08/02/23 00:08:49 uqfuyvjX0
「つり橋効果」よろしく、人は自身の心の揺れ動きの理由を把握できる生き物ではないらしい。
何かに心酔した時、その理由・・・というか真の要因を正確に分析できる人も多分稀だ。
にもかかわらず、一度何かを支持しファンになるとなかなか抜け出せない。支持活動を重ねるほど、作品ではなく実は自分の判断力を正当化するための「信仰」となっていく。
売り手側ももちろんそこを突いてくる。
内容がそこそこ程度なら、外ッ面や売り込み方で(広告論の細かい話になるので説明は省略)で祭り上げることは可能だ。
若い世代向けの他作品を見ると、デスノートは小畑画じゃなかったらトリックを真面目に眺めることもできないと自分は思うのだが、映画化後の売り込みは遠慮が無かった。
ハルヒなんかは明らかに角川の過剰なプッシュの賜物に見えた。そういった戦略のもとに生まれた「ファン」を、自己分析できない人たちなどと言うわけでは全く無い。それが普通だと思う。ただ、彼らに限らずファンの母体数が増加すれば集団心理で神格化の類が始まる。
説明が被るが、持ち上げる以上全くつまらない作品ではもちろん無い。問題は、今これらの作品は、冷静な新規読者にどう評価されているかということで(特に後者・・・)、そしてこういった神格化の氾濫が幾度似たような事態を繰り返しているという点。
ではやはり神格化されているHUNTER×HUNTERはどうか。自分は作者の態度に愛想が尽きたし、つまらなければオサラバという状態で手に取った最新の24巻。
やっぱり面白い。圧倒的に。
映画で例えるなら演出や編集が神がかり的で、1Pごとの意味の濃さが他のマンガの数倍はある。本質だけを的確に捉えた知識がネームを心地良い予兆で埋め尽くし、期待と想像力を常に最高レベルで味わわせてくれる。
台詞の量が別段凄いのではない。台詞が画面を埋め尽くしても内容がスカスカのマンガに心当たりがあるけども、むしろその逆だと言える。
そして、見た目とは対照的に内面が記号化されていない登場人物、共感や感情移入に頼らない非常に高度なドラマ。
この作品は、やはり純粋な実力で今の地位を築いたと思って断言していい。数年間メディアからほぼ完全に姿を消しても最高峰作品としての支持は全く衰えず、そして作者を最低の人間と罵る人ですらそのクオリティは否定しないのだ。
戦略的に売り込まれた作品にはまずこの芸当は無理だ。