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東大、親の年収400万円未満なら授業料ゼロ 2007年11月05日13時48分
東京大学が来年度から親の年収(給与所得)が400万円未満の学部生の授業料
を無条件でゼロにする。免除になる収入額を事前に示して対象も拡大、経済的に
恵まれない家庭からも受験しやすくする。国立大では初めてで、「教育の機会均等を
保障したい」としているが、優秀な学生の獲得につなげたいという狙いものぞく。
東大の学部生の授業料は年額53万5800円。これまでは、免除額の合計を授業
料収入の一定割合(5.8%)とする国の基準に従っていたため、収入がいくらなら
免除になるかは入学後の審査まで決まらなかった。
今年度に全額免除となったのは、4人家族の標準的な家庭で年収350万円程度
まで、扶養家族が多い場合などは700万円程度まで。ただ、この方式では自分が
免除になるかどうかは事前には分からないため、安心して受験できないという問題
があった。
そこで東大は、免除になる収入額を事前に示し、国の基準を上回った部分は東大
自身が負担する方式に改める。負担額は2000万~4000万円程度と見込んで
おり、経費の節減などで工面する。
東大の05年の調査によると、親の年収が950万円以上の学生は51%に達する
が、450万円未満の学生も14%いる。新方式になれば、経済的な理由から地元の
国立大に進んでいた優秀な学生が東大を選びやすくなると予想される。
平尾公彦副学長は「東大生の親は裕福と言われるが必ずしもそうではない。経済
的に恵まれない家庭の方にも『あきらめずに受験してほしい』というメッセージを送り
たい」と話している。
東大は、大学院博士課程でも来年度から大半の学生の授業料を実質ゼロにする
ことを決めている。