07/08/26 22:58:38 y8haedUs0
誇りを持とう王道を歩くのだ
先生の蔵書は、天文学や物理学の専門書だけではなかった。文才に恵まれ語学のほかに書画音楽の芸術分野にも並々でない才能を示した先生であったから、幅広いジャンルに及んでいた。
本学の創設にあたり蔵書は寄贈されて、荒木文庫として本学の図書館におさまった。書画、骨董の収集家でもあったが、大学創設の資金不足を補うために売り払われた。
荒木家に残ったのは、教育にかけた先生の魂であった。
「やぁ、おめでとう」。卒業式や修了式で、先生は学生や院生の若々しい手を握りしめた。そこには生涯をかけて築いた宝物が輝いていた。