな死んでしまえ、どうせみんな死んでしまうんだ。
―死んでやる!綺麗に、完璧に、正しく死んでやる!
「あ、山茶花」
細い路地を行く目に映る赤い花に、中島が足を止め声を上げる。
394:猫50 ◆rZmes0SmeE
08/10/06 19:50:51 94ZpYXzv0
つられて佐藤友も足を止め、花の色に目を細める。
「いや、椿か。どちらかだな」
「どっちなんですか?」
「枯れればわかる。椿なら首から、山茶花なら花弁が一枚一枚枯れていく。
死んではじめて、自分が何ものであるかを悟るってね。
ところで、この向こうって禁止エリアだよな」
「うん、もうなってますね」
「こっちの集落は危険かもな。後で和田さんに言ってみよう」
無理に話題を変えたような不自然さが不吉な感覚をもって中島の心に影を落とした。
ひたひたと迫る不安感に、変わった話題に無理に乗る。
「結局おりませんでしたね。収穫と言えそうなのはそのPSPくらい」
点々と残る血痕を辿り、付近を捜索したが発見したのは荷物を整理した跡なのか
PSPがあるだけ。中島の手に渡してある。
「いいのか悪いのか。星を見逃してるくらいだし、余裕がないのは確かなんだがな」
「星、大丈夫なんでしょうか?」
「どうだかな。星の体力次第だろうな」
「戻りますか?」
会話が途切れたその隙間に異音が割り込んだ。誰かの叫び声のようだ。
ためらいなく佐藤友の手が銃把を握り、つられて中島も銃を探る。
「ナカジ、それ、弾込めてるか?」
「……いいえ」
「じゃ、しまっとけ。意味がない」
闇の向こうからアスファルトを蹴る足音がかすかに届く。誰かがこちらに走ってくる。
威嚇の為に一発撃っておこう。佐藤友はそう判断し闇へ向けて構えるが、
それを制止するかのように、人の叫び声が足音に被さった。
「とーーめーーてぇーーーーーー」
どこか間延びした叫びだった。
即座に銃を仕舞い振り向くと、中島が既に斜め後ろの位置でバックアップに
ついていた。正面に目を向けると、暗闇の向こうから人影が飛び込んでくる。
早い。
片岡か?と疑問に思う間があったかどうか。ともかく進行方向をブロックした
佐藤友を、片岡は佐藤友の左側へ抜けようとする。
395:猫50 ◆rZmes0SmeE
08/10/06 19:52:17 94ZpYXzv0
その動きに対して左側へと重心を動かしたその動きを待っていたかのように、
片岡の右足が強く地面を蹴り、急角度で逆へ回りこむ。
フェイントに引っ掛けられたと軽く舌打ちしつつ、左足を踏ん張ろうとする。
「っ、待て!」
痛む踵に行動の遅れができる。その遅れだけで十分と、片岡は佐藤友の右を抜き、
飛び出した。が、中島に止められる。
「放せよ!」
「はーなーしーちゃーーだめーーー」
間延びした叫びが向こうから聞こえる。
「放すな!」
「わかってる、暴れるから!」
片岡の右腕をつかんで中島が力任せに引き寄せ、取った腕を固めようとする。
引き寄せる力に呼吸を合わせ中島の懐に飛び込むと、左肘を打ちつけた。
「!」
まともに顎に入った肘に目が眩んだ中島の手が緩む。片岡は緩んだ手を振り解くが、
佐藤友が後ろからその肩を捕まえる。
「そっちは禁止エリア、―!」
厳しい警告の声を無視して、片岡は無言の後ろ蹴りを喰らわせる。
いきなりのローブローに佐藤友は脂汗を流して地面に崩れ落ちた。
悲鳴を上げる余裕もない。
再び駆け出そうとする片岡に中島が足をねらって後ろからのスライディングを
敢行する。足をとられて地面に転がった片岡はすぐに跳ね起きようと手足を動かすが、
それより先に中島が地面に押さえ込みようやく取り押さえる。
「助かる!」
叫びとともに遅れて西口が現れる。
ぱん!と小さな乾いた音とともに片岡の両頬を両手で挟むように軽く叩くと、
そのまま両手で両頬を包むとじっと見つめる。
「落ち着いてよ。ほんまにもう」
西口の声には安堵と心配が色濃く現れているが、ともかく片岡を捕まえたことに
安心したのか少し日に焼けている地黒の顔は柔らかい表情を見せている。
「……―ひっく」
片岡が泣き出した。
396:猫50 ◆rZmes0SmeE
08/10/06 19:53:52 94ZpYXzv0
派手に泣いている片岡を中島が面倒を見ているのを横目に、ようやく痛覚から
解放された佐藤友が西口を訝しげに一瞥する。
「説明してくれます?このままじゃ蹴られ損です」
明らかに不機嫌な表情を認めて、困った顔で西口が片岡を見ると、まだ中島が
宥めている最中だった。
「パニック起こして飛び出しよったんやわ」
片岡が落ち着くまでの時間で充分だろうと西口は判断して話し始める。
「それは見たらわかります。何でああまで取り乱したんです?」
「死体探しさ。さんぺーのね」
さらりと西口が口にした言葉は確かにああまで取り乱す理由には成ると思ったが、
わざわざ探した理由が解せず、訝しげな眼差しがよりきつくなる。
「いきなりで刺激が強すぎたんかな」
他人事っぽく茶化しながらも目は真剣だ。
片岡を試しているな、佐藤友はようやくそのことに感づく。
「ここにあるものは本物なのか贋物なのか。ヤスは本物に気がついた。気がついて
しもたなら、それによって何か変わるかもしれんし、あるいは何も変わらん
かもしれへん。ピエロになるかヒーローになるか、さてどないするかな?」
「鍛えるつもりですか?」
「まあ、こっちの事情やね。はよ使いもんになるようにせんと共倒れになるから」
「訳アリですか」
「そういうこと」
前途に立ちはだかる障害を思い、自然に会話が途切れる。
「化けなかったらどうするんですか?」
答えを求めた問いではないが、佐藤友の問いに西口は答えなかった。
振り返り西口の横顔を睨んでみるがその表情はいつものように飄々とつかみ所が
なく内心を読み取ることは出来ない。
仕方なく正面に視線を戻し、片岡と中島が落ち着くのを待つことにすると、
直ぐに二人とも現れた。
泣いていた片岡の目は充血し、泣き止んだばかりの顔はいまだにゆがんでいる。
「俺は、止めさせる。絶対に止めさせるんだ」
397:猫50 ◆rZmes0SmeE
08/10/06 19:55:12 94ZpYXzv0
そう宣言すると、ひっく、とまたしゃくりあげる声が漏れた。
西口はいつものように笑みを口の端に上らせてそれを見ているが、その表情が
一変するのは片岡が頓狂な調子で膝を叩いて叫んだからだ。
「そうだよ、あのままじゃ可哀想だ」
「ちょっと、ヤス、置いてかんでよ」
何かを思いついたらしい片岡がいきなり踵を反し、来た方へと駆け出していく。
西口の存在をすっかり忘れたかのような行動に、慌てて片岡の後を追って
西口も駆け出していってしまった。
「どうする?」
嵐のように現れて去っていった二人組みを見送って佐藤友は中島に尋ねる。
「友亮さんは?」
「行ってみるかな。気になる」
「気になるのは一緒です」
決まりとばかり、二人とも彼らの後を追った。
息を切らせ駆ける暗い道のりは別段行きも帰りも変わりあるわけでなく、
暗闇に時折ともる街路の灯りを頼りにひた走るアスファルトの路面に乾いた足音を
高く響かせるが、ただ目に映る風景のその黒は変わらずとも、駆け抜ける想いの
色合いに変わるものがあるのなら、その差に受け取る感情は変容するだろう。
変容。西口が片岡に望んだそれは今、確かにそこにあった。
変容。誰も望まなかったそれは今、栗山の精神を食んでいる。
寒々しい程に静まり返った本堂に闇が色濃く漂う。
夜明け前、空気は肌を刺すほどに深々と冷えて、静けさに拍車をかけているが
冷えた空気でも誤魔化せない、かすかに鼻が嗅ぎ取ったのは死臭だろうか。
音も立てずに闇の中で闇色の影がそろりと蠢いて、とん、と軽く何かを投げると、
ぼっ、と音を立てて燃え上がった炎は、ガソリンと火薬と煙と煤の臭いと共に、
形容し難い、否、したくない蛋白質の焦げるような臭いを伴って周囲を明るく
切り取った。
炎の明暗の中、照り返しを受けて半身を朱の色に揺らめかせ、延びた影が
398:猫50 ◆rZmes0SmeE
08/10/06 19:56:26 94ZpYXzv0
ゆらりと動いた。
人の気配をさせていない。その様は幽鬼。地獄より這い出づるあやかし。
「クリ!」
片岡の声は悲鳴に近い。
幽鬼の気配を揺るがせて、栗山は少し困ったように首をかしげた。
「見られたくはなかったんですが、しゃーないですね」
中島が僅かな躊躇いの後、確認するように簡潔に問う。
「クリ、ちゃうよな?」
「いや。―俺が、殺したんです」
煙と煤と胸の悪くなる臭いに息苦しさを感じて喉のあたりを無意識に押さえる。
寄せる熱気と寒気が渦を巻き、明暗の翳りがゆらゆらと波紋のように揺れた。
佐藤友は銃を握る。栗山の告白に衝撃を受けなかったわけではないが、
結局自分が今出来ることはそれだけだ。
だが、片岡にとっては衝撃をそのままに叫ぶ。
「なんで殺したんだよ?」
能面のように硬く、およそ表情の窺い知れない彫りの深い面が憂いを帯びて俯いた。
憂い顔の彫像のように固まっている栗山にたたみかけるように片岡は問い詰める。
「お前それでいいのかよ!みんな死んじゃっても、いいって言うのかよ!」
「ひとつ、このゲームが早く終わるように、定数に達するまで殺す。
ひとつ、生き残るために全力を尽くす」
片岡の問いを聞いていないのか答えたくないのか、言葉はまるきり違うことを囀り
眼差しは炎の揺らめきを虚ろに反射する。
栗山の様子に言葉を失い、中島は立ち竦む。思いの丈を口に出そうとしても
それら全てが届かない、届かないと分かってしまうから立ち竦む。
立ち竦む中島を差し置いて、片岡は、それでもなお叫ぶ。
「俺達さ、友達だったよな。なのになんで、なんでここに居ないんだよ!」
栗山が俯いた面を上げる。
表情は当初の硬さを取り戻し、取り付く島のない冷厳さを漂わせた幽鬼の腕が
ゆるりと上がる。右手の先に握られた鋼が炎を反射してぎらりと禍々しくも
鈍く光り、殺意を強く匂わせた。
お喋りの時間が終わったことを感じ取った西口がシャベルを無言で握りしめると
栗山の挙動に意識を集中し備える。
399:猫50 ◆rZmes0SmeE
08/10/06 19:57:34 94ZpYXzv0
次の挙動で、栗山がこちらを殲滅にかかるのは明らかだった。
そして中島と片岡が戦えないのもほぼ明らかだった。
「死んでもらえます?」
栗山の言葉に片岡がよろめくように一歩下がる。届かぬ言葉の虚しさに肩を震わせ
無力感に打ちひしがれながら、残酷な事実を知った。
もう一緒には居られない。栗山とも、中村とも。
【残り28人】
400:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/06 20:41:56 yoDq1pJf0
400
401:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/08 01:34:52 kV8B+LI+0
ほ
402:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/09 01:35:10 dfch8Gvm0
403:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/09 19:12:32 /Es3Ru66O
猫新作乙!
片岡、栗山、中島、中村、みんな今年大活躍だもんなあ……
そう考えると尚更胸の痛むやり取りだ
404:代打名無し@実況は野球ch板で
08/10/10 07:15:31 Av8+duwoO
ほ